谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫が動かない、ブランドを守りたい、でも直販はハードルが高い——そんな卸業者の課題を解決するヒントが詰まっています。目次を見て必要なところから読んでみてください。

いま卸業者が直面する「BtoCの壁」

小売店を通さずに、自分たちの手で商品を届けたい。そう願う卸業者さんが、いま本当に増えています。
でも、その道のりは決して平坦ではありません。なぜなら、そこには「価格」「販路」「ブランド」のジレンマがあるからです。

今回は、「卸業からのBtoC転換」において、多くの企業さんが直面しているリアルな課題と、その背景についていっしょに考えていきたいと思います。

小売店依存の限界と価格決定権の喪失

「自社の商品なのに、自分たちで価格が決められない」

そんな声を卸業者さんからよく聞きます。
商品が店頭に並ぶまでには、複数の流通業者を通ります。そのたびに価格は調整され、利益率はどんどん削られてしまうのが現実です。

価格決定権が自分たちにないまま、市場評価だけが先行してしまう
✅ 販売戦略を組んでも、実際の売り方は小売店に依存せざるを得ない
✅ 値引き競争に巻き込まれ、ブランド価値まで下がってしまうことも

これでは、本来の商品に込めた想いや価値が、きちんと届かなくなってしまいますよね。

特にこだわりのある商品を扱う企業ほど、この「価格コントロールの難しさ」に悩まされているようです。

D2Cに挑戦したいが、直販ECの構築コストが高すぎる

「だったら自社で売ればいいのでは?」
たしかにその選択肢もあります。でも、ここで立ちはだかるのが“直販ECの構築コスト”という高い壁です。

BtoCに舵を切るには、ECサイトの制作から集客、在庫管理、カスタマーサポートに至るまで、想像以上のコストとリソースが必要になります

簡単に比較してみると……

項目一般的な自社EC卸販売
初期コスト数十万〜数百万円ほぼ不要
運用工数社内で毎日対応が必要発送のみで完結
集客コスト広告・SNS運用など基本不要

このように、自社ECは「始めるのも、続けるのも大変」なんですね。
だからこそ、「自社だけでやるのは難しい。でも、消費者と直接つながる販路は持ちたい」
そんな声に、私も強く共感しています。

販路の多様化が卸の生き残りに不可欠な理由

これからの卸業にとって、一番のキーワードは「多様な販路を持つこと」です。

小売店の販路だけに頼っていては、時代の変化に対応できなくなってしまいます。
特にコロナ以降、BtoCモデルへの移行はますます加速しました。

✅ 実店舗に依存しない「オンライン直販」
✅ 会員制で価格をコントロールできる「限定販売」
✅ ブランドを守りながら商品を届ける「クローズド販路」

こうした柔軟な販路を持つことが、今の時代には欠かせないのです。
そしてそれは、単に売上を伸ばすためだけでなく、自社の理念や商品への想いを、きちんと届ける手段でもあります。

大切なのは、「商品を売ること」だけじゃなくて、「どう売るか」「誰に届けるか」を自分たちで選べること

その自由を手にしたとき、卸業者さんのビジネスはもう一段階ステージアップしていくのだと思います。

次は、「どうやってその一歩を踏み出すのか?」を一緒に考えていきましょうね。

「卸から直販」へ──成功するBtoC移行のポイント

谷澤まさみ
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BtoCに移行したい。でも「いきなり全部はムリ」と感じていらっしゃる方、多いのではないでしょうか。
だからこそ大切なのは、いきなり完璧を目指すのではなく、まずは“小さく始める”ことです。
ここでは、無理なくBtoCを始めるための考え方と、成功につながるステップを一緒に見ていきましょう。

まずは「テスト販売」できる場の確保から

BtoCに挑戦するうえで最初にやるべきことは、リスクを抑えて“試せる場所”を見つけることです。
たとえば、こんな課題はありませんか?

✅ 「D2Cをやってみたいけど、どのくらい売れるかわからない」
✅ 「広告費をかけてまで販路を広げるのは怖い」
✅ 「ブランディングを壊さずにテストしたい」

このようなときは、「会員制のECサイト」や「クローズド販売プラットフォーム」を活用するのがおすすめです。
不特定多数に晒されることなく、エンドユーザーの反応をダイレクトに見ることができるからです。

特に、商品にストーリーや背景がある場合は、共感してくれる層との接点を持つことで、ただの“安売り”にならずに済むのも大きなメリットです。

エンドユーザーと直接つながるための3つのステップ

「直販を始めよう」と思ったとき、大切なのは“ただ売る”だけでなく、“つながる”ことです。

そのために意識してほしいのが、以下の3ステップです。

  1. 誰に届けたいかを明確にする
     →「価格に敏感な層」ではなく、「価値に共感する層」をイメージしましょう。
  2. 商品の魅力を、日常の言葉で伝える
     →原材料や製造背景など、語れるストーリーがあるなら、遠慮せず出していきましょう。
  3. フィードバックを受け取る導線をつくる
     →レビュー・アンケート・SNS投稿など、ユーザーの声を集めることで改善にもつながります。

この3つを意識することで、「商品が売れる販路」ではなく、「ファンが育つ販路」ができていきます。

在庫ロスをチャンスに変える販路構築法

卸業をしていると、どうしても発生してしまうのが「在庫ロス」。
でも、それは本当に“ロス”なのでしょうか?

例えばこんな商品たち──

✅ 少しだけ賞味期限が近いけれど、品質はまったく問題なし
✅ パッケージに少し傷があるだけで、中身は新品そのもの
✅ 季節の入れ替えで売り場に並ばなくなったもの

これらは、「ただの在庫」ではなく、「共感で選ばれる商品」になり得ます。

販路が整えば、こうした商品は「エシカルな選択」や「掘り出し物」として価値を取り戻すんです。

たとえば、一定の会員にだけ販売する「クローズド型販路」なら、市場価格を守りながら在庫を効率よく動かせます。しかも、ブランドを傷つけることなくです。

さらに、購入者からはこんな反応が返ってくることも多いです。

「こんなにお得で、おいしいのに捨てられるところだったなんて…」
「買って応援できるって、すごく気持ちがいい」

このように、在庫ロス=チャンスの原石
販路さえ整えば、それはもう“問題”ではなく、“武器”になるのです。

「ただ売る」から、「誰かにとっての価値を届ける」へ。
BtoCへの第一歩は、そんなやさしい視点から始めてみませんか?

小売店を介さず「直販」する新時代の選択肢とは

谷澤まさみ
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「いい商品を、ちゃんと想いごと届けたい」
そんな気持ちを持つ卸業者さんにとって、今の時代はとてもチャンスが広がっています。
なぜなら、“BtoC直販”のハードルが、どんどん下がってきているからです。
これまでは「小売に任せるしかない」と思われていた部分も、今では卸業者自身が選び取れる時代になりました。
では、どんな販路からスタートすれば、無理なく、でもしっかり届けられるのでしょうか?
ここでは、その「新しい選択肢」をご紹介します。

モール型プラットフォームで始めるBtoCモデル

BtoCに移行したいときに、いきなり自社ECを立ち上げるのは、やはり大変です。
そんなときに頼れるのが、“モール型のECプラットフォーム”です。

✅ サイト集客や決済はすでに整備されている
✅ 初期費用や手数料が明確でリスクが低い
✅ 買い手も「お得でエシカル」な目的で集まっている

つまり、「届けたい人がすでに集まっている場所」で、気軽に“お試し販売”ができるのが魅力です。

たとえば、賞味期限が近い食品や、パッケージにキズがある雑貨なども、理由があるからこそ魅力的に映ることがあります。
そうした「ちょっと訳ありだけど、ちゃんと価値がある商品」こそ、モール型の販路で輝けるのです。

「価格オープン/購入クローズド」でブランドを守る

「アウトレット価格で売ると、ブランドが崩れるのでは…?」
そんな不安の声もよく耳にします。でも、安心してください。

今注目されているのが、「価格はオープン、購入はクローズド」という新しい販売モデルです。

✅ 誰でも商品情報は見られる
✅ でも、購入できるのは“会員限定”

この仕組みを使えば、市場全体の価格帯に影響を与えず、安心して在庫を流通させることができます

しかも、限られたユーザーにだけ販売できることで、「お得な限定感」や「プレミアム感」も自然と生まれます。

値崩れを防ぎながら、新たな顧客層にリーチできる──
これこそが、今の時代の「直販」のあり方なのではないでしょうか。

少ロット・期限近でも売れる販路の条件

「在庫が少ないから」「期限が迫っているから」とあきらめてしまうのは、まだ早いかもしれません。

実は、こうした商品こそ“喜ばれる販路”があるんです。

少量でも出品できる柔軟なプラットフォーム
仕入れロットが読めない業者向けに人気
✅ 購入者は「フードロス削減」「お得に楽しむ」ことを重視

たとえば、おまかせBOXや福袋形式で出品すれば、商品をうまく組み合わせて価値を高めることも可能です。

少ロット・短期商品でも、「どんな人に、どう届けるか」を考えれば、立派な“主役商品”として活躍してくれます。

むしろ、こうしたアイテムにこそ、ファンとの深いつながりが生まれる可能性があるのです。

“今まで諦めていた在庫”が、“新しいファンをつくるきっかけ”に。
それが、これからの卸業にとっての「直販」の大きな可能性だと思っています。

「売れない」在庫が“収益源”に変わるケーススタディ

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「もう売れないかも…」「捨てるしかないかも…」
そう思っていた在庫が、新しい収益の柱になった──
そんな事例が、実はどんどん増えています。
ここでは、カテゴリー別に見た成功事例や、完売に導いた商品たちの共通点を紐解きながら、「なぜそれが売れたのか?」を深掘りしていきたいと思います。

食品・化粧品・日用品…カテゴリー別の販路成功例

まずは実際に成果が出ている3つのジャンルでの具体的な販路活用例をご紹介します。

カテゴリー在庫状況成功要因出品スタイル
食品賞味期限が1か月以内セット販売で「お得感」+「使い切れる量」におまかせBOX、送料無料セット
化粧品パッケージ不備、旧仕様成分・品質は同じと明記 → 安心感で完売限定セール+レビュー訴求
日用品仕入れすぎ、季節外れ通年使える用途を提示 → 探していた層に届いた割引×目的別パッケージ

このように、「売れない理由」をユーザーにとっての価値に変換できると、商品の再評価が進みます。

たとえば、「冬向けの入浴剤」でも、「冷房で冷えた体に夏でも重宝!」と打ち出すことで、まったく違う切り口で売れたケースもあります。

「期限間近でも完売」できた商品の共通点とは?

では、なぜそれらの商品が「完売」までたどり着けたのでしょうか?
その答えは、次の3つに集約されます。

「ストーリー性」と「背景」を添えて販売していた
「廃棄されそうな理由」も正直に、やさしく伝えることで、信頼と共感が生まれました。

「価格以上の体験価値」を提供していた
ただ安く売るのではなく、「このセットでこんなに楽しめる」「家族で一緒に使える」など、買った後の満足感を設計していたのがポイントです。

購入のしやすさを徹底的に工夫していた
送料込み・簡単決済・定量パックなど、「迷わず買える仕掛け」があるかどうかで大きく差が出ました。

つまり、「安くしておけば売れる」わけではないのです。
伝え方・売り方・届け方を工夫することで、期限間近でもちゃんと完売できるということなんですね。

買い手の8割は“安さ”より“共感”で動いている

「この値引き率、すごい!」というインパクトは、もちろんきっかけになります。
でも実際に購入を決めるのは、もっと心に近い感情だったりします。

たとえば──

✅ 「もったいないから、買って応援したい」
✅ 「このブランドの姿勢が好き」
✅ 「知らなかったけど、ちゃんと使える商品なんだ」

こうした声が、購入者から数多く届いています。
つまり、安さは“入口”であって、“決め手”ではないんです。

今の消費者は、ただ安ければ買うのではなく、
「どんな想いでつくられたか」
「なぜ安くなっているのか」
「自分がそれを買うことで、何に貢献できるのか」

そんな背景にあるストーリーに、心を動かされているのです。

「売れない」と思っていた在庫も、ちゃんと伝えれば“選ばれる商品”になる
その小さな実感が、次の一歩を踏み出す勇気につながっていくと、私は信じています。

OEFというBtoC支援型ECプラットフォーム

谷澤まさみ
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ここまで、卸業者さんが小売を介さずに「直販」へ踏み出す新しい道を見てきました。
では実際に、それを安心して、無理なく、すぐにでも始められる場所はあるのでしょうか?
その答えのひとつが、OEF(Outlet, Ecology, Foodloss)というBtoC支援型のエシカルECプラットフォームです。
OEFは、売り手にも買い手にもやさしい仕組みをつくり、在庫の「もったいない」を「ありがとう」に変える場として、少しずつ広がりを見せています。

会員限定の販売設計=価格を守りながら販路拡大

OEFの最大の特徴は、「価格はオープン、購入はクローズド」という安心設計にあります。

✅ 誰でも商品ページは見られる
✅ でも、実際に購入できるのは“月額会員”のみ

この「クローズド・バイイングモデル」によって、市場価格への影響を最小限に抑えつつ、在庫を活かす新しい販路が生まれるのです。

特にブランド力を守りたい企業にとっては、
「お得だけど、誰にでも買えるわけではない」という“限定感”がブランド価値を損なわずに済む大きなポイントになります。

このモデルは、価格を下げても信頼を落とさない販路として、多くのメーカーさんにとってちょうどいい選択肢になり得ます。

初期コストを抑え、販路をテストできる柔軟設計

「BtoCを始めたいけど、まずはテストしてみたい」
そんな卸業者さんの声に、OEFは応えてくれます。

✅ 初期登録費用は15,400円(税込)のみ
✅ 月額固定費は2,980円(税込)

✅ 売れたときだけ販売手数料10%

つまり、広告費やシステム開発費をかけずに、すぐに販路を持てるということ。
しかも、売れない限りは大きなリスクを負わない設計なので、「試しに出品してみる」という一歩がとても踏み出しやすいのです。

たった数アイテムからでも出品できるので、
「試作品の反応を見たい」
「ロス在庫だけを期間限定で出したい」
そんな使い方もできるのが、OEFならではの柔軟性です。

「売れ残り」が“ファンづくり”のきっかけに変わる理由

OEFには、「ただ安いから買う」ではない買い手が集まっています。
その多くは、エシカル消費に関心があり、「もったいない」を応援したいという想いを持つ人たちです。

✅ 少しパッケージに傷があるだけ
✅ 期限が迫っているだけ
✅ シーズンを過ぎただけ

そんな理由で行き場をなくした商品も、「理由を知れば応援したくなる」──それがOEFの世界です。

実際、「OEFで出会ってファンになった」という声も増えていて、“売れ残り”が“最初の出会い”になるケースも少なくありません。

エシカルに共感してくれた買い手が、
「次は通常商品を買ってみたい」
「このメーカーをもっと知りたい」

そう思ってくれる流れを、自然に育ててくれる場所。
それが、OEFというBtoCの“第2の売り場”なのです。

卸としての販路にプラスして、「ファンとつながる直販の場」を持つこと。
それはこれからの時代、売上以上の価値をもたらしてくれる選択になるのではないでしょうか。

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。