谷澤まさみ
谷澤まさみ

展示会が中止に…残されたサンプル在庫、どうすれば?ブランド価値を守りながら在庫を“エシカルに売る”具体策をまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。

展示会キャンセルで余ったサンプル、どうする?在庫を廃棄しない選択肢とは

展示会がキャンセルになってしまったとき、一番困るのは「行き場を失ったサンプル商品」。そのまま倉庫に眠らせておくわけにもいかず、かといって無理な安売りはブランドの信頼にも関わります。そんなときこそ、エシカルな選択肢に目を向けてみませんか?

想定外の展示会中止、サンプル在庫が経営リスクに

急な展示会の中止や延期は、事業者にとってとても大きなダメージです。とくに準備していたサンプル品が大量に残ってしまうと、その処理に頭を悩ませることになりますよね。

✅ 展示会前に製造した試作品や限定パッケージ
✅ 配布予定だった非売品サンプル
✅ 告知済みの新作商品

これらはすべて、「売れる機会を失った在庫」となってしまいます。でも、それは決して“いらないモノ”ではありません。本来届けたかった想いがつまった商品であることを、どうか忘れないでください。

特に賞味期限や季節性がある商品は、処分までの猶予が短く、急いで判断しなければならないことも。焦る気持ちのなかで、「とりあえず廃棄してしまおう」と選んでしまう方も少なくありません。

でも、ほんの少し視点を変えるだけで、その在庫を”社会に喜ばれる形”で届け直すことができるんです。

廃棄コスト vs ブランド毀損…難しい判断を迫られる現場

展示会サンプルの在庫を処分するとなると、まず考えなければいけないのが「廃棄コスト」と「ブランドイメージ」のバランス」です。

「無料で配るはずだったし、捨てても痛くない」と思うかもしれません。でも実際には、製造原価・輸送費・人件費など、見えないコストがすでに発生しています。加えて、廃棄処理には意外と費用も手間もかかります。

一方で、「格安で売ってしまうとブランドが安っぽく見えるのでは?」という不安もありますよね。その気持ち、よくわかります。

だからこそ大切なのは、“見せ方”と“届け方”を工夫することです。

例えば、以下のような販売方法であれば、ブランドイメージを守りながら在庫を活かすことができます。

販売方法メリット注意点
限定セール(会員限定など)特別感を演出できる一般公開すると価格が広まる可能性あり
SNSでのストーリー販売応援・共感での購入が見込める売り方のトーンを間違えると炎上のリスクも
エシカルECでの販売フードロスや社会貢献に興味のある層に届く取引先の理解が必要な場合も

このように、「ただの在庫処分」ではなく、「想いを届ける販売」として設計することで、むしろファンとの関係を深めるきっかけにもなります。

「商品はまだ生きている。売れなかったのではなく、届け方が合わなかっただけ」

そう思えると、少し心が軽くなるのではないでしょうか?

次の章では、実際に自社ECやSNSを使ってサンプル在庫を売り切った成功パターンをご紹介していきますね。ぜひ「あなたらしい届け方」を見つけるヒントにしてください。

自社EC+SNSで「在庫をファンに届ける」新しい売り方

谷澤まさみ
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在庫になってしまったサンプル商品でも、それを「試してみたい!」と思ってくれる人は、きっとどこかにいます。ポイントは、それを“在庫”としてではなく、「出会いを待っていた商品」として届けること。自社ECとSNSをかけあわせれば、その想いを届ける手段がぐっと広がります。

サンプル商品は“体験価値”で売るのが正解

展示会用のサンプルは、もともと「商品を体験してもらう」ことが目的だったはずです。であれば、売るときもその視点を忘れないことが大切です。

✅ 試してもらうことに意味がある
✅ 通常商品よりも“初めての人向け”で設計されている
✅ パッケージや数量が限定的で、特別感がある

このような特徴を活かして、「今だけ体験できるお試しセット」「限定版の先行販売」として販売する方法が効果的です。

「ちょっと試してみたい」という気持ちに応える売り方は、初めてブランドに触れる人にとっても、ハードルが低くて安心。体験からファンになるきっかけになります。

また、購入者には「このサンプル商品を試して、もし気に入ったらぜひ感想を聞かせてくださいね」と伝えるだけで、自然なレビューやSNS投稿が広がることもあります。

SNS活用のポイントは「共感」と「ストーリー性」

SNSでサンプル在庫を販売するなら、ただ「安いです!」と叫ぶだけでは届きません。共感とストーリーがある投稿が、購入への一歩を後押しします。

たとえば、こんな内容があると響きやすくなります。

  • なぜこの商品が生まれたのか
  • 本来はどんな人に届けたかったのか
  • 展示会が中止になって、在庫になってしまった背景
  • 「それでも、必要としてくれる人に届けたい」という想い

こういったストーリーがあると、読む人の気持ちは動きます。

「安いから買う」ではなく、「応援したくて買う」という行動が生まれるんです。

写真や動画を使って、開発者の声や商品の製造過程などを見せるのもおすすめです。リアルな裏側こそ、ファンにとっては価値ある情報になります。

売れた事例:SNS×ストーリー投稿→1日で完売した実例

実際にあった事例をひとつご紹介します。

あるメーカーさんが、展示会用に準備していた美容系のサンプルキットを、イベント中止により50セットほど在庫として抱えることになりました。

そのまま倉庫に眠らせるのはもったいない…ということで、Instagramで背景とストーリーを丁寧に投稿。内容はこんな感じでした。

✅ 展示会に向けて開発した新作
✅ 「初めて使う方にもわかりやすくて好評だった」という事前テストの声
✅ 展示会中止のショックと、それでも届けたいという想い
✅ 「共感してくださった方だけに、数量限定で販売します」という呼びかけ

すると、投稿から24時間以内に完売。

さらに驚いたのは、購入者の多くが「応援したくて買いました」「展示会で見たかった」というコメントを添えてくれていたことです。

これはもう、在庫処分ではなくブランドとお客様の“つながり”の証ですよね。

販売は手段。でも、そこに込めた想いや物語が、買う人の心を動かすんだなと、あらためて実感させられました。

あなたの商品にも、きっと届けるべき“物語”があるはずです。それを大切に伝えていくことが、これからの売り方においてとても大事だと感じています。

ブランド価値を守りながら売るには?気をつけたい3つのポイント

谷澤まさみ
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在庫になったサンプル商品を販売する時、誰もが気になるのは「ブランドの価値が下がってしまうのでは?」という不安だと思います。でも、正しく伝え方を工夫すれば、むしろファンとの信頼関係が深まり、ブランドの魅力がより伝わるチャンスにもなるのです。ここでは、そのために気をつけたい3つのポイントをご紹介します。

安売りに見せない「限定・数量・背景」の見せ方

まず一番大切なのは、“なぜ今、この価格で販売するのか”をしっかり伝えることです。値引きそのものが悪いのではなく、伝え方を間違えてしまうと「値崩れした商品」という印象になってしまうのです。

たとえば、こんな表現はおすすめです。

✅ 展示会限定で作られた特別仕様のパッケージ
✅ 一度きりの数量限定セット
✅ 社内でも「惜しい」と声があがったけれど、どうしてもお披露目の機会がなくなってしまった…という背景

こうした“限定性・背景のストーリー”があると、「今だけなんだ」「それなら買ってみたいかも」と、前向きな気持ちに変わります。

「理由のある価格設定」は、むしろブランドの誠実さとして伝わるのです。

価格は見せても、購入は会員限定にする方法

もし「どうしても外から値段が見えると気になる」という場合は、“クローズド・バイイングモデル”の活用がおすすめです。

これは、「価格は公開されていても、購入できるのは登録された会員だけ」という販売方法です。

この仕組みには、以下のようなメリットがあります。

メリット内容
ブランド価値を守れる一般消費者には“安売り感”が伝わりにくい
購入者を限定できる理解あるファン層だけに販売できる
会員登録というハードルが“特別感”になるあえて選ばれた感覚があることで満足度UP

限定公開にすることで、「売れ残りを処分した感」ではなく、“選ばれた人だけが知っている特別販売”という演出も可能になります。

これはエシカルECなどでもよく使われている方法で、ブランドの長期的な信頼づくりにも役立つスタイルです。

顧客との関係性を深めるチャンスに変える

そしてもうひとつ、忘れてほしくないのが、こうした販売の機会が「ファンとの関係を育てるチャンスになる」ということです。

たとえば、販売後に購入者へこんなメッセージを添えてみてはいかがでしょうか。

✅ 本来は展示会で直接お会いして届けたかった商品です
✅ この価格でご案内できたのは、状況が特別だったからこそです
✅ 試してくださったご感想を、ぜひ今後の商品開発に役立てたいと思っています

このような言葉があるだけで、一方通行ではない、あたたかい関係性が生まれます。

購入者も、「応援しているブランドに関われた」「このブランドは本音で話してくれる」と感じてくれるはずです。

在庫販売という行為を“負”ではなく、「つながるきっかけ」に変える。
それが、これからのブランドづくりにおいて、とても大切な視点なのだと思います。

どんな商品も、きちんと理由を伝え、想いを込めれば、価値ある選択として届けられる。
そう信じて、ひとつひとつ、丁寧に向き合っていきたいですね。

展示会サンプルを“エシカル消費”へ転換する方法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

展示会が中止になってしまい、余ってしまったサンプル品。それをただ“売れなかった在庫”と見なしてしまうのは、とてももったいないことです。その商品が生まれた背景や品質は、そのままでも十分に価値あるもの。見せ方を少し変えるだけで、「応援したくなる存在」へと生まれ変わります。今、エシカル消費の視点から在庫を見つめ直す動きが広がっています。

「もったいない」が「応援したくなる」価値に変わる

「もったいない」って、ただのネガティブな感情ではありません。それは、元々の価値を知っているからこそ湧いてくる、やさしさのある気持ちだと思うのです。

展示会のために手間をかけて作ったサンプル商品。品質は問題ないし、自信をもって紹介できる。でも届ける場がなくなっただけ。そんな背景を丁寧に伝えることで、購入者の気持ちは「安いから買う」から「応援したくて買う」へと変わっていきます。

たとえば、SNSや商品ページでこんな伝え方をすると、共感されやすくなります。

✅ 「展示会のために用意していた、こだわりの詰まった試作品です」
✅ 「コロナの影響で展示会が中止に。大切に作った商品が残ってしまいました」
✅ 「でも、使ってもらえたら嬉しい。そんな想いで、特別価格でご紹介します」

言葉に想いを乗せること。それが“エシカルに売る”という姿勢のはじまりです。

フードロス・在庫ロスECという選択肢

今、社会全体が「フードロス」「在庫ロス」に敏感になっています。廃棄されてしまう食品や製品を、エシカルな方法で再流通させるECサイトも少しずつ注目を集めるようになってきました。

こういったECでは、以下のような特徴があります。

特徴説明
品質に問題はないが、販売機会を失った商品を扱う展示会中止品、賞味期限が近い商品、季節外れ商品など
「買ってくれてありがとう」が「応援してるね」に変わる関係性エシカル消費に共感する購入者が集まっている
一般市場とは異なる“クローズドな販路”でブランドを守れる市場価格への影響を最小限にできる

このような場をうまく活用することで、「売り切らなきゃいけない在庫」ではなく、「価値の再循環を生む在庫」として、新しい活路を見つけることができます。

また、こうした販売を通じて「あなたのブランドは、社会にとってやさしい選択肢なんだ」と感じてもらえれば、リピーターやファンを増やすきっかけにもなっていきます。

目の前にあるサンプル在庫。それを「仕方なく売る」のではなく、「もう一度価値を届け直す」機会に変えていく。
そんなエシカルな視点が、これからのブランド運営には欠かせないと思っています。

エシカル販路で在庫を活かすなら、まずここから

谷澤まさみ
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せっかく作った商品をただ廃棄するのではなく、「次につながる選択肢」として活かしたい。そんな想いに応える仕組みが、いま少しずつ広がっています。中でも注目されているのが、“エシカル販路”と呼ばれる流通のかたち。ブランドの信頼性を損なわず、在庫を循環させる方法として、多くの事業者が活用を始めています。

サンプル在庫の販売でもブランド価値を守れる仕組み

「在庫を安く売ると、ブランドの価値が下がるのでは?」という心配は、とても自然なものです。でも、それは売り方次第で防げます。

ポイントは、「売る場の設計」と「購入者層の明確化」にあります。

✅ 一般市場には出回らない場所で販売する
✅ 共感ベースの消費者に限定する
✅ 「訳あり」ではなく「背景あり」として伝える

このようなポイントを押さえることで、商品を“処分”するのではなく、“誰かの手に届け直す”という文脈に変えられるのです。

たとえば、展示会中止によって余った美容アイテムを、会員制のエシカルECで「展示会先行サンプルセット」として販売した企業もありました。一般販売前の商品を“試せる特別な機会”として伝えたことで、買った方の満足度も高く、ブランドの世界観に惹かれて継続購入につながったという声も届いています。

このように、ブランドストーリーを大切にしたエシカル販路を選ぶことが、在庫販売成功のカギになります。

会員限定の“クローズド・バイイングモデル”とは?

エシカル販路の中でも、特に安心して在庫を活用できる仕組みが「クローズド・バイイングモデル」です。これは、価格は見えるけれど、購入できるのは会員に限られる販売スタイルのことです。

このモデルには、こんな特長があります。

特徴メリット
購入者が限定されている(会員のみ)一般市場への価格影響が少ない
商品情報は公開されているSEOや認知度アップにもつながる
ブランド側も安心して出品できる値崩れリスクを最小限に抑えられる

つまり、「情報はオープン、購買はクローズ」という絶妙なバランスで成り立っているんです。

この仕組みがあることで、「サンプル在庫をお得に提供する」ことと、「ブランドイメージを守る」ことが、同時に叶えられるようになります。

エシカル消費が広まりつつある今こそ、こうした販路を知っておくことは、企業にとって大きな財産になるはずです。

商品に込めた想いも、ブランドの価値も守りながら、「廃棄しない」という選択ができる。そんな仕組みがあることを、もっと多くの方に知ってもらえたら…と心から思います。

サンプル在庫を無駄にしない!OEFでできる在庫活用の第一歩

谷澤まさみ
谷澤まさみ

展示会の中止や流通トラブルなどで、どうしても発生してしまう「サンプル在庫」。それを「もう使い道がない」と思ってしまうのは、ちょっと早いかもしれません。OEFには、そんな在庫を“もう一度誰かの手に届ける”ための仕組みがあります。全国どこからでも参加できるOEFの仕組みを活用して、在庫をエシカルに活かす一歩を踏み出してみませんか?

全国から参加できるアウトレット販売の仕組み

OEF(Outlet, Ecology, Foodloss)は、「廃棄ゼロの未来へ」という想いから生まれたエシカル消費をテーマにしたECプラットフォームです。全国のサプライヤーやメーカーが、自社で抱える余剰品やサンプル在庫などを、安心して販売できる仕組みを整えています。

✅ 商品情報は誰でも見られるけれど、購入できるのは会員限定
✅ サンプル品・賞味期限間近・展示会限定品などを正直に出品できる
✅ 商品の背景を丁寧に伝えることで、「共感購入」が生まれやすい

この仕組みのおかげで、全国どこからでも参加可能。地方の小さなメーカーさんでも、大手と同じ土俵でエシカルな販売ができる環境が整っています。

物流は各サプライヤーが担う形式なので、初期投資を抑えてスタートできるのも安心材料です。

「小ロットだけど、いいものを誰かに届けたい」という方にこそ、OEFはぴったりの販路です。

ブランド価値を守るための設計思想

OEFが提供しているのは、ただのアウトレットではありません。「ブランドの価値を守りながら在庫を活かせる場」としての設計がされています。

たとえば…

価格はオープンでも、購入は会員だけという“クローズド・バイイングモデル”を採用
✅ 商品のストーリーや背景も伝えられるページ設計
✅ 一般市場での価格競争を避けながら、必要な人にだけ届く設計

このような配慮があるからこそ、市場価格に影響を与えることなく、ブランドの信用を損なわずに販売できるのです。

さらに、OEFに集まるのは「安く買いたい」よりも「エシカルな選択をしたい」という価値観を持った方々。だからこそ、たとえサンプル品でも、その想いや背景に共感して手に取ってくれる方が多いのです。

サンプル在庫を“処分する”から“生かす”へ。

OEFは、そのための第一歩をそっと後押ししてくれる場所です。もし、「この商品、もう届けられる場がないかも」と思っていたら、一度OEFをのぞいてみてください。きっと新しい出会いが待っているはずです。

👉 廃棄せずに在庫を活かす5つの方法をチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。