谷澤まさみ
谷澤まさみ

コロナ禍や物価高で在庫を抱えたまま資金繰りに悩む企業が増えています。そんな中、在庫販売でキャッシュを生み出す実践例が注目されています。目次を見て必要なところから読んでみてください。

資金繰り悪化を食い止めた在庫販売という選択肢

「この在庫、どうしよう…」と、ため息をついたことはありませんか?
季節を過ぎた商品、急なキャンセル、売れ残ってしまった在庫。企業にとって、在庫は“財産”である一方、“重荷”にもなりかねません。とくに資金繰りが苦しいとき、目の前に積まれた在庫をどう活かすかが、大きな分かれ道になることも。今回は、在庫を「処分する」から「活かす」へと視点を変えた実例をご紹介しながら、在庫販売がもたらす新しい可能性について考えてみます。

廃棄ではなく「販売」でキャッシュを生む発想

在庫が溜まっていくと、「早く処分しないと…」という焦りから、つい廃棄という手段を選びがちです。でも、本当にそれが最善なのでしょうか?

廃棄には、目に見えないコストがかかります。
たとえば、

✅ 廃棄処分費用(運搬・処理)
✅ 保管スペースの維持費
✅ ブランドの“もったいない印象”

さらに、廃棄は心にも小さな痛みを残します。「まだ使えるのに」「誰かの役に立ったかもしれないのに」という気持ちは、多くの担当者の方が感じているのではないでしょうか。

そこでいま注目されているのが、「訳あり品」や「賞味期限が近い商品」をエシカルな販路で販売するという選択です。

実際にあるメーカーでは、コロナ禍で催事がすべて中止となり、大量の在庫を抱えてしまったことがありました。最初は廃棄も検討していたそうですが、あるECサイトで“フードロスを救う商品”として出品したところ、予想を上回るスピードで完売。しかも、購入者からの温かいレビューが続々と届いたのです。

「応援のつもりで買いました」「社会貢献になるなら、また買いたい」——
このような声に、担当者の方は涙が出るほど嬉しかったそうです。

在庫は売れなくても「意味のあるもの」になれる
そう気づいた瞬間だったと語ってくれました。

「現金化=値崩れ」とは限らない理由

「安く売ったら、ブランドイメージが下がるのでは?」
これは、多くの企業が在庫販売をためらう大きな理由のひとつです。

たしかに、無差別に値引き販売をすれば、ブランド価値に影響が出る可能性はあります。でも、販売の仕組みや“誰に売るか”を工夫すれば、その不安は最小限に抑えられるのです。

たとえば、会員限定のクローズドな販売モデル
商品情報は誰でも見られても、購入できるのは一定の条件を満たした会員だけ。こうすることで、一般市場での価格破壊を避けつつ、“価値を理解してくれる人”にだけ販売することが可能になります

また、在庫販売の背景をしっかりと伝えることで、「安売り」ではなく「応援購入」に変えることができます。

こんなふうに、商品ページに“ストーリー”を添えるのも一つの工夫です。

商品名説明文の工夫
野菜ドレッシング(訳あり)「イベント中止で行き場を失った商品を、特別価格でレスキュー販売中。野菜本来の味わいを大切にした、やさしい味のドレッシングです」

このように書くことで、価格の理由と価値が両立することが伝わります。

「値崩れ」ではなく、「共感を生む販売」へ。
在庫を抱えて悩む企業にとって、これは“今すぐ始められる資金繰り対策”でもあり、ブランドの信頼を育てる手段にもなるのです。

次の章では、実際に在庫販売を通じて資金繰りを改善した企業のリアルな声をご紹介します。どうぞお楽しみに。

なぜ在庫が資金繰りを圧迫するのか?

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「商品は揃っているのに、手元のお金が足りない…」
そんな矛盾に、頭を抱えたことがある企業担当者の方も多いのではないでしょうか。在庫はたしかに“資産”です。でも、売れていない在庫は、実は“お金を止めてしまう存在”でもあるのです。ここでは、在庫が資金繰りを圧迫する本当の理由について、いっしょに見ていきましょう。

倉庫保管・処分コストが想像以上に重い

在庫を持っているだけで、実はじわじわとコストがかかっていること、ご存知でしょうか?

✅ 倉庫や事務所のスペースが圧迫される
✅ 管理や棚卸しにかかる人件費や手間
✅ 長期間置いておくことで発生する品質リスク

これらを積み重ねていくと、在庫1点あたりの「持っているだけコスト」は、意外とバカにできないものになります。

さらに、売れ残った在庫を処分するとなると、次のような費用も発生します。

項目かかるコストの一例
廃棄費用一般ごみ処理、産業廃棄物処理の手数料
返品対応梱包・再出荷・回収などの物流コスト
管理ミスによる破棄賞味期限切れ、破損による損失

表のように、在庫の処分には目に見えない「あとからの出費」がついて回ります。特に「まだ売れるはずだった商品」を処分する決断は、心情的にもつらいものですよね。

だからこそ、“早めに動く”という選択が大切なんです。

特にB品・季節品・食品は“時間との勝負”

在庫の中でも、特に資金繰りへの影響が大きいのが、B品・季節品・食品系の商品です。

✅ B品は「正規品と並べにくい」ため、通常の販路では扱いにくい
✅ 季節品は、時期を逃すと“来年まで眠らせる”ことに
✅ 食品は、言うまでもなく「賞味期限」というタイムリミット付き

これらはまさに“時間との勝負”です。

実際、ある食品メーカーでは、冬のギフト用に仕込んだ商品が、物流の混乱で出荷できず春を迎えてしまったことがありました。結果、在庫は眠ったまま、保管料がどんどん膨らみ、経費だけが先に流出していったそうです。

このように、在庫には「見えにくいコスト」と「時間による価値の目減り」が重なります。
だからこそ、「売るタイミングを逃さない」「在庫の出口を複数持つ」という考え方が、これからの経営には欠かせません。

次は、そんな在庫たちを“ただのコスト”ではなく、“再び利益を生むチャンス”に変えた企業の事例をご紹介します。きっとヒントになるはずです。

企業が実践した在庫販売のリアル事例

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「うちだけじゃない」と思える事例があると、ほっとすることがありますよね。
特に経営が厳しいとき、他社がどうやって乗り越えたかは、大きなヒントになります。ここでは、コロナ禍で販路を失ったあるメーカーが、在庫販売で資金繰りを立て直した事例をご紹介します。そこには、“価格を下げてもブランドは守れる”という大切な学びがありました。

コロナ禍で販路を失ったメーカーの決断

このメーカーは、健康食品を専門に製造している中小企業でした。百貨店やイベント出店を主な販路としていたため、コロナによる外出自粛やイベント中止が直撃。仕入れた原料や包装資材はすでに投入済みで、商品も次々と完成していました。

しかし、売る場所が、突然なくなったのです。

初めは「落ち着くまで耐えるしかない」と倉庫に在庫を眠らせていたそうですが、数ヶ月経っても状況は変わらず、倉庫代やスタッフの人件費だけが出ていく毎日。
そこで、担当者が下した決断は——

“このまま廃棄するくらいなら、ちゃんと伝えて、買ってもらおう”ということ。

「訳あり」「応援購入」「エシカル消費」などの言葉を使い、事情をていねいに説明した販売ページを作成しました。

すると驚くほど早く、在庫は完売。しかも、「もっと買いたかった」という声まで届くようになったのです。

販売価格は落としても、ブランド価値は守れた

この事例からわかるのは、「安く売ったからといって、ブランドが傷つくわけではない」ということです。

むしろ大切なのは、“どう見せるか”“どう伝えるか”という点でした。

担当者が工夫したのは、以下のポイントです。

✅ なぜ割引になっているのか、背景を正直に説明する
✅ 通常商品と品質は変わらないことを明記する
✅ 「廃棄を減らしたい」「フードロスをなくしたい」という企業の姿勢を伝える

この3つを押さえたことで、単なるセールではなく、“意味のある買い物”として受け入れてもらえたのです。

実際、購入者の声の中には、

「こういう考え方を応援したい」
「誠実な企業姿勢に共感した」

といったコメントが多く、価格だけに反応したのではないことが伝わってきます。

お得感と共感は、同時に生み出せる
この事例は、そのことを教えてくれる貴重なヒントです。

次の章では、在庫販売を成功させるために企業が工夫すべき3つのポイントを、さらに深掘りしていきます。あなたのビジネスにも、きっと活かせる視点がありますよ。

在庫販売を成功させる3つのポイント

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「安く売れば、売れる」——たしかにそうかもしれません。
でも、それだけではブランドの信頼長期的な関係は築けませんよね。
在庫販売を「ただの値引き」ではなく、価値ある選択肢として成立させるには、いくつかの大切な視点があります。ここでは、実際に成果を上げた企業が意識していた3つのポイントをお伝えします。

「誰に売るか」を絞るとブランドは守れる

在庫を安く販売することに、不安を感じる企業は少なくありません。「既存の取引先に知られたら…」「価格競争になってしまうかも…」そんな声をよく耳にします。

でも、すべての人に売る必要はないんです。

大切なのは、「理解してくれる人にだけ届ける」こと。
つまり、ターゲットをしっかり絞るということです。

✅ エシカル消費に興味がある人
✅ フードロス削減に関心のある人
✅ 応援購入という形で企業をサポートしたい人

こういった層は、「訳ありだから安い」とは受け取りません。むしろ「理由があるからこそ、今こそ買いたい」と考える方たちです。

商品を誰に届けたいかを明確にすることで、価格を落としてもブランドは傷つきません。むしろ「この会社の考え方に共感できる」と、ファンになってくれることもあります。

クローズドな販売モデルで安心感を得る

次に大切なのは、販売の仕組みそのものです。
オープンなECモールで“たたき売り”のように見えてしまうと、どんなに丁寧に説明しても「安売り感」が出てしまうもの。

そこでおすすめなのが、クローズドな販売モデルです。

これは、誰でも商品情報は見られるけれど、実際に購入できるのは限定された会員だけというスタイル。たとえば、会員制のエシカルECサイトなどがこれにあたります。

このモデルには、以下のような安心感があります。

メリット内容
ブランド価値を守れる市場価格に直接影響しない
顧客を選べる理解のある人にだけ販売できる
販売の自由度が高い柔軟な価格設定や特典が可能

この仕組みによって、「値引き」ではなく「価値ある販売」として成立させることができるのです。

SNS・ストーリーで“応援購入”に変える仕掛け

そして最後に、とても大事な要素が「伝え方」です。
たとえ理由のある在庫販売であっても、商品画像と価格だけでは伝わりません。

だからこそ、SNSや商品ページでストーリーを語ることが効果的です。

✅ なぜこの商品が在庫になってしまったのか
✅ 廃棄ではなく「再び届ける」選択をした理由
✅ 購入することで誰を助けられるのか

こういった背景を、写真や言葉でていねいに伝えると、購買行動は変わります。
価格ではなく、「想い」に共感して買う人が増えるのです。

たとえば、ある食品メーカーがInstagramに投稿した「在庫販売を始める理由」の投稿には、応援コメントが300件以上も寄せられました。「応援してます!」「がんばってください」という声が溢れ、たった2日でほぼ完売したそうです。

応援したい“人”や“想い”が見えること
それが、在庫販売を一過性の処分セールから、“共感される消費”へと変えてくれます。


在庫販売は、工夫次第で「お得なだけじゃない、あたたかい選択」になります。
次の章では、そんな“想いをカタチにする”仕組みを実現している具体的なプラットフォームをご紹介します。あなたの在庫にも、まだ未来があります。

OEFという販路|捨てずに売る、新しい選択

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「まだ売れるのに、捨てるしかない…」
そんな在庫を目の前に、どうしようもない悔しさや焦りを感じたことはありませんか?
でも、少しだけ視点を変えれば、その在庫は“廃棄物”ではなく、“次の誰かに届く価値ある商品”に生まれ変わることができます。
ここでご紹介するOEFという販路は、そんな在庫たちに“もう一度のチャンス”を与える仕組みを持った、新しいスタイルのエシカルECです。

購買は会員限定=市場価格への影響を抑える

OEF(Outlet, Ecology, Foodloss)は、いわゆる“アウトレット”型のECサイトですが、単なる値下げ販売とは大きく違います。

最大の特徴は、「価格表示は誰でも見られるけれど、購入できるのは会員限定」という点です。

この「クローズド・バイイングモデル」によって、

✅ 一般市場での価格崩れを防げる
✅ 流通業者や既存取引先との関係を守れる
✅ 「安売りに見えない」ブランド価値の維持が可能

というメリットが生まれます。

つまり、安心して在庫販売ができる“もうひとつの市場”として機能しているのです。

実際、多くのメーカーが「大々的に売るには抵抗があったけど、OEFなら出せた」と語っており、信頼のある販売先としてリピート利用されています。

エシカルで社会貢献性の高い販路として選ばれる理由

OEFが支持されているのは、単に“安く買える場所”だからではありません。
「もったいない」を減らし、「やさしい消費」を広げる場所だからこそ、多くのユーザーに愛されています。

OEFでは、賞味期限が近い食品、パッケージに傷があるだけの化粧品、シーズンを過ぎた日用品など、“本来なら廃棄されていたかもしれない商品”を、「エシカル商品」として紹介しています。

購入者の多くは、「応援するつもりで買っています」と語っており、
その背景にはこんな気持ちがあります。

✅ フードロスや在庫ロスを減らすことに協力したい
✅ 家計にもやさしく、社会にもやさしい選択をしたい
✅ “モノ”だけでなく、“想い”にも共感したい

だからこそ、OEFでは単なる取引ではなく、「出品者と購入者のあたたかなつながり」が生まれています。

企業にとっても、売上と社会的評価の両立ができるこの販路は、まさに“新しい選択肢”となりつつあります。

捨てるしかなかった在庫が、誰かの「買ってよかった」に変わる
そんな未来を、OEFは一緒に創っています。


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