谷澤まさみ
谷澤まさみ

「在庫処分=ブランドダウン」と思い込んでいませんか?いま、卸売企業の“エシカルな姿勢”が共感を呼び、直販や在庫処分が逆にブランディングの武器になっています。目次を見て必要なところから読んでみてください。

卸売業が今こそブランディングを強化すべき理由

卸売業の方とお話ししていると、「モノは良いのに価格競争に巻き込まれてしまっている」と悩まれる声をよく耳にします。でも今、求められているのは“ただ安く売る”ことではなく、“どんな想いで届けているか”を伝えること。エシカル消費やサステナブルな取り組みが注目されている今だからこそ、卸売業もブランドとしての発信が求められています。この章では、その理由を一緒に見ていきましょう。

価格競争だけでは生き残れない時代へ

以前は「少しでも安く仕入れたい」という取引先の要望に応えることが、卸としての“正解”だったかもしれません。でも最近では、価格の安さだけで選ばれ続けるのは難しくなってきています。

なぜなら、価格を下げ続けることには限界があるからです。過剰な値下げは、利益を圧迫し、企業としての持続可能性を奪ってしまいます。さらに、取引先からも「価格は安いけど、対応や品質に不安がある」と思われてしまえば、それは信頼の低下にもつながります。

こうした現実を前に、「値段」ではなく「価値」で選ばれるための工夫が必要なのです。

たとえば、以下のような視点での見直しが求められています。

見直すポイント内容
提供価値の明確化「なぜ自社の商品を扱うべきか」を伝えられているか
ストーリーテリング商品の背景や想いが語られているか
差別化要素の可視化他社にない強みがしっかり表現されているか

このように、“価格以外”で魅力を伝える力=ブランディングこそが、これからの卸売業に必要な視点です。

エシカル・サステナブルへの社会的関心の高まり

今、多くの企業が「環境」「地域貢献」「サステナビリティ」といったキーワードに関心を寄せています。それは、消費者の価値観が大きく変化しているからです。

✅ 「どう作られたのか?」
✅ 「誰が、どんな想いで届けているのか?」
✅ 「この選択が社会にどんな影響を与えるのか?」

こうした“背景への関心”が高まる中で、ただモノを届けるだけの卸売業から、“エシカルなパートナー”へと変わる必要があるのです。

たとえば、賞味期限が近い食品を「もったいない精神」で提案したり、地域産品を扱う際にその土地の背景や作り手の声を添えたりするだけでも、取引先やエンドユーザーの心に響く提案になります。

“モノ”よりも、“意味”を届ける。
それが、今の時代に求められている新しいスタイルの卸売業なのだと思います。

取引先・消費者の「信頼」を獲得するには

ブランディングは“見せ方”だけの話ではありません。それは「信頼」を育てていく行為です。

取引先にとって、信頼できる卸とはこんな存在ではないでしょうか。

  • 安心して任せられる(品質・対応力)
  • 取引が続けやすい(継続性・共感)
  • 自社の理念と合っている(価値観)

こうした信頼を築いていくためには、言葉や行動を通して「自分たちが何を大切にしているか」を発信することが大切です。

たとえば、自社のInstagramやニュースレターなどを使って「フードロス削減の取り組み」や「地域との共創プロジェクト」を紹介すれば、共感してくれる企業や個人が必ず現れます。

実際に、OEFでも「単に売る場を探していたわけではなく、価値観を共有できる場所を探していた」という声が、たくさん届いています。

だからこそ、信頼は“つながり”から生まれるもの。価格や取引条件以上に、「共感してもらえるかどうか」が、選ばれる大きな理由になる時代になったのだと感じています。

卸売企業に求められる「社会的価値」の発信

谷澤まさみ
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商品を右から左へと流すだけの時代は、もう終わりを迎えつつあります。今、卸売企業に期待されているのは、“売ること”を超えた価値の提供です。「なぜこの商品を取り扱っているのか」「どんな社会的意義があるのか」そんなストーリーを持った企業こそ、取引先や社会から信頼を集めるようになっています。これからは、“社会的価値”をどう伝えるかが、卸売の未来を左右すると言っても過言ではありません。

「売る」から「意味を届ける」へ

価格やスペックだけでは語りきれない“意味”が、商品の背景にはいつもあります。たとえば、地元の農家が手間ひまかけて作った野菜や、少しだけパッケージに傷があるけれど品質にはまったく問題ない日用品。それらを丁寧に届けることは、単なる「物販」ではなく、“想いのリレー”です。

これからの卸売業は、「どんな商品か」よりも「どんな意味をもって届けているか」を伝える時代。“売る”のではなく、“選ばれる”ための視点が必要なのだと思います。

意味を届けるには、小さな工夫が鍵になります。

✅ 産地のストーリーや生産者の想いをPOPやパンフレットで紹介する
✅ 「この商品を選ぶことで、誰が助かるのか」を明確に伝える
✅ 売れ残りそうな商品も「選び直す」価値として再提案する

こうした視点を持つだけでも、商品そのものの価値が引き上がり、選ばれる理由が増えていきます。

BtoBでも“企業姿勢”が問われる時代

これまでのBtoB取引では、「納期」「価格」「安定供給」が重視されてきました。でも今は、それに加えて、「その会社がどんな姿勢で社会と向き合っているか」まで見られる時代です。

特に大手小売やセレクトショップは、サプライヤーの選定において「エシカル」「サステナブル」「地域貢献」といったキーワードをチェックリストにしていることも少なくありません。

✅ 環境に配慮しているか
✅ 働く人を大切にしているか
✅ 社会的な問題にどんなアクションを起こしているか

これらのポイントは、もはや“あったらいい”ではなく、“ないと選ばれない”ものに変わってきているのです。

だからこそ、「自分たちは何を大切にしている会社なのか」をしっかりと言語化し、伝えていくことが卸売企業にも求められています。
その第一歩は、身近な取り組みからで大丈夫です。たとえば、「まだ使える商品を廃棄しない工夫」や「地元企業との共創」など、日常業務の中にある姿勢を丁寧に見つめ直してみてください。

「在庫ロス削減」=社会貢献になる時代背景

かつては、「売れ残ったら捨てるのは仕方ないこと」とされていた在庫ロス。でも今は、それを「もったいない」で終わらせず、「どう活かせるか」を考える動きが広がっています。

社会全体が“サステナビリティ”に意識を向ける中で、在庫を無駄にしない取り組みは立派な社会貢献として評価されるようになっています。

たとえば、

アクション社会的意義
賞味期限が近い食品を特価で再流通フードロスの削減・消費者の節約支援
パッケージ不良の雑貨をアウトレット販売廃棄物削減・環境負荷の軽減
季節外れの商品をセレクト販売無駄な生産を減らし、資源の有効活用

このように、在庫の“レスキュー”は、ただの値引き販売ではなく、社会との接点をつくる取り組みにもなり得ます。

しかも、「ロスを減らす=コストを減らす」だけではありません。その姿勢に共感した企業や顧客との新しいつながりが生まれることで、信頼の資産も増えていくのです。

いま、卸売の役割は「商品を届けること」から「未来の消費のあり方を形づくること」へと変わりつつあります。その変化に、やさしく、でも確かに応えていく時なのかもしれません。

エシカルな直販でブランド価値を高める方法

谷澤まさみ
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「直販」と聞くと、「ブランド価値が下がってしまうのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、今の時代に合った“やり方”さえ選べば、直販はむしろブランド価値を高める手段にもなるのです。特に“エシカル”という視点を取り入れることで、共感と支持を集めながら、商品の魅力を丁寧に伝えることができます。この章では、その具体的な方法を一緒に見ていきましょう。

価格を守りつつ販売する「クローズド・バイイングモデル」

値引き販売=ブランドの安売り、というイメージはもう古い考え方かもしれません。今は、「価格は見えるけれど、買える人は限定されている」という仕組みを活用することで、ブランド価値を損なわずに在庫を活かす方法が広がっています。

それが、「クローズド・バイイングモデル」という考え方です。

✅ 商品ページは誰でも見られる
✅ 価格もオープンに表示
✅ でも、実際に購入できるのは会員限定

この仕組みであれば、「アウトレット価格」で提供しつつも、ブランドの信頼性を損なうことなく、選ばれた人たちだけに届けることができるのです。

「会員限定販売」という枠をつくることで、「このブランドの考え方に共感してくれる人にだけ届ける」という“絞り込み”が信頼感を生み、むしろプレミア感を演出することにもつながります。

エシカル消費に敏感なユーザー層へのリーチ

エシカルやサステナブルといった価値観を大切にする消費者は、「安いから買う」だけでは動きません。その背景にある「理由」や「想い」にしっかりと共感したうえで、購入という行動に移ります。

そうした方々は、価格だけでなく、“選ぶこと自体が社会的なアクション”であることを知っている、感度の高いユーザーです。

たとえば…

  • フードロス削減に関心がある
  • 廃棄前の商品を救いたいと思っている
  • 地域や生産者とのつながりを大事にしたい

こうした層に向けて、「この商品は○月末で廃棄予定だったものです」といった背景情報をそっと添えるだけでも、共感と購買が自然と生まれます。

エシカルな消費者は、「いいことをしている自分」に満足感を持ちたいという心理も持っています。ですから、ブランドとしても、「一緒に社会を良くしていきましょう」という共創のスタンスを持つことで、長く愛される関係を築いていけるのです。

直販でもブランドを傷つけない仕組みとは?

直販で最も懸念されるのは、「価格がバレてしまうことで、既存の流通や小売との関係が悪化すること」かもしれません。でも、正しい仕組みとルール設計さえあれば、その心配はぐっと減らすことができます。

ポイントは、次の3つです。

施策効果
会員限定販売誰でも買える状態を防ぎ、取引先への配慮ができる
販売ルートの明示通常ルートとは異なる特別な販路であることを説明できる
価格とストーリーの両立単なる“割引”ではなく“理由ある価格”として伝えられる

特にOEFでは、「ブランドを守るための設計」を最優先にしています。たとえば、「会員限定」「販売履歴の開示」「仕入先との共有ルールの設定」など、サプライヤー様が安心して直販できるような体制を整えています。

つまり、直販=リスクではなく、戦略的な価値創出のチャンスになるということです。

“もったいない”を“ありがたい”に変えていくこの仕組みは、消費者にもブランドにも、そして社会にも優しい道。だからこそ、やさしくて強いブランドをつくりたい卸売企業の皆さんに、ぜひ知っていただきたいと思っています。

在庫処分を「ブランディング機会」に変える成功事例

谷澤まさみ
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「在庫処分」と聞くと、“できるだけ早く、できるだけ安く売りさばく”というイメージを持たれがちです。でも、その在庫にこそ“新しい価値”を吹き込むチャンスが眠っているとしたら、どうでしょう?実は、在庫処分をうまく活かした企業ほど、共感を呼び、ブランド価値を高めることに成功しています。ここでは、そんな「逆転の発想」で生まれたエシカルな成功事例をご紹介します。

パッケージ変更商品を“エシカル商品”として再定義

商品の中身はまったく変わらないのに、パッケージデザインを変えたことで「旧デザイン在庫」が一気に不良在庫になってしまう——これは卸やメーカーにとってよくある悩みですよね。

でも、ここで注目したいのが「それをどう見せるか」という視点です。

たとえば、「パッケージ変更にともなう限定販売」として出すのではなく、「まだ使えるのに廃棄されるかもしれなかった商品を救う、エシカルな選択肢」として提案することで、“責任ある購買”としての新たな意味が生まれます。

実際にある食品メーカーでは、リニューアル前の商品を「フードロス削減応援セット」として販売し、多くの共感コメントとともに完売
「新しいパッケージの前に、まだ愛されてるこの子たちを応援したくて」なんて声も届いたそうです。

このように、“在庫”の印象を変えるだけで、購買行動が「応援」に変わるのです。

「廃棄コストゼロ→利益化」の逆転発想

本来なら廃棄されて終わるはずだった商品が、“エシカル販路”を通じて売上に変わる。
この構造が、OEFの中でもとても大きな価値を生んでいます。

ポイントは、「赤字を防ぐ」ではなく、「利益に変える」という逆転の視点を持つこと。

✅ 廃棄にかかるコスト(例:産廃費、運搬費など)
✅ 機会損失(売れるはずだった収益)
✅ ブランドへのマイナス影響(大量廃棄の印象)

こうしたマイナスを回避するだけでなく、社会貢献につながる販売として「意味ある利益」を得られる。これこそ、エシカルなビジネスの大きなメリットです。

OEFでは実際に、廃棄予定だった商品が平均40%以上の割引価格で販売され、完売率も非常に高いというデータも出ています。価格設定も「安売り」ではなく、「背景にある想い」を伝えることで、価値ある商品として受け入れられているのです。

共感を生む“背景ストーリー”の活用

いちばん強いのは、“ストーリーを持った商品”です。
それは大げさな話ではなく、「なぜこの商品がここにあるのか」というシンプルな背景で構いません。

✅ 台風の影響で販路を失ってしまった農家の野菜
✅ 海外輸送が止まり、行き場を失った輸入雑貨
✅ 形がちょっと不ぞろいなだけで返品されたお菓子

こうした商品に、「事情があって在庫になった」背景を正直に添えることで、“もったいない”から“もっとうれしい”へと気持ちが変わるのです。

「この商品が買われることで、誰かが少し助かる」
そんな“人の顔が見える購買”が、今とても求められていると感じます。

OEFでも、出品ページの中に短いストーリーを入れることで、「このメーカーさん、応援したいな」と言ってくれる会員さんが増えています。商品だけではなく、“その先にある人や物語”に心を動かす人が増えているのです。

在庫処分は、ただの在庫整理ではありません。ブランドの価値観や姿勢を伝える絶好の機会
その可能性に、ぜひ目を向けていただけたら嬉しいです。

「エシカルな卸」になる第一歩はここから

谷澤まさみ
谷澤まさみ

“エシカル”という言葉に惹かれつつも、「具体的に何から始めたらいいのかわからない」と感じている卸売企業の方も多いのではないでしょうか。じつは、大きな投資や派手な取り組みをしなくても、「姿勢」を見せるだけでブランドは確実に変わっていきます。この章では、今日からでも取り組めるアクションと、OEFという新たな販路で得られる価値をお伝えしていきます。

今すぐ取り組めるブランディングアクション3選

まずは、無理なく始められて、ちゃんと効果が出ることからご紹介します。エシカル=難しいではありません。「自社らしさ」を大切にしたブランディングこそが、共感を生む鍵です。

1. 商品の背景を1つだけでも伝えてみる
たとえば、「この商品は、過剰在庫になってしまったけれど、品質には一切問題ありません」と正直に伝えるだけでも、「企業として誠実だな」という印象につながります。

2. SNSやWEBで“思い”を見える化する
「もったいないものに、新しいチャンスを」という想いがあるなら、それを1投稿でも言葉にして発信してみましょう。エシカルな企業姿勢は、それだけで好感度が上がります。

3. 限定販売やセット販売で在庫を再構成する
バラでは売れなかった商品も、セットにするだけで意味が変わることも。季節限定・数量限定などの工夫で、価値の再定義ができます。

こうしたアクションは、どれも「エシカル卸」への第一歩として効果的
少しずつでいいので、“伝えること”を始めてみてください。

OEFという新たな販路で得られる3つの価値

OEFは、ただのアウトレットサイトではありません。「価値を守りながら、在庫を活かす」ための新しい仕組みです。卸売企業にとっては、これまでにない3つの価値が得られます。

得られる価値内容
ブランド保護価格は公開、でも購入は会員限定。一般市場の価格に影響を与えません。
廃棄コスト削減行き場のなかった在庫を、エシカルな商品として再流通できます。
社会貢献としての発信「フードロス削減」「もったいないをなくす」取り組みとして、企業姿勢を表明できます。

この3つを掛け合わせることで、“売る”だけでなく、“語れるブランド”になることができるのです。

クローズド販売の安心設計で信頼と収益を両立

OEFでは、サプライヤー様のブランド価値を損なわないよう、「クローズド・バイイングモデル」を導入しています。
これは、「価格は見えるけれど、購入はOEFのサブスク会員限定」という仕組み。

これにより:

✅ 誰でも簡単に買えてしまう状況を防ぐ
✅ 市場価格への影響を最小限に抑える
✅ 卸先や既存取引先との関係性も守れる

つまり、安心して“訳あり在庫”や“スポット商品”を出品できる環境が整っているのです。

さらに、出品者側が「在庫を無理に捌こうとしている」のではなく、「必要としてくれる人に、最後まで届けたい」というエシカルな姿勢で販売できることも、信頼感を高める大きな要素です。


エシカルな卸としての第一歩は、小さなアクションから。
OEFという場を通じて、“在庫を減らす”ことが“ブランドを育てる”ことに変わる——
そんな体験を、ぜひご一緒に。

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