
パッケージ不良や余剰在庫など、まだ使えるのに廃棄される化粧品たち。その行き場のない“規格外コスメ”に、今、新しい販路の選択肢が生まれています。目次を見て必要なところから読んでみてください。
化粧品の「規格外品」、どう売る?ブランド価値を守るための在庫活用術
「ちょっとしたキズ」「印字ズレ」「テスト販売の残り」…品質には問題がないのに、通常のルートでは販売できない“規格外の化粧品”。そんな在庫が倉庫にたまっていく現場の声、実はとても多いのです。ブランドの世界観や信頼感を守りながら、これらのコスメに“もう一度輝くチャンス”をつくる方法を一緒に考えてみませんか?
なぜ規格外コスメは増えるのか?現場で起きているリアル
化粧品業界では、「中身は同じでも、外装に少しでも不備があれば正規流通には乗せられない」という厳しいルールがあります。たとえばこんなケース、実際によくあります。
✅ パッケージの印刷がわずかにズレてしまった
✅ 製造後すぐに新パッケージへ切り替えが決まり、旧デザインが残った
✅ 販売先のキャンセルで過剰在庫になってしまった
このような商品は、「見た目は少し違うけど、品質はまったく変わらない」のに、正規の棚には並べられません。その結果、“行き場のないコスメ”がどんどん増えていくのです。
特に最近では、小ロット多品種やスピーディな商品展開が主流になってきており、在庫リスクも上がっています。だからこそ、「捨てる前にできること」を見直すタイミングがきているように感じます。
廃棄コストとブランドイメージの板挟み問題
では、なぜ多くのメーカーさんが、これらの規格外品を「泣く泣く廃棄」してしまうのでしょうか。その理由のひとつが、ブランド価値とのバランスにあります。
化粧品は、単なるモノではなく「体験」や「世界観」を売る商材です。だからこそ、「安売りに見られたくない」「ブランドの価値を下げたくない」という思いが強くなるのも当然です。
でもその一方で、廃棄にもお金がかかるのが現実です。環境への負担も見過ごせません。たとえば、以下のような板挟みが起きがちです。
ブランド側の本音 | リスク・コスト |
---|---|
ブランド価値を守りたい | 規格外品の在庫を抱えるストレス |
安売りしたくない | 廃棄にかかる費用と環境負荷 |
通常価格で売りたい | 期限切れや劣化による損失 |
※この表からも分かるように、「売らない選択」は、実はとてもコストが高いんです。
だからこそ、「どうすれば価値を損なわずに、必要な人に届けられるのか?」という問いに向き合うことが、これからの時代に求められているのではないでしょうか。
たとえば、“限定キャンペーン”や“クローズド販売”という選択肢を取り入れることで、「ブランドを守りながら在庫を活かす」というやさしいバランスが見えてきます。
次の章では、そんな「安心して試せる販路づくり」のアイデアを、もう少し具体的にご紹介していきます。
ブランドを傷つけない!規格外品の賢い販売チャネルとは

規格外の化粧品を「価値のある商品」として届けたい。でも、通常の流通で販売してしまうと、ブランドのイメージに影響が出てしまうかもしれない…そんなジレンマに悩んでいるメーカーさんは少なくありません。
そこで注目されているのが、「アウトレット販路」や「限定キャンペーン」という“特別なルート”での販売です。ここでは、その違いやメリットについてわかりやすくお話します。
アウトレット販売と通常流通の違いとは?
アウトレット販売と通常販売の大きな違いは、「誰に・どうやって届けるか」という点にあります。以下に、ざっくりとした違いをまとめました。
項目 | 通常流通 | アウトレット販売 |
---|---|---|
購入者 | 百貨店・ドラッグストアなどの一般流通先 | 会員制サイトやイベント参加者など、限定された層 |
価格 | 定価または小幅な値引き | 大幅値引きも可能(※見せ方が重要) |
商品内容 | 完璧なパッケージ・最新品 | 規格外品・旧デザインなどの在庫 |
販売の目的 | ブランド体験の提供 | 在庫の有効活用・販促支援 |
この表からもわかるように、アウトレット販売は「通常品ときちんと切り分けて売る」ことで、ブランド価値を守る“安全設計”にすることが可能です。
たとえば、「限定サイトでしか買えない」「一部のエシカル会員向け」などの工夫をすることで、価格の見せ方にも気を配りつつ、透明性のある販路がつくれます。
「限定販売」や「キャンペーン連携」で特別感を演出する方法
規格外品やアウトレット商品を、単なる“安売り”に見せず、むしろファンづくりの一環として活かす方法もあります。
その一つが、「キャンペーン連携型の販売」です。たとえば…
✅ サステナビリティ・ウィーク企画として、エシカルコスメを特別販売
✅ ブランドの周年記念キャンペーンで、「選ばれしアイテム」として登場
✅ SNS連動で「フォロー&シェアで購入権ゲット」の限定販促
こうした仕掛けは、「訳ありだから安い」ではなく、「選ばれた人だけが手に入れられる特別な体験」へと変換してくれます。
また、こうした限定販売ではファンとの距離が近づき、SNSでの拡散やレビュー投稿にもつながりやすくなります。
ポイントは、“お得感”よりも“意味のあるお買い物”として設計すること。
「ちょっと外装にキズがあるけど、中身は完璧な美容液」「試作品として眠っていたけど評価の高い処方」など、ストーリーを添えることで、共感と納得が生まれます。
そしてなにより、「ムダにしない」という価値に共鳴するユーザー層が、確実に増えてきています。
だからこそ、在庫問題も、単なる処分ではなく「関係づくりのきっかけ」に変えられるのです。
コスメブランドの新しい社会的価値「エシカル販売」という選択肢

ただ「いいモノを作る」だけでは選ばれづらくなってきた時代。とくにZ世代やミレニアル世代の消費行動には、「その商品がどんな価値観のもとで届けられているか?」が重視されるようになっています。そんな今、コスメブランドにとっての新しい選択肢として注目されているのが「エシカル販売」です。美しさだけでなく、想いを届ける手段としての販路。その可能性について、一緒に考えてみましょう。
Z世代・ミレニアルが重視する“サステナビリティ視点”
最近、SNSなどでよく見かける言葉のひとつが「サステナブル」。これは「環境や社会に配慮した、持続可能な考え方や行動」を意味します。そして今、Z世代やミレニアル世代は、この視点を持った買い物をとても大切にしています。
✅ 「安いから買う」ではなく、「理由に共感できるから選ぶ」
✅ 「見た目がキレイ」だけでなく、「背景が誠実」なブランドに惹かれる
✅ 「使って満足」ではなく、「使うことで誰かの助けになる」ことがうれしい
このように、“選ぶ理由そのもの”が変わってきているのです。
そしてこの流れは、年齢や地域を問わず、じわじわと広がっています。
コスメというパーソナルな商品だからこそ、購入する側も「どう作られ、どう届けられているのか?」を意識するようになっています。それは決して難しい話ではなく、「この商品を選ぶことで、自分も何かの役に立てる」という実感が、日常の中で大きな満足感になっているのです。
エシカル販路の活用がブランド好感度を上げる理由
「エシカル販売」とは、まだ十分に知られていない選択肢かもしれません。でも実は、ブランドの“信頼”や“好感”に直結する販路設計として、とても効果的です。
たとえば、規格外品や余剰在庫を「ただのワケあり商品」として処分するのではなく、「まだまだ使える、でも行き場を失っていたアイテムに再び光を当てる」販売の場をつくる。
これだけで、ブランドはこう語りかけてくれるようになります。
✅ 私たちは、“もったいない”を大切にするブランドです
✅ 販売の仕方にも、きちんと責任を持っています
✅ 商品ひとつひとつに、愛情と背景があります
こんな姿勢に共感してくれるお客様は、値引きが目的ではなく、価値に共鳴して集まってきてくれます。
実際に、エシカル販路を活用したブランドでは、SNSで「このブランド素敵」「こういう姿勢、応援したくなる」といった投稿が自然に増えたり、リピーターの声が広がったりと、長く応援されるファン層が育っているケースもあります。
そしてなにより、こうした取り組みはスタッフの誇りにもつながるんです。
「安売りじゃなく、いい意味で“選ばれる商品”を届けている」——そんな実感が、働く側のモチベーションにもつながっていきます。
売るだけではない。「共感されるブランド」になること。
その第一歩として、エシカルな販路を見直してみるのは、これからのスタンダードになるかもしれません。
【成功事例】あるメーカーが取り組んだ「規格外コスメ×キャンペーン販売」

「品質にはまったく問題がない。でも通常の店頭では売れない」
そんな規格外のコスメをどう活かすか。あるメーカーが取り組んだのは、キャンペーン連動型の“限定販売モデル”でした。通常ルートとしっかり分けた設計、そして“選ばれた場”だからこそ生まれた共感の広がり。そのストーリーには、これからの販路づくりのヒントがたくさん詰まっています。
通常流通とは分離した限定モデル
このメーカーは、外箱にわずかなキズが入ってしまった美容液を数千本単位で抱えていました。本来ならば廃棄対象。でも、「品質には一切問題がない。むしろ中身は人気商品そのもの」という状況でした。
そこで選んだのが、特定のサステナブルキャンペーンとの連動販売。具体的には…
✅ SNSやメールマガジンで告知された“エシカルウィーク”限定企画
✅ 購入できるのは、専用サイトにアクセスしたユーザーのみ
✅ 「訳あり」「アウトレット」などの言葉は使わず、“価値ある未流通品”として紹介
このように、通常の販売チャネルとは完全に分離した特設枠を用意し、「特別な人に届く場所」としてデザインされたのです。
さらに、商品の紹介ページでは、「どうしてこの商品が今ここにあるのか?」という背景まで丁寧に伝えるスタイルを取り入れました。
「パッケージの一部にわずかな印刷ズレがあるだけで、店頭に並ぶことができなかった美容液。中身の品質には自信があります。“選ばれ待ち”だったこのアイテムに、もう一度チャンスを」
この一文が、多くのユーザーの心を動かしました。
ユーザーからの共感が生んだSNSバズ
この取り組みで注目すべきは、広告に頼らず自然発生的に広がった「共感のバズ」です。購入者の多くが、「こういう売り方、もっと増えてほしい」「ちゃんと理由があって安いなら、応援したい」といった声をSNSで発信。
✅ 「パケ不良で捨てるなんて悲しい話…でもこれはすごくいい」
✅ 「届いた美容液、想像以上に高品質。これでこの価格、むしろ得した気分」
✅ 「理由がわかって買えるって、こんなに気持ちがいいんだね」
このようなリアルな体験と共感の声が、口コミというかたちで自然に拡散していったのです。
結果、在庫の約90%が1週間以内に完売。しかも、「もっと早く知りたかった」「またやってほしい」という要望が続々と届き、次回キャンペーンへの期待感も高まりました。
この事例からわかるのは、「安く売る」ことよりも、「なぜここで売るのか」をしっかり伝えることが、信頼につながるということ。
規格外=妥協品ではなく、「価値を見直すきっかけ」として発信できる場を持てば、商品もブランドも、もう一度輝きはじめるのです。
そんな販路が欲しかった!今注目の“クローズド・バイイングモデル”とは

「価格を見せても大丈夫」「でも誰にでも売られるわけじゃない」——そんな都合のいい話、あるわけないって思っていませんか?
実は今、“クローズド・バイイングモデル”という販売スタイルが、コスメ業界をはじめとする多くのメーカーから注目を集めています。ブランドの価値を守りながら、在庫を“価値あるもの”として届けられる。この販路が、新しいエシカル販売の形になりつつあるのです。
誰でも見れるけど、買えるのは会員限定という安心設計
クローズド・バイイングモデルの最大の特徴は、「情報はオープン、でも購入はクローズド」という仕組みです。
たとえば、アウトレット商品や規格外品の情報は、Web上にしっかり表示されます。参考価格や商品写真も、きちんと公開されています。
でも、購入できるのは「会員登録をしている人だけ」。しかも、会員はそのコンセプトや理念に共感して登録している人たちなので、価格が安いからといって、むやみに買い荒らされるようなことは起きません。
この“クローズド設計”によって、メーカー側にはこんなメリットがあります。
✅ 一般市場の価格体系に影響を与えにくい
✅ ブランドの世界観を壊さずに在庫を活用できる
✅ 購入者に商品の背景を丁寧に伝えることができる
そしてなにより、「誰に売るかを選べる」ことが、安心感につながるのです。
限定感×透明性でメーカーも消費者も満足
このモデルが支持されている理由は、限定感と透明性の両立にあります。
✅ 「この商品は、OEFのサブスク会員だけにご案内」
✅ 「ブランドから直接届く、特別な販路です」
✅ 「品質には問題なし。でも少しだけ“ワケあり”なストーリーがある商品です」
こういった説明がしっかり添えられていることで、購入者は「安いから買う」ではなく、「その背景に共感して選ぶ」という購買行動になります。
結果として、消費者もただのセール品ではなく、“価値のある買い物”として満足感を得られる。
メーカーも、大切に育ててきたブランドを崩すことなく、商品を必要な人に届けることができる。
この“どちらも大切にできる”バランスこそ、今の時代にぴったりの販売モデルではないでしょうか。
もし、あなたのブランドにも「まだまだ活かせる在庫」があるなら——
クローズド・バイイングモデルというやさしい販路を、一度のぞいてみてください。
エシカル販路「OEF」で叶える、コスメ規格外品の価値再生

「ちょっとした外装不良」「店頭に並ぶには基準を満たせなかった」——でも中身は、丁寧につくられたこだわりのコスメ。そんな“行き場を失った商品たち”に、もう一度チャンスを。
OEF(アウトレット・エコロジー・フードロス)は、単なる在庫処分の場ではなく、“価値の再発見”を叶えるエシカル販路として、多くのメーカー・ブランドから支持されています。
規格外品も“選ばれ待ち”の価値ある商品へ
OEFでは、商品に対して「訳あり」というラベルを貼るのではなく、“背景のあるもの”として扱うスタンスを大切にしています。
たとえば、以下のような表現で紹介されることが多いです。
✅ 外箱に細かなキズがありますが、中身は正規品と同じ処方です
✅ 限定キャンペーンで販売予定だった試作品です
✅ リニューアルにより旧デザインになった在庫です
これにより、「仕方なく買う」から「共感して選ぶ」へと意味が変わっていきます。
実際にOEFで販売された規格外コスメには、以下のようなユーザーの声が寄せられています。
「この価格でこの品質、むしろラッキーでした」
「知らなかったけど、こんなにいいブランドだったんだと知れて嬉しい」
「安く手に入った上に、エシカルな選択ができて気持ちいいです」
このように、商品そのものだけでなく、背景にある“思い”や“ストーリー”も一緒に届けられるのが、OEFの強みです。
ブランド価値を守りながら、販路とファンを広げる仕組み
OEFでは、「価格はオープンに表示」されますが、購入できるのは月額制のサブスクリプション会員限定。この「クローズド・バイイングモデル」が、ブランドにとっての安心感を生んでいます。
✅ 誰でも価格を見ることはできます
✅ でも購入できるのは、OEFに価値観で共感した会員のみ
✅ 一般流通とは切り離された、限定された販路
この仕組みによって、メーカーは以下のようなメリットを得られます。
メーカー側のメリット | 内容 |
---|---|
ブランド価格帯を崩さない | 一般市場とは異なる“選ばれた場”での販売 |
顧客層が明確 | エシカル志向のファンに直接届けられる |
販売手数料のみ | 出品料無料、物流も自社管理で負担が少ない |
さらに、OEFは単なるECサイトではなく、「共感でつながるファンコミュニティ」を育てることを大切にしています。
商品に共感し、ブランドを応援するユーザーが自発的にSNSでシェアする。そんな“気持ちのある購買行動”が、次のファン獲得やブランド理解のきっかけになっていくのです。
在庫問題に悩んでいた商品が、ファンとの出会いで再び輝き出す。
そんなあたたかい循環を、OEFという販路を通じて生み出してみませんか?