谷澤まさみ
谷澤まさみ

卸業者やメーカーが見落としがちな「顧客レビュー」。実は、商品の改良やファンづくりにつながる宝の山なんです。目次を見て必要なところから読んでみてください。

ユーザーインサイトを活かした商品改良が注目される理由

お客さまのレビューや口コミが、ただの「評価」ではなく、次の商品づくりのヒントになる。そんなふうに捉える企業が増えています。とくに日用品や食品の卸業者さんにとって、実際に使った人の声は、これまで以上に価値ある“資産”と言えるのではないでしょうか。今回は、なぜ今「顧客レビュー」が大切なのか、そしてどんな視点で活かすべきかを一緒に考えていきたいと思います。

なぜ今、卸業者が「顧客レビュー」を重視すべきなのか?

今までは「いい商品を安く卸す」ことで、小売側や消費者に選ばれる時代でした。でも最近は、それだけでは足りないと感じている方も多いのではないでしょうか。

というのも、私たち消費者はとても正直です。そして、ちょっとした“気になる点”を見逃さず、声にしてくれます。
たとえば、「この洗剤、香りは好きだけどフタが開けづらい」とか、「おいしいけどパッケージが大きすぎて冷蔵庫に入りにくい」など。
こうしたレビューは、ただの苦情ではなく改善のチャンスなんです。

とくに最近は、SNSやレビュー欄で誰でも気軽に感想を投稿できるようになりました。企業側が思っている以上に、生活者は細かく見ています。
しかも、それらの声は「エンドユーザーのリアルな生活背景」が垣間見える貴重なデータです。

レビューを無視して製品改良をすると、的外れになることも。
逆に、レビューを活かせば“今の暮らしにフィットする商品”に育てられます。

だからこそ、卸業者さんも、ただ商品を届けるだけではなく、「使った人がどう感じたか」まで視野に入れることが、これからの価値提案の鍵になるのです。

価格や販路だけでは勝てない時代に求められる視点

今の時代、「安い」「たくさん出回っている」というだけでは、選ばれ続けるのは難しくなってきました。
小売店やECサイトの棚には、似たような商品が並び、お客さまも情報にあふれています。そうなると、最後に決め手になるのは“どれだけ共感できるか”だったり、“自分にぴったりだと感じられるか”です。

たとえば、同じ食器用洗剤でも「手荒れしにくい」「小さな子どもにも安心」といった一言が、暮らしのなかでの不安を和らげてくれる
そして、それは往々にして過去のレビューから拾い上げられた声がヒントになっているのです。

「価格競争に巻き込まれずに、選ばれる商品をつくる」という視点が、今まさに求められています。
卸業者として、メーカーにフィードバックを伝えたり、自社でPB商品を扱う場合はレビューをもとに改良したりと、
“消費者の声を活かす設計力”が差別化につながるのではないでしょうか。

そしてもう一つ、レビューは信頼を育てるツールでもあります。
「お客さまの声をきちんと聞いて、改善しようとしている会社」という姿勢そのものが、ブランドの価値になっていくのです。

商品をただ届けるのではなく、「生活者と対話する」ようなものづくりへ。
それは、OEFでも大切にしている考え方でもあります。
次回は、実際にどんなレビューがヒントになるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。

ECレビューから得られる「リアルな声」とは?

谷澤まさみ
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数字や売上だけを見ていると、商品が「なんとなく」売れている理由までは見えてきません。でも、レビューにはその“なんとなく”を言葉にした生の声がたくさん詰まっています。とくに日用品や食品のような生活密着型の商品では、生活者のリアルな使い心地やちょっとした不満がヒントになることも少なくありません。ここでは、そんなレビューから見える「暮らしのなかの本音」を、少し深掘りしてみたいと思います。

数字では見えない“生活者目線”のニーズ

たとえば、月間1,000件売れている商品があるとします。一見すると「売れている=満足されている」と思いがちですが、実際には“仕方なく買っている”人も混ざっているかもしれません

レビューを読むと、「他に選択肢がなくてこれにしたけど、もう少し小さいサイズがあれば嬉しい」「香りは好きだけど、もう少し控えめだと使いやすい」などの声が出てきます。これは、定量データでは見えない“惜しいポイント”です。

また、こんな感想もあります。
「お得だと思って買ったけど、家族には不評だった」
「包装が硬くて高齢の母には開けづらい」

こうしたコメントは、実際に家庭の中でどう使われているかを想像させてくれます。つまり、レビューは“生活の背景”を教えてくれる鏡のような存在なんですね。

✅ 売上データ=過去の結果
✅ レビュー=未来の商品設計のヒント

このように考えると、レビューは「次の一手」を考える上で欠かせない材料だと感じています。

商品カテゴリ別に異なるレビューの傾向

レビューには、商品カテゴリごとの“ツボ”があります。どんなポイントが評価されるかは、商品によってかなり違います。

下の表は、いくつかのカテゴリで実際に多く見られるレビューの傾向をまとめたものです。

商品カテゴリよく見られるレビュー内容改善のヒント
洗剤・日用品香り・液の量・ボトルの使いやすさパッケージや詰替デザインの見直し
加工食品味・量・賞味期限の長さ味のバリエーション追加や小分け対応
ビューティー肌へのやさしさ・ベタつき感・香り成分表示の工夫、使用方法の提案
健康食品飲みやすさ・効果実感・続けやすさ味の調整、パッケージの携帯性改善

こうして見ると、商品そのもののスペックではなく、「使いやすさ」「暮らしとの相性」に関する声が多いことがわかります。

特にビューティーや食品は、“感覚”や“感情”が左右するカテゴリなので、定性的なレビューがとても貴重です。

そして、そうした声の集積は、新しい開発や改善の「リアルな地図」になります。
地図があると、どの方向に進めばお客さまに喜ばれるのかが、ぐっと明確になりますよね。

これからは、「買ってもらった後」の世界にこそ、次のアイデアの種がある。そんなふうに感じていただけたら嬉しいです。

顧客レビューを商品改良に活かす3つのステップ

谷澤まさみ
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「レビューを活かす」と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。でも、実はそんなに特別なことではありません。大切なのは、生活者の声を“集めて、読み取って、反映する”というシンプルな流れをつくること。この章では、誰でもすぐに取り組める3つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1:レビューの傾向を分類・可視化する

まず最初のステップは、集まったレビューを「なんとなく読む」のではなく、「分類して見る」ことです。
ひとつひとつの声に目を通すことも大切ですが、数が増えてくると全体像が見えにくくなってしまいます。

そんな時に役立つのが、レビューをカテゴリ別に分けて“見える化”する方法です。
たとえば、以下のように分類してみると、商品のどこが評価され、どこに改善の余地があるのかが、ぐっと見えやすくなります。

レビューの主な項目内容の例
味・香り「味がちょうどいい」「香りが強すぎる」
パッケージ「開けづらい」「サイズ感がちょうどよかった」
使用感・効果「肌に優しい」「思ったより効果が薄い」
賞味期限・保存性「期限が短くて不安」「冷蔵庫に入れやすい」

このような表を使うと、レビューを読み流すのではなく、改善のヒントを探す視点が自然と身につきます。

✅ まずはカテゴリごとにタグ付けして整理
✅ 手書きメモでもOK。表にして眺めるだけで気づきが生まれます

ステップ2:不満点と満足点を分けて分析する

次に大切なのが、レビューの中から「よかった点」と「気になった点」をしっかり分けて分析することです。

なぜなら、どちらも同じくらい商品改善のヒントになるからです。
たとえば「味は好きだけど、袋が開けにくい」というレビューがあったとき、味については強みにできる一方で、パッケージには改良の余地があるとわかります。

このときポイントになるのは、感情の込もった言葉を拾うこと
たとえば、「〇〇だったらもっと嬉しいのに」や「△△のままだとリピートは難しいかも」などの文脈には、“惜しいポイント”が隠れています。

✅ 満足点=そのまま打ち出しても喜ばれる要素
✅ 不満点=改良すれば「また買いたい」に変わる要素

両方に耳を傾けてこそ、「お客さまの本音に寄り添った商品づくり」が可能になるのです。

ステップ3:プロトタイプやパッケージ変更に反映

最後は、レビューから得た気づきを実際の商品づくりにどう活かすかという段階です。

たとえば、こんなケースがあります。

✅ 「パウチ容器がうまく立たない」という声を受けて、底面に丸みをもたせる設計に変更
✅ 「香りが強い」との意見を踏まえ、無香タイプを追加して選べるように
✅ 「1人暮らしには多すぎる」という声に応えて、小容量版を展開

このように、小さな声をきっかけにした改善が、リピート率や満足度を高めてくれるんです。

しかも、それをレビューで「反映しました」と伝えることで、お客さまとの信頼関係も育っていきます。

レビューは、ただの評価ではなく、“一緒に商品を育てる対話”だと思っています。
その視点をもつだけで、卸業者さんやメーカーさんの取り組みも、ぐっとあたたかく伝わるはずです。

そして、エシカルな視点で言えば、“買ってすぐ捨てられる商品”を減らすことにもつながっていきます。
ムダにならず、愛される商品を一緒につくっていけたら嬉しいですね。

レビュー活用に成功しているメーカーの共通点

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「レビューを商品改善に活かす」というのは、決して理想論ではありません。実際に多くのメーカーが、生活者の声に耳を傾けながら、商品力を高め、リピート率や返品率の改善に成功しています。ここでは、そんな成功事例から見えてくる「レビュー活用が上手な企業の共通点」に注目してみましょう。

例:パッケージ改善で返品率が激減したケース

ある食品メーカーでは、ギフト用に開発したお菓子のセットが、ネット通販で思ったように売れず、返品も目立っていたそうです。商品そのものは高評価だったのに、なぜか評価が伸び悩む…。

そこでレビューを丁寧に読み込んだところ、こんな声がいくつも見つかりました。

「見た目は可愛いけど、届いたときに中身が崩れていた」
「緩衝材が少なくて、せっかくの贈り物なのに心配になった」

そこでメーカーはすぐに、中箱の設計と配送時の固定方法を見直し、パッケージの強度を上げたそうです。

すると、その翌月から返品率が約40%減少し、レビューの内容も「届いた状態がとても丁寧で安心」とポジティブなものが増えていきました。

中身そのものに問題がなくても、体験全体の安心感が購入判断に大きく影響する
レビューを読み飛ばさず、“気持ちの動き”を読み取る姿勢がカギになります

こうした改善は、数字だけでは絶対に見えてこない部分です。

例:味やテクスチャ変更の根拠にレビューを活用

別の事例では、健康系スムージーを扱うメーカーが、「粉っぽさが気になる」「甘すぎる」というレビューをきっかけに、原料配合を見直しました。

最初は、開発チームも「このくらいは気にならないはず」と思っていたようですが、何度も同じ意見が出てくることを重く受け止め、試飲会を繰り返して“甘さ控えめ”と“なめらか食感”の新バージョンを開発。これが大ヒットにつながりました。

レビューを通して見えてきたのは、「健康を意識しながらも、続けやすさを重視したい」という、“日常使いのリアルな本音”でした。

✅ 声の多さだけでなく、「繰り返し出てくる小さな違和感」に注目
✅ 商品への期待があるからこそ、レビューには“正直な改善提案”が含まれている

こうした事例に共通するのは、レビューをデータとしてだけではなく、「会話」として受け取っていることです。
「こう言ってくれてるんだな」「こう感じたんだろうな」と、相手の暮らしに心を寄せて読み解く。
その積み重ねが、ブランドの信頼につながり、リピートされる商品へと育っていくのだと思います。

そして、もう一つ大切なのは、変化を伝えること
「レビューの声を反映しました」と、ひと言添えるだけで、お客さまは「ちゃんと見てくれている」と感じてくださいます。

レビューは、信頼と商品力を育てる、あたたかなコミュニケーションツール
声を聴き、受け止め、形にして返す。その積み重ねが、今の時代に求められるエシカルな姿勢なのかもしれません。

OEFではどう顧客レビューを活かしているのか?

谷澤まさみ
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OEFでは、単に商品を売るだけでなく、「買った人の声をどう活かすか」をとても大切にしています。
なぜなら、私たちのミッションは“売り切ること”ではなく、“もう一度使いたいと思ってもらえる商品を育てること”だからです。
レビューはそのための一番身近な“対話のツール”だと考えています。

会員限定販売の中で得られる「深いレビュー」

OEFでは、すべての商品が会員限定で販売されるクローズド・バイイングモデルになっています。
これは、単にお得に商品を届ける仕組みではなく、「信頼できるユーザー層の声」が集まりやすい設計でもあるんです。

実際、レビュー欄にはこんな声が寄せられます。

「いつも使っていたメーカーの商品と比べて、味が優しく感じられた」
「少し箱がつぶれて届いたけれど、中身には問題なし。こういう形でも買える場所があるのはありがたい」

こうした言葉は、「その商品を選んだ理由」「他の商品との比較」「家族との使い方」など、数字では測れない“背景のある声”ばかり。

これはオープンなECサイトでは得られにくい情報です。
OEFでは、エシカルな想いで参加してくれている会員さんが多いため、レビューにも生活者としての視点や共感が自然とにじみ出るんですね。

ただの評価ではなく、“暮らしの中でどう感じたか”という声が集まりやすい
卸業者さんやメーカーさんにとって、製品改良に役立つリアルなヒントになる

こうしたレビューは、私たちOEFが大切にしている「エシカルな循環」を支えてくれる大事な財産です。

生活者との“対話”をもとにした提案型マーケティング

OEFでは、レビューを「終わった声」とは考えていません。むしろ、そこから始まるコミュニケーションの出発点だと思っています。

たとえば、
「このパッケージは開けづらい」という声があれば、それをサプライヤーさんに伝えて改善の相談をしたり、
「思っていたより味が濃い」との声が続けば、その商品の次回入荷時に“アレンジレシピ”を紹介してみたり。

レビューを受け身で受け止めるのではなく、「対話の入口」としてアクションに変える
それが、OEFの“提案型マーケティング”のスタイルです。

また、SNSやLINEでも、レビューをきっかけにした投稿や特集を組むことで、「この声、私も思ってた」と感じてもらえる共感の輪を広げています。
ただ売るのではなく、“一緒に育てていく”販路としての関係性づくりを目指しています。

OEFのレビューは、サプライヤーの皆さんにとっても、単なるフィードバックではなく、
“エシカルな商品づくりを加速させるパートナー”としてのきっかけになります。

捨てるはずだった商品が、誰かの暮らしの中で喜ばれ、そしてまた新しいアイデアにつながっていく。
そんな“循環”を、これからもレビューを通じて育てていきたいと思っています。

顧客の声から始まる、卸ビジネスの新しい可能性

谷澤まさみ
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これからの卸ビジネスに必要なのは、ただ商品を“さばく”力ではなく、商品が届いた先の暮らしを想像できる感性かもしれません。
とくにOEFのようなエシカルECでは、フードロス削減という社会的な価値に加えて、“共感される商品”としてファンを増やしていく動きが生まれています
ここでは、顧客の声がどのように卸の可能性を広げていくのか、一緒に見ていきましょう。

フードロス削減とともに「ファン化」も進む構造とは?

「賞味期限が近い」「外装に傷がある」「ちょっとだけ規格外」――
そんな理由で流通に乗せづらくなった商品たちも、OEFでは“レスキューアイテム”として活躍しています。

でも、それだけではありません。
レビューを通して見えてきたのは、「安いから買った」のではなく、“この商品に出会えて嬉しかった”という声の多さでした。

たとえば――
「初めて食べたけど、すごく気に入りました。次回もリピートしたいです」
「訳ありとは思えないほど美味しかった!応援したくなりました」

こうした声が生まれるのは、“買うことそのものが応援や共感につながっている”から。
価格訴求ではなく、ストーリーや背景に共鳴してくれた結果としてファンになってくれる
そんな構造が、OEFでは自然とできあがっています。

✅ フードロス削減の「社会的価値」× お客様の「共感」= ブランドの“愛され力”
✅ 売り切りではなく、「また買いたい」「周りに勧めたい」気持ちが育つ仕組み

商品が売れただけでは終わらず、エシカル消費という軸を通じて“関係性”が深まっていく
それが、OEFでの卸ビジネスの最大の特徴でもあります。

OEFでの出品で得られる、もう一つの価値とは?

OEFで出品することの価値は、「売れる」「在庫を減らせる」だけではありません。
もう一つの価値、それは“顧客の声という資産”が得られることです。

通常の販路ではなかなか聞けない、「使った人のリアルな感想」。
OEFのレビューは、単なる評価ではなく、今後の商品設計や販促企画に活かせる“一次情報”の宝庫なんです。

たとえば――
・「箱がちょっと大きい」といった物流視点の気づき
・「お弁当に使いやすかった」といった使い方提案
・「パッケージがかわいくてテンションが上がった」というデザイン面の反応

これらはすべて、次の商品企画に生かせる“生きたデータ”
しかも、OEFはクローズド・バイイングモデルなので、ブランド価値を守りながらレビューを収集・活用できるのも大きな安心材料です。

✅ 在庫処分 × 市場リサーチ × ファンづくり を同時に実現
✅ 「出すだけで終わらない」販路だからこそ、卸業者として得られる経験値も増える

OEFは、廃棄を回避する“ラストチャンスの場”でありながら、次の商品につながる“ファーストインサイト”が得られる場所でもあります。

これまでの「BtoBの世界」では見えなかったエンドユーザーの顔。
その声を聞き、改善につなげられる仕組みがあることで、卸ビジネスはもっと強く、しなやかに変われるはずです。

もし今、売れ残りや在庫に悩んでいるなら――
その“もったいない”の中に、新しい価値のタネが眠っているかもしれません。
それを一緒に育てていくのが、私たちOEFの役目です。

👉 廃棄せずに在庫を活かす5つの方法をチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
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その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。