谷澤まさみ
谷澤まさみ

季節外れの加工品や売れ残った在庫、捨てるには惜しい…と悩んでいませんか?実は、価値を再発見して売上につなげる方法があります。目次を見て必要なところから読んでみてください。

季節外れの加工品、どう売る?売れ残りを価値に変える方法

「季節が終わったから、売れない」「来年まで保管できない」——そんな加工品の在庫に、頭を抱えたことはありませんか?特に食品業界では、季節限定パッケージや期間販促品が売れ残ることもめずらしくありません。でもその商品、まだ“おいしくて魅力的”なままなんです。今回は、そうした“もったいない”加工品を、価値ある商品として生まれ変わらせるためのヒントをお届けします。

「来年まで寝かせられない」加工品の在庫リスクとは

季節を過ぎた商品は、たとえ品質に問題がなくても、なかなか手に取ってもらえなくなります。特に「夏限定」「冬の味覚」といった訴求が強い商品は、季節感がズレるだけで“売れ残り”のレッテルを貼られてしまうことも。

賞味期限や消費期限が近づけば、当然ながら“時間との勝負”になります。冷凍保存ができたとしても、保管コストや倉庫スペースの問題もありますよね。しかも、その間に新しい商品がどんどん投入されて、旧商品はますます埋もれていく——。

こうした在庫は、企業にとって利益を生まない“沈黙資産”になってしまいがちです。商品としては十分な魅力があっても、タイミングを外しただけでその価値が伝わらなくなってしまうのは、本当にもったいないことです。

では、どうしたらその“価値”を取り戻せるのでしょうか?

安易な値下げやBtoBルートが抱えるブランド毀損の危険性

「とにかく売り切りたい」そんな焦りから、大幅な値下げや、業務用ルートでのBtoB処分を選ぶ企業も多いと思います。確かに、一時的には在庫が減って、売上としては“処理”できるかもしれません。

でも、その方法、本当に大丈夫でしょうか?

たとえば、安売りが常態化してしまうと、定価で買ってくれていたお客様との信頼関係が揺らぎます。「次もどうせ安くなるでしょ?」と見られてしまうと、定価販売が難しくなってしまいます。

また、BtoBでの大量売却も、売り先次第では想定外の価格で市場に出回り、ブランドの価値を下げることもあります。特にSNS時代は、誰がどこでどんな価格で売っているかが、すぐにシェアされてしまいます。そうなると、これまで大切に守ってきたブランドイメージに傷がついてしまうことも。

つまり、「在庫処分=早く、安く売る」だけが選択肢ではないということです。

むしろ、今こそ“売れ残り”ではなく、「選ばれた人に届くべき商品」として、届け方を見直すチャンスなのかもしれません。

✅ 本当に必要としている人に届けることで、商品の価値は再び輝きます。
✅ 「お得感」ではなく「背景にあるストーリー」で売ることが、これからの時代に求められる視点です。

次回は、そんな“再活用”の方法として注目されている「加工品のサブスク化」についてお話ししていきます。タイミングを逃した商品こそ、ファンづくりのきっかけに変えられる。そう信じて、一緒に考えてみませんか?

加工品の“サブスク化”が注目される理由

谷澤まさみ
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「売れ残りを売る」のではなく、「価値のあるものを届ける」。その視点の転換が、今あらためて求められています。なかでも注目されているのが、加工品のサブスク化という方法。単に在庫を減らすだけではなく、ブランドや商品の“ファン”を育てながら継続的な売上をつくるしくみとして、多くの企業が取り入れ始めています。

定期購入モデルで「売り切り+ファン化」を同時に実現

これまでの「まとめて処分」では、どうしても一度きりの取引になりがちでした。でも、サブスクリプションモデルにすることで、“毎月の楽しみ”として商品が届くようになります。

たとえば、季節外れの商品をセットにして「ちょっと訳あり・だけどおいしいBOX」として届ける。こうした形なら、「その時に何が入っているかわからない」というワクワク感がある一方で、企業側としては計画的に在庫を循環させることができるのです。

さらに、サブスクにはこんなメリットもあります。

サブスク活用のメリット内容
安定した収益化継続購入によって、毎月の売上が見込める
在庫リスクの分散少しずつ販売することで、過剰在庫や廃棄リスクが減る
顧客との関係性商品のリピートだけでなく、ブランドへの愛着が深まる

このように、サブスクはただの販売手段ではなく、「ファンベースの売上づくり」でもあるんです。

売れ残りではなく「選ばれた商品」として届ける工夫

「売れ残りです」と正直に言われたら、ちょっと気持ちが沈んでしまいますよね。でも、言葉の届け方ひとつで印象は大きく変わります。

たとえば…

✅「今回は〇〇の旬を過ぎてしまったけれど、まだまだおいしいからお届けします」
✅「製造ロットの都合で余ってしまったけれど、人気だった味をもう一度味わってほしい」

こんなふうに伝えられたら、受け取る側も前向きな気持ちになれます。

そして、「ただの詰め合わせ」ではなく、ちょっとした読み物やレシピカードを添えることで、商品への理解や愛着もグッと深まります。とくに食品の場合は、保存方法やおすすめの食べ方などを一緒に紹介すると、手に取ってもらえる確率も高まります。

「余ったから届ける」のではなく、「あなたに届けたいから、今選んだ」——その姿勢こそが、サブスクという仕組みを活かすうえで大切な視点だと感じています。

売り切りたいからではなく、共感してくれる人に丁寧に届けるための手段としてのサブスク。それが、これからの時代にふさわしい「やさしい在庫循環」のかたちなのではないでしょうか。

自社ECで季節外れ在庫を循環させる3つのアイデア

谷澤まさみ
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「売れ残り」としてただ値下げするのではなく、少しの工夫でその商品が“新しい魅力”をまとって再び動き出す。そんなやり方が、いま多くの企業のECサイトで実践され始めています。ここでは、季節外れの加工品を無理なく売り切るための、すぐに試せる3つのアイデアをご紹介します。

セット販売で「使い方の提案」を添える

単品だと目立たなくても、他の商品と組み合わせることで魅力がアップすることってありますよね。たとえば、夏向けのドレッシングが余っているなら、温野菜にかけて食べる冬向けレシピを添えてセット販売にしてみる。

このとき大切なのは、「どう使うか」をイメージできるようにすること。おすすめの食べ方や、組み合わせレシピ、スタッフのちょっとしたひとことメモがあるだけで、商品は“使い道のあるもの”として受け入れられやすくなります。

✅ セット販売での提案例:
・「春野菜と合うパスタソース2種セット+簡単アレンジレシピ」
・「焼き菓子と珈琲のくつろぎBOX(おうちカフェ時間付き)」

売るだけでなく、使う場面まで届ける——そのひと工夫が、在庫を動かす原動力になります。

季節を問わないテーマ(例:防災・ギフト・福袋)に転換

パッケージや味が“季節感ありすぎる…”という商品も、切り口を変えることで「今欲しいもの」に再構成できます

たとえば、賞味期限の長い加工食品なら「防災ストック」としての販売も可能ですし、パッケージが華やかなら「ちょっとしたギフト」にも向いているかもしれません。

テーマを再定義することで、売るタイミングを広げられるのがECの強み。たとえ季節外れでも、「用途のアイデア」で季節を飛び越えられます。

転換のヒントになるテーマ例:

  • 【在庫再活用】非常食セット(賞味期限6ヶ月以上)
  • 【感謝を届ける】ありがとうギフトBOX
  • 【お楽しみ】ちょっとワケあり福袋(中身は届いてのお楽しみ)

このようなネーミングにするだけで、「これ、今ちょうどいいかも」と思ってもらいやすくなります。

SNSやレシピ連動で「購入理由」を作る

人は「買いたい」よりも、「買っていい理由が欲しい」と感じるもの。そこで有効なのが、SNSやレシピと連動させたストーリーづくりです。

たとえば…

✅ Instagramで「#もったいない食材レスキュー企画」として投稿
✅ TikTokで「余りがち食材でつくる時短ごはん」動画を紹介
✅ LINEで「今月のサブスクセット・おすすめの楽しみ方」を配信

こうしたコンテンツがあると、単なる在庫商品にも“意味”が生まれます。そしてその「意味」が、購入の動機になっていきます。

商品だけじゃなく、選ぶ理由もセットで届けること。それが、今の時代のECで在庫を循環させるうえで欠かせない視点です。

季節外れでも、価値がなくなったわけではありません。ほんの少しの工夫と視点の切り替えで、“誰かにとっての特別”に生まれ変わる。そんな仕組みを、ぜひ自社ECにも取り入れてみてくださいね。

OEFという新しい販路|在庫を“売れるストーリー”に変える仕組み

谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫の山を前に、「どうすれば処分じゃなく、“販売”として未来につなげられるのか」と悩む声を、これまでたくさん聞いてきました。そんな中で生まれたのが、OEFという新しい販路です。ここでは、ただ商品を“安く売る”のではなく、「ストーリーある商品として価値を届ける」ことを大切にしています。

加工品の価値を再発見できるクローズド・バイイングモデル

OEFでは、商品ページは誰でも見られるけれど、購入できるのは「選ばれた会員」だけという仕組みを採用しています。これが「クローズド・バイイングモデル」です。

このモデルによって、

✅ 商品情報の透明性を保ちながら、
✅ 市場価格や既存の取引先に配慮した販売が可能になります。

たとえば、季節外れの加工品でも、「理由があって今この価格で出している」ときちんと伝えられる場所。割引ではなく“リユース”や“レスキュー”という考え方で届けられるので、企業側も後ろめたさなく在庫を動かせます。

「たまたま余ってしまった、でも美味しさは変わらない」——そんな商品の背景が、きちんと伝わることで、お客様も納得して選んでくれる。値下げではなく、共感による購買が起こるのです。

ブランド価値を守りながらファンを育てる販売方法

OEFでの販売は、いわば“エシカルなセカンドチャレンジ”。たとえば、賞味期限が3ヶ月を切った加工品を、定価ではなく“エシカル価格”で会員に提供する。そこに、「なぜこの商品が今ここにあるのか」「どんな想いで作られたのか」を添える。

その結果、単なる「在庫処分」ではなく、ブランドの姿勢や世界観を伝えるチャンスになるのです。

実際、OEFではこんな声が届いています。

「この商品、前から気になっていたけど、こういう形で買えるとは思わなかった」
「食べてみたらすごくおいしくて、次は正規ルートでまた買いたいと思った」

こうして“レスキュー購入”をきっかけにブランドのファンになる人たちが増えています。これは、単発の売上ではなく、継続的な関係づくりができる販売チャネルになっている証拠です。

そしてOEFでは、定期購入(サブスク)やポイント制度も導入されているため、リピーターが生まれやすい仕組みも整っています。

「価値が伝わらなかった商品」を、「誰かに届くべき商品」に。
OEFは、在庫に新しいストーリーと未来を与える場所です。
在庫を持て余したその瞬間が、実はファンづくりのスタート地点かもしれません。

👉 エシカルに在庫を処分する方法がまとめられた記事はこちら

✅ 在庫処分に悩んでいる
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