
納品キャンセルや賞味期限の近い加工品、廃棄するには惜しい在庫…。そんな悩みを“価値に変える”ヒントをまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。
納品キャンセルで発生する在庫、どう処理してる?
食品や加工品の製造現場では、突然の納品キャンセルや注文変更に頭を抱えることがよくありますよね。「返品不可」「賞味期限が近い」そんな制約が重なると、もう捨てるしかない…とあきらめてしまうことも。でも、ちょっと待ってください。その在庫、もしかしたら別の形で誰かの役に立てるかもしれません。
「返品不可×賞味期限アリ」がもたらす現場の悩み
たとえば、取引先から急に「やっぱり今月の納品はキャンセルで」と言われたとき。すでにパッケージも印刷済みで、冷蔵庫にはぎっしり商品が詰まっている…そんな状況、きっと経験された方も多いと思います。
✅ 賞味期限に猶予はあっても、再販先が見つからない
✅ B品として格下げするには、手間もコストもかかる
✅ とりあえず倉庫に置いておくしかない
この“とりあえず”が、じわじわとプレッシャーになっていきます。時間が経てば、商品はどんどん“売りにくく”なっていき、最後は廃棄という選択肢しか残らないことも。
実際、ある冷凍食品メーカーさんからは「毎月のように発生するキャンセル品に対応するだけで現場が疲弊してしまう」という声も聞きました。現場では売上のことよりも、「この在庫、どうやって捌こう…」という不安が常につきまとっているのです。
廃棄コスト、ブランド価値、既存取引先…守るべきものは多い
単純に“安く売ればいい”という話でもないのが、食品業界の難しさです。
まず、廃棄にはコストがかかります。可燃ごみとして処理する場合でも、産廃業者との契約が必要だったり、コンプライアンス的なリスクも気にしなければなりません。
そして、ブランドの信頼も大切な資産。見た目は多少悪くても、品質に問題がない商品を大幅値下げして市場に出すことで、「あれ、このブランドって安売りするの?」といった印象を持たれてしまうことも。
さらに、既存の取引先との関係も無視できません。値下げ品が市場に流通することで、正規価格で取引しているお得意様との信頼関係が揺らぐ可能性もあるからです。
こうした背景があるからこそ、食品や加工品の在庫処分は「安ければ売れる」とは限らず、「どこで・誰に・どう売るか」が非常に重要になってくるのです。
それでも私たちは、「もったいない」をただの損失ではなく、「価値に変えるチャンス」として活かしていける方法を、もっと探していけると思うんです。廃棄せざるをえなかった商品に、もう一度光を当てる。そのための販路や考え方を、次の章で一緒に見つけていきましょう。
加工品・業務用食品の販路として再注目される「ロスリーダー戦略」

在庫を「ただの負債」と考えるのではなく、うまく使えば次の売上や販路開拓の“入り口”にできる。そんな視点から、いま注目を集めているのが「ロスリーダー戦略」です。特に賞味期限が迫った加工食品や納品キャンセル品など、“売りにくいけれど品質に問題はない”商品にこそ、この考え方が力を発揮します。
ロスリーダーとは?売り切るのではなく“呼び水”として使う発想
「ロスリーダー」とは、利益度外視で安価に提供する“目玉商品”をきっかけに、他の売上を伸ばす戦略のこと。スーパーの「目玉特売」やドラッグストアの「激安洗剤」などでよく知られていますが、実はB品や訳あり品の販路でも、この考え方が活かされるんです。
✅ 加工食品の例:
・賞味期限が2週間後のレトルトカレー
・納品タイミングがズレて出荷できなかった冷凍パン
・季節が過ぎて売り場がなくなったスープ系商品
これらを「売り切るため」だけに出すのではなく、“試してもらう入口”として一部のターゲットに提供することで、次の購入やブランド認知につなげていく。そんな流れが、いま業務用卸や法人ECでも広がってきています。
特に、「美味しいのに行き場がない」商品は、エシカルな文脈でも注目されやすく、共感と購買行動を同時に引き起こすことができるんですね。
業務用販路での展開が在庫活用と知名度アップを両立
ロスリーダー戦略を成立させるには、「適切な相手に、適切なタイミングで届ける販路」が不可欠です。とくに加工品・業務用食品の場合、一般消費者向けの販売よりも、法人や業務用のクローズド販路が相性抜群。
なぜかというと…
展開先 | メリット | 向いている商品 |
---|---|---|
社食・給食・福祉施設 | 単価よりも「安定供給」と「条件」が重視されやすい | 大容量・規格外パック |
飲食店向けの業務用EC | 掘り出しモノ感が評価されやすく、リピートにつながる | 冷凍品・調理済み食材 |
会員制の販路 | ブランド毀損を抑えつつ販売できる | 正規品の割引出品 |
この表からもわかるように、販売先によって商品の「活かし方」が変わってくるんです。ただ安くするのではなく、「誰に届けるか」「どんなストーリーで売るか」を設計すれば、在庫は“コスト”ではなく“資産”として働いてくれるようになります。
特に近年は、「食品ロス削減に取り組む企業から仕入れたい」と考える法人も増えており、ロスリーダー戦略が“CSRと販促”を両立する手法として再評価されています。
ちょっとした工夫で、売れ残った商品が“次の出会い”につながる可能性もある。そんな販路の広がりが、食品業界全体にとっても優しい選択肢になるかもしれませんね。
実際にどう売る?ブランド毀損を防ぐ販路選びのコツ

「せっかく育てたブランドだから、安売りで価値を下げたくない」──これは、在庫を処分しようとするときに多くの事業者さんがぶつかる壁です。でも、適切な販路を選べば、ブランドを守りながら在庫を活かすことは十分に可能なんです。今回はその販路ごとの特徴と、安心して出品できる新しい販売モデルについて、やさしく整理してみましょう。
ECモール、BtoBマッチング、会員制サイトのメリット・デメリット
在庫をさばくための販路にはいくつかの選択肢があります。それぞれに良さがある一方で、気をつけるべきポイントもあるので、比較しながら見ていきますね。
販路タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
一般ECモール(例:楽天・Amazon) | 圧倒的な集客力・スピード感のある販売 | 価格比較されやすく、安売り感が強まる |
BtoBマッチングサイト(例:業務用卸プラットフォーム) | 法人との継続取引につながる可能性あり | 最低ロットや配送条件に縛りが出ることも |
会員制ECサイト(クローズド型) | 価格は見せても、購入できるのは限られた人のみ。ブランド毀損を抑えられる | 集客規模は限定的。ただしターゲットが明確なら強い |
この中でも、会員制サイト(いわゆる「クローズド・バイイングモデル」)は、ブランド価値を大切にしたい企業にとって、非常に相性が良い販路だと感じています。
「価格は見せても買えるのは一部だけ」=安心して出品できる仕組みとは?
「安く出しているところが見られたら、うちの商品価値が落ちてしまうのでは…」
そんな不安に対して、会員制サイトが採用しているのが「価格オープン・購入クローズド」という仕組みです。
✅ 商品ページは一般に公開されている
✅ でも実際に購入できるのは、サブスク会員など選ばれたユーザーだけ
このモデルは、ブランド価値と売上の“両立”を叶えるためのちょうどよいバランスを保っています。たとえば、飲食店向けにだけ出品できるルートや、エシカルな消費に共感してくれる限定層への販売なども、クローズドモデルの一種です。
こうした販路を活用すれば…
- 正規ルートの価格帯と競合せずに済む
- ブランドイメージの毀損リスクが低くなる
- 在庫を抱えるストレスから解放される
という三拍子が揃います。
特に「在庫を活かしたい、でも安売りはしたくない」という悩みを持つ企業にとっては、“売らないための売り方”という新しい選択肢として、ぜひ一度検討してみていただきたい仕組みです。
私たちが扱う商品には、それぞれに想いが込められています。だからこそ、ただ安くするのではなく、届け方にこだわることでその想いまで伝えていく。そんな販路との出会いが、次の可能性を拓いてくれるかもしれませんね。
OEFという選択肢|クローズド・バイイングモデルでブランドを守る

「売れ残り」をただの失敗にしない。
「賞味期限が近い」からといって、価値が消えるわけじゃない。
そんなふうに、商品の“ありのまま”を受け入れながら、新しい形で活かしていく——。それが、私たちOEFがめざす場所です。加工品や業務用食品など、“まだ食べられる、でも売れない”というジレンマに直面したときこそ、OEFの仕組みがやさしく背中を押してくれるかもしれません。
加工品や業務用食品にぴったりな“価値転換”の場
たとえば、納品キャンセルで戻ってきたスープの素。
季節外れになった冷凍スイーツ。
パッケージに凹みが出てしまったレトルト食品。
いずれも、品質にはまったく問題がないのに、「売る場所がない」というだけで、廃棄に追い込まれてしまう。そんな現場の声を、私はこれまで何度も聞いてきました。
OEFでは、そうした商品たちを「訳あり」ではなく“価値あり”の商品として扱っています。
✅ 価格はオープン。でも購入できるのは、エシカル意識の高いサブスク会員限定
✅ 出品にかかる手数料は0円。売れたときだけ10%の成果報酬型
✅ 各サプライヤーが直接配送するため、物流負担や倉庫代も最小限
つまり、出品するだけならリスクがほとんどないんです。そして、「訳ありでも、誰かの役に立てる」「売れ残りが、必要とされる商品に生まれ変わる」という実感を、じんわり味わっていただける場所でもあります。
廃棄ゼロと収益を両立させる、OEFの仕組みを活用するには?
OEFは「フードロス削減を掲げた通販サイト」ではありません。
もっと深く、“捨てずに売る”という文化を育てるプラットフォームでありたいと思っています。
では、どうすればOEFの仕組みを活かせるのか?
まずはとてもシンプルです。
- サプライヤー登録(審査あり)
- 出品したい商品を登録
- 商品情報を一般に公開(価格も見せる)
- 購入できるのはOEFサブスク会員だけ
この仕組みによって、市場価格を壊すことなく、商品を必要としてくれる人の手元に届けることができるんです。
また、OEFではエシカルポイント(EP)という会員限定の独自通貨を導入していて、「この商品はEPでこんなにお得に買える!」という訴求が、お財布にも環境にもやさしい選択を後押ししてくれます。
そして何より大切なのは、「売ることが社会貢献につながる」という体験を、サプライヤーさん自身が感じられること。
「この商品、もうダメかも」と思っていたものが、
「誰かに喜ばれ、選ばれる商品」として息を吹き返す。
そんな“逆転の瞬間”を、もっとたくさんの現場に届けていきたいと、心から願っています。
在庫に困っている方、販路に悩んでいる方へ。
捨てずに活かす、その一歩を、ぜひOEFで踏み出してみませんか?