
「訳あり」「賞味期限間近」でも、伝え方ひとつでファンが増える。食品卸が実践できる“ストーリーマーケティング”の力を事例付きでご紹介します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
食品業界で「選ばれる理由」は、商品ではなく“背景”にある
「どんなにいい商品でも、ただ並べるだけでは選ばれない時代」。そう感じたことはありませんか?
特に食品業界では、味や品質だけで差別化するのが難しくなってきています。
そんな中で注目されているのが、“背景=ストーリー”の力です。作り手の想いや、食品がたどってきた道のりを丁寧に伝えることで、商品の価値は何倍にもふくらみます。
今の時代、スペックよりストーリーで買われる
「美味しい」「安い」「オーガニック」など、商品そのものの魅力はもちろん大切です。
でも、最近はそれだけでは心が動かないという人が増えています。
たとえば、同じドレッシングでも、
✅ 地元の農家さんが余った野菜を使って手作りしている
✅ 本来は廃棄されるはずだった素材を“救った”商品
こんな背景があるだけで、「ちょっと試してみようかな」「誰かに教えたいな」という気持ちが湧いてくるものです。
今の消費者は、商品を“体験”として選びたいと思っているのだと感じます。
ストーリーがあることで、その商品は単なる“モノ”ではなく、「気持ちのこもった選択肢」に変わります。
「誰のどんな想いで作られたか」が共感を生む
「この商品は、誰が、どんな思いで作ったのか?」
それを知ることで、買う側の気持ちは大きく変わります。
ある卸業者さんは、賞味期限が短いだけで通常ルートでは販売できなかった食品を、「食品救済」として紹介し始めました。
その中には、生産者さんが「苦労して育てた野菜を捨てたくない」と語ったものもありました。
その想いが伝わると、お客様の反応も変わります。
「ただの安売りじゃない」「これは応援したくなる」
そんな声が自然と集まり、ブランドに共感するファンが増えていったのです。
どんなに素晴らしい商品でも、その“想い”が伝わらなければ、魅力は半減してしまいます。
でも逆に言えば、想いが伝われば、どんな商品にも価値が生まれるのです。
ストーリーを大切にすることは、いまや“販促”ではなく“信頼づくり”の第一歩。
これからの食品業界にこそ、ストーリーマーケティングの視点が必要だと、私は思います。
なぜ“食品救済”というストーリーがブランド価値を高めるのか

「まだ食べられるのに捨てられる食品」が、実は身のまわりにたくさんあることをご存知でしょうか。
この“食品ロス”という課題に向き合い、行動する企業が、今とても注目されています。
単なる在庫処分ではなく、「食品を救う」という姿勢が伝わることで、企業そのものの価値も高まっているのです。
大量廃棄という社会課題に、企業が声をあげる意義
私たちの暮らしの中では、見えないところでたくさんの食品が廃棄されています。
賞味期限が迫っていたり、パッケージが少し汚れていたり…それだけで商品が棚に並ばないこともあります。
そんな中で、「まだ食べられるなら、届ける方法を考えよう」と声を上げる企業の姿勢は、社会的な信頼を得る大きなきっかけになります。
✅ 社会課題に向き合う企業=未来を考えている企業
✅ サステナブルな姿勢=時代に寄り添ったブランド
こうした印象が、「ちゃんとした会社だな」「この会社から買いたい」といったポジティブな評価に直結するのです。
しかも、そうした活動はCSR(企業の社会的責任)だけでなく、“顧客とのつながり”を深めるブランド戦略にもなるのです。
「もったいない」から「応援したい」に変わる顧客心理
「もったいないな…」という感情は、多くの人にとって共通する感覚です。
その感情を、“行動につなげられる選択肢”として提示することが、食品救済の力です。
たとえば…
商品の状態 | 通常の印象 | ストーリーを伝えたときの印象 |
---|---|---|
賞味期限が近い | 値引き品、売れ残り | 食品ロスを減らす“救済品” |
見た目に難あり | B品、訳あり | 味は正規品と同じ、食品の命をつなぐ |
このように、「お得に買える」だけでなく、「応援する行為」になることで、購入者の気持ちは前向きに変わります。
「この企業の取り組みを知って、考えが変わった」
「自分も食品ロスに貢献できて嬉しい」
そんな声が集まると、ブランドはただの“商品提供者”ではなく、共感される存在=応援したくなる存在になります。
食品救済というストーリーは、価格競争ではなく“価値共創”の道をひらく。
それが、ブランドの未来を守る大きな力になると、私は信じています。
ストーリーマーケティングを実践する食品卸の成功事例

「在庫を処分しないといけない…でもブランドイメージは守りたい」。
そんなジレンマを抱える食品卸さんにこそ、ストーリーマーケティングは大きなヒントになります。
単に“訳あり品”として値引きするのではなく、背景にある想いや事情を丁寧に伝えることで、むしろファンが増えたケースも出てきています。
B品・短期賞味期限品を「想い」とセットで販売した結果
ある卸会社さんが、賞味期限が1か月を切ったドレッシングや、少し焼きムラのあるラスクを「食品救済セット」として販売した事例があります。
そのときの販売ページには、こう書かれていました。
✅「食べるにはまったく問題ないけれど、スーパーでは販売できない」
✅「このままでは、作った人の努力ごと捨てることになる」
このストレートな“背景の共有”が、お客様の共感を呼んだのです。
コメント欄には、「こういう情報があると、選びたくなる」「食べながら作り手さんの気持ちを想像しました」といった声が集まりました。
販売開始から3日で完売。しかも、定価の6割近い価格でも「安すぎる」と言われたほどです。
“訳あり”ではなく、“想いあり”の品として届けること。
これが、売れ残りを「価値ある商品」に変える鍵になりました。
値引き販売なのに“ブランド毀損”どころかファンが増えた理由
値引き販売というと、どうしても「安売り=ブランドの格下げ」と思われがちです。
でも、ストーリーがあることで「買ってくれてありがとう」という関係性が生まれるのです。
特に、OEFのように「クローズド・バイイングモデル(会員限定の購入設計)」を採用することで、広く値崩れするリスクも回避できます。
結果として──
- 一般市場の価格には影響を与えない
- エシカルな取り組みとしてメディアやSNSで拡散される
- ブランド価値が“誠実さ”や“共感性”で上書きされる
このように、“値下げ”ではなく“価値転換”としてのストーリー販売を実践することで、ブランドへの愛着やリピート意欲が高まっていくのです。
数字よりも“想い”に価値を見出す時代。
その流れを活かすことで、卸という立場でも、しっかりとファンを増やし、ブランドを守りながら在庫課題を解決することができます。
OEFが実現する、ブランド価値を守りながら在庫を活かす新たな選択肢

「安売りしたくない、でも廃棄にはしたくない」。
そう感じている食品卸やメーカーの方にとって、OEFは“あたらしい答え”になる場所かもしれません。
大切な在庫を、ブランド価値を守りながら活かす仕組みが、ここにはあります。
クローズド・バイイングモデルで安心して在庫を出品
OEFでは、“クローズド・バイイングモデル”という販売設計を採用しています。
これは、「商品情報は誰でも見られるけれど、実際に購入できるのは月額制の会員だけ」という仕組みです。
このモデルによって得られる安心感は大きく、
✅ 一般流通には影響せず、市場価格を守れる
✅ 小売店や取引先とのトラブルリスクを避けられる
✅ 限られた層にだけ商品が届く“特別感”を演出できる
というメリットがあります。
価格だけを切り取られて誤解される心配がないからこそ、サプライヤーは自信を持って出品できるのです。
“価格は見えるが購入は会員限定”という信頼設計
価格はオープンにしながら、購入のアクションはクローズド。
この設計が、「隠している」ではなく「丁寧に管理している」という印象を与えるのもポイントです。
買い手側から見ても、OEFは単なる「格安EC」ではなく、
✅ 会員だけが参加できる“エシカルでサステナブルな消費コミュニティ”
✅ 社会課題の解決に参加する、責任あるショッピングの場
というふうに映ります。
この“透明性と限定性のバランス”が、企業と消費者の間に自然な信頼関係をつくってくれるのです。
「ストーリー×エシカル消費」でファンづくりを支援
OEFでは、単に商品を並べるだけでなく、作り手の背景や「なぜ出品されるのか」というストーリーを一緒に発信します。
この“ストーリー消費”の仕掛けが、ユーザーとのつながりを深めるカギになります。
たとえば、
- 「イベント中止で行き場をなくしたドレッシング」
- 「美味しいのにラベルミスで出荷できなかったジャム」
こうしたストーリーとともに紹介されることで、ユーザーの「買いたい理由」が変わります。
“応援”として購入する体験は、深い満足感や共感を生み、やがて「そのメーカーのファンになる」ことにもつながっていきます。
OEFは、在庫処分の場ではなく、“価値ある在庫の再デビュー”の舞台です。
廃棄寸前だった商品が、誰かの「買ってよかった」に変わる場所。
そんなエシカルな循環を、あなたのブランドでも始めてみませんか?