
在庫が資産を圧迫し、決算前に胃が痛くなる——そんな卸業の“あるある”を、いま現実的に解決できる方法があります。目次を見て必要なところから読んでみてください。
棚卸資産が財務を圧迫する3つの理由
企業が抱える在庫は、一見「資産」のように見えますが、使われないまま倉庫に眠っている在庫、いわゆるデッドストックが増えてしまうと、逆に財務体質を弱くしてしまうことがあります。
ここでは、卸売業にとって見過ごせない「棚卸資産」が抱える3つのリスクについて、わかりやすく整理してみました。
評価損リスクと決算インパクト
✅ 在庫の価値は、時間とともに減っていく。
とくに賞味期限や流行、季節に左右される商品は、保有しているだけで「価値が減っていく」資産です。これを決算時に再評価すると、「評価損」として帳簿上の損失が発生してしまうことも。
評価損は、利益を一気に押し下げることがあるため、会計上のインパクトが非常に大きいです。見た目の利益が減ることで、社内外の信頼性にも影響が出てしまう可能性もあります。
「売れていないけど、捨てるにはもったいない」
そんな気持ちで棚に残した商品が、じつは会社の利益をじわじわと削っている…というケース、少なくないんです。
保管コストとキャッシュフロー悪化
✅ 在庫を持つということは、倉庫代や管理費がかかるということ。
スペースを占有するだけでなく、温度管理が必要な商品なら冷蔵・冷凍設備の電気代もかさみます。さらに、人件費や棚卸作業などの“見えにくいコスト”もじわじわ蓄積。
在庫が増えるほど、お金が“止まったまま”になってしまうという現象も起きやすくなります。これがキャッシュフローを圧迫し、次の仕入れや投資の足を引っ張る原因になるのです。
「在庫を抱える=安心」ではなく、「在庫を抱えすぎ=機会損失」につながってしまう。
ここを見直すだけで、資金繰りが一気に改善することもあります。
ブランド毀損リスクを伴う在庫処分
✅ 安売りすれば売れる、でもそれって本当に得策?
在庫が動かないからといって、いきなりディスカウント販売をしてしまうと、これまで築いてきたブランドイメージが損なわれることがあります。
とくに、取引先や既存顧客が「どうしてこんなに安く売ってるの?」と気づいてしまうと、正規ルートでの価格維持が難しくなることも。
たとえば、ある日突然「〇〇円で売っていた商品が、半額以下でどこかのモールに出ていた」となれば、販売先からの信頼もぐらつきますし、BtoBのルートにも影響が出かねません。
在庫処分の仕方ひとつで、信頼も売上も左右される。
だからこそ、「どう売るか」を考えることが、今の時代はとても大切になってきています。
デッドストックを圧縮する現実的な選択肢とは

「いつか売れるかもしれない」と保管していた在庫が、気がつけばデッドストックに。
捨てるのはもったいないし、安売りでブランドを傷つけるのも避けたい。
そんなとき、企業が取れる選択肢は、思っているよりも多く存在しています。
在庫現金化の主要ルート(BtoB・BtoC・越境EC)
✅ 在庫を「眠らせる」のではなく、「動かす」ための販路を考えることが、棚卸資産の圧縮には欠かせません。
在庫を現金化する方法は、ざっくり分けて以下の3つがあります。
販売ルート | 特徴 | 向いている商品 |
---|---|---|
BtoB(業者間取引) | ロットで一括売却。手離れは良いが利益率は低め | 消費期限が近い食品や日用品の大量在庫 |
BtoC(一般消費者向け) | ECや直販で販売。販促や対応に手間がかかるが利益率高め | ブランド力のある商品やギフト系 |
越境EC(海外向け販売) | 日本製品の需要が高い国も。物流や言語対応が課題 | 化粧品や健康食品、生活雑貨など |
それぞれにメリット・デメリットがありますが、共通して言えるのは、「現金化のスピード」と「ブランド価値の維持」のバランスをどうとるか、ということです。
自社の体制や商品特性に合わせて、いくつかの販路を組み合わせるのが現実的ですね。
「捨てる」以外の選択肢が増えている理由
✅ 最近では、在庫=ムダではなく、「社会的に活かす資源」と捉える流れが強まっています。
これは、SDGsやエシカル消費の浸透によって、「捨てることのコスト」や「モノを大切にする価値観」が広がってきたからです。
たとえば、賞味期限が迫っている食品を廃棄するのではなく、レスキュー食品として再販する。
パッケージ変更前の商品を“お得なアウトレット品”として提供する。
こうした取り組みは、企業にとっては収益につながるだけでなく、社会的な評価にも直結するようになってきました。
つまり、「捨てるくらいなら売った方がいい」ではなく、
「売ることが、企業の評価を高める行動になる」という時代に変わってきているんです。
業種別の活用事例(食品/日用品/コスメ)
✅ 実際に、さまざまな業種で“廃棄寸前の在庫”が価値に変わっている事例が増えています。
●食品業界
製造日から時間が経った乾物や缶詰、季節のイベント商品など。
通常ルートでの販売は難しくても、「もったいない食品」としてセット販売することで完売につながるケースも。
●日用品・雑貨
デザイン変更やモデルチェンジで余った旧パッケージ品。
「訳あり品」として明記すれば、むしろエシカルな選択として歓迎されることもあります。
●コスメ・美容アイテム
使用期限が近い試供品や限定品の過剰在庫。
価格に敏感な若年層やエシカル消費層をターゲットにすれば、新たなファンの獲得にもつながる可能性があります。
在庫処分=ネガティブな印象を持たれがちですが、
売り方しだいで「共感」と「収益」を両立させることができる。
そんな事例が、いま着実に増えているんです。
なぜ今「アウトレット販路」が注目されているのか

デッドストックをどう活かすか。
その答えとして、最近とくに注目されているのが「アウトレット販路」です。
単に“安く売る場”ではなく、ブランドを守りながら在庫を活かせる販路として、多くの企業が活用をはじめています。
売上以外の“会計メリット”に注目
✅ アウトレット販売は、「売上になる」という表面的なメリットだけではありません。
企業の会計上の数字を根本から改善する力も持っています。
たとえば、評価損が出そうな在庫を販売すれば、その商品は「損失」ではなく「収益」に変わります。
売価は下がっても、帳簿上の資産が回転すること自体が“プラスのアクション”なんです。
さらに、売れ残った在庫を破棄する場合は廃棄コストもかかりますよね。
でもアウトレット販路を使えば、たとえ安価でも収益が生まれ、処理費用もかからずに済む。
この二重の効果で、財務的にも現場的にも負担がグッと減ります。
企業によっては、これが「社内稟議を通す決め手」になることもあるんですよ。
会員制モデルがブランド価値を守る
✅ 「安売りでブランド価値が傷つくのでは?」という心配、よく耳にします。
その不安を取り除いてくれるのが、会員制のアウトレット販売というしくみです。
誰でも見られる場所での値下げ販売は、ブランドの価値や市場価格を壊しかねません。
ですが、購入できるのが“限定された会員だけ”であれば、そのリスクは最小限に抑えられます。
価格はオープンにしつつ、購買行動をクローズドにするこの仕組みなら、
「ちゃんと見せてるけど、誰にでも売ってはいない」というスタンスがとれます。
結果的に、正規ルートの取引先やエンドユーザーからの信頼を保ちながら、在庫の有効活用が可能になるんです。
このバランス感覚、いまの時代のエシカルビジネスにはとても大切なことだと感じています。
購買行動をクローズドにする安心設計
✅ いま、多くの企業が「アウトレットには出したい、でも見られすぎたくない」という悩みを抱えています。
その悩みに応えるのが、“クローズド・バイイングモデル”という販売設計です。
このモデルでは、商品情報はインターネット上でオープンにしていても、
実際に買い物できるのは、あらかじめ登録された会員のみに限られています。
この構造によって、
- 一般流通市場への価格影響を抑えられる
- 値引き販売でも「選ばれた人だけが買える」というプレミア感がある
- 取引先への説明がしやすい
といった、ブランドを守りながらの在庫消化が可能になります。
エシカルな価値観が重視されるいま、
“誰に、どう売るか”をきちんと設計することが、企業の信頼につながる時代です。
卸売業がOEFを活用することで得られる3つの効果

デッドストックの扱いは、企業の未来を左右する重要なテーマです。
OEFのようなクローズド・バイイング型の販路を活用することで、単なる在庫処分ではなく、財務改善や企業価値の向上につなげることができます。
棚卸資産の圧縮=貸借対照表の改善
✅ 在庫が動く=資産が現金化される。このシンプルな構造が、貸借対照表の見え方を大きく変えます。
「商品在庫」として積み上がっていた資産が、OEFで販売されることで「売上」や「現金」に変わります。これにより、棚卸資産の圧縮が実現し、B/S(貸借対照表)の健全化が進みます。
とくに、流動比率や自己資本比率といった財務指標に敏感な企業にとっては、決算前の調整手段としても有効です。
「在庫が多すぎて資産が重たい」と感じていた経理担当者にとっても、数字として説明できる改善は大きな安心材料になるはずです。
廃棄ロスの削減とSDGs対応
✅ 「売れなければ捨てるしかない」という時代は、もう終わりに近づいています。
OEFを活用すれば、まだ使える・食べられる商品を“訳あり品”として販売することが可能になります。
これは単なるコスト削減にとどまらず、フードロスや環境負荷の削減=SDGs対応という社会的価値にも直結します。
とくに食品や日用品など、廃棄コストが高い商材を扱う卸業者にとって、
「売れるなら捨てない」という選択肢が持てることは、倫理的にも経済的にもポジティブな選択になります。
最近では、企業の社会的責任(CSR)に対してステークホルダーの目も厳しくなっています。
OEFのようなエシカルな販路を使うことで、“見せられる取り組み”として社外にも発信しやすいという点も見逃せません。
社内稟議が通りやすい“数字の根拠”を提示できる
✅ OEFの導入を社内で進める際、立ちはだかるのが「稟議の壁」。
でも、数字と実例をもとに説明すれば、驚くほどスムーズに進むことがあります。
OEFでは、販売金額・販売数・在庫回転率などのデータがしっかり取得できるので、
「●●点を出品して、●%が販売済み」「月間で○○円の売上が立った」という定量的な成果を社内で報告することができます。
さらに、初期費用や月額費用が明確で、販売手数料もシンプル。
経理部や経営層から見ても、「予算計画に組み込みやすい」「リスクが低い」と評価されやすいのです。
OEFを導入している企業の中には、経理部主導でアウトレット販路の活用を始めたケースもあるほどです。
【導入事例】実際にOEFを活用して資産効率を上げた卸業者の声

在庫をどう活かすか。
それは今、多くの企業が向き合っている経営課題です。
そんな中で、OEFを導入し、実際に資産効率を改善できた卸業者の事例をご紹介します。
キーワードは、「在庫回転率」「経理主導」「サステナ経営」。
その一歩が、会社全体を少しずつ変えていく流れをつくっていました。
月間●万EPの販売で在庫回転率が改善
✅ 中堅規模の食品卸業者がOEFを導入したのは、「社内に滞留していた季節限定品の扱い」がきっかけでした。
年末商戦向けに仕入れたギフト用お菓子セットが大量に余ってしまい、翌年には評価損の対象になる見込みだったそうです。
そこで、OEFに一部商品をテスト出品したところ、月間で2万EP相当が販売され、保管コストも削減。
結果的に、在庫回転率が1.8倍に改善したとのことです。
ここで印象的だったのは、「売れなかった理由を探す」より、「売れる場所に出してみる」という発想の転換でした。
OEFの会員向け販売という設計が、「値下げしてもブランドを傷つけない」という安心感を生んだことも、大きかったと語ってくれました。
営業部ではなく経理部主導で導入された理由
✅ この導入を主導したのは、なんと営業部ではなく経理部門でした。
理由は明確で、在庫の金額が重くのしかかっていたからです。
とくに棚卸のたびに、「この在庫どうするの?」という社内の声が繰り返され、
評価損や廃棄コストが出るたびに、決算説明が難しくなる状況だったそうです。
そこで経理部が自らOEFを調査し、「ここなら販売手数料だけ、リスクはほぼゼロ」という判断で社内提案。
結果、決裁もスムーズに通り、在庫の可視化と圧縮が両立できる体制が整いました。
この事例は、「売るのは営業だけじゃない」という新しい在庫活用の考え方を体現してくれています。
社内報にも掲載された“サステナ経営”の成果
✅ OEFを活用した結果、廃棄対象だった商品が“エシカルな販売品”として生まれ変わり、
社員からも「この商品が売れたんですね!」と驚きの声が上がったそうです。
この取り組みは社内報にも取り上げられ、“サステナ経営の一環として、在庫を無駄にしないしくみを取り入れました”という内容で紹介されました。
社内にも少しずつ、「在庫=負債」から「在庫=チャンス」への意識変化が起きてきたとのこと。
今では、営業会議でも「これはOEFに出せますか?」という会話が自然に出てくるようになったそうです。
会社全体で“循環させる在庫”への理解が深まったことも、見逃せない成果のひとつですね。
OEFならデッドストックを価値に変えられる

これまで紹介してきたように、棚卸資産の圧縮や廃棄ロスの削減は、単に“もったいないから”ではなく、企業の未来を支える大切な戦略です。
OEFなら、その一歩を、安心して、そしてすぐに踏み出すことができます。
出品無料・物流も自社対応で手間ゼロ
✅ OEFでは、初期の出品に費用がかかりません。
「売れたときにだけ手数料が発生する」仕組みなので、まずは気軽にテスト出品ができます。
しかも、物流は各サプライヤーさん自身で対応していただく形式なので、現状の配送フローを大きく変える必要もありません。
つまり、「ムリなく・すぐに・できるところから」始められるんです。
OEF側でサポートチームもご用意しているので、「EC初めてで不安…」という方も安心して使っていただけますよ。
価格表示はオープン、でも購買行動はクローズド
✅ OEFは、「価格は見える、でも買えるのは会員だけ」という、クローズド・バイイングモデルを採用しています。
この設計によって、市場価格やブランドイメージに与える影響を最小限に抑えつつ、新たな販路を確保することが可能です。
たとえば、取引先や既存顧客から「安売りしてる?」と不安を抱かれる心配も少なく、
会員限定の購入という制限が、逆に“選ばれた場”としての価値を生み出してくれます。
「売りたいけど、見られすぎたくない」という卸・メーカーさんのリアルな声に、ちゃんと応える設計になっているのが、OEFの強みです。
「財務改善 × SDGs」の両立を今すぐ始めよう
✅ 棚卸資産の圧縮、評価損リスクの低減、在庫の現金化。
これらの財務的な成果は、同時にフードロス削減や廃棄物削減という社会的なインパクトにもつながります。
OEFを活用することは、「経営に効くSDGs」の実践でもあります。
数字と理念、どちらも大切にしたい企業にとって、OEFはその接点となれる存在です。
在庫に悩んでいる今だからこそ、一度OEFをのぞいてみてください。
その“捨てるかもしれない在庫”が、会社の未来を変える小さな起点になるかもしれません。