谷澤まさみ
谷澤まさみ

賞味期限が迫った冷凍食品、まだ使えるのに「処分」という選択をしていませんか?
在庫をムダにせず、価値ある商品として再生する販路や工夫を、やさしく解説しています。
目次を見て必要なところから読んでみてください。

目次
  1. 冷凍食品卸が抱える「製造後3ヶ月問題」とは?
    1. 業務用・小売用どちらにも起きる“動かない在庫”
    2. 廃棄にもコストがかかる現実
    3. 消費者が感じる「賞味期限=すぐ食べないと」の誤解
  2. 適正価格で在庫を活かす3つの販路候補
    1. 飲食店・介護施設など、業務用市場への再提案
    2. 自社アウトレットや工場直売の実施
    3. サブスクリプション型のエシカルECサイト活用
  3. 製造3ヶ月経過品の販売に必要な「3つの安心設計」
    1. 品質保証と冷凍保持状態のエビデンス
    2. パッケージや文言の工夫で“期限間近”の価値を明示
    3. 購入者限定・販路限定でブランド毀損を回避
  4. なぜ今、冷凍食品のフードロス対策が求められているのか
    1. コロナ禍以降の在庫増と消費トレンドの変化
    2. 企業のサステナビリティ評価における影響
    3. SDGsを背景としたエシカル購買意識の上昇
  5. 冷凍食品在庫の価値を“再生”する仕組みとは?
    1. 「売れ残り」ではなく「選ばれ待ち」としての見せ方
    2. 購入行動を限定する“クローズド・バイイングモデル”の活用
    3. 定価では売れない=価値がない、ではない
  6. OEFという選択肢——冷凍在庫を救う販路
    1. 会員限定の販売で市場価格を守る仕組み
    2. 商品情報は公開、でも買えるのは選ばれた顧客だけ
    3. 「廃棄コストゼロ→利益化」につながるアウトレット戦略

冷凍食品卸が抱える「製造後3ヶ月問題」とは?

冷凍食品の流通において、「製造から3ヶ月経った商品」をどう扱うかは、卸業者にとって頭の痛い問題です。品質にはまったく問題がなくても、取引先からの受け入れが難しくなることも。今回は、そんな冷凍食品の“見えない壁”について、私たちと一緒に丁寧に考えてみませんか。

業務用・小売用どちらにも起きる“動かない在庫”

卸業者の現場では、「作ったけれど動かない冷凍食品」が一定数どうしても出てきます。業務用の大量パックも、小売用の小分け商品も例外ではありません。とくに製造から3ヶ月以上経過すると、取引先によっては「期限が短い」として敬遠されてしまうことがあるんです。

この“3ヶ月の壁”は、冷凍食品の本質とは少しズレたところにある印象を受けます。なぜなら、冷凍保存によって十分な品質保持ができているにも関わらず、実際には“鮮度”や“見た目の安心感”が優先されてしまうからです。

もちろん、小売店や飲食店が最終消費者の反応を気にするのは自然なこと。でも、それが過剰な在庫ストックや、まだ使える商品を倉庫に眠らせてしまう原因になるのなら、一度立ち止まって考えたいですね。

廃棄にもコストがかかる現実

在庫が“売れない”からといって、簡単に廃棄するわけにもいきませんよね。なぜなら、廃棄にはお金がかかるからです。冷凍食品は重量もあり、包装も手厚いぶん、処分コストが高くつきがち。さらに、産業廃棄物としての処理や、法的な対応も必要になります。

実は、在庫の廃棄コストを年間で集計すると「思っていたよりもかなりの金額になっていた…」という企業も少なくありません。
それでも“売る場所がない”と感じている方が多いのも事実です。

「売れるはずのものなのに、捨てるしかない」
そんなジレンマを抱えている卸業者さんの声を、私はこれまで何度も聞いてきました。

消費者が感じる「賞味期限=すぐ食べないと」の誤解

一方で、消費者の側にもある種の“思い込み”があります。それが、「賞味期限が近い=すぐ食べなきゃ危ない」という感覚です。

でも実際は、冷凍食品の多くが賞味期限を数ヶ月〜1年以上設定していて、製造後3ヶ月はまだまだ余裕がある期間なんです。
それでも「なんとなく不安」「どうせなら新しいものを買いたい」という気持ちが先立って、棚から選ばれにくくなってしまう——。

こうした誤解は、「情報が足りていないこと」から生まれていることも多いと感じます。たとえば、冷凍食品の賞味期限が「おいしく食べられる目安」であって、「食べてはいけない期限」ではないこと。冷凍流通の厳しい管理体制があること。そうした知識がもっと自然に広まれば、消費者の“選び方”も変わってくるかもしれません。

ちょっとした情報提供が、フードロスの削減にもつながる
そんな可能性を感じる場面が、増えてきているのも事実です。


この“製造後3ヶ月問題”は、冷凍食品卸にとって避けて通れないテーマです。でも、少し見方を変えるだけで、在庫が持つ「まだ活かせる価値」が見えてくるはずです。大切なのは、“売れない”ではなく“伝わっていない”だけかもしれない、という視点です。

適正価格で在庫を活かす3つの販路候補

谷澤まさみ
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冷凍食品の在庫が「まだ売れるのに動かない」とき、最初に考えるのは値下げかもしれません。でも、ただ安く売るのではなく、“価値を伝えた上で適正価格で販売できる”場所があることをご存じでしょうか?ここでは、賞味期限が迫った冷凍在庫を活かすための、3つの現実的な販路をご紹介します。

飲食店・介護施設など、業務用市場への再提案

まず検討したいのは、業務用として再提案する販路です。とくに飲食店や介護施設、学校給食の業者さんなど、日々安定した量を必要とする現場では、「期限が短いからNG」ではなく、「条件が合えば積極的に買いたい」という声もあります。

たとえば…

提案先必要とされる冷凍食品の例備考
小規模飲食店冷凍カット野菜、冷凍魚、加工肉単価と納品リズムを明確に
介護施設やわらか食材、パウチ食品調理の手間を減らせると喜ばれる
学校給食ボイル済み惣菜、冷凍コロッケなど規格と数量に注意が必要

※上記は一例ですが、ポイントは“品質”よりも“扱いやすさ”や“価格とのバランス”を求められるケースが多いこと。
すでに取引のある卸先に「賞味期限3ヶ月の商品ですが…」と丁寧に事情を伝えれば、案外すんなり受け入れてもらえることもあるんです。

自社アウトレットや工場直売の実施

次におすすめしたいのは、自社での直販機会の創出です。
製造業の多くが抱えている“在庫処分セール”や“工場直売”は、一定のファンを獲得すれば継続的な販売チャネルになります。

直売イベントの魅力

  • ブランドのファンを増やせる
  • 在庫が即現金化できる
  • 顧客のリアルな反応が得られる

たとえば、「賞味期限3ヶ月以内だけどおいしさはそのまま」という説明を添えて、通常より20〜30%オフで提供するだけでも反応が変わります。
このとき、「売れ残りだから安い」ではなく、
「食品ロスを減らすエシカルな選択」として伝えることが大切です。

また、冷凍食品の場合は持ち帰りのための保冷材やドライアイスの準備も忘れずに。小さな気づかいが信頼を生みます。

サブスクリプション型のエシカルECサイト活用

そしてもう一つ、有効なのがサブスク型のエシカルECプラットフォームです。
特に「在庫を抱えがちな食品メーカー」「価格を公開しても市場を荒らしたくない」企業にとって、“クローズド販売”の仕組みは安心できる選択肢になります。

活用メリット

  • 販売先は“会員限定”なので価格が広く出回らない
  • ブランド価値を守りつつ、在庫が現金化できる
  • 消費者は“エシカル消費”の一環としてポジティブに受け取ってくれる

こうしたプラットフォームでは、製造から3ヶ月経った冷凍食品も「賞味期限が十分に残っているもの」「見た目や味に問題のないもの」として、適正価格で販売されています。

しかも、ただ安いだけではなく、「もったいないを減らす買い物」として価値を感じてくれるユーザーが多いのが特長です。
“フードロス削減に貢献できるなら、ちょっとだけ期限が近くても買ってみたい”という層が、確実に増えてきています。


販路を広げることは、「商品を捨てないため」だけでなく、「企業の新しい価値を伝える」チャンスにもつながります。
適正価格で商品を届けるには、“どこで・誰に・どう伝えるか”がとても大切です。これからの販売活動に、やさしい視点を加えてみませんか?

製造3ヶ月経過品の販売に必要な「3つの安心設計」

谷澤まさみ
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賞味期限が残っていても、「製造から3ヶ月経った冷凍食品」と聞くと、なんとなく不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。でも、その不安は“根拠がある”というより、“情報が足りていない”ことが多いんです。ここでは、そんな不安をやわらげ、適正な価値で販売するために必要な「3つの安心設計」についてご紹介します。

品質保証と冷凍保持状態のエビデンス

まず大前提として、「安心して食べられる」ことを証明する仕組みが必要です。
冷凍食品の賞味期限は、製造段階での細菌検査や官能検査をもとに決められていますが、実際の保存環境によっては品質に影響を与えることもあります。

そこで重要になるのが、冷凍保持状態の「見える化」です。

たとえば…

✅ 品質保証に活用できるデータ例

  • 製造日と賞味期限を明記した商品シール
  • マイナス18℃以下で保管していた記録(温度ログなど)
  • 出荷前検品・試食レポート(簡易でもOK)

こうしたエビデンスがあるだけで、卸先や消費者の信頼は大きく変わります。
特に業務用ルートでは、「これだけ管理していれば安心ですね」と言われることも。
つまり、“売れる”のではなく、“納得されて選ばれる”状態をつくることがポイントです。

パッケージや文言の工夫で“期限間近”の価値を明示

次に、「見せ方」の工夫がとても大切です。
どれだけ品質がよくても、「在庫処分っぽい」「売れ残り感がある」印象を持たれてしまうと、購買意欲は下がってしまいますよね。

そこでおすすめなのが、パッケージや商品説明に“期限が近いことの価値”をきちんと表現する方法です。

✅ 例:ラベルやオンライン説明文の工夫

  • 「冷凍で品質保持、でも賞味期限が迫ってきたためお得にご案内」
  • 「食品ロス削減にご協力いただける方に、特別価格でご提供」
  • 「見た目や味には一切問題なし。なのに安い。理由は“もったいない”から」

こうした言葉の力で、単なる値引きではなく、“共感して買う行動”へと変えていくことができます

ちなみに、シンプルなステッカーを使って“エシカルセール”などと書くだけでも印象がぐっと変わりますよ。

購入者限定・販路限定でブランド毀損を回避

そして最後に、“誰にどう売るか”のコントロールも大切な安心設計のひとつです。
ブランド価値を大事にされているメーカーさんほど、「安売りしてイメージが落ちたらどうしよう」と心配されます。

ここで役立つのが、“購入者を限定できる販路”です。たとえば、サブスクリプション型のECサイトのように、価格はオープンでも実際に買えるのは「会員だけ」という仕組みがあると安心です。

✅ こんな仕組みが有効です

  • クローズド・バイイングモデル:誰でも商品は見られるが、購入は会員限定
  • 購入後のレビュー非公開など、拡散リスクを減らす工夫
  • SEO上も価格ページが検索にかかりにくい設計

このように、「誰でも見られるけど、誰でも買えるわけではない」という設計は、
市場価格への影響を最小限に抑えつつ、販路を確保するうえでとても有効です。


賞味期限が迫っているからといって、安売り一辺倒にする必要はありません。
“情報”と“設計”次第で、商品の価値はちゃんと伝わります。

廃棄コストをかけるより、ちょっとしたひと手間で“喜ばれて売れる”なら、そのほうがずっとサステナブルで、うれしいですよね。
あなたの在庫に、もう一度チャンスをあげてみませんか?

なぜ今、冷凍食品のフードロス対策が求められているのか

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「冷凍しているんだから、そんなに急がなくても大丈夫でしょ?」
そんなふうに思われがちな冷凍食品。でも実際には、賞味期限や保管期間の関係で、多くの在庫が“処分”という選択を迫られています。今、あらためて冷凍食品のフードロスに目を向ける必要がある理由を、3つの視点からお伝えします。

コロナ禍以降の在庫増と消費トレンドの変化

まずは、ここ数年で大きく変化した「在庫のあり方」についてです。
コロナ禍をきっかけに、多くの食品メーカーや卸業者は先の見えない需要変動に備えて、生産量や在庫数を多めに確保するようになりました。とくに冷凍食品は保存が効くことから、“とりあえずストックしておく”対象として重宝されてきました。

でもその反面、急激な需要減や取引キャンセルに対応できず、「行き場のない在庫」が増えてしまった現実があります。
しかも消費者のトレンドは「安く大量に買う」から「必要な分を賢く買う」へとシフト。まとめ買いよりも、少量で質のいいものを求める傾向が強まっています。

このギャップが、いま冷凍食品のフードロスを加速させている要因のひとつ。
「売れるはずだったのに、売り切れない」という、もどかしさに直面している現場がたくさんあるんです。

企業のサステナビリティ評価における影響

さらに注目したいのは、企業活動における“評価基準”が変わってきたことです。
取引先や投資家、そして消費者までもが、商品の中身だけでなく、「どう作られて、どう扱われているか」に目を向けるようになりました。

フードロス削減の姿勢は、今や環境配慮の一部として、企業のサステナビリティ評価に直結しています。

✅ たとえばこんな視点で見られています

  • 製造から販売までのロス率はどのくらいか
  • 余剰在庫をどう処理しているか
  • 廃棄前に再流通の機会を作っているかどうか

これらは大企業だけでなく、中小の食品メーカーにも関係する話です。むしろ、柔軟に販路を工夫できる中小企業のほうが、ポジティブに評価されるチャンスが大きいとも言えます。

「もったいないから再活用する」は、もはや“企業努力”ではなく、「当たり前の配慮」として見られる時代になってきています。

SDGsを背景としたエシカル購買意識の上昇

最後に、消費者の意識の変化も大きな後押しになっています。
最近では、「食品を買う=ただの消費行動」ではなく、“どんな未来を選ぶか”という意思表示と捉える人が増えています。

とくにSDGsの浸透によって、「フードロス削減」や「エシカル消費」は社会全体の課題として共通認識になってきました。
つまり、「もったいない商品を救う行動」が、“賢い買い物”としてポジティブに受け止められるようになったということ。

✅ 消費者の心に届く言葉の変化

  • 「賞味期限が近いから安い」→「フードロスを防げるからうれしい」
  • 「売れ残り」→「選ばれ待ちの食品」
  • 「訳あり」→「やさしい選択」

このように、見方を変えるだけで、商品の印象も購買行動も変わります。
そして、この変化の波にいち早く乗った企業こそが、「エシカルな会社」として共感と支持を集めているのです。


フードロスを“コスト”として考える時代から、“価値を生み出す選択肢”に変えていく時代へ。
冷凍食品というジャンルだからこそできる、新しい可能性が広がっています。

「まだ食べられる」を、「まだ売れる」へ。
その一歩を踏み出すタイミングが、まさに“今”なのかもしれません。

冷凍食品在庫の価値を“再生”する仕組みとは?

谷澤まさみ
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売り場に並ばなかった商品や、在庫として倉庫に残ってしまった冷凍食品。でもそれは、本当に“売れ残り”なのでしょうか?
じつは、価値があるのにまだ“見つけてもらえていないだけ”かもしれません。ここでは、そんな在庫にもう一度光を当てて、“売れなかった”から“選ばれる機会を待っている”へと価値を転換する仕組みをご紹介します。

「売れ残り」ではなく「選ばれ待ち」としての見せ方

まずは、商品の表現を変えるだけで、まったく違った印象を持たれるということ。
「在庫」「売れ残り」と聞くと、どうしても“質が悪い”や“人気がなかった”というイメージが浮かびますよね。でも、冷凍食品の場合は必ずしもそうとは限りません。

✅ たとえばこんな背景がある商品も

  • 販売先のキャンセルで行き場を失っただけ
  • 季節の販促が終わり、次の機会まで待機中
  • パッケージに軽微な傷があって通常ルートに出せない

どれも“中身そのものには何の問題もない”ケースばかりです。
だからこそ、「おいしいのに、まだ選ばれていないだけ」という見せ方が、とても大切なんです。

“選ばれ待ち”の在庫として丁寧に紹介することで、購入者側にも「これはレスキューしてあげたいな」という気持ちが自然に芽生えます。
そう、フードロス対策って、優しさのある売り方でもあるんです。

購入行動を限定する“クローズド・バイイングモデル”の活用

次にご紹介したいのが、購入の範囲をあえて限定することでブランド価値を守る「クローズド・バイイングモデル」という考え方です。

これは、商品情報はオープンにしつつ、実際に買える人は会員など限られた層にするという販売方法。
つまり、こういうことです。

オープン要素クローズ要素
商品画像・説明購入は会員限定
割引率は非表示でもOK会員価格での購入手続きのみ許可
価値訴求は広く見せる価格比較サイトに拾われにくい

このモデルのいいところは、市場価格に影響を与えず、安心して在庫販売ができる点
「定価が崩れるのでは?」「得意先に説明しづらい…」といった懸念をお持ちのメーカーさんでも、取り入れやすい仕組みです。

また、会員限定という設計にすることで、「選ばれた人だけが買える」という特別感や納得感も生まれやすくなります。

定価では売れない=価値がない、ではない

ここで強くお伝えしたいのが、「定価では売れないから価値がない」という考え方は、もう古いということです。
価格というのは、“誰に・どんな理由で届けるか”で変わってくるものだからです。

たとえば、ある人にとっては「この価格でも高い」と感じるかもしれません。
でも別の人にとっては「こんなに良いものがこの価格で買えるなんて」と感じられることも。

そして、「これはおいしいのに、捨てられるはずだったんだ…」というストーリーがあることで、商品そのものの価値に“共感”という新たな要素が加わります。

✅ 覚えておきたい価値の視点

  • 定価=その商品の唯一の価値基準ではない
  • 商品にまつわる“背景”が新たな付加価値になる
  • 「自分の買い物が意味あることにつながる」と実感してもらえると、ファンが生まれる

つまり、在庫は「消すべき負債」ではなく、「新しい価値を再生できる資源」なんです。


冷凍食品というカテゴリには、まだまだ活かせるチャンスがたくさん眠っています。
売れ残りと呼ばれるその商品も、ほんの少しの工夫や見せ方次第で、“ありがとう”と手に取ってもらえる価値ある存在に変わるんです。

「売れなかった」からと諦める前に、“選ばれ待ち”という新しい名前をつけて、未来へつないでみませんか?

OEFという選択肢——冷凍在庫を救う販路

谷澤まさみ
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賞味期限が残っているのに、ただ時間が経っただけで「売れないもの」として扱われる冷凍食品たち。そんな在庫に、新たな販路と希望を届けてくれるのが、OEF(Outlet, Ecology, Foodloss)というエシカルECサイトです。
ここでは、OEFがどうやって冷凍在庫を“捨てずに活かす”販路になっているのか、その仕組みと特徴をご紹介します。

会員限定の販売で市場価格を守る仕組み

まず、OEFの最大の特徴は「価格は見えるけど、購入は会員限定」という設計です。
これは「クローズド・バイイングモデル」と呼ばれる仕組みで、不特定多数に安売りするのではなく、価値観を共有する一部の顧客だけに販売する方法なんです。

✅ この仕組みで得られる安心感

  • 市場価格の乱れを防げる
  • 得意先との価格調整にも配慮できる
  • 値引きの理由を明確に伝えられる

つまり、「安く売る=ブランド価値が下がる」という誤解を防げる設計なんです。
しかも、OEFの会員は「フードロス削減に共感する人たち」。
安さだけで飛びつくのではなく、“この在庫を救いたい”という思いで購入してくれるお客さまばかりです。

商品情報は公開、でも買えるのは選ばれた顧客だけ

OEFでは、すべての商品に価格や割引情報も含めて“情報公開”しています。
でも、実際に購入できるのは月額制のサブスク会員だけ
。このバランスが、「安心感」と「販売力」を両立させているポイントです。

一般的なアウトレットECでは、「価格非表示」や「会員登録しないと見られない」といった閉鎖的な運用も多いのですが、OEFはちょっと違います。

✅ OEFのスタイル

  • 情報はオープンで透明性あり
  • 実際の購入行動は限定された会員のみ
  • “見られても買えない”ことでプレミア感も演出

これにより、メーカーや卸業者が懸念しがちな「検索で見つかって安く見られるのでは?」という心配も払拭できます。
“誰に届くか”をコントロールしながら、しっかり価値を伝える。
まさに、在庫に“第二のチャンス”を与えるやさしい設計なんです。

「廃棄コストゼロ→利益化」につながるアウトレット戦略

OEFが目指しているのは、単なる“在庫処分”ではありません。
「本来なら捨てるしかなかった商品に、もう一度命を吹き込む」こと。

たとえば、こんな声が実際に寄せられています。

「この商品、以前の取引先では期限が短いと断られました。でもOEFでは“おいしい”って言ってもらえて売れたんです。」

ここで重要なのは、値引き販売で終わらせず、“価値あるアウトレット商品”として再定義している点です。

OEFでは、こうした価値転換が当たり前のように行われています。

Before(従来の処分)After(OEFでの再生)
廃棄に1kgあたり数十円のコスト会員価格で売上+応援の声
理由なく“売れ残り”と扱われる「これを救いたい」という選択に変わる
値崩れ・イメージ低下が心配限定販売でブランドも守れる

“売れなかった商品”が、“ありがとうと言われる商品”へ
それが、OEFが実現している「アウトレットの逆転戦略」です。


廃棄されるはずだった冷凍食品が、誰かの暮らしをちょっと豊かにし、企業の信頼や未来にもつながっていく。
OEFは、そんな“循環型のやさしい販路”をつくるために生まれた場所です。

あなたの在庫も、まだ選ばれる力を持っています。
一緒に“もったいない”から“もっと嬉しい”に変えていきませんか?

👉 ブランドを傷つけずにアウトレット販売を行う方法を知る

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。