
食品の仕入れミスや余剰在庫、「捨てるしかない」と思っていませんか?実は、価値を守りながら利益化する方法があります。目次を見て必要なところから読んでみてください。
食品の仕入れミス、どう処分するのが正解?
思ったより売れなかった食材、予測より多く仕入れてしまった在庫…。食品を扱うお仕事をされている方なら、一度はこんな「仕入れミス」に頭を抱えたことがあるのではないでしょうか? 廃棄するのは心苦しい。でも、安売りしすぎて利益を削るのも避けたい。そんなとき、どんな選択肢があるのでしょうか。
原価割れは避けたいけど、捨てるのはもっともったいない
仕入れた食品が思うように売れず、冷蔵庫や倉庫にそのまま残っている——。そんな状況は、事業者さんにとって心理的にも経済的にも負担が大きいものです。
たとえば、あるカフェでは季節限定メニュー用に仕入れたジャムやフルーツソースが、気温の変化で売れ行きが伸びず、そのまま賞味期限が迫ってしまったそうです。捨てるのはもったいない。でも、単品で値引き販売してもほとんど動かない。そんなジレンマを抱えていました。
このような場合にまず考えたいのは、「安くするしかない」という前提を、いったん手放すことです。原価を割るような処分価格で売ってしまうと、短期的には売れても、継続的な事業としての信頼や利益を損なってしまうからです。
仕入れミスは、誰にでも起こること。でも、それをどう「活かすか」で、その後の結果は変わってきます。
業務スーパーや商談会では売り切れない時代
かつては、余った在庫を業務スーパーや見切り品コーナーに持ち込めば、ある程度はさばけた時代がありました。でも最近では、その方法だけでは売れ残ってしまうケースも増えています。
なぜなら、消費者の目がどんどん厳しくなっているからです。
「なぜ安いのか?」
「安全性に問題はないのか?」
「この価格は本当にお得なのか?」
そんな疑問が少しでも頭をよぎると、手が止まってしまうのが今の購買行動のリアルです。たとえ質の良い商品であっても、「安売りされている」というだけで、価値を下げて見られてしまうこともあります。
さらに、商談会での販路開拓も、出店費や人手、時間のコストを考えると、小ロットの在庫処分には向かないのが実情です。
✅ だからこそ今、見直されているのが「自社ECでのセット販売」なのです。
在庫をまとめて新しい価値に変える方法について、次章で詳しくお伝えしていきます。
今、注目されている「セット売り」という選択肢

在庫をうまく捌けないとき、「値下げ」以外の打ち手はないと思い込んでいませんか? 実は今、じわじわと注目されているのが“セット売り”という方法です。単品では見向きされなかった商品も、組み合わせることで新たな価値が生まれ、驚くほど反応が変わることがあるんです。
バラ売りでは売れ残る商品でも、セットなら魅力になる
ちょっと想像してみてください。
・賞味期限が近いドレッシング
・数量が中途半端に余った焼き菓子
・使い切りサイズのレトルトスープ
これらをそれぞれ単品で販売すると、どうしても「売れ残り感」が出てしまい、手に取られにくいことがあります。でも、これらを「おうちランチ応援セット」としてまとめると、印象はがらっと変わります。
✅ セット売りのメリットはこんなにあります
- 在庫回転が速くなる
- 商品の見せ方が変わることで“価値”が上がる
- 販売単価を上げやすく、送料込みで出しやすい
そして何より、消費者にとっても「選ぶ手間が省けて、ちょっと楽しい」というのが大きなポイントです。
実際、OEFでも「ラスク+ドレッシング」のような一見ミスマッチな組み合わせが、セットにすることで人気商品に生まれ変わったケースがあります。「家族でおやつタイム&サラダの晩ごはん」としてイメージが広がったことで、購入理由が増えたんですね。
セット内容は「組み合わせ方」が9割
ただし、やみくもに商品を詰め合わせればいいわけではありません。セット販売で成功するかどうかは、“組み合わせ方”が9割といっても過言ではありません。
以下は、反応のよかった組み合わせの一例です:
セット名 | 内容 | 意図したテーマ |
---|---|---|
朝ごはんセット | フルーツグラノーラ・ドレッシング・スープ | 忙しい朝をサポート |
おうちカフェBOX | ラスク・ハーブティー・スイーツ | 休日の癒し時間 |
もったいないBOX | 加工品の詰め合わせ | フードロス削減を楽しむ |
このように、「誰の、どんな時間に役立つか」をイメージして組むと、ただの在庫が“提案型商品”に変わります。
セットにすることで、「これは買う理由がある」と感じてもらえるようになるんです。
少しの工夫で、捨てられるはずだった在庫が、“うれしい買い物”に生まれ変わる。その可能性を、ぜひ楽しんでみてください。
自社ECを使えば、在庫の行き場が生まれる

在庫をどうにかしたいと考えたとき、多くの方がまず思いつくのが「大手ECモールへの出品」です。でも実は、仕入れミスや余剰在庫の販売には、モールではなく“自社EC”が向いているケースが多いんです。理由は、ただ「売る場所」ではなく、「伝えられる場所」だから。
モール出店よりも自社ECの方が向いている理由
もちろん、Amazonや楽天などの大手モールには圧倒的な集客力があります。でも、そこでは価格競争に巻き込まれやすく、商品そのものの“背景”は伝わりにくいのが現実です。
たとえば、「賞味期限が近い」「パッケージにシワがある」など、見た目ではわからない事情がある商品に対しては、ただ安く並べても、“訳あり”のマイナスイメージだけが先行してしまうこともあります。
それに比べて自社ECなら、商品ひとつひとつにきちんと理由を添えて届けることができるんです。
✅ 自社ECの強み
- 価格以外の価値(社会的意義や物語)を伝えやすい
- ブランドや企業としての世界観をコントロールできる
- ファンやリピーターが育ちやすい
特にエシカルな取り組みや、在庫処分に“意味”を持たせたい場合には、ただ並べて売るより「伝える力」があるかどうかがカギになります。
商品ページで伝えるべき“ストーリー”とは?
「賞味期限が近いから安く売ります」だけでは、消費者の心は動きません。けれど、
「この商品、本当はお店で出す予定だったけれど、イベントが中止になって…」
「見た目は少し不揃いだけど、味は変わらず、おいしく食べていただけます」
そんな風に背景や想いを言葉にすると、不思議と“応援したくなる買い物”に変わるのです。
商品の魅力+ちょっとした物語。
この2つが揃うだけで、在庫はただの“余りもの”ではなくなります。
たとえば、
「賞味期限まで残り10日。でも、すぐに食べていただければ、焼きたての味が楽しめます」
「形が崩れてしまいました。でも、素材にはいっさい妥協していません」
このように、“安心できる理由”と“共感できる背景”をセットで伝えることがポイントです。
商品ページはただのスペック表ではなく、「想いを届ける場所」。
だからこそ、自社ECという選択肢が、在庫の行き場を支えてくれるんです。
ブランド価値を守るなら「誰でも買える」は逆効果

在庫を売り切りたい。でも、だからといってブランドのイメージを損なうような売り方は避けたい——。そんなふうに悩む声をよく耳にします。とくに、丁寧につくられた食品や地域のこだわり商品であればなおさらです。「安売り」ではなく、「価値ある買い物」として届けるためには、販路の見せ方にひと工夫が必要です。
安売りではなく“価値ある選択”として見せる方法
「訳あり」「処分価格」などの表現は、確かに目を引きます。でも同時に、「売れ残り」「在庫処分」といったネガティブな印象を持たれがちです。
そこで大切なのが、「お得」より先に“理由”と“意味”を伝えることです。
たとえば…
✅ 「地元イベントが中止になり、行き場を失ったお菓子」
✅ 「新パッケージ移行のため、旧デザイン品を特別販売」
✅ 「自然由来の食材ゆえに、少し色むらが出てしまいました」
こういった背景を添えることで、「安いから買う」のではなく、「共感して選ぶ」という新しい視点が生まれます。これが、ブランドを守りながら在庫を活かす鍵になります。
つまり、「訳あり」ではなく、「想いあり」の販路をつくること。
お客様の中には、“選ぶ理由があるお得”を大切にしている人たちが、確実にいます。
クローズドバイイングで値崩れリスクを回避する
さらに、「どこでも、誰でも買える」状態では、せっかくの丁寧な商品も市場での価格競争に巻き込まれてしまいます。
ここで有効なのが、「クローズドバイイングモデル」の仕組みです。
このモデルでは、商品情報はオープンにしつつも、購入できるのは会員限定。つまり、「誰でも見られるけど、誰でも買えるわけではない」というプレミアム感のある設計です。
このしくみがあることで、
✅ 一般市場での価格や取引先との関係に影響を与えにくい
✅ 限定された顧客にだけ届く“安心して売れる場所”になる
✅ ブランド価値を損なわず、在庫を動かすことができる
というように、出品者側にとっても買い手にとってもメリットの大きい構造が実現できます。
特別価格での販売が、“ブランドの妥協”ではなく、“選ばれた人への提案”として成立する。
それが、今の時代に求められる「売り方」の新しいかたちなのかもしれません。
在庫処分=安売りではなく、「誰かに届いてよかった」と思えるストーリーある取引へ。
そんな選択肢を、もっと多くの方に知っていただけたら嬉しいです。
捨てない販路としてのOEFという選択肢

「売れなかったから捨てるしかない」そんな結論を出す前に、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしいんです。
本当に、それが最後の手段でしょうか?
実は、まだ価値がある在庫をきちんと届けられる、そんな“やさしい販路”があるんです。それが、私たちが運営している「OEF」という仕組みです。
価格は見えるが、買えるのは会員だけの安心設計
OEFは、「誰でも見られるけど、買えるのは会員だけ」というクローズドバイイングモデルを採用しています。
つまり、価格や商品情報はオープンに表示されていても、実際に購入できるのは有料会員のみなんです。
この仕組みには、出品者さんにとって嬉しいポイントがたくさんあります。
✅ ブランド価値を守れる
→ 一般市場での価格帯に影響を与えにくく、既存取引先とのバランスも崩れません
✅ 売れたときだけ手数料
→ 出品自体には費用がかからず、成果報酬型だからリスクが低いです
✅ 商品情報はしっかり届けられる
→ 写真・ストーリー・背景など、情報発信もしっかりできるから「想い」も伝えられます
だからこそ、単なる“アウトレット”ではなく、「きちんと価値ある提案」として商品を見せることができるんです。
食品ロスをなくし、利益も得られる販路とは?
「OEFに出してみて、ようやく在庫に“出口”ができた」
そんな声を、多くのサプライヤーさんからいただいています。
賞味期限が残り1か月でも、パッケージに傷があっても、“まだ使えるものを、まだ必要としている誰かに”。その流れが生まれることで、廃棄コストをゼロに近づけ、むしろ利益が生まれるという逆転の展開も少なくありません。
たとえば…
商品例 | 状況 | OEFでの活用 |
---|---|---|
季節商品のラスク | 売り場が縮小、在庫過多 | ドレッシングとのセット売りで再販 |
旧パッケージの調味料 | リニューアルで入れ替え | 「もったいないBOX」に同梱 |
賞味期限まで残り20日 | 店頭では敬遠される | EC限定で“早めに食べて応援”訴求 |
こうした工夫を重ねることで、「在庫を救うこと」が、「誰かのうれしい選択」につながっていきます。
捨てないで売ること。
それが、利益になる。
そして、社会にもやさしい。
OEFは、そんな可能性を広げる場所でありたいと願っています。
「うちの商品、ここに出せるかも」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
きっと、その在庫に、もう一度“役割”を与えることができるはずです。