エシカルファッションの市場規模と今後の動向｜企業ができる取り組み3選も紹介

谷澤まさみ

エシカルファッションってよく聞くけど、実際どう関わればいいの？市場の動向から具体的なアクションまで、わかりやすくまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。

エシカルファッションの市場規模はどれくらい？
市場拡大を支える消費者の意識変化
エシカルファッション業界の今後の展望
エシカルファッションに関わるには？

エシカルファッションの市場規模はどれくらい？

「エシカルファッションって、よく耳にするようになったけれど、実際どれくらい広がっているの？」
そんな疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか。
環境や人権に配慮したファッションが注目を集める今、その市場は世界的にも確実に広がりを見せています。

今回は、エシカルファッションの市場規模と、その背景にある動きについて、わかりやすくお伝えします。

年々成長を続ける背景とは？

では、なぜここまでエシカルファッションが広がっているのでしょうか？

その理由のひとつは、「消費者の価値観の変化」です。
かつては「安さ」や「流行」が重視されていたファッションですが、今は「誰が、どのように作ったのか」が選ぶ基準になっています。

特にZ世代やミレニアル世代は、自分の消費行動が社会にどんな影響を与えるかをしっかり考えています。そうした世代の購買力が高まるにつれ、エシカル市場の成長はますます加速しています。

さらに、気候変動や児童労働といった問題への社会的関心の高まりも後押ししています。
「どうせ買うなら、ちょっとでもいい未来につながるものを」——そんなやさしい選択が、今はファッションにも広がっているのです。

サステナブルブランドの台頭が与える影響

エシカルファッション市場の成長を牽引しているのは、もちろんブランド側の挑戦もあります。

これまでの大量生産・大量廃棄から一歩踏み出し、長く使える素材や再生繊維を取り入れた製品作りに取り組むブランドが増えています。

たとえば：

オーガニックコットン100%を使ったカットソー
廃棄予定だった布をアップサイクルしたバッグ
作り手の顔が見えるフェアトレードのワンピース

こうしたアイテムは、単に「服」というよりも“ストーリー”をまとう感覚に近いものがあります。
購入した人の満足感も深く、「大切に着たい」という想いを引き出してくれます。

また、サステナブルブランドの増加は、従来のファッション業界にも刺激を与えています。
コレクションの一部だけでもエシカル素材を取り入れたり、環境負荷の少ない染色方法を選んだりと、「今できることから」始める企業が増えたのも大きな変化です。

こうしてエシカルファッションは、単なるトレンドではなく、業界全体のスタンダードになりつつあるのです。

このように、エシカルファッションの市場は数字以上に人の意識と行動の変化が育てています。
それは「やさしさ」や「未来への配慮」が、ちゃんと「売れる力」に変わってきている証拠でもあると私は思います。

「安いから買う」ではなく、「想いがあるから選ぶ」——そんな選択が広がれば、ファッションの未来もきっともっと美しくなるはずです。

市場拡大を支える消費者の意識変化

エシカルファッションがここまで注目されるようになった背景には、消費者の意識そのものが大きく変わってきたことがあります。
「おしゃれを楽しみたい」という気持ちはそのままに、“自分の選択が誰かのためになっているか”を考える人が増えてきました。

毎日の買い物や服選びの中で、「これってどこで作られてるの？」「素材は？」と、ちょっと立ち止まって考える。
そんな優しい視点が、今の市場の広がりを支えているんです。

「価格」より「価値」で選ばれる時代へ

以前は、安さやコスパが最優先だったファッション選び。
でも今は、「この服にはどんなストーリーがあるんだろう？」と、価格の裏にある“価値”に目を向ける人が増えてきました。

✅ たとえばこんな価値が大切にされています：

フェアトレードで生産されたこと
オーガニック素材や再生繊維の使用
地域の伝統技術を守ること

もちろん、価格が大事なのは変わりません。
でも、「安いから買う」から「価値があるから買いたい」という意識に、少しずつシフトしてきているように感じます。

そしてこの変化は、単なるブームではなく、日常の中に根づきはじめた新しい選択の基準なんです。

Z世代・ミレニアル世代の支持がカギ

今、エシカルファッションの拡大を一番支えているのが、Z世代とミレニアル世代の存在です。
彼らは、小さいころから環境問題や社会課題に触れる機会が多く、自分の行動が社会にどんな影響を与えるかを自然と考える力を持っています。

「可愛いから」「流行ってるから」だけではなく、
「この選択が未来の誰かに優しくつながっているか？」を大事にする感性。
それがエシカルファッションとぴったり合っているんですね。

学校やアルバイト先、SNSでの会話でも、「エシカル」や「サステナブル」という言葉がすっかり身近になっていて、
“おしゃれ＝自分らしい価値観を表現すること”としてファッションを楽しんでいます。

そして何よりも、彼らは「押しつけられること」を嫌います。
だからこそ、共感できるストーリーや透明性のある情報発信がとても大切になってくるのです。

SNSの影響力とエシカルトレンドの拡散

エシカルファッションがここまで広がった背景には、SNSの存在も欠かせません。
インスタグラムやTikTokでは、素敵なコーディネートと一緒に「どこで作られたのか」「どういう思いがあるのか」を伝える投稿が、日々シェアされています。

✅ SNSが生んだ変化

作り手の顔が見えるブランドが応援されやすくなった
ファッションが「自己表現＋社会へのメッセージ」に
ハッシュタグを通じて一気に世界へ広がる可能性

「これ、地元の織物なんだよ」「廃棄されそうだった素材を使ってるんだって」
そんな一言が、ただのファッション投稿を“やさしさの連鎖”に変えてくれます。

エシカルファッションは、SNSの力で広まりながら、人と人の想いをつなげるファッションへと育っているのです。

エシカルという選択が、特別な人だけのものではなく、「今の自分ができることから少しずつ」という空気ができている今。
このやさしい流れが、これからのスタンダードになっていくのではないかと、私は感じています。

エシカルファッション業界の今後の展望

エシカルファッションは、単なる「意識の高い選択」ではなく、これからのスタンダードになる可能性を秘めた分野です。
気候変動、資源の枯渇、労働環境の問題……そんな世界的課題が身近に感じられる今、私たち一人ひとりの選択が、未来をつくっていく力になるのだと、あらためて実感しています。

この章では、エシカルファッションのこれからについて、国内外の動きや可能性を交えながらお話しします。

注目される国産エシカルブランドの動き

ここ数年、日本国内でもサステナブルを意識したブランドが増えてきました。
たとえば、古くからの織物技術を取り入れたアップサイクル商品や、植物由来の染料を使った服づくりなど、地域資源や伝統に根ざした取り組みが光っています。

✅ 今注目されているポイント：

国内生産によるトレーサビリティの確保
小ロット・受注生産による廃棄リスクの削減
作り手との距離が近く、ストーリーのある商品が生まれる

海外のエシカルブランドとは違い、日本ならではの“丁寧なものづくり”が評価されているのも印象的です。
「顔が見える関係」「誰がどう作ったかを知ること」が安心感や信頼につながっているのだと思います。

こうした動きは、単に服を買うことではなく、暮らしの価値観そのものを選ぶことにつながっているように感じます。

リユース・リメイク・サブスクモデルの可能性

「新しいものを買うだけが、ファッションじゃない」
そんな考え方が、少しずつ広がっています。

今注目されているのが、リユース（再利用）やリメイク（再構築）、そしてサブスクリプションモデルといった、循環型のファッションの在り方です。

たとえば：

取り組み	内容	メリット
リユース	古着を販売・交換する	資源を無駄にしない／コストを抑えられる
リメイク	着られなくなった服に手を加える	思い出のある服が“今の自分”に合う形に
サブスク	毎月アイテムを借りて着回す	所有しなくても気分転換できる

こうした動きは、「ファッション＝買って捨てるもの」という発想からの脱却を促しています。
そのなかでも特にサブスクは、服を借りることで新しい出会いが生まれたり、買い物の失敗が減ったりと、実はとてもエシカルで合理的な仕組みなんです。

今後は、これらのモデルがもっと身近になって、楽しさとやさしさが両立できる選択肢として広がっていくのではないでしょうか。

2030年に向けたグローバルトレンドとOEFの役割

SDGs（持続可能な開発目標）を掲げる国際社会の中で、2030年という年はひとつのマイルストーンとされています。
その中でも、12番「つくる責任・つかう責任」はファッション業界に直結する目標です。

世界では、環境負荷の少ない素材開発や、生産地の労働環境改善など、ファッションの透明性と持続可能性を求める声が一層強まっています。
そして、この動きは大企業だけではなく、小さなブランドや個人のクリエイターにも求められるようになってきました。

ここで、OEFのような“エシカルECプラットフォーム”の存在がとても大きな意味を持ちます。

✅ OEFが担う未来への役割：

エシカルな商品と消費者を適切にマッチングする場を提供
ブランド価値を守りながら在庫を有効活用できる仕組み
クローズド・バイイングモデルにより市場価格への影響を抑えられる

さらに、OEFが発信する「共感できるストーリー」や「買い物で社会をよくする体験」は、これからの消費のあり方をやさしく、でも確実に変えていく力になると感じています。

ファッションの未来は、「大量に消費されるモノ」から、「想いをまとって長く大切にされるもの」へ。
OEFもその一歩を、一緒に歩いていける存在でありたいと願っています。

エシカルファッションに関わるには？

「エシカルファッションに関心はあるけれど、うちの会社にはまだ早いかも…」
そんな風に感じている企業さま、きっと少なくないのではないでしょうか。

でも、実は今できる小さな一歩が、未来を変えるきっかけになることもあります。
ここでは、企業としてすぐに始められる取り組みや、OEFという選択肢がどんな可能性を持っているのかを、具体的にお伝えしていきますね。

企業が今すぐ取り組める3つのアクション

エシカルファッションと聞くと、なんだか大きな設備投資や専門知識が必要そうに思えるかもしれません。
でも大丈夫。身の回りを見つめなおすことから始められるんです。

✅ まずはこの3つから：

在庫の見直しと「もったいない」視点の整理
　「まだ着られるのに出荷できない」「仕様変更で眠っている」など、少しの理由で行き場を失っている商品はありませんか？
　それらを“廃棄”ではなく“再提案”することが、最初の一歩になります。
環境に配慮した素材の導入や見せ方の工夫
　すべてを一気に変える必要はありません。まずは1型、1シリーズだけでも、再生素材やオーガニック原料を使ってみる。
　その取り組みを、「想い」ごと丁寧に伝えることが、エシカルブランドへの第一歩になります。
販売方法の選択肢を広げる（OEFのような場を活用）
　既存のチャネルでは売りにくい商品でも、“共感”を大切にするプラットフォームなら、必要としてくれる人に届く可能性が広がります。

「完璧じゃないとエシカルと言えない」なんてことはありません。
“できるところから少しずつ”の姿勢こそ、今の時代に響く選択なんです。

OEFでエシカル商品を展開するメリットとは？

OEFは、「エシカル消費」を大切にする方々と、価値ある商品を持つ企業さまをつなぐオンラインプラットフォームです。
他のECサイトと大きく違うのは、“買う人の価値観”と“売る人の想い”が出会う場所であるという点。

✅ OEFで出品する主なメリット：

項目	内容
購入者が“会員制”	価格は見えるけれど、実際に購入できるのは登録者のみ。ブランド価値や市場価格を守れます
出品手数料は「売れたときだけ」	初期費用や月額は最小限。リスクを抑えて出品できます
フードロス・アパレルロスに関心のある層が集まっている	商品自体だけでなく、「背景」に共感してもらえる確率が高いです

たとえば、倉庫に眠っていたシーズンオフ品や、検品ではねられたけど品質に問題のない服。
それらを「訳アリ品」ではなく、「エシカルな選択肢」として見せることができるのが、OEFの強みです。

そしてもう一つ。
「安いから売れる」のではなく、「想いに共感して選ばれる」売れ方ができる。
これは、他ではなかなか体験できない価値だと思います。

一緒に「廃棄ゼロの未来」をつくりませんか？

ファッション業界は、どうしても「余り」や「廃棄」が出やすい構造にあります。
でも、それはあくまでも“仕組み”の問題。
仕組みを変える仲間が増えれば、未来も変えられるはずです。

「捨てるしかなかったものに、もう一度光を当てる」
「価値を伝える場所があれば、ちゃんと届く」

そんな信念から生まれたOEFは、これからも“誰かの想いを、必要な誰かへ届ける”場所であり続けたいと思っています。

ファッションの可能性を、もっとやさしいカタチで広げていくために。
もし今、あなたの会社に「もったいないけど動かせないもの」があるなら、ぜひ一度OEFにご相談ください。

小さな一歩が、廃棄ゼロの未来につながるかもしれません。
一緒にその一歩を、踏み出してみませんか？