谷澤まさみ
谷澤まさみ

資金繰りが苦しいとき、すぐにできる在庫処分の方法を知っているかどうかで、未来が変わります。安売りせず、ブランドを守りながら在庫を現金化する実践アイデアをご紹介。目次を見て必要なところから読んでみてください。

売上が落ちた時、まず見直すべき「資産」は在庫だった

売上が下がると、どうしても「もっと売らなきゃ」と焦ってしまいますよね。でも、そんなときこそいちばん先に見直してほしいのが「今ある在庫」です。資金繰りが苦しい時期でも、捨てずに活かす視点があれば、それは大切な資産になります。特に、賞味期限が近い食品やシーズン外れの日用品など、眠ったままになっていませんか?

賞味期限が迫る商品をそのままにしていませんか?

在庫を見直すとき、まずチェックしてほしいのが「いつまでに売らなきゃいけないか」というリミットです。特に食品の場合、賞味期限が近づいてくると、価値がどんどん下がっていくのが現実。でも、それは「価値がなくなる」という意味ではありません。

例えば、あと2か月で期限を迎えるお菓子やドレッシング。店舗では並べにくくても、オンラインでセットにして販売すれば「お得感」のある商品として喜ばれることがあります。大切なのは、「まだ食べられるうちに、どう売るか」を考えることです。

✅ 賞味期限リストを週単位で確認する
✅ 期限に余裕があるうちに「まとめ売り」「割引販売」を検討する
✅ 取引先や常連のお客様に優先的にご案内する

こうした少しの工夫で、廃棄せずに売上につなげるチャンスが生まれます

廃棄=コスト。逆に「売れるチャンス」に変える視点

在庫が売れずに廃棄になってしまうと、その分はコストとして帳簿に残るだけ。でも見方を変えれば、同じ在庫も「価値ある商品」に戻すことができます。

ここで大切なのは、「なぜ売れなかったか」を責めるのではなく、「どうすればもう一度誰かの手に届くか」を考えること。たとえば:

  • パッケージに少し傷があるけれど中身はきれい
  • 季節が過ぎた商品でも、家庭で使うには問題なし
  • バラでは売れなかったけど、セットにすれば魅力が出る

そんな商品たちを、“訳あり”ではなく“選ばれ待ち”の商品として紹介するだけでも、お客様の受け取り方が変わってきます。

下の表は、在庫の状態別に活用のヒントをまとめたものです。

商品の状態よくある課題活かし方のヒント
賞味期限が迫っている通常価格では売れない割引+セット販売、タイムセール
パッケージに傷あり店頭に並べられない「訳あり商品」として特集
季節外れ売り場から外されるオンラインで通年商品として販売

それぞれの商品に込められた想いが、もう一度お客様に届く形で再提案できれば、在庫は「コスト」ではなく「希望」に変わります

資金繰りに悩むときこそ、商品ともう一度向き合ってみませんか?
どんな商品も、誰かの暮らしに役立てる方法がきっとあるはずです。

すぐに試せる在庫処分テクニック5選

谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫をどうにかしたいけど、時間もお金もない…そんなときにこそ、「いますぐできる」ことから動いてみましょう。ここでは、小さな会社でも、今日から実行できる5つの在庫処分アイデアをご紹介します。どれもコストを抑えながら、お客様にとって“価値ある選択”になるよう工夫された方法ばかりです。

1. 限定セット販売で“お得感”を演出する

バラでは売れなかった商品も、組み合わせることで魅力がぐっと高まることがあります。

たとえば、賞味期限が近いドレッシングとラスクをセットにして「朝ごはん応援セット」にしたり、フェイスマスクとスキンケアサンプルを「おこもり美容セット」として販売したり。ポイントは“期間限定”や“数量限定”という言葉で特別感を出すことです。

✅ 「いまだけセット」「今月限定」など明確な期限をつける
✅ セット価格は“30%お得”など、具体的にメリットを伝える
✅ 季節やイベント(例:梅雨、美容週間)にあわせたテーマ設定もおすすめ

お客様に「欲しかった!」と思ってもらえる切り口をつくるだけで、在庫はぐっと動き出します。

2. 詰め合わせBOXで「選ばせない」売り方にする

在庫がバラバラに残っているときは、“おまかせBOX”形式で販売するのが効果的です。

何が届くかわからないワクワク感や、「訳ありでもいいから安くたくさん欲しい」というニーズに応えられるのが、このスタイルの魅力。とくにSNSでは、「開封動画(開けてみた系)」との相性もよく、ファンづくりにもつながります。

✅ 内容は大まかにジャンルだけ伝える(例:食品BOX、美容BOX)
✅ 「定価○○円相当がこの価格!」という形でお得さを伝える
✅ 在庫を無駄なく詰めることで、送料効率もアップ

“選べない”ことが逆に楽しい体験になる。そんな売り方が、今の時代には求められています。

3. LINEやSNSで直販キャンペーンを打つ

いまつながっているお客様に、直接「こんな商品あります!」とお知らせするだけでも十分価値があります

特にLINEは、クーポン配布や個別のやりとりがしやすく、在庫処分キャンペーンと相性抜群。InstagramやTikTokでは、使用シーンや「もったいない背景」などストーリーを交えることで、ただの値引きではなく「共感の買い物」に変えることができます。

✅ LINE登録者にだけ見せる“秘密のセール”を開催
✅ SNSで「なぜ売れ残っているか」を正直に伝え、信頼を高める
✅ クーポン発行で“今すぐ買いたい”気持ちを後押し

「SNSで売る」ことは、単なる販促ではなく、人と人との信頼関係を育てる手段にもなります。

4. アウトレットモール型ECに出品する

自社サイトだけで在庫を動かすのが難しいときは、アウトレット商品に特化した販路を活用するのが効果的です。

一般的なECモールでは、訳あり商品や期限間近の商品は見栄えの面で不利になることもありますが、「訳ありOK」「エシカル消費に共感する」ような特化型ECなら、むしろ歓迎されます。

✅ 価格をオープンにしても、購入できるのは“会員限定”という設計も安心
✅ 「フードロス削減」や「在庫活用」といったストーリーで魅力づけできる
✅ 売れた分だけ手数料発生型のECなら、固定コストの心配もなし

“誰かが助かる買い物”という軸を持つECは、ただの処分先ではなく、信頼を守りながら販売できる味方になります。

5. 取引先や社員向けの社内販売も即効性あり

意外と見落とされがちですが、「社内販売」や「取引先向けセール」はスピード感と安心感のある販路です。

社員さんにとっては「お得に買える」チャンスになりますし、企業間でのつながりがある取引先なら「協力したい」と思ってもらえることも。

✅ 社内限定・社割価格で販売(経理処理も簡易でOK)
✅ 取引先に「B品や在庫処分品あります」と案内するだけでも意外と反応あり
✅ 小ロットOKの“裏メニュー”的なスタイルで、無理なく提案

すぐに売上に変えたいときは、信頼関係がすでにある人に声をかけるのがいちばん早い方法です。


どの方法も、「特別な知識や予算がなくてもできること」ばかりです。
いま目の前にある在庫を、「困りごと」ではなく「次のチャンス」に変えていきましょう。

「安売り」と「価値提供」は別物|ブランドを守る売り方

谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫を処分しなきゃ…そう思ったときに、一番気になるのは「ブランドイメージを壊さないかどうか」ではないでしょうか。とくに丁寧につくった商品ほど、単なる“安売り”で終わらせたくない気持ちはよくわかります。
でも大丈夫。値下げ=ブランド毀損ではありません。ちゃんと価値を伝える工夫をすれば、商品もブランドも守りながら在庫を活かすことができるんです。

割引率よりも“ストーリー”で納得感を作る

どんなに良い商品でも、ただ「安くなりました」と言うだけでは、その価値が伝わりにくくなってしまいます。むしろ「なぜ安く売っているのか」を丁寧に伝えることで、納得して買ってもらえる状況がつくれるんです。

たとえば、こういったケースはありませんか?

✅ パッケージに小さなキズがあるだけで出荷できなくなった
✅ シーズンを過ぎたけど、品質には何の問題もない
✅ 見込みよりも多く製造してしまった…など

こうした背景を、「もったいないから、誰かに使ってもらいたい」という想いと一緒に言葉にすると、お客様の受け取り方が大きく変わります。

商品は同じでも、伝え方ひとつで「安売り」から「共感」へ。
この違いが、リピーターやファンを生む力になります。

ブランド毀損を避ける「販売先の限定」がカギ

もうひとつ、在庫処分をするときに気をつけたいのが「どこで売るか」です。
定価で買ってくれる既存のお客様や取引先との関係を守るためにも、販売チャネルをきちんと選ぶことがとても大切です。

最近では、「価格はオープン、でも購入は会員限定」というクローズド・バイイングモデルを採用するECサイトも増えています。こうした仕組みを活用すれば、以下のようなメリットがあります。

  • 誰でも商品情報は見られるので透明性がある
  • でも、購入できるのは限られた会員のみ
  • ブランド価値や価格帯を一般市場で崩さずに済む

つまり、“オープンに見せて、クローズドに売る”という設計が、ブランドを守りながら在庫を現金化する鍵になります。

「安売りはしたくないけれど、在庫は動かしたい」
そんなときは、まず誰に、どう届けるかを見直すことから始めてみてください。

商品が大切だからこそ、その価値をきちんと伝えて、誰かの役に立つかたちで届ける
それが、いま求められている“売り方”なのかもしれません。

実際にどう現金化できる?在庫処分のシミュレーション

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「この在庫、いくらで売れば赤字にならないの?」
頭では“売れるだけいい”とわかっていても、利益が出るのかどうかが分からないと、不安で手が止まってしまいますよね。ここでは、賞味期限が迫った食品を例に、利益を確保しながら現金化するシミュレーションをご紹介します。計算は少し面倒でも、一度やっておくと、今後の値付けに自信が持てるようになりますよ。

賞味期限3か月前の食品を、いくらで売れば利益が出る?

たとえばこんなケースを想定してみます。

  • 商品:瓶入りドレッシング(原価:250円)
  • 通常の販売価格:600円
  • 在庫:200個(うち150個が賞味期限まで3か月)

この商品を、フードロス対策として特価販売したい場合、「いくらまで下げても利益が出るか」を確認しておくことが大切です。

計算に必要な要素は以下のとおり:

項目内容
原価250円
梱包・発送費用約350円(箱代・送料込)
プラットフォーム手数料10%(販売価格×10%)

仮に「販売価格=1本あたり750円」で売った場合、
手数料:750円 × 10% = 75円
利益:750円 – 75円(手数料) – 250円(原価) – 350円(発送費)= 75円の利益

このように、「最低いくらで売れば赤字にならないか」を把握しておくと、安心して在庫を動かす判断ができます。

✅ 利益ゼロでもいいからキャッシュを回したい場合は「原価+発送費+手数料」を最低ラインに
✅ まとめ売り(3本セットなど)にすると1回の送料で複数本売れるので利益率が上がります

配送コスト込みでも利益を確保する価格設計のコツ

配送費が重くのしかかる在庫処分では、送料込み価格の設計がとにかく重要です。とくに単価が低い商品ほど、1個売っても赤字になるケースが多いんです。

そんなときは、こんな工夫が有効です。

「セット販売」や「詰め合わせ」で1配送あたりの単価を引き上げる
 → 例:ドレッシング1本で送料350円なら赤字でも、3本セットにすれば送料負担は1/3に

あえて“おまかせBOX”にして梱包コストを簡略化
 → バラよりもまとめて詰めるほうが資材費も人件費もラク

“EPポイント還元”などを活用し、お客様に「得した感」を与える
 → 値下げしすぎなくても「お得感」は演出できます

在庫を捨てる前に、少しのシミュレーションと工夫で「利益が出る在庫処分」に変えることができる。
今あるものを、もう一度ちゃんと「商品」として扱ってあげることが、利益にも、環境にも、やさしい選択になるのではないでしょうか。

エシカルな販路という新しい選択|OEFという手段

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「もう在庫を捨てるしかない…」そう思い込んでしまう前に、“エシカルな販路”という新しい道があることを、ぜひ知ってほしいと思います。
それが、フードロス削減と在庫の現金化を両立するECモデル、OEF(Outlet, Ecology, Foodloss)です。

値下げ=ブランド価値の低下と考えがちですが、OEFのしくみなら、その心配はありません。
商品も、ブランドも、きちんと守りながら、“まだ使える価値”を届ける場になっています。

誰でも商品は見られるけど、買えるのは会員限定

OEFでは、商品の情報や価格は誰でも見られるようになっています。
でも、実際に購入できるのは、月額制のサブスク会員のみ。この「クローズド・バイイングモデル」が、出品者にとっての安心につながっています。

✅ 商品ページはオープンなので集客力がある
✅ でも購入は会員限定だから、安売りのイメージが広がらない
✅ ブランドイメージや取引先との関係を守りながら販売できる

この仕組みによって、「アウトレット販売はしたいけど、外には出したくない…」という企業様の不安を解消し、安心して在庫を活かせる場になっているんです。

フードロス削減 × 在庫現金化を両立できるECモデル

OEFが目指しているのは、「まだ使える商品が、誰かの役に立つ形で流通する世界」です。
それはつまり、“もったいない”を、“うれしい”に変える循環

たとえば、こんな商品たちが活躍しています。

  • 賞味期限が近いけど、まだ2か月以上ある調味料セット
  • 季節外れになったけど、家庭での消費には十分なスキンケア商品
  • 外装に傷があるだけの高品質食品や日用品

どれも、本来は廃棄される可能性のあった商品ですが、「レスキュー在庫」としてOEFに出品されることで、再び命を吹き込まれています。

そして、会員は「安いから買う」のではなく、「エシカルな選択ができてうれしいから買う」。この関係が、ただのアウトレットとは違う、持続可能な取引の形を作っているんです。

在庫処分を、「しょうがない」ではなく「ありがたい」に変える。
そんな販路が、いま必要とされているのではないでしょうか。

OEFは、あなたの商品をただ売るだけでなく、ブランドの信頼を守りながら、新しい価値をつくる場所です。
在庫に悩んだときは、一度この選択肢を思い出してみてくださいね。

👉 廃棄せずに在庫を活かす5つの方法をチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。