
年末年始イベント後に余った食品、どう売り切る?賞味期限、ブランド価値、販路選び…悩みを抱える食品業者さんへ。
現実的でエシカルな在庫処分の選択肢を、やさしく解説します。
目次を見て必要なところから読んでみてください。
年末年始イベント後に食品卸が抱える3つの悩み
年末年始のイベントが終わると、食品業者さんのもとには季節限定の商品や、思ったより売れ残ってしまった在庫が残ることがあります。年の瀬のにぎわいを支えるために、少し多めに仕入れるのは当然のこと。でも、その「ちょっと多め」があとで悩みに変わってしまうことも少なくありません。
ここでは、そんな年末年始明けに直面しやすい3つの課題について、一緒に見ていきたいと思います。
余った季節商品、賞味期限との戦い
イベント用の限定パッケージや、お正月仕様の食品などは、売れるタイミングが限られているものが多いですよね。おせちの具材や、お年賀用のお菓子などは特にそうです。
「あと数日早く売れていたら…」「もう少し早く値下げしていれば…」と、後悔する声を何度も聞いたことがあります。
とくに悩ましいのが、賞味期限が迫っている商品。まだまだ品質には問題がないのに、取引先にはもう提案しづらい、というケースもあると思います。
そのまま廃棄してしまうのはもったいない。でも、どうやって販売すればいいのか…。“時間との勝負”になることも多く、判断を急がされるのが、この季節の難しさです。
通常ルートでは売り切れない現実
イベントが終わったあと、従来の取引先や販売チャネルでは消化できないことも多いのが現実です。
特に、地域のスーパーやドラッグストアなどでは、「もう次の企画が始まっているから」と断られることも。
また、小売側も売り場に限りがあるので、シーズンオフの商品は早めに棚から下ろしたいという事情があります。
そうなると、販売のチャンスがどんどん減ってしまい、「どこにも出せない…」という声を聞くこともしばしばです。
つまり、年末年始の余剰在庫は、既存のルートでは売り切るのが難しいという現実と向き合わなければならないということです。
安売りによるブランド毀損リスク
そしてもうひとつ大きな悩みが、「安売りしたらブランド価値が下がるのでは?」という不安です。
とくに、こだわりのある商品や、パッケージに力を入れている食品ほど、「安く見られたくない」という気持ちが強くなります。
いくら在庫を現金化したいからといって、大手ECモールで投げ売りしてしまえば、次のシーズンの売上に影響することもあります。
ブランドを大切にしてきた企業ほど、「値崩れした価格で名前が出回ってしまうのは困る」と感じているのではないでしょうか。
そんなときに必要なのは、“売る場所”の選び方です。
安さだけでなく、「この商品にはこんな背景がある」「まだ価値があるんです」と伝えながら、価格とブランドを両立できる販路を見つけることが、これからの時代のカギになると思います。
✅ ポイントまとめ:
- 季節商品の“売り時”は一瞬。見逃すと賞味期限が壁に
- 通常チャネルでは余剰分をさばききれない
- 安売りのしすぎは、ブランドイメージを傷つけるリスクも
次のセクションでは、こうした課題に向き合いながら、無理なく・エシカルに・ちゃんと売り切るための方法をご紹介していきます。
余剰在庫を無理なく現金化する3つの販路戦略

賞味期限が近づく商品や、イベントが終わって売り場から下げられてしまった食品たち。まだ“ちゃんとおいしい”のに、このまま廃棄されてしまうのは、本当にもったいないことです。
でも、焦って安く売りすぎると、ブランドイメージを損なうリスクも…。
そんなときに頼りになるのが、「適切な販路の選定」です。
ここでは、食品卸の方が年末年始後に“無理なく”“ブランドを守りながら”在庫を現金化するための販路戦略を3つご紹介します。
アウトレット販売で「賞味期限×値ごろ感」を活かす
まずひとつめは、「アウトレット販売」です。
アウトレットと聞くと、アパレルや家電のイメージが強いかもしれませんが、実は食品でも立派な販路になります。
たとえば「賞味期限まであと30日」といった商品でも、「訳あり品」としてしっかり説明したうえで、お得に販売すれば、消費者の側も納得して買ってくれるケースが多いんです。
✅ アウトレット販売が向いている在庫例:
- シーズンパッケージで通常ルートに戻せないもの
- 箱に少し傷があるけれど中身は問題ない商品
- 一括仕入れのロットで余った端数
ここで大切なのは、「ただの値下げ販売」にしないこと。
“もったいない”に共感してくれる購入者との出会いをつくることが、エシカルな流通の第一歩になります。
BtoBマッチングによる業務用転売ルートの活用
2つ目は、BtoBマッチングサービスを活用した業務用ルートです。
外食産業や介護施設、学校給食など、“個包装や外装にこだわらない”事業者向けの販路も視野に入れてみてください。
たとえば、「イベント用のパッケージだけど中身は通常商品と同じ」なんてとき、業務用での需要があるケースは少なくありません。
また最近は、事業者と在庫保有者をつなぐ専門プラットフォームも増えてきました。
表:業務用販路での取り扱いがしやすい食品ジャンル
ジャンル | 特徴 |
---|---|
レトルト食品 | 賞味期限が比較的長く、ニーズ安定 |
加工冷凍食品 | 業務用厨房での取り扱いがしやすい |
調味料・スープ類 | 原価調整しやすく使い勝手が良い |
※業務用ルートは「大容量でもOK」「外装に左右されない」など、独自の需要が存在します。
こうした販路を持つことで、「もう一般販売は難しいかも…」と思われた商品も、“価値ある食材”として再活用することができます。
小ロット・会員限定販売でブランド保護も両立
最後にご紹介するのが、「クローズド販路」×「会員制」の販売モデル。
これは、ブランドを守りながら、余剰在庫を消費者に届けるスマートな方法です。
具体的には、会員制のエシカルECなどで、購入者を限定し、一般市場の価格に影響を与えない設計にすることがポイント。
オープンに見せつつも、購買行動をクローズドにすることで、取引先や既存顧客との価格競合を避けられます。
✅ この販路のメリット
- ブランド毀損リスクを最小限に抑えられる
- 値崩れしにくく、長期的な信頼を守れる
- 消費者にとっても「特別な買い物体験」になる
特に、こだわりのある食品やギフト系アイテムなど、安易に価格を下げたくない商品は、こうした販路で“きちんと伝えながら届ける”のが、これからの時代のエシカルな選択肢だと感じています。
それぞれの販路には、向き・不向きがあります。
でも大切なのは、「どうやって売るか」だけでなく、「誰に・どう伝えて売るか」を丁寧に考えること。
それが、在庫の“レスキュー”と同時に、ブランドや信頼も守る道につながっていくと私は思います。
サステナブルな販路として注目されるエシカルEC

ここ数年で、「エシカル」や「サステナブル」といった言葉が、私たちの暮らしにもぐっと身近になってきました。
中でも、廃棄されるはずだった食品にもう一度光を当てるという取り組みは、いま多くの企業や個人から注目されています。
そんな中、“売り先がなくて困っている食品”と“想いを持って買いたい人”をつなぐ新しい販路として、「エシカルEC」という存在が静かに広がっています。
フードロス削減という社会的文脈が後押し
食品業界の中では、「フードロス」という言葉はもはや常識になりつつあります。でも、実際にその削減を“売上につなげる”って、意外と難しいものですよね。
そこで力を発揮するのが、エシカル消費を前提としたECサイトです。
こうしたサイトでは、「安いから買う」ではなく、「まだ食べられるのにもったいない」「どうせなら救いたい」という想いで商品を選ぶ人たちが集まっています。
たとえば、
- 「パッケージに季節感が残っている」
- 「賞味期限まで1ヶ月を切っている」
- 「製造終了が決まり、再販の見込みがない」
こうした“もう店頭には並びづらい”商品も、“背景やストーリーに価値を感じてくれる消費者”のもとへ届けば、商品価値はむしろ高まるんです。
これは、「売り場」ではなく、「文脈」で売るという新しい考え方。
そしてそれこそが、エシカルECが“サステナブルな販路”として成長している理由でもあると思います。
値崩れを防ぐ「価格オープン/購入クローズド」モデルの活用
とはいえ、いくらエシカルでも、「安売りしてる」と思われたら困る…というのが、ブランドを持つ企業の本音ですよね。
そこで注目されているのが、「価格は誰でも見られるけれど、購入できるのは会員限定」という販売モデルです。
これは、“オープンであることの信頼感”と“クローズドの安心感”を両立できる、とてもスマートな仕組みなんです。
✅ このモデルが選ばれる理由
- 誰でも価格を確認できることで、透明性がある=フェアな印象を与えられる
- 実際の購買は“選ばれた会員のみ”なので、価格競争の外でブランド価値を守れる
- 「会員限定で買える」というプレミア感も生まれ、購買体験そのものが特別になる
この仕組みを導入しているエシカルECでは、出品企業に対しても「市場価格への影響を最小限に抑えながら、価値を守って販売できる」という安心感を提供しています。
安くするだけじゃない。
ストーリーを伝え、価値を守り、共感で売っていく。
そんな販路が今、確実に増えてきています。
これからの時代、商品が売れるかどうかは、“どこで、どう届けるか”にかかっているのかもしれません。
そして、その答えのひとつが、「エシカルEC」という選択肢の中に、ちゃんとあると私は思います。
OEFで実現する“価値を守る在庫販売”という選択肢

「売りたいけど、安売りしたくない」
「在庫を減らしたいけど、ブランドは守りたい」
そんな葛藤を抱えている食品業者さんにこそ、知っていただきたい販路があります。
それが、OEF(アウトレット・エコロジー・フードロス)というエシカルECプラットフォームです。
ここでは、単なる在庫処分ではなく、“価値を守りながら売る”という、新しい選択肢をご紹介します。
サブスク会員限定販売によるブランド価値の維持
OEFでは、「誰でも見られるけど、誰でも買えるわけではない」という独自の販売設計を採用しています。
これが、ブランドを守る大きなポイントです。
✅ OEFの特徴
- 商品情報はオープンに表示:検索やSNSからの流入にも対応
- 購入できるのは“会員のみ”:月額制サブスクに登録している人だけが注文可能
- 特別な顧客層にだけ販売される“限定感”がある
この「価格オープン/購入クローズド」というモデルによって、市場価格を崩さずに販売ができるんです。
実際に、「安く売ったことがバレたくない」という卸やブランド系の企業でも、安心して利用されています。
また、会員側も“共感して選んでいる人たち”なので、価値を理解したうえで購入してくれる。
だからこそ、「ブランドイメージに傷をつけずに済んだ」という声が多く寄せられています。
食品業者専用の安心出品フローとサポート体制
OEFでは、食品業者向けに専用の出品フローとサポート体制が整えられています。
とくに、はじめてオンラインで“訳あり商品”を扱う方にとっては、
「どう出品したらいいの?」「伝え方がむずかしい…」という不安がつきもの。
そんなときでも、以下のような手厚いサポートがあります。
✅ 出品までのステップ(簡単!)
- フォームから申請
- 審査通過後、システムにログイン
- 写真と説明文を登録(サンプル文あり)
- 会員限定で販売開始
さらに、初回登録や掲載に必要な費用も明確で良心的。
※初回登録費用:15,400円(税込)/月額費用:2,980円(税込)/販売手数料:10%
物流はサプライヤーさんにお任せする形式なので、過度な負担がなく、シンプルに始められるのも好評です。
実際の販売事例から見る、OEFでの成功パターン
ここで、実際にOEFを活用して成功されたケースをご紹介します。
(※あくまでイメージとして)
✅ ある菓子メーカーさんの事例
- 年末年始用のギフトボックスが1000個余ってしまった
- 通常ルートでは戻せず、価格を落とすしかないかと悩んでいた
- OEFに会員限定で出品 → わずか3週間で完売
- 「エシカル消費に参加している感じがしてうれしい」という購入者の声も
✅ 冷凍惣菜メーカーさんの事例
- ラベルの誤印刷で出荷できなかった商品(中身は問題なし)をOEFで販売
- 「品質は変わらないのに、破棄しなくて済んだ」と担当者さんが安堵
- リピーターにつながり、定期取引の相談まで発展
このように、OEFではただ売るだけではなく、“ファンとの出会い”や“次につながるきっかけ”が生まれることもあります。
そして何より大きいのは、「在庫を減らしながら、社会貢献もできた」という実感。
OEFを通じて、“売れ残り”が“誰かの嬉しい選択肢”に変わる——
それって、すごくあたたかいことだと思いませんか?