
ただの生理痛だと思っていた痛みが、実は子宮内膜症でした。見逃しがちな症状、受診の決意、診断後の生活まで、私のリアルな体験をお届けします。目次を見て必要なところから読んでみてください。
22歳の私が子宮内膜症と出会った日【見過ごされがちな“最初の違和感”】
「生理痛が重いだけかな?」そう思っていた私が、子宮内膜症という病名にたどり着くまでには、少し時間がかかりました。でも今思えば、もっと早く気づいていてもおかしくなかった。この記事では、見過ごされがちな初期症状や、自分の身体と向き合うきっかけになった体験をお話しします。同じような不調を抱えている方が、「これって普通?」に終わらせず、気づきを得られるように書いていきます。
「ちょっと重い生理痛」じゃなかった…気づいたきっかけ
10代のころから、生理痛は「我慢するもの」と思い込んでいました。お腹がギューっと痛む日が月に1度来るのは仕方ないこと。市販の鎮痛剤を飲んで、ベッドで丸くなる。それがいつものパターンでした。
でも、ある日から様子が変わったんです。「痛みの質」が違う。時間が経っても効かない薬。吐き気をともなう重だるさ。なんとなく違和感を抱きながらも、「でも病院行くほどじゃないよね」と自分に言い聞かせていたのを、今でも覚えています。
あの頃の私は、痛みに慣れすぎて、自分のサインに気づく感覚が鈍っていたのかもしれません。
生理以外の日にも感じる痛み…こんな症状ありませんか?
次第に、「生理じゃない日にも下腹部が重い」と感じるようになりました。ちょっとした歩行や排便のあとにズキンと響く痛み、腰までじんわりと広がる違和感。
ここでいったん整理しておきます。子宮内膜症の初期症状には、以下のような傾向があります。
✅ 月経痛が年々強くなる
✅ 生理中以外にも下腹部痛がある
✅ セックスのときに痛みがある
✅ 経血量が増えたり、血の塊が多くなる
✅ 排便時・排尿時に痛みを感じることがある
私はこのうちの4つに思い当たる節がありました。でも、どれも「こんなもんかな」で済ませてしまった。違和感を放置しやすいのは、“少しずつ悪化する”ことが多いからです。
周りに言えなかった不安と、ネット検索の日々
誰にも言えなかったんです。「生理痛が辛い」って、なんとなく甘えやサボりだと捉えられそうで。特に仕事が始まってからは、「休む=迷惑かける」というプレッシャーもありました。
だからこそ、私はスマホの検索窓が頼りでした。
「生理痛 毎月ひどい」
「下腹部痛 生理じゃない」
「子宮 病気 若い人」
似たような悩みを抱える人がたくさんいて、ちょっとホッとした反面、「子宮内膜症」「チョコレート嚢胞」などの専門用語を見て、怖くなったことも覚えています。
ただ、ここで大事なのは、検索するほど“自分の体とちゃんと向き合いたい”と思っていたということ。今はその気持ちを、無かったことにしないであげたいと心から思います。
「もしかして…」の気づきが、行動の第一歩になる。その一歩を、自分で否定しないであげてくださいね。
このあと、実際に婦人科に行く決意をするまでの過程や、診断後のこともお話ししていきます。続きを読み進めながら、ご自身の体のこと、少しだけ立ち止まって考える時間にしてもらえたら嬉しいです。
病院に行く決意をした理由【誰かの一歩の参考になれば】
子宮内膜症かもしれない——そう思っても、実際に婦人科に足を運ぶのは簡単なことではありませんでした。この記事では、「病院に行く」までのリアルな心の動きと、受診時に感じたこと、そして診断を受けた瞬間のことを、ひとつずつ丁寧に振り返ります。検索ではわからない「感情のプロセス」を共有することで、いま迷っている誰かの後押しになれたら嬉しいです。
診察までのハードルと、私が準備したこと
まず正直に言うと、婦人科に行くのが怖かったです。
「どんな検査されるの?」「痛いの?」「若いのにこんなことで行っていいのかな…?」
そんな思いが頭の中をぐるぐる回って、予約ボタンを押すまでに何日もかかりました。
でも一方で、痛みが日常を侵食してくる感覚に、さすがに無視できなくなっていたのも事実。そこで私は、まず以下のような準備をしました。
✅ 生理痛・腹痛の記録(スマホのメモアプリに簡単に)
✅ 不安なこと・聞きたいことを箇条書きで整理
✅ 女性医師がいるクリニックを探して予約
「こんな症状で行って大げさじゃない?」と思っても、医療のプロはちゃんと聞いてくれます。準備をしておくことで、自分の不安を言葉にしやすくなりました。
はじめての婦人科受診は、想像よりもあたたかかった
受診当日は正直ガチガチでした。待合室でも、「若い私が婦人科って、場違いかな…」とそわそわ。でも、名前を呼ばれて診察室に入った瞬間、その不安は少しずつ溶けていきました。
先生はとても落ち着いた声で、「どうされましたか?」と目を見て話を聞いてくれました。途中で何度も「ここまでで分からないことある?」と確認してくれて、無理に話させようとしない姿勢に救われました。
内診や超音波検査も、事前に丁寧な説明がありました。「怖い」と感じるポイントを分かってくれているんだな、と感じました。
婦人科って、思っていたよりずっと“こちらの心に寄り添ってくれる場所”だったんです。
検査でわかった「子宮内膜症」診断の瞬間
検査結果はその場ですぐに分かるわけではなく、数日後に再来院して説明を受けました。
「子宮の後ろ側に内膜組織が確認されました。子宮内膜症の可能性が高いです」
そう言われたとき、正直なところ、安心とショックが入り混じった感覚でした。
「やっぱり何かあったんだ」と納得できた一方で、「この先どうなるの?」という新たな不安も湧いてきました。
先生は、「20代でも珍しいことではありませんよ。治療方法はいくつかありますし、まずは一緒に考えていきましょう」と優しく説明してくれました。
このとき私が感じたのは、病名がつくことで初めて“自分の痛みが正当化された”という感覚でした。それまでずっと、「大げさじゃないか」「サボってるんじゃないか」と、自分を責めていたから。
診断はゴールじゃなくてスタート。でも、“知ること”が私を救ってくれたのは間違いありません。
誰かにとってこの文章が、「私も行ってみようかな」と思えるきっかけになりますように。迷っているあなたの不安は、きっと無駄じゃないです。
子宮内膜症と診断されてからの生活【仕事・恋愛・自分時間】
診断された瞬間よりも、そのあとどう付き合っていくかのほうが、ずっと難しい。子宮内膜症は、生活の中に「共存」していく病気です。治療法はあるけれど、完治が難しいとされるからこそ、“治す”より“向き合う”ことが大切になる。
ここでは、私自身がどんなふうに日常と折り合いをつけてきたか、仕事・恋愛・家族との関係も含めて、リアルに綴っていきます。
毎月くる不安との付き合い方
診断されたからといって、翌月から痛みがピタッと止まるわけではありませんでした。
「また今月も来るかな」「これ以上ひどくなったらどうしよう」と、月1回の生理が“予測できる恐怖”に変わったんです。
私がまずやったのは、「自分のパターンを知ること」。
カレンダーに痛みが強かった日、食べたもの、仕事の予定などを記録し、自分の生活リズムと痛みの関係性を見える化していきました。
すると、「排卵日前後に腰痛が出やすい」「睡眠不足だと重くなる」など、ちょっとした傾向がつかめるように。
完全には避けられないけれど、“予測できる不安”に変わるだけで、心の余白が生まれました。
それからは、「今月もやってくる」ではなく、「うまく付き合う準備をしよう」に意識がシフトしていった気がします。
ピルを飲むことへの抵抗と変化した気持ち
処方されたのは、低用量ピルでした。
最初は正直、抵抗がありました。「ピルって避妊の薬でしょ?」って。
でも医師から、「ピルはホルモンのバランスを整えて、内膜症の進行を抑える治療にも使われます」と聞いて、少し安心したのを覚えています。
服用を始めてから1~2か月は、吐き気や頭痛などの副作用に戸惑いました。
でも3か月目くらいから徐々に慣れてきて、あの激痛の生理が、“普通の不快感”くらいに落ち着いたんです。
気づけば、仕事を休まずに済んだ月が増えていて、それが小さな自信にもなりました。
今では、ピルは“我慢しない選択肢”のひとつだったと感じています。
自分の体の状態や目的に合わせて、選べる時代なんですよね。
恋人や家族との関係、どう変わった?
この病気は、本人だけじゃなく、周りとの関係性にも影響します。
私は、診断されたあとに初めて、恋人や母にきちんと話をしました。
正直、すごく勇気がいりました。
「重い話だと思われないかな」「理解されなかったらどうしよう」って。
でも、話してみたら——案外、受け止めてもらえました。
母は「そんなに辛かったんだね」と涙ぐみながら抱きしめてくれて、恋人は「言ってくれてありがとう」と寄り添ってくれました。
特別なアドバイスや言葉じゃなくてよくて、“一緒にいる誰かが、わかろうとしてくれる”ことが、こんなにも救いになるんだと実感しました。
そして自分自身にも、少しずつ優しくなれるようになった。
「今日は調子が悪いから、無理しないでおこう」「家事も手抜きでOK」って、自分の声を聴けるようになった気がします。
子宮内膜症は、見た目ではわかりにくいからこそ、ちゃんと「伝えること」と「知ってもらうこと」が必要なんですよね。
自分の不調に正直になることは、甘えでも、わがままでもない。
それは、私たちが“ちゃんと生きるための選択”なんです。
私が選んだ“向き合い方”【完璧じゃないけど、正直に書く】
子宮内膜症と生きるって、何か特別なことを頑張るわけじゃなくて、“自分とちゃんと向き合う”ことの積み重ねなんだと思います。私は医療従事者ではないし、健康オタクでもありません。でも、だからこそ、自分の体のサインに目を向けながら、小さなケアを続けてきました。
ここでは、「頑張りすぎない」「でもちゃんと自分を守る」ために私が選んできた向き合い方を紹介します。
日常で実践しているセルフケア5選✅
がんばらない。でも、投げ出さない。そんな気持ちで続けている日々のケアを、具体的に5つご紹介します。
✅ お腹を冷やさないようにする
冷えは痛みを引き起こしやすいと実感しています。冬場だけでなく、夏も冷房で油断しがち。私は腹巻きやカイロを貼る習慣を取り入れるようになりました。
✅ 腸活と食事の見直し
便秘や腸の不調があると、腹部の痛みが悪化しやすいので、発酵食品・食物繊維・白湯習慣を意識。コーヒーを控えるだけでも、お腹のハリが減りました。
✅ 体を締め付けない服を選ぶ
スキニージーンズや補正下着など、締め付けの強い服は痛みを誘発しやすく、今ではほとんど着ていません。自分が心地よく過ごせる服を選ぶことも立派なセルフケアです。
✅ 自分の体調メモをつける
スマホのカレンダーやメモに、痛みの有無・食事内容・気分などを軽く記録しています。パターンを把握しておくと、「あ、そろそろ来そう」と予防的に行動できるようになりました。
✅ 休むことを優先するマインドセット
以前の私は、痛くても「仕事あるし…」と無理をしてばかり。でも今は、「休むこと=体を守る選択」と捉え直しています。心と体をすり減らす前に、一歩引く勇気も大切です。
SNSに発信した理由と、もらった言葉の力
ある日、ふとしたきっかけでInstagramに「子宮内膜症のこと、誰にも言えなくてしんどかった」と投稿したことがありました。
そしたら、思いがけない反応が返ってきたんです。
「私も同じ病気です」
「実はずっと我慢してました」
「読んで泣きました。ありがとう」
SNSって“つながるための場”である以上に、“自分を認め直す場”になるんだと気づいた瞬間でした。
“私だけじゃなかった”という感覚が、どれだけ心強かったことか。
もちろん、病気のことを全員に話す必要はありません。でも、どこかで「私はこう感じてる」と声に出していいんだよって伝えたい。
その小さな発信が、見えない誰かの勇気にもつながるかもしれないから。
痛みと共存しながら“自分らしく”生きる選択
子宮内膜症になって、いろんなことを諦めなきゃいけないのかなと思っていた時期もありました。
でも、今の私は「制限があるからこそ、選び方が変わった」と感じています。
無理をしない働き方を模索したり、体にやさしい食事を大事にしたり。時には予定を断る勇気を持つことも。
それって、“病気のせい”じゃなく、“自分を大切にする生き方の変化”だと今では思えるようになりました。
私は完璧じゃありません。ケアを忘れる日もあるし、落ち込む日もある。
でも、痛みがあっても、自分らしくいることはあきらめたくない。
それが私なりの向き合い方です。
もし今、あなたが「私の症状も、そうかもしれない」と思っていたら――
がまんするより、“知ること”“選ぶこと”を大切にしてほしい。
完璧じゃなくていい。まずは、自分を守る選択を、ひとつずつ。
子宮内膜症の症状に悩むあなたへ伝えたいこと
「この痛み、放っておいても大丈夫かな…?」そんなふうに迷いながら、日々を過ごしている方へ。この記事の最後に、いま苦しんでいる“あなた自身”に届けたいメッセージを書かせてください。
私は医師ではありません。でも、自分の身体と向き合ってきた一人の体験者として、「気づくこと」「選ぶこと」の大切さを、心から伝えたいと思っています。
「様子見でいいかも」の裏にある危険信号
私自身、「もう少し様子を見よう」「毎月のことだし仕方ないよね」と、自分の違和感にフタをしていた時期がありました。
でも今思えば、その“我慢グセ”こそが一番危うかった。
特に子宮内膜症は、進行性の病気です。気づかないうちに癒着が広がっていたり、不妊の原因になることもあります。
だからこそ、以下のような症状がある場合は「一度診てもらう」という選択を、本気でおすすめします。
✅ 年々ひどくなる生理痛
✅ 市販薬が効かないほどの痛み
✅ 生理以外の日にも下腹部が痛む
✅ 排便・性交時に痛みがある
「みんなこんなもんでしょ」じゃなくて、「私は今、しんどい」って感じることに、ちゃんと意味がある。
それをスルーしないことが、未来の自分を守る第一歩になります。
病名よりも、自分の体を信じることから始めよう
「病気かもしれない」と思うのって、怖いですよね。診断されるのが不安だったり、「まだ若いし」「大げさだと思われたら嫌だな」と感じる人も多いと思います。
でも私は、病名を知ることそのものが目的じゃなくて、“今の自分を知るため”に受診したんだと思っています。
体は、ちゃんと毎日サインを送ってくれています。
「ちょっと無理してない?」「今は休もうよ」って。
その声を聞くのに、年齢も、経験値も、関係ありません。
自分の違和感を信じてあげることが、一番やさしいセルフケア。
たとえ検査で何も見つからなかったとしても、それは「安心の確認」ができたということ。
行って損をする受診なんて、ひとつもないと私は思っています。
私の体験が、あなたの一歩の背中を押せますように
ここまで読んでくれて、本当にありがとうございます。
私は特別な存在ではなく、ごく普通の、ただのひとりの女性です。
でも、自分の痛みを「我慢」ではなく「選択」に変えることで、人生がすこしずつ変わってきました。
✔️ 休むことに罪悪感を持たなくなった
✔️ 痛みの前に、対策ができるようになった
✔️ 「わかってくれる人」が周りに増えた
どれも、「病気になってよかった」と言いたいわけではありません。
ただ、「気づけてよかった」「放置しなくてよかった」という感覚は、今の私に確かにあります。
痛みを抱えることも、受け入れることも、勇気がいります。
でも、その勇気が“生きやすさ”に変わる瞬間が、きっとあなたにも訪れると思います。
だから、どうか忘れないでください。
あなたの違和感は、ちゃんと向き合う価値がある。
その小さなサインを、大切にしてあげてくださいね。