谷澤まさみ
谷澤まさみ

季節を過ぎた夏物アイテム、安売りせずに価値を保ちながら届けるには?“選ばれ待ち”の商品に再び光を当てる販路と発信の工夫を紹介します。目次を見て必要なところから読んでみてください。

夏物在庫、どうやって“安売り”せずにさばく?

季節の移ろいとともに、トレンドを過ぎた夏物アイテムたち。まだまだ使えるのに、売れ残った在庫を「とりあえずセールで処分しよう」と思っていませんか?その判断、少しだけ立ち止まって考えてみてください。“安くすれば売れる”時代は、もう終わりを迎えつつあるのです。いま、多くの人が「価格」だけでなく、「その背景」にも目を向けるようになっています。

セール一辺倒がもたらすブランド毀損リスクとは

「在庫をさばく=値下げするしかない」と思っていませんか?
でも実は、その判断がブランドの信用をじわじわと削ってしまうこともあるのです。

一度値下げをしてしまうと、“次も待てば安くなる”という印象が消費者の中に残ってしまいます。それは、定価で買ってくれたお客さまの信頼を揺るがすことにもつながりかねません。

さらに、セール情報だけが独り歩きしてしまうと、本来大切にしているブランドの世界観や価値観が薄れてしまうことも。ファッションブランドや雑貨メーカーにとって、この「ブランド毀損」は目に見えにくいけれど、じわじわと響いてくるものです。

特にSNSでの拡散力が高まった今は、セールの情報が一人歩きしてしまいやすい時代です。「安さ」よりも「その商品が持っている意味」に共感してもらえるような仕組みづくりが、より重要になってきています。

「ただ安い」では届かない時代、消費者が重視する新基準

最近の消費者がどんな視点で“選んで”いるか、ご存知ですか?

たとえば、

✅ 誰かのためになる買い物がしたい
✅ フードロスやアパレルロスに関心がある
✅ 「安いから買う」より「意味のある買い物をしたい」

こうした声が、本当に増えています。いわば、買い物を通じて「共感」や「貢献」がしたいという感覚が広がってきているのです。

つまり、今は「安ければいい」ではなく、「どんな背景があって、なぜこの商品が届いているのか」が選ばれるポイントになっています。

セールに頼らなくても、「まだ使えるものを無駄にしたくない」というストーリーをしっかり伝えることができれば、十分に共感を呼び起こせます。

少し前まで売れ残りと思っていたアイテムが、「誰かにとっての価値ある出会い」になる可能性を秘めているのです。

だからこそ、“安くする”より、“ちゃんと届ける”方法を選んでみませんか?

次の章では、ブランド価値を保ちながら在庫を再流通させる方法をご紹介します。

ブランド価値を守るための在庫再流通の考え方

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「在庫を処分したい。でも、ブランドの世界観は崩したくない」。
そんなジレンマを抱えている方へ、“売るか、守るか”の二択ではなく、“守りながら売る”という選択肢があることを、ぜひ知っていただきたいのです。近年注目されている“エシカルな販路”には、そのヒントがたくさん詰まっています。

購買者を限定する「クローズド販路」の活用法

まずご紹介したいのが、「クローズド・バイイングモデル」という考え方。
これは、“誰でも見られるけれど、買えるのは限定された会員だけ”という仕組みです。

一見シンプルに見えますが、ここにはいくつかの大きなメリットがあります。

クローズド販路の主なメリット解説
ブランド価値の維持値下げ販売でも一般市場には影響しないため、価格イメージが崩れにくい
安心して在庫を流通できる卸先や既存顧客に知られにくく、トラブルリスクを回避できる
プレミアム感の演出「選ばれた人だけが買える」という特別感が伝わる

この仕組みを使えば、在庫を抱えることへの不安を減らしながら、エシカルな循環に商品をのせることが可能になります。

実際にこのモデルを活用して、「市場価格は守りながら、在庫はしっかり循環させる」という仕組みを導入している事業者も増えてきました。ポイントは、“誰にどう届けるか”を丁寧に設計することです。

「エシカルな背景」で商品価値を再定義する方法

一方で、「この商品、まだちゃんと使えるのに…」と思っていても、普通に売り出すだけではなかなか手に取ってもらえないこともあります。
そんな時に大切なのが、“その商品がどんな背景を持っているか”を伝えること。

たとえば、こうしたエピソードを添えるだけで、感じ方は大きく変わります。

✅ 季節がずれて販売機会を失っただけ
✅ パッケージが旧デザインなだけ
✅ イベントが中止になり出荷できなくなっただけ

このような“もったいない理由”があるとわかると、消費者の受け取り方も変わります。「捨てられるはずだったものを救える」という視点は、買い手にとっても誇らしい体験になるのです。

いまの時代、商品そのものよりも「買う理由」が重視される傾向にあります。
価格を下げる代わりに、背景を伝えていく。
それが、価値を落とさず、むしろ“意味”を高める在庫再流通のポイントなのではないでしょうか。

次は、“まだ売れる”のではなく、“もう一度、選ばれる”ための工夫について考えていきます。

サステナブルな販売チャネルは実在する?

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「サステナブルって言っても、結局は理想論なんじゃないの?」
そんな声も、実際に現場では聞こえてきます。でも本当にそうでしょうか?
いま、少しずつですが“もったいない”を価値に変える販路が広がってきています。それは特別な企業だけのものではなく、小さなメーカーやブランドでも参加できる、やさしくてリアルな仕組みです。

「もったいない」から始まる新しい販路の形

サステナブルな販売と聞くと、大きな設備投資や複雑な物流をイメージされるかもしれません。でも、実際のきっかけはとても小さなもの。
「これ、捨てるのはもったいないな」という、たったひとつの感情から始まるのです。

たとえば、季節外れになった商品や、パッケージ変更で正規ルートから外れてしまったもの。
「通常ルートでは売りづらいけれど、まだ十分に使える・食べられる」そんな商品たちが、“価値ある在庫”として再評価される場所が少しずつ増えてきています。

特に注目したいのが、「エシカルEC」や「レスキュー型のECサイト」のような販路。これらのチャネルは、「再販の場」であると同時に、「再共感の場」でもあります。

つまり、在庫を売る場所ではなく、その背景や想いを届ける場所なんです。

廃棄を防ぎながら“ストーリー”で商品が動く仕組みとは

「なぜ売れなかったのか」ではなく、「なぜまだ価値があるのか」。
ここを伝えるだけで、商品の表情はがらりと変わります。

たとえばこんなエピソード。

✅ 夏フェスの中止で出荷の機会を失ったタオル
✅ 形が不揃いだっただけで弾かれた人気のお菓子
✅ イベントシーズンの終了で販売チャンスを逸したギフトセット

どれも、品質にはまったく問題がないのに、行き場を失ってしまった商品たちです。
でも、それぞれの背景に「ストーリー」があるとわかれば、買う人の目線も変わってきます。

人は“モノ”より“意味”を買う時代になりました。
そして、意味は「あなたの発信」でいくらでも伝えられます。

「どうせ売れ残りだから」ではなく、「まだ誰かに届く可能性がある」と信じてみる。
それだけで、商品はもう一度、動き始めるのです。

次の章では、そんな“選ばれ直す商品”をつくるための、見せ方や伝え方の工夫をご紹介していきます。

売れ残りじゃない。“選ばれ待ち”の商品にする方法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「売れ残り」と聞くと、どこかネガティブな響きを感じてしまいますよね。
でも、本当にそうなのでしょうか?商品がまだ売れていないだけで、“必要としている誰かに、まだ届いていない”だけかもしれません。
そう考えると、それは“売れ残り”ではなく、“選ばれ待ち”の商品とも言えるのではないでしょうか。
商品にもう一度命を吹き込むには、ほんの少しの視点の転換がヒントになります。

在庫にもう一度命を吹き込むための3つの視点

1つ目の視点は、「物語をまとわせること」です。
単なる“在庫”も、「こんな理由で、店頭には並ばなかったんです」と伝えるだけで、商品の印象がぐっと変わります。
たとえば、展示会が中止になって出番を逃したアクセサリーや、梅雨明けが早くて売り時を逃したレイングッズなど。状況が変わっただけで、価値が損なわれたわけではないんです。

2つ目は、「用途を再提案すること」
夏物アイテムでも、工夫次第で秋にも使えたり、おうち時間で活躍したりと、違う文脈で活かせる可能性はたくさんあります。
「涼感シャツを秋の重ね着に」「夏用ストールを冷房対策に」など、“使い方を変えて伝える”だけで、商品が再び生きてくるのです。

そして3つ目は、「限定性・特別感を演出すること」
「この商品は、今だけ特別なルートでしか出会えません」と伝えれば、むしろプレミアムな印象を与えることもできます。
ここでも、“安いから”ではなく、“背景に意味があるから”という魅力づけがカギになります。

消費者の“共感”を呼び起こす発信・見せ方とは

商品の魅力は、スペックや価格だけでは伝わりません。
いまの消費者が重視しているのは、“その買い物がどんな気持ちをくれるか”です。

そこで大切になるのが、共感をベースにした「伝え方」

✅ SNSで、在庫商品にまつわる“ちょっとしたストーリー”を紹介
✅ メールマガジンで「今、この商品が買われる理由」を一言そえる
✅ 商品ページに「この商品が届くことで減らせるムダ」の一文を加える

これだけでも、商品の価値が「物」から「想い」に変わっていきます。

「買うことが誰かや何かの役に立つ」と実感できたとき、人は自然と動きたくなるもの。
商品そのものの魅力と、“届ける理由”を一緒に発信することで、“選ばれ待ち”の商品が“選ばれる瞬間”を迎えます。

そして次の章では、こうした商品の「届け方」を支える仕組みとして、OEFのような新しい選択肢についてご紹介していきます。

OEFという選択肢|価値を崩さず在庫を活かす方法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

ここまで読んでくださった方は、「安売りせずに在庫を動かすには、ストーリーや共感が大切なんだ」と感じてくださったかもしれません。でも同時に、「それを実現できる販路って、どこにあるの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、最後にご紹介したいのが、私たちが運営しているOEF(Outlet, Ecology, Foodloss)というプラットフォームです。

会員制だからできる「価格はオープン、購買は限定」の安心設計

OEFでは、商品ページに価格や商品情報はしっかり公開していますが、実際に購入できるのは月額会員のみという仕組みを採用しています。

これは、「安さ」を表に出しつつも、購買行動をクローズドにすることで、以下のような安心をサプライヤーさまにご提供できるからです。

✅ 市場価格への影響を最小限に抑えられる
✅ 一般流通先との価格競合やトラブルを避けられる
✅ ブランド価値を保ちながら在庫を活かせる

いわば、「価格は見える、でも買えるのは選ばれた人だけ」という特別な設計。このバランスが、エシカルかつ戦略的な在庫流通を可能にしています。

クローズド・バイイングモデルでブランドを守りながら売る

OEFが大切にしているのは、「誰かに届くべきものを、きちんと届かせる」こと。
それと同時に、「作り手の想いやブランド価値を、きちんと守る」という使命も背負っています。

そのために私たちは、「クローズド・バイイングモデル」という考え方を導入しました。

この仕組みの良さは、ブランドの世界観を壊すことなく、価値ある在庫を循環できるという点にあります。実際、多くのメーカーさんから「これなら安心して出せる」「販路として新しい可能性を感じる」といった声をいただいています。

そして何より嬉しいのは、会員の皆さんが、商品に込められた背景や想いをちゃんと受け取ってくださること。「安く買えてラッキー!」ではなく、「こんな形で出会えて嬉しい」という声が多いのです。

安売りじゃない、“意味あるお得”がある場所。それが、OEFという選択肢です。

在庫にもう一度、命を吹き込みたいと思ったとき。
その想いを届けたいと思ったとき。
私たちは、一緒にその道を探していける存在でありたいと考えています。

👉 ブランドを傷つけずにアウトレット販売を行う方法を知る

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。