
「在庫を減らしたい」「販路を広げたい」…でもブランド価値は守りたい。そんな卸売業の課題に寄り添いながら、デジタル時代の解決策をまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。
卸売業が直面する「販売・在庫」の課題とは?
デジタル化が進むなかでも、卸売業界はまだまだ“アナログな悩み”を多く抱えています。「売れると思って仕入れたのに残ってしまった」「新しい取引先を見つけたいけれど手間とコストがかかりすぎる」――そんな声を、私もたくさん耳にしてきました。ここでは、卸売業の方が日々直面している販売や在庫にまつわる現実を、少し丁寧に紐解いてみたいと思います。
「売れ残り」と「値崩れ」の板挟みに苦しむ現実
商品が売れ残ってしまったとき、まず悩ましいのが“値下げ”です。できれば避けたい。でも、在庫をそのまま抱え続けるわけにもいかない――。そうやって値段を下げれば、次は「値崩れリスク」に直面します。
✅ 売れ残り=ブランド価値の毀損につながる
✅ 値下げ=次の取引で「定価じゃ売れない」と思われてしまう不安
この板挟みの中で、多くの卸の方が「本当はまだ価値がある商品」を、泣く泣く手放しているのが現実です。
「定価では売れないから…」と自信をなくす必要はありません。むしろ、その商品を必要としている人に、適切なタイミングと場所で届ける方法を探せばいいのです。
新規取引先の開拓コストが高すぎる問題
「新しく取り引きできるお店や企業を見つけたい」――これは、多くの卸売業者さんが感じている本音です。でも実際は、展示会への出展や営業活動にかかるコストがとても高く、体力勝負になってしまうことが多いです。
✅ 人件費・出張費・資料作成など、見えないコストがかさむ
✅ アポを取るだけでも時間と労力がかかる
✅ 数少ない新規のチャンスを逃すまいと、無理な値引き交渉に応じてしまうことも
デジタルでの販路開拓が注目される理由のひとつは、こうしたコストを大幅に削減できるからです。オンラインでの「出会いの場」が広がれば、もっと自然に販路を増やしていくことも可能になります。
廃棄コスト・在庫管理コストの見えない重圧
目の前にある商品。それが「売れないまま」になったとき、意外と見過ごされがちなのが、保管にかかるスペースや光熱費、スタッフの手間といった“見えにくいコスト”です。
表に出るお金だけではなく、気づかないうちに「じわじわ」と効いてくる負担が、経営の足を引っぱってしまうことも。
以下のようなコストが重なっていませんか?
コストの種類 | 内容 |
---|---|
保管スペース | 倉庫代、店舗内の圧迫、賃料への影響 |
管理人件費 | 棚卸、在庫確認、賞味期限チェックなど |
廃棄処理費 | 処分費用、時間、環境面でのコスト |
これらはすぐに「経費削減!」とはいかないからこそ、在庫を“生かす”選択肢があるだけで、重荷がふっと軽くなることもあるのです。
次のステップでは、そんな在庫の“再活用”や“価値の見直し”につながるヒントを、一緒に見ていきましょう。
デジタル販路開拓の第一歩として注目すべき3つの動き

「今のままではいけない気がするけれど、何から始めれば…?」そんな風に感じている卸売業の方も多いのではないでしょうか。実は、いま卸の現場で少しずつ“風向き”が変わってきています。キーワードはEC市場の成長・サステナブルな価値観・直販対応。この3つの流れを押さえておくと、未来に向けた新しい一歩がぐっと踏み出しやすくなります。
EC市場の成長とBtoB卸のチャンス
コロナ禍を経て、EC市場は想像以上のスピードで拡大しました。これまでは「一般消費者向け(BtoC)の話でしょ?」と思われがちだったネット販売ですが、いま注目されているのは“BtoBのEC”です。
✅ 小売店・事業者がオンラインで商品を探すのが当たり前になってきた
✅ 「仕入れサイト」や「業者向けECモール」など、新たな流通経路が増加
✅ 卸売業者もリアル取引だけでなく、ECに出店するメリットが拡大中
これまでの「つながり重視」から、「情報でつながる時代」に移り変わっています。つまり、どれだけ“見つけてもらいやすい場所”に自社の商品を置けるかがカギになります。
「サステナブル商流」への注目の高まり
今、多くの企業や店舗が仕入れ先を選ぶ際に気にするようになったのが、「この商品って、サステナブルなの?」という視点です。環境への配慮やフードロス削減への姿勢が、取引先選びの基準として重視されるようになっています。
たとえば、こんな変化が起きています。
✅ 商品の「ストーリー」や「背景」に共感して仕入れる小売店が増えている
✅ サステナブル商材を扱うことで、自店のブランド価値も上がると感じる店舗が多い
✅ 「大量生産・大量消費」から、「循環型・地産地消」へとシフト中
今ある在庫を“レスキュー”して新しい販路につなげる、という動きは、まさに時代に求められている商流です。
小ロット対応と直販の可能性が拡大
かつては「卸=大ロット・大量出荷」が当たり前でした。でも、今はその常識が変わりつつあります。“必要な人に、必要な数だけ”届けられる時代が、すぐそこまで来ているのです。
✅ 小売側のニーズも「小ロットで仕入れたい」「無駄なく仕入れたい」に変化
✅ 出品者自身が価格や数量を柔軟にコントロールできる仕組みが増えている
✅ 在庫リスクを減らしながら、新規取引の入り口を広げられるのが魅力
小ロット対応ができると、それだけで新しい市場との接点が増えることになります。とくに、「直販が初めて」という卸の方にも、気軽に始められるデジタル販路は、まさに味方になってくれる存在です。
これら3つの動きを押さえておくことで、これからの販路開拓や在庫活用の選択肢がグッと広がります。次は、こうした変化の中で、どのように「実践の一歩」を踏み出せばよいのかを、一緒に見ていきましょう。
DXで業務効率化と販路拡大を両立するには?

「デジタル化が大事って聞くけど、正直どこから手をつけていいか分からない」――そんな声を、本当にたくさんいただきます。でも安心してください。DX(デジタルトランスフォーメーション)と聞くと大がかりに思えるかもしれませんが、実は“できることから”で十分なんです。ここでは、卸売業でもすぐに取り組めるDXの第一歩をご紹介します。
在庫管理の可視化とIT連携の第一歩
「何が、どこに、いくつあるか」──
この“当たり前”が曖昧なまま、日々の業務を回している現場も少なくありません。特に複数倉庫を持っていたり、賞味期限のある商品を扱っている場合、在庫管理の精度が売上にも直結します。
✅ いつ・何が・どこにあるかを一覧で把握できる仕組みを整える
✅ エクセルや紙の台帳から、簡易クラウド在庫ツールへの移行も選択肢
✅ 小さなIT導入からでも、「見える化」するだけで意思決定がラクになる
“システム導入=大規模投資”とは限りません。無料トライアルや月額数千円で始められるツールも増えているので、「まず一部の商品だけで試す」というスタートも可能です。
販路とマーケティングの自動化ツール活用
新しい販路を広げるには、やっぱり「知ってもらう」ことが第一歩。でも、毎日SNS投稿やメルマガ作成に時間を割けるほど、余裕がある現場は多くありませんよね。
そんな時に頼れるのが“マーケティングオートメーション”と呼ばれる自動化ツールです。
✅ 事前に作った配信内容を、自動で送ってくれるステップメール機能
✅ 商品情報の一括登録・自動更新ができるEC連携ツール
✅ 「どの商品が、どこで見られているか」を把握できる簡易なデータ解析
例えば、LINE公式アカウントを活用して、自動で「在庫レスキュー商品」を配信するだけでも効果は大きいです。
「伝えたいことはあるけど手が回らない」なら、仕組みに任せてみるのもひとつの手です。
「試してみる」レベルから始められるDX戦略
大切なのは、「完璧なDX」を目指すことではなく、“いまできる改善”を少しずつ積み重ねること”です。
✅ まずは在庫の一部からデジタル管理を試す
✅ 一つの販路に限定せず、小さくECで出品して反応を見る
✅ 広告やSNSも「月1投稿」から、無理なく始める
「できるところから始めていいんだ」という気づきがあるだけで、DXはぐっと身近になります。むしろ、無理にすべてを変えようとするよりも、小さな成果を積み上げていく方が、長い目で見て確実に前に進める方法だと思います。
卸売業にとってのDXは、“変化”というより“味方”です。今の業務や販路に、ほんの少しデジタルのチカラを加えることで、思っていた以上に負担が減り、売上がついてくる。そんな体験を、まずは1ステップだけでも試してみてください。
OEF出店という選択肢——なぜ今卸業者にフィットするのか?

「デジタル販路を増やしたい」「在庫を減らしたい」でも、安売りや値崩れは避けたい――そんな卸業者さんにとって、ちょうどいいバランスの取れた販路が OEF(Outlet, Ecology, Foodloss) です。単なる“フリマ型EC”でも、“誰でも買えるアウトレット”でもない、独自の仕組みがあるからこそ、今注目されているんです。
会員制×レスキュー在庫=価格維持と販路確保の両立
OEFでは、購入ができるのは月額会員だけ。商品情報は誰でも見られますが、実際の取引は「クローズドな会員制」で完結します。
この仕組みが、卸売業者さんにとってはまさに“いいとこ取り”なのです。
✅ 値引きされても、価格の見え方が外部に響きにくい
✅ ブランド価値を守りながら、在庫を販路に乗せられる
✅ 販売ルートが限られているため、既存取引先との衝突リスクも小さい
OEFで出品される商品は、賞味期限が近いものやパッケージに難がある「レスキュー在庫」が中心。つまり、「正規品としては売れないけど、捨てるのはもったいない」商品に、新たな“出口”ができるわけです。
小ロットでも始められる・固定費が少ない仕組み
「まずは試してみたい」「在庫の一部だけ出したい」そんな方にとっても、OEFは始めやすい設計になっています。
✅ 出品手数料は無料。販売されたときだけ10%の手数料(決済込)
✅ 月額費用は2,980円(税込)と、他販路に比べて圧倒的に低コスト
✅ 小ロットOK&物流は各自対応だから、既存業務の延長で運用可能
実際に、「展示会に出すより気軽」「取引先に気を使わず在庫を動かせる」といった声も届いています。
少ないリスクで始められて、得られるメリットが大きい。この“コスパ感”が、卸の現場でも評価されているポイントです。
「購入は会員限定」のクローズド・バイイングモデルとは?
OEFが採用しているのは、「価格は見えるけど、買えるのは会員だけ」という新しい形の流通モデルです。
この「クローズド・バイイングモデル」があることで…
✅ 市場価格への影響を最小限に抑えられる
✅ 出品商品が「誰に届くのか」が明確になる
✅ 販売先が選ばれた会員に限定されるから、安心して出品できる
たとえるなら、「見本市に商品を並べるけど、売れるのは選ばれたバイヤーだけ」という感覚に近いかもしれません。
ブランドや卸価格を守りながら、“次につながる販売チャネル”として活用できるのが、この仕組みの魅力です。
卸売業者さんにとって、OEFはただの在庫処分先ではありません。“もったいない”を“もう一度”につなげる販路として、そして自社の想いやストーリーを伝えられる場所として、これからの時代にぴったりのパートナーになれるはずです。
まとめ:廃棄しない経営への第一歩を踏み出そう

ここまでお読みくださりありがとうございます。
私たちが日々向き合っている「在庫」や「販路」の悩みは、決して特別なものではありません。けれども、その解決策を“エシカル”という視点で捉え直したとき、見えてくる未来は少しあたたかく、そして可能性に満ちています。
廃棄せずに、価値を活かしていく。そんな経営の第一歩を、今日から一緒に踏み出してみませんか?
今ある在庫を活かすことでブランドも未来も守れる
在庫が売れ残ると、「失敗」「コスト」「リスク」といった言葉が頭をよぎってしまいがちです。でも、本当にそうでしょうか?
少し視点を変えてみると、その在庫は“選ばれ待ち”の商品なのかもしれません。
✅ パッケージに少しキズがあるだけ
✅ 期限が近いだけで、まだ品質は問題なし
✅ 一時的に販路を失っただけの売れ筋商品
こうした商品たちは、本来の価値を何ひとつ失っていません。適切な場所で、適切なタイミングで、適切な相手に届けば、ブランドの信頼も失うことなく、未来につながる販路となります。
OEFのような会員制モデルなら、その“つなぎ方”も丁寧にコントロールできるのです。
サステナブル販路としての活用事例と成果
OEFに出品してくださっているサプライヤーの中には、こんな成果を出された方もいます。
✅ 小売店との関係性を保ちながら、賞味期限3ヶ月以内の商品を完売
✅ 展示会で紹介しきれなかったアイテムをOEFでテスト販売し、リピート注文に発展
✅ B品を販売することで、社内在庫回転率が20%改善
このように、ただ在庫を減らすだけでなく、“事業の循環”を生み出すきっかけになっているのが、サステナブル販路としてのOEFの強みです。
OEFにおける価値は、「安く売る」ことではなく、「価値をきちんと届ける」こと。誰かの“もったいない”が、誰かの“うれしい”に変わる瞬間を、あなたもぜひ体感してみてください。
次にすべき行動:OEFでできることを知る
もし、「うちの商品も向いてるかも?」と少しでも思われたら、まずはOEFの仕組みを一度覗いてみてください。
初期費用を抑えて始められますし、少量からの出品も可能です。
すでにたくさんの企業様が、“廃棄ではなく再活用”という選択肢を取っています。
✅ クローズド・バイイングモデルでブランドを守れる
✅ 小ロット・固定費少なめでリスクを抑えて始められる
✅ エシカルに共感する消費者と、自然なかたちでつながれる
「まだ間に合う」ではなく、「今なら間に合う」。
捨てずに、活かす。OEFでその第一歩を踏み出してみませんか?