谷澤まさみ
谷澤まさみ

なんでもないことでイライラしたり、急に涙が出たり…。
その“感情の波”、あなたのせいではないかもしれません。
目次を見て必要なところから読んでみてください。

女性が情緒不安定になりやすい3つの理由

「なんでこんなに気分が不安定なんだろう」
そう感じたことはありませんか?でも、それは決してあなたのせいではありません。
情緒不安定の背景には、体・生活習慣・心の思い込みなど、さまざまな要因が関係しています。
ここでは、女性が感情の波に悩まされやすい3つの主な理由をわかりやすく解説していきます。

PMSや更年期などホルモンバランスの影響

感情の波とホルモンバランスには、深いつながりがあります。
特に女性は、月経・妊娠・出産・更年期と、一生を通してホルモン変動の影響を強く受けます。

生理前に気分が落ち込んだり、イライラしたりするのは「PMS(月経前症候群)」の症状です。
また、30代後半〜40代以降になると、エストロゲンの減少によるプレ更年期・更年期の症状が出てくることもあります。

✅ ホルモンによる感情変化の一例
・理由もなく涙が出る
・些細なことで怒りっぽくなる
・自己否定が止まらなくなる

こうした変化は、決してあなたの「性格」のせいではありません。
体のしくみを知ることで、気持ちがぐっとラクになることもあります。

睡眠不足・ストレス・栄養不足が心を揺らす

睡眠の質や栄養バランス、日々のストレスも、情緒不安定に大きく影響します。
とくに現代女性は、仕事・家事・育児と多忙で、「ちゃんと休む」ことが難しいのが現実です。

✅ こんな状態、心当たりはありませんか?
・寝ても疲れが取れない
・イライラすると甘いものに手が伸びる
・頭では大丈夫と言い聞かせても涙が出る

これは、脳や神経に必要な栄養が不足していたり、ホルモンや自律神経が乱れているサインかもしれません。
まずは、しっかり眠る・3食食べる・無理をしない。
シンプルなことこそ、心と体の安定に直結します。

「ちゃんとしなきゃ」が心を苦しめる思い込み

感情が揺らぐ自分に対して、
「また泣いてる、情けない」
「もっとちゃんとしないと」
と、責める言葉を心の中で繰り返していませんか?

でも実は、その「ちゃんとしなきゃ」という思い込みこそが、心を追い詰める原因になっていることも多いのです。

✅ 思い込みに気づくためのヒント
・他人と自分を比べて落ち込むクセがある
・“感情的=悪い”と思い込んでいる
・いつも笑顔でいなきゃ、と無理をしてしまう

感情が揺れるのは、人として自然なことです。
「泣いてもいい」「今日はつらい」と言える自分を、まず自分が受け入れること。
それが、心のしなやかさにつながっていきます。

どう向き合えばいい?感情の波と上手につきあうヒント

情緒不安定を「どうにかしなきゃ」と思えば思うほど、自分を追い込んでしまうこともあります。
感情の波とつきあううえで大切なのは、無理に抑えることではなく、“理解して受け止める”こと。
ここでは、今日からできる3つのシンプルなアプローチをご紹介します。

まずは記録する:感情と体調のリズムを知る

自分の感情のパターンを客観的に見ることは、心の波に飲まれない第一歩です。
「また落ち込んでる…」と思ったときに、それが生理周期や睡眠不足と関係しているかもしれないと気づけるだけでも、気持ちはぐっと軽くなります。

✅ 感情と体調を記録する方法
・カレンダーやアプリに「気分」「体調」「睡眠」「食欲」などを毎日ひとこと記録
・生理周期アプリを併用してPMSや排卵日の傾向もチェック
・感情が動いた出来事や背景を書き出すだけでもOK

毎日書かなくても大丈夫。「なんか今日はしんどいな」という日だけでも、メモする習慣を持つと、自分の変化に気づきやすくなります。

ひとりで抱え込まない:話す・頼る・休むを習慣に

感情の波に苦しむときほど、「迷惑をかけたくない」「人に言いづらい」と感じてしまいがちです。
でも、ひとりで抱え込むことが心と体にとって最も大きな負担になります。

✅ ひとりで抱え込まないためにできること
・安心できる人に、「話すだけ」でOKという前提で共有する
・頼れる人や場所(家族、友人、職場、SNS、サポート団体など)をリストアップしておく
・「今日は休む日」と決めて、何もしない日をつくる勇気を持つ

感情はエネルギーです。出すことで、循環します。
言葉にするだけでも、心の中の“重さ”は少し軽くなるものです。

プロの力も活用しよう:心療内科や婦人科の選択肢

「こんなことで病院に行ってもいいのかな…」と迷う人も多いですが、
感情の不安定さが続いているなら、医療のサポートを受けるのはとても自然なことです。

✅ 相談先としておすすめの場所
・婦人科:ホルモンバランスの乱れやPMS、更年期の可能性をチェックできる
・心療内科:気分の波、落ち込み、不安の背景を専門的にアセスメントしてもらえる
・保健師・自治体の相談窓口なども無料で活用できる場合あり

実際に私も婦人科で「それ、プレ更年期かもしれませんね」と言われたとき、それだけで自分を責める気持ちがふっと軽くなりました。
プロの視点を取り入れることは、自分を守る選択でもあります。

私の体験談:情緒不安定を“自分のせい”にしていたあの頃

「また泣いてる…」「どうして私だけこんなに感情が不安定なんだろう」
そんなふうに、自分の心を責めていた時期がありました。

でも今思うと、あの頃の私は、“感情は抑えるべきもの”だと思い込んでいたんですよね。
この章では、私自身が情緒不安定と向き合ってきた経験を振り返りながら、少しでもあなたの心が軽くなるヒントを届けたいと思います。

「またか…」と落ち込む日々にあった小さな違和感

ある時期から、仕事中に涙が止まらなくなることが増えました。
些細な一言に傷ついたり、朝から体が重くてベッドから出られなかったり。
「またこの感じだ…」「私って本当に弱いな」と、自分にダメ出しばかりしていたんです。

でも、ある日ふと気づいたんです。
この感情の波、毎月同じような時期にやってくるかもしれない…と。

✅ そのとき感じた小さな違和感
・生理前になるとイライラや涙が増える
・頭では大丈夫と思っても、気持ちがついてこない
・寝ても疲れが取れず、感情のコントロールができない感覚

それは、「私の性格のせい」じゃなくて、体の声だったのかもしれない。
そう思った瞬間、ほんの少しだけ、心がラクになりました。

気づけたことで、少しずつラクになれた話

私はそこから、生理周期や気分の波を手帳に記録するようになりました。
すると、不思議なほどに「感情が荒れる日」が予測できるようになったんです。

「この時期はイライラしやすいから無理しないようにしよう」
「この日はなんだか落ち込むかも、予定を詰めないでおこう」

✅ 私が実感した変化
・感情に振り回されず“付き合う”感覚が持てた
・「また来たな」と思えることで冷静になれた
・自分のリズムを理解することで、自己否定が減った

もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
でも、感情に名前をつけてあげるだけで、自分との距離が変わってくる。
それが、私にとって大きな一歩でした。

感情は悪者じゃない。だからこそ大事にしたいもの

昔の私は、「感情的=未熟」「泣く=ダメ」と思い込んでいました。
でも今は、感情は体と心からの大事なメッセージだと思っています。

・イライラするのは、がんばりすぎているから
・涙が出るのは、気持ちが溜まりすぎているから
・不安になるのは、変化を迎えているから

感情を無視したり押し殺したりするのではなく、
「教えてくれてありがとう」と言えるようになったとき、心のしんどさは少しずつ和らいでいきます。

感情は、敵じゃない。
だからこそ、“ちゃんと感じること”が、自分を大切にする第一歩なんだと、私は思います。


情緒不安定なとき、自分を責めてしまう気持ちはすごくよくわかります。
でも、あなたのその揺れには理由があるし、必ず抜け道もあります。

まずは「責めないこと」。
そして、「ちゃんと感じること」を許してあげてくださいね。
それがきっと、心を守る力になるはずです。

情緒不安定と向き合うあなたへ、今できること

「なんとかしたいけど、どうすればいいかわからない」
情緒不安定な時期には、そんな思いに包まれてしまうこともありますよね。
でも、感情の波に飲まれそうになったときほど、“今できる小さなこと”があなたを支えてくれます。
この章では、すぐに実践できるやさしいヒントを3つお届けします。

責めないこと、それが第一歩

気分が沈む日、イライラが止まらない日。
つい「またこんな自分…」と責めてしまっていませんか?
でも実は、「責めないこと」こそが、回復への第一歩なんです。

✅ 責めないために意識したいこと
・「こんな日もあるよね」と自分に声をかけてみる
・他人と比べるのをいったんやめる
・「がんばってるから疲れたんだ」と受け止める

私自身も、泣いたりイライラしたりするたびに自己嫌悪のループに入っていました。
でも、「これは体のバランスが乱れてるだけかも」と考えるようになってからは、少しずつ気持ちが軽くなっていったんです。

感情の波は“異常”ではありません。
自分にやさしくすることは、弱さではなく強さなんです。

感情はコントロールより“理解”がカギ

感情を「どうにか抑えよう」と思えば思うほど、うまくいかずに苦しくなることがあります。
でも本当に大切なのは、感情をコントロールすることではなく、“理解すること”。

「なんでこんなに落ち込んでるんだろう」ではなく、
「今は生理前だし、落ち込みやすい時期なのかも」
そう気づくだけで、感情と少し距離を取ることができます。

✅ 感情を理解するためのヒント
・「今、私はこう感じてる」と言葉にしてみる
・感情をジャッジせず、そのまま受け止める
・ホルモン周期や体調との関係を意識してみる

感情は、あなたの敵ではなく、あなたを守ろうとしてくれている存在
理解することで、波に飲まれずに“共に過ごす”ことができるようになります。

小さなケアが、未来のあなたを支える

情緒不安定なときに、劇的に何かを変える必要はありません。
むしろ、今できる“小さなケア”を大切にすることが、未来のあなたの安定につながります。

✅ 今日からできるセルフケア例
・ぬるめのお風呂にゆっくり入る
・スマホを置いて、好きな音楽を聴く
・温かい飲み物を丁寧に味わって飲む
・「今日は休む」と決めて、何もしない日をつくる

こうした日々のケアは、心の土台をつくってくれます。
そしてその土台があるからこそ、感情の波が来たときにも折れにくくなるんです。

大切なのは、「私には私を守る力がある」と信じること。
その力は、日々の小さな選択のなかに育っていきます。


あなたは、ちゃんと頑張っています。
そして、感情が揺れるのは“がんばってきた証”でもあります。

まずは、深呼吸。
次に、自分にとってやさしい選択を、ひとつしてみてください。

その一歩が、これからのあなたを静かに支えてくれます。

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