谷澤まさみ
谷澤まさみ

OEM製造したアパレル在庫がキャンセルに。ブランドを守りながら“捨てずに活かす”ためにできることとは?在庫の「別の出口」を探すためのヒントをまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。

OEMシャツが発注キャンセルに。最初にとるべき対処とは?

せっかく時間と手間をかけてOEMで製造したシャツが、突然キャンセルに…。そんなとき、頭の中が真っ白になってしまうのは、きっとあなただけではありません。売る予定だった販路がなくなるというのは、大きな打撃です。でも、焦らずにできることはあります。ここでは、ブランドを守りながら在庫を活かすための第一歩として、最初にとるべき対処についてご紹介します。

キャンセル理由を確認して、まずは販路リスクの棚卸し

まずは、「なぜキャンセルになったのか?」を、できるだけ冷静に見直してみましょう。
納期の遅延?仕様変更?それとも取引先の都合?
理由によって、その後の対応は大きく変わってきます。

たとえば、次回の発注が見込めるような一時的な事情であれば、在庫をしばらく保管して様子を見る選択もありますし、完全に取引終了となる場合には、新しい販路をすぐに探す必要があります。

そのために役立つのが「販路リスクの棚卸し」です。以下のような項目をリストアップしてみるだけでも、頭の整理になります。

✅ この在庫を引き取ってくれる先は他にあるか?
✅ 既存の販売チャネルで売ると、価格競合やブランド毀損のリスクは?
✅ 在庫の保管期間とコストにどのくらい余裕があるか?

不測の事態はつらいものですが、同時に「ブランドを守りながら販路を見直すチャンス」でもあります。

「値崩れ防止」が最優先!安易なセール流通は逆効果

OEM製造のアイテムには、ブランドの世界観や価格設定へのこだわりが詰まっていることが多いですよね。だからこそ、キャンセルされたからといって、すぐに値下げしてセール流通に乗せてしまうのは、少し待ってください。

一度でも“安売りの印象”がついてしまうと、次回以降の販売やコラボの機会に影響が出ることがあります。とくにアパレル業界では、「ブランドの価格帯」が購買意欲に直結することが多いからです。

たとえば、以下のような事例がありました。

✅ 大手セレクトショップ向けに製造したシャツが急な事情でキャンセルに
✅ 一部をフリマアプリで即販売したが、価格がバレてしまい、
✅ 予定していた別ブランドとのOEMが中止になった

…なんてケースも実際にあるんです。

「在庫をすぐ現金化したい」気持ちと、「ブランドを守りたい」気持ちのバランスはとてもむずかしいですが、ここであきらめずに“エシカルな販路”という選択肢に目を向けてみると、思わぬ活路が見つかるかもしれません。

次の章では、そんな“別の出口”について、具体的な選択肢をご紹介していきますね。

ブランドを守るために考えるべき“別の出口”

谷澤まさみ
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「在庫がある。でも、ただ安く売るわけにはいかない。」OEM製品のキャンセル後、多くの方が直面するこのジレンマ。ブランド価値を守りながら、在庫に再びチャンスを与えるには、“どこでどう売るか”の見極めがとても大切です。ここでは、「価格を下げる=価値を下げる」にはならないための方法を、一緒に考えていきましょう。

アウトレット販売の落とし穴と、正しい活用法

アウトレットは在庫処分の王道…と思われがちですが、使い方を誤ると、ブランド全体のポジショニングが揺らぐリスクもあります。

たとえば、以下のような注意点があります。

✅ オープンな場所での価格表示は、消費者や既存取引先にも見られる
✅「定価との差」に敏感なユーザーは、定価商品に対する信頼を失いやすい
✅ アウトレット展開がブランドの“常態”になると、購買タイミングが後ろ倒しに

一方で、アウトレット販売自体が悪いわけではありません。
むしろ、一定の基準とルールを持って活用すれば、「ブランドを守りながら在庫を活かす」販路になりえます。

✅ 一般販売チャネルとは明確に分けた“別枠の顧客層”を想定する
✅ 商品スペックやストーリーの表現を簡素化し、“本来の価値軸”と切り離す
✅ 販売期間・数量に制限を設け、あくまで例外的な扱いと伝える

つまり、アウトレット販売も「やり方次第で武器になる」ということです。

ECモール?在庫バルク売り?それぞれの長所とリスク

「アウトレット以外にも選択肢はあるの?」
もちろんあります。たとえば、ECモールやBtoBバルク売りは、在庫処理としてよく検討される手段です。それぞれのメリット・デメリットを、シンプルに比べてみましょう。

手段メリットリスク・注意点
ECモールで販売✅ 個別販売でき、単価が高めに設定可能✅在庫管理がしやすい❌ブランド名が露出しやすく、定価と比較されやすい❌セール常態化による価格信頼性の低下
バルク売り(業者まとめ売り)✅即現金化しやすく、手離れが良い✅ブランド名の露出を避けられることが多い❌単価が大幅に下がる❌売った先での扱いを完全にコントロールできない

このように、「売り切る速さ」か「ブランドとの距離感」か、何を優先するかによって選択が変わってきます。

もし、「どう売るか」にまだ迷いがあるなら、“共感されながら売れる場所”を選ぶという考え方も、ひとつのヒントになるかもしれません。

次の章では、そういったクローズドな販路が、なぜいま注目されているのかをお伝えします。

小ロットでも活かせる“クローズド販路”という選択肢

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「在庫を売りたいけれど、ブランドイメージは守りたい」
そんなときに注目されているのが、“クローズド販路”という考え方です。
これは、限られた人にだけ販売できる仕組みをつくることで、一般市場での価格やイメージへの影響を最小限に抑える販路です。とくに、OEM製品やプライベートブランドなど、小ロットで大切に作られたものほど、こうした販路が相性良く使えます。

一般流通と切り分けることで、価格影響を最小限に

通常のアウトレット販売やECモールとは違い、クローズド販路では「誰に見せて、誰に売るか」をコントロールできます。
たとえば、特定の会員だけが購入できるECサイトや、招待制のバイヤー向けプラットフォームなどがその一例です。

この仕組みが優れているのは、価格の透明性は保ちつつ、流通先が限定されていること
つまり、こういうことができます。

✅ 商品情報や価格はあえてオープンに見せる
✅ でも、購入は会員だけ。流通や転売のリスクが抑えられる
✅ 一般顧客の検索や口コミに、過度に露出しにくい設計

こうすることで、既存の小売・卸ルートへの影響を限りなくゼロに近づけることができます。
とくにアパレルのように、価格感度が高く、ブランドストーリーが重視される商品では、このような“切り分け”がとても重要になります。

会員限定ECなど「売るけど広まらない」設計とは?

いま増えてきているのが、「価格は見える、でも買えるのは選ばれた会員だけ」という設計のECです。
これはいわば、“クローズド・バイイングモデル”と呼ばれるもので、ブランド側にとってはとても安心できる販路なんです。

たとえば、以下のような特徴があります。

会員登録制で、購入者が限定されている
価格は表示されているため、「透明性」も確保
一般市場での価格比較や評判に影響しにくい
「特別な人だけが買える」というプレミア感を演出

これによって、「安くなった理由」が明確で、かつ「安く買えるのは一部の人だけ」という状態をつくれます。
それはつまり、「値崩れではなく、理由あるお得」という見せ方ができるということ。

大量の在庫をさばく場ではないけれど、小ロットでも大切に扱われながら、ちゃんと売れていく場所。
そんな“もう一つの出口”が、このクローズド販路なんです。

次回は、こうした仕組みを活用しながら、「廃棄ではなく価値に変える」方法についてお話ししますね。

廃棄ではなく“価値の転換”へ。いま注目のエシカル販路

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「このまま処分するしかないのかな…」
そんな在庫に対して、“もったいない”ではなく、“もっと活かせる”という視点を持ってみる。
それが、近年注目されているエシカル販路
という考え方です。
単なる在庫処分ではなく、社会や環境への貢献という価値をまとった「もう一つの選択肢」として、エシカルアウトレットがじわじわ広がっています。

エシカルアウトレットという新潮流

エシカルアウトレットとは、廃棄される運命だった商品を、必要としている人に届ける仕組みのこと。
アウトレットであることに変わりはありませんが、その“意味づけ”がまったく異なります。

✅ 賞味期限が近い、パッケージに少し傷があるなど、品質には問題ない
✅ 通常ルートに乗せづらいけれど、価値のある商品
✅ それを“お得に、そして気持ちよく”買ってくれる人がいる

そんな商品たちが、「在庫」から「社会的に意義のある商品」へと生まれ変わる場が、エシカルアウトレットです。

そしてこの仕組みは、買う側にとってもただ安いだけではなく、「自分の買い物が、誰かや何かの役に立っている」という実感があることがポイントです。
この“実感”が、いまの購買行動を大きく左右するようになってきています。

SDGsや社会貢献文脈で支持を得るブランドの共通点

エシカル販路を取り入れているブランドには、いくつかの共通点があります。
それは、「安さ」よりも「意味」を大切にしているということ。

こういったブランドは、次のような姿勢を大事にしています。

✅ 商品の背景や、なぜアウトレットで販売するのかをしっかり伝えている
✅「価格」ではなく「共感」で買われる構造を意識している
✅ 一時的な在庫処分ではなく、“信頼を築く場”としてアウトレットを活用している

つまり、「売れて終わり」ではなく、ブランドに対する新しい好感度や共感が生まれる場としてアウトレットを再定義しているのです。

こうした動きは、特にSDGs(持続可能な開発目標)に関心を持つ層や、Z世代を中心とした若年層からの支持を集めています。
「どう作られたか」「どう売られるか」にまで目を向ける人たちにとって、エシカル販路での購入は“いい買い物”であり、“いい選択”でもあるのです。

このように、売れ残り=マイナスではなく、「新しい価値」への入り口としてとらえ直す視点が、いま求められています。

次の章では、そうした考え方をしっかりと設計に落とし込んだ「クローズド・バイイングモデル」の具体例をご紹介します。
安心して在庫を活かせる場所として注目されている、ある仕組みについてお話しさせてください。

OEFという選択肢|“価格は見える、買えるのは会員だけ”の安心設計

谷澤まさみ
谷澤まさみ

これまでご紹介してきたように、在庫を「処分」ではなく「再価値化」する流れは、いま大きなうねりになっています。その中で、エシカルな販路を模索する企業やブランドにとっての“ちょうどいい場所”として、OEFという仕組みが選ばれています。
OEFの最大の特徴は、「価格は誰でも見える。でも、買えるのは選ばれた会員だけ」という設計。
オープンに見せつつも、ブランドを守るための安心な仕掛けが詰まっているのです。

クローズド・バイイングモデルがブランドを守る理由

OEFでは、誰でも商品ページを見ることができますが、実際の購入は月額制の会員のみに限定されています。
この仕組みは「クローズド・バイイングモデル」と呼ばれていて、ブランドを大切にしたい出品者にとって、多くのメリットがあります。

販売価格が広く認知されすぎないので、一般流通の価格に影響しにくい
“選ばれた購買層”への販売だから、ブランドの品格が守られる
再販リスクや値崩れの連鎖を回避できる構造

つまり、「在庫を売る=ブランドを傷つける」というジレンマから解放されるということです。

また、OEFの会員は「安さだけ」を求めているわけではありません。
「まだ使えるのに捨てられるものを救いたい」「社会貢献になる買い物がしたい」
——そんな共感から集まっている方たちなので、商品や企業へのリスペクトが前提にあるのです。

「売れ残り」ではなく「選ばれ待ち」の在庫へ

OEFでは、よくこんな言葉を使います。
「売れ残り」じゃない。「選ばれ待ち」なんです。

これは、キャンセルされた在庫や、賞味期限が近い食品、B品などに対して、もう一度チャンスをあげたいという想いから生まれた言葉です。

たとえば、OEMで製造されたアパレルのシャツ。
通常の流通では売れなくなったとしても、OEFではこう伝えられます。

✅ このシャツは、仕様変更で納品できなかっただけ
✅ 品質は何ひとつ問題ない
✅ 廃棄せずに、“誰かに届く日”を待っているだけ

“理由あるレスキュー商品”として再登場することで、商品もブランドも、もう一度輝ける
それが、OEFが目指す「廃棄ゼロの未来」のひとつの形です。

「安売りしないと売れない」ではなく、“共感で選ばれる場所”があるということ。
在庫に困ったとき、それが最後の選択肢ではなく、新たな価値を生み出す入口になる。
OEFは、そんな販路として、多くの企業に選ばれ始めています。


✅もし、キャンセル在庫の扱いに悩んでいたら
✅もし、ブランドを守りながら新しい出口を探しているなら

「OEFという選択」が、その一歩になるかもしれません。

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