谷澤まさみ
谷澤まさみ

期末の税金対策に「在庫処分」を検討している方へ。廃棄と売却の違い、税務処理の落とし穴、サステナブルな販路まで、やさしく解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。

税金対策としての在庫処分とは?

期末が近づくと、急に気になり始める「在庫」の存在。在庫が多いと税金が増えるという話、なんとなく聞いたことはあるけれど、どうしてそうなるのか?そして、どうすれば無駄な税負担を避けられるのか?今回は「税金対策としての在庫処分」について、やさしく整理してみたいと思います。

なぜ在庫は「税負担」を増やすのか?

「商品が売れていないのに、なぜ税金がかかるの?」と不思議に思われる方も多いかもしれません。でも、ここにこそ税務上のポイントがあるんです。

在庫(=売れていない商品)も、会社の「資産」としてカウントされるため、たとえば期末に在庫が多いと、それだけ利益が大きく見積もられてしまいます。つまり、実際には現金が手元にないのに、「利益が出た」と見なされて税金がかかる。これが、在庫が税負担を増やすカラクリです。

特に、賞味期限が迫った食品や、季節を過ぎた日用品などは、次の期にはもう売れない可能性もあるもの。それなのに“資産”として扱われてしまうのは、ちょっと悩ましいですよね。

税金は「見かけの利益」にも課税されてしまうことがある
売れ残り商品でも、帳簿上は「資産」になるのが税務の特徴

このあたりを理解しておくと、単に「在庫が多い=スペースを取る」というだけでなく、「税金がかかる」という、もうひとつの負担も見えてきます。

期末に慌てないための基本知識

「期末に慌てて在庫をどうにかしようとしても、なかなか売れない」「値下げしても間に合わない」。そんな声、よく聞きます。でも、じつは在庫処分には、計画性とタイミングがとても大事なんです。

まず押さえておきたいのは、「廃棄」と「売却」では、会計処理も税務上の扱いも異なるということ。

処分方法税務上の扱い注意点
廃棄損失として計上可廃棄の証拠が必要(写真・報告書など)
売却売上として計上赤字処分でも現金が入るので資金繰りに有利

この表のように、「廃棄」すれば損失として税金の負担を軽くできる可能性がありますが、書類や証拠をしっかり整える必要があります。

一方、「売却」はたとえ安く売っても現金が戻るので、資金繰りにはうれしい選択肢。しかも、サステナブルな視点からも評価されやすくなっています。

節税対策としての在庫処分を考えるなら、以下の3つを意識してみてください。

早めの在庫チェック
期限切れや陳腐化する前に、見直しを

会計処理の準備
処分記録や在庫評価の根拠を整える

販路の確保
売却先があることで、廃棄せずに価値を活かせます

「ただ捨てる」のではなく、「うまく処分して、会社と社会にとって良い選択をする」。そんな視点で、在庫と向き合っていきたいですね。

廃棄処分と売却処分の税務上の違い

谷澤まさみ
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在庫を減らす方法としてよくあるのが、「廃棄する」か「売る」か。この2つは一見同じ“処分”のように見えて、会計や税金の面では大きな違いがあります。
ここでは、廃棄と売却、それぞれの扱いと気をつけたいポイントを整理していきます。

廃棄した場合の会計処理と注意点

在庫を廃棄した場合、その商品はもはや販売による収益を生まないため、会計上では「損失」として処理できます。これは「棚卸資産の除却損」という費目になることが多いです。

ただし、注意点があります。

廃棄の「証拠」が必要です
帳簿から除外するには、その商品を本当に廃棄したという証明が求められます。写真や廃棄報告書、場合によっては第三者の立ち会い記録などがあると安心です。

不自然なタイミングや大量廃棄は要注意
税務署から「本当に価値がなかったのか?」と疑われやすくなります。計画的に、そして正当な理由がある廃棄であることが重要です。

廃棄しても現金は残りません
当たり前のことですが、売上はゼロ。節税にはつながっても、資金面ではマイナスになる点は押さえておきたいところです。

売却した場合のメリット・デメリット

売却は、在庫を“お金に換える”という意味で、もっとも理想的な処分方法です。たとえ割引して販売しても、現金が入るという大きなメリットがあります。

メリットとしては:

キャッシュフローが改善される
社会的なフードロス削減にも貢献できる
「廃棄=環境負荷」というリスクを回避できる

一方で、気をつけたいのがブランド価値の毀損
正規価格と大きく乖離した価格で販売すると、他の取引先との価格バランスが崩れることがあります。そこで最近注目されているのが、「クローズド販売」や「会員制EC」など、限定的な販路を活用する方法です。

また、会計上では売却収入として計上されるため、「赤字で売ったとしても課税される可能性がある」という点にも留意が必要です。

「評価損」と「処分損」はどう違う?

どちらも“在庫の価値が下がった”という扱いですが、その性質と税務上の扱いは異なります。

項目内容税務上の扱い
評価損まだ保有中の在庫の価値を下げる原則、一定条件で損金算入可
処分損実際に処分した際の損失基本的に損金算入可能

評価損は、「この在庫、もう市場では価値がない」と判断したときに、帳簿上の金額を引き下げる処理です。いわば、“見積もりの損”とも言えます。一方の処分損は、実際に処分した結果生じた損失で、より実体のある損として扱われます。

どちらも使い方次第で税金を減らす手段になりえますが、税務署の目も厳しい部分なので、処理には十分な根拠が必要です。

在庫処分は、単なる「整理」ではなく、資産の見直しや税金対策の大事な一手。今ある在庫の状況を見ながら、どの処理がふさわしいのかを冷静に選ぶことが大切ですね。

税務調整の観点から見た「望ましい在庫処分」とは?

谷澤まさみ
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在庫処分が節税につながる──そう聞くと、少し極端な方法を考えてしまうこともあるかもしれません。でも実際には、税務署が認めるルールの中で、誠実に処分を行うことが一番の近道です。
ここでは、「評価引下げ」と「損失処理」の2つのポイントから、税務的に望ましい在庫処分についてご紹介します。

どこまでが認められる?在庫の評価引下げ

まだ廃棄や売却には至っていないけれど、「明らかに価値が下がっている」在庫。たとえば、賞味期限が近い食品や、シーズンを過ぎた商品などは、帳簿上の金額(評価額)を下げることが可能です。

ただし、この評価引下げにもルールがあります。

「著しい陳腐化」や「物理的な破損」など、明確な理由が必要
第三者の査定や、市場価格の証拠があるとベター
継続的な会計処理方針が求められる(恣意的な操作NG)

たとえば、年度末にだけ「今期は利益が出すぎたから在庫評価を下げよう」と調整しても、税務上は認められにくいという点に注意が必要です。

評価引下げが認められる代表的なケースを、簡単にまとめました。

ケース例評価引下げの可否備考
賞味期限が1か月を切った食品原則〇売価や陳腐化の証拠が必要
型落ち商品(旧型モデル)条件付きで〇新商品との価格差、販売困難な証明が有効
数年前から動きがない在庫△〜〇過去の販売実績、陳腐化の証明次第
まだ販売可能だが値下げ中の商品原則×値下げだけでは評価損の根拠になりにくい

このように、評価を下げられるかどうかは「感覚」ではなく、根拠となる資料や状況証拠の有無にかかっています。

会計上の損失が税務上で否認されないために

在庫処分で発生する評価損や除却損。会計上では処理できても、税務上では否認されてしまうケースがあるのがやっかいなところです。

否認される主なパターンには、次のようなものがあります。

廃棄の証拠が不十分
写真や報告書などがないと、「本当に廃棄したのか?」と疑われてしまいます。

処分の妥当性が認められない
まだ十分に販売可能な商品を「使えない」と判断していた場合などは、損失計上が否定されることも。

在庫管理のずさんさが露呈
定期的な棚卸をせずに突然在庫が消えたり、金額が大きすぎる処分が行われると、会計処理全体の信頼性が損なわれます。

こうしたリスクを回避するためには、普段からの在庫管理と処分方針の明文化がとても大切です。
そして、できるだけ「外部から見ても納得できる処理」を心がけること。

たとえば、OEFのような“会員制の販路”を使って在庫を売却する方法は、廃棄せずに現金化でき、しかも市場価格への影響を最小限にできるため、税務調整の観点でもとても有効です。

「正しく処理することが、結果的にいちばん得になる」
在庫処分は節税の手段であると同時に、会社の信頼性を支える会計の要でもあります。焦らず、しっかりと根拠を持って向き合っていきたいですね。

税金対策+キャッシュ回収を両立する方法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「税金対策はしたいけど、できればお金も戻ってきてほしい」
そんなふうに感じるのは、経営者として自然なことです。在庫を「ただ処分する」のではなく、“価値を生かしながら資金も取り戻す”方法があるとしたら、ぜひ知っておきたいですよね。ここでは、廃棄せずにキャッシュも確保するための考え方と、今あらためて注目されている“フードロス視点”についてご紹介します。

廃棄せずに価値を生かす“売却ルート”とは

在庫を「捨てる」のではなく、「売る」という選択。
それは、会計上の損失を避けながら、資金を回収する賢いやり方です。ただし、値下げして市場に出すだけでは、ブランド価値が下がってしまうリスクもあります。
そんなときに使えるのが、「限定的に販売する」方法です。

たとえば:

会員制ECサイト(クローズドマーケット)での販売
誰でも買えるわけではない仕組みにすることで、市場価格を守りながら在庫処分が可能になります。

福袋・おまかせBOX形式で販売
商品を個別に売るのではなく、セット販売にして価値の見せ方を変えると、販売単価も上げやすくなります。

エシカルな販路との提携(フードロス削減を目的とした流通)
「もったいない」をキーワードに共感で選ばれる販路であれば、多少の見た目や期限の問題も価値に変えることができます。

これらの方法に共通しているのは、単なる値下げではなく、意味を持たせた売却ということ。
「安いから売る」のではなく、「役割があるから選ばれる」──そんな設計が、キャッシュとブランドを両立させるカギになります。

フードロス対策としての在庫処分が注目される背景

最近では、在庫処分に“エシカル”な意味が加わり、社会的にもプラスの評価を受ける流れが生まれています。
特に、食品ロス(フードロス)は大きな社会課題として、企業の責任も問われる時代に入っています。

たとえば:

✅ 日本では年間500万トン以上の食品が、まだ食べられるのに廃棄されています
✅ SDGs(持続可能な開発目標)でも「食品ロスの削減」が明確な目標として設定されています
✅ ESG経営の一環として、企業の「在庫活用の姿勢」が評価される場面も増えています

こうした背景から、「捨てない選択」をする企業が社会的にも選ばれやすくなっているのです。
つまり、「在庫を売ること」が、単なるお金の問題ではなく、企業価値を高める行動にもなっているということ。

そしてこの流れの中で、OEFのように「エシカルな理由で、しかもお得に商品が買える」プラットフォームが注目されています。
価格は見えても、買えるのは会員だけ。だからこそ、ブランドを守りながら、価値を再流通できる
そんな仕組みは、税金対策とキャッシュ回収、そして社会的評価の3つを同時にかなえてくれます。

「売れなかった在庫」ではなく、「社会に選ばれる商品」として再び旅立たせる
在庫処分の本当の価値は、こうした“次の一手”にこそあるのかもしれません。

サステナブルに在庫を処分する選択肢とは?

谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫処分というと、どうしても「安売り」や「赤字覚悟」のイメージが強くなりがちです。でも実は、環境にもやさしく、ブランドイメージも守りながら在庫を現金化できる道が少しずつ広がっています。
いま、企業の在庫処分に求められているのは、“安さ”よりも“意味”。ここでは、その中でも注目される「サステナブルな選択肢」についてお話しします。

ブランドを守りつつ在庫を現金化するには?

在庫を現金に変えるには、当然ながら「売る」必要があります。でも、過剰な値下げを繰り返すと、ブランド価値が下がるリスクがありますし、既存の取引先との関係にも影響する可能性があります。

そこで大切なのが、「どこで、誰に、どう売るか」という視点です。

市場に広く見せない形での販売
一般的なモールやオープンセールではなく、販路を絞ることで価格のコントロールがしやすくなります

ブランドストーリーを添える
「フードロス削減」や「環境配慮」など、共感される文脈で商品を届けることで、値下げを“価値ある行動”に変えることができます。

数量限定・期間限定での販売
売り切り型にすることで、プレミア感を演出し、買い叩かれる印象を防ぐことができます。

「安く売る」のではなく、「理由があってお得に届ける」。
この設計さえ整えば、値引きであってもブランドは守られ、むしろ共感と信頼を得るチャンスにもなります。

会員制モデルやクローズド販売のメリット

ここ数年で注目を集めているのが、「会員制」「クローズド販売」という仕組みです。
これらのモデルでは、商品の情報は公開しつつも、購入できるのは登録された会員だけという制限を設けています。

この構造がなぜ優れているのかというと:

市場価格を崩さない
購入できる対象を絞ることで、オープンマーケットの価格とバッティングしないため、他販路との信頼関係が守られます。

プレミア感を演出できる
「選ばれた人しか買えない」仕組みにすることで、“安さ”よりも“特別感”を演出できます

エシカルな価値を添えて伝えられる
フードロスやエコといった背景も、共感しやすい環境で丁寧に伝えることができます

たとえばOEFでは、「価格表示はオープン、でも購入は会員限定」というクローズド・バイイングモデルを採用しています。
これにより、サプライヤー側は安心して値下げ商品を出品できる環境が整っており、消費者側にも「誰かを助けるお買い物」という新しい選択肢を届けることができます。

在庫処分を「仕方のない処理」ではなく、ブランド価値を守りながら社会貢献につなげるチャンスに変えていく。
それが、これからのサステナブルな経営の一歩になるのかもしれません。

OEFという選択肢|廃棄コストを利益に変える仕組み

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「もう売れないかもしれない…」「でも捨てたくない」──そんな在庫と向き合う企業にとって、“処分”ではなく“転換”という考え方が、新しい販路を開くカギになるかもしれません。
その中で今、じわじわと広がっているのが、OEFという“会員制エシカルEC”の選択肢です。廃棄コストに頭を悩ませる企業にとって、「利益」と「共感」を両立できる販路として、注目されています。

OEFなら価格は見えるが、買えるのは会員だけ

OEFでは、商品ページに価格は表示されています。でも、実際に購入できるのは月額会員として登録している人だけ。これが、他のアウトレット販売とは大きく違う点です。

この「価格はオープン、購入はクローズド」という仕組みは、サプライヤーにとってこんな安心をもたらします。

市場価格への影響を最小限に抑えられる
価格が見えることで透明性は保ちつつ、実際の取引は限定的なクローズド空間の中で行われるため、ブランドや取引先への影響を抑えられます

「安売り」ではなく「価値再流通」として捉えられる
OEFに並ぶ商品には「なぜ出品されたのか」という背景が明確にあり、ただの値引きではなくエシカルな理由を持った“レスキュー商品”として再び光を当てられます。

在庫が売れた分だけ手数料が発生する成果報酬型
初期費用や固定費のリスクが抑えられるため、在庫を抱えている企業が気軽にチャレンジしやすい設計になっています。

このように、“価格を見せつつ、売り場は限定する”というバランス感覚こそが、OEFの強み。
「この値段で売ったら他の取引先に怒られないかな…」といった心配をせずに、安心して在庫を動かすことができる販路として、多くのサプライヤーから支持されています。

税金対策と社会貢献を両立する“新しい販路”

OEFを通じた在庫販売は、単にキャッシュが入るだけではありません。
見方を変えれば、税金対策と社会貢献を同時にかなえる“価値転換”の場とも言えるんです。

税務的に「売却=収入」が立つため、廃棄損としての証明作業が不要
フードロス削減につながる販売として、ESG/SDGsに貢献できる
「企業としての姿勢」が問われる時代に、誠実なアクションとして評価される

「処分コスト」ではなく、「再流通による収入」へ。
そして、「もったいないをなくす」企業活動として、ステークホルダーや顧客からの信頼にもつながる
こうした複合的なメリットが、これまで埋もれていた在庫に新たな命を与えてくれるのです。

「売れ残り」じゃない、「選ばれ待ち」の商品たち。
OEFは、そんな在庫にもう一度チャンスを与える場所として、企業にも、地球にも、そして誰かの暮らしにもやさしい選択肢を届けています。


👉 廃棄せずに在庫を活かす5つの方法をチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。