谷澤まさみ
谷澤まさみ

35歳を過ぎて「なんとなく不調」を感じていませんか?疲れやPMSと思っていた症状が、実はプレ更年期のサインかもしれません。目次を見て必要なところから読んでみてください。

35歳から始まる「なんとなくの不調」とは

35歳前後になると「昨日まで普通に動けていたのに、最近なんとなく体が重い」「やけに疲れやすい」「気分の波が大きい」など、言葉にしづらい違和感を覚える人が増えます。これが更年期なのか、それとも単なる疲れやPMSなのか…迷う人は少なくありません。ここでは35歳からの不調の正体を整理し、自分の体と向き合うきっかけにしていきましょう。

よくある症状の傾向

私自身、35歳を過ぎたあたりで「前とは違うぞ」と感じることが増えました。まるで体が勝手にブレーキをかけてくるような感覚です。

よく聞かれるのは、こんな変化です。

  • 疲れが取れにくい(睡眠をとっても翌朝まで残る)
  • 情緒が揺れやすい(理由もなくイライラしたり、落ち込みやすい)
  • 頭痛や肩こり、めまいが繰り返し起こる
  • 肌や髪の質感が変わる(乾燥やパサつき)
  • 月経周期の乱れ(周期が短くなったり、経血量の変化)

こうした症状は、どれも一見「よくあること」に思えます。しかし、35歳を境に目立ち始める場合は、体のホルモンバランスの変化が背景にあるかもしれません。

PMSや疲れとの違い

「これはPMSなのかな?」「ただの疲れじゃない?」と混同しやすいのも、この時期の悩みです。実際に違いを見分けるポイントを整理すると、少しクリアになります。

症状のタイプPMS(月経前症候群)疲労プレ更年期の可能性
タイミング月経前の決まった時期に起こる不規則、仕事量や生活習慣に左右されるタイミングに関係なく現れやすい
主な症状イライラ、むくみ、胸の張りだるさ、眠気のぼせ、発汗、情緒不安定、周期の乱れ
改善しやすさ月経開始とともに軽減休養で改善継続的で変化が続くことが多い

PMSは周期に沿って繰り返すのに対し、プレ更年期の不調は「予測できない」出方をするのが特徴です。

もし「周期に関係なく波が来る」「休んでも回復しない」という場合は、単なる疲労やPMSではなく、プレ更年期の入り口を疑っても良いかもしれません。

なぜ35歳でも更年期のような症状が出るのか

「更年期は50歳前後から」と思っている人が多いですが、実際には35歳前後から少しずつホルモンバランスが揺れ始める人もいます。そのため「まだ早いはず」と思い込んでいると、原因不明の不調に振り回されてしまうこともあります。ここでは、なぜ35歳でも更年期に似た症状が出るのかを整理してみましょう。

女性ホルモンの変化とプレ更年期

女性の体は、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンというホルモンに強く影響を受けています。

  • エストロゲンは、自律神経や骨、肌のハリなどを守る働きを持つ
  • プロゲステロンは、妊娠や体温調整に関わる

ところが、35歳を境に卵巣機能は少しずつ衰え、ホルモンの分泌量も不安定になります。この時期の状態を「プレ更年期」と呼ぶことがあります。

プレ更年期の特徴は「減る」よりも「乱れる」こと
つまり、エストロゲンが一気に少なくなるのではなく、日によって増えたり減ったりが激しくなるのです。そのため、症状も「今日は元気」「翌日はだるい」と波のようにやってきます。

ストレス・生活習慣による影響

ホルモンだけでなく、現代の30代半ばの生活環境も不調を後押しします。

  • 仕事の責任が増え、慢性的なストレスを抱えやすい
  • 子育てや家事との両立で睡眠不足が常態化
  • 食事のバランスが乱れ、栄養不足や血糖値の乱高下を招く
  • 運動不足で自律神経のリズムが乱れる

ストレスが溜まると、脳からの指令でホルモンを調整するシステムがうまく働かなくなり、ますます体調の波が大きくなります。

「ホルモンの揺らぎ × ライフスタイルの負荷」=不調の正体と考えると理解しやすいでしょう。

プレ更年期と本格的な更年期の違い

「35歳で不調を感じる=更年期が始まった」と思うと、不安が一気に大きくなりますよね。でも実際には、プレ更年期と本格的な更年期は区別して考えることが大切です。ここでは発症年齢や症状の出方、そして医療機関で分かることを整理していきます。

発症年齢と症状の特徴

  • プレ更年期
    ・おおむね35〜45歳頃に始まることがある
    ・女性ホルモンが「減る」というより「乱れる」状態
    ・症状は不規則に出たり消えたりしやすい
    ・月経周期が少しずつ短くなる、経血量の変化などが見られる
  • 更年期
    ・閉経の前後5年間(おおよそ45〜55歳)を指す
    ・エストロゲンが急激に減少する
    ・のぼせ、発汗、動悸、強い情緒不安定などが連続的に現れる
    ・閉経が近づくと月経周期が大きく乱れ、最終的に止まる

✅ プレ更年期は「ゆらぎの始まり」、更年期は「本格的な変化期」と理解すると、違いが見えやすくなります。

検査や診断で分かること

「これってプレ更年期?」「ただの疲れ?」と迷ったとき、医療機関での検査が参考になります。

  • ホルモン検査
    ・血液検査でエストロゲンやFSH(卵胞刺激ホルモン)の値を測定
    ・ホルモンが不安定か、低下しているかが分かる
  • 問診・症状チェック
    ・どのタイミングで症状が出るのかをヒアリング
    ・更年期症状のスコアリングを使うこともある
  • 必要に応じた他の検査
    ・甲状腺機能や血糖値など、他の疾患が隠れていないか確認

ただし、検査結果が「正常」でも不調があるケースは珍しくありません。数字だけにとらわれず、自分の体感を大切にすることが何より重要です。

不調への向き合い方とセルフケア

「これって更年期?それともただの疲れ?」と迷ったとき、大切なのはまず自分でできるセルフケアを試してみることです。体の声を無視せず、生活習慣を見直すだけで、症状がぐっと軽くなることもあります。ここでは、今日から取り入れられる工夫を紹介します。

日常生活でできる対策

プレ更年期の不調は、ホルモンの乱れにライフスタイルの負荷が重なって強く出やすくなります。だからこそ「ちょっとした調整」が意外と効いてきます。

✅ 私が意識しているのはこの3つです。

  • 予定を詰め込みすぎない
    →「できること」と「やらなくてもいいこと」を分ける習慣を。
  • 体調の記録をつける
    →日付と症状を簡単にメモするだけでも、不調のパターンが見えてくる。
  • “ひとりの時間”を確保する
    →5分でも好きな音楽やストレッチで、心身をリセット。

こうした工夫は大げさなものではなく、「がんばらない仕組み」を持つことがポイントです。

食事・運動・睡眠のポイント

セルフケアの基本は、食事・運動・睡眠のバランスです。特別なことではなく「整える」意識を持つと続けやすくなります。

  • 食事
    ・大豆製品に含まれる「イソフラボン」はエストロゲンに似た働きをサポート
    ・鉄分・カルシウム・ビタミンDなどを意識して補給
    ・血糖値の急上昇を避けるため、朝食や間食を軽く取る
  • 運動
    ・週2〜3回、30分程度のウォーキングやヨガなど無理のない運動
    ・筋肉を使うことで自律神経が整い、睡眠の質も向上
  • 睡眠
    ・寝る前のスマホは控え、照明を落とす
    ・同じ時間に寝起きするリズムを整える
    ・眠れないときは「横になるだけでも休養」と考えて気持ちを軽く

✅ 「完璧にやる」より「できることを積み重ねる」が、長い目で見て体を楽にしてくれます。

医療機関に相談すべきサイン

セルフケアで乗り切れることも多いプレ更年期ですが、我慢しすぎないことが大切です。中には病気が隠れているケースもあるため、早めの受診が安心につながります。ここでは、医療機関に相談したほうがよい症状と、診療科の選び方について整理します。

早めに受診した方が良い症状

以下のようなサインがある場合は、放置せず相談をおすすめします。

  • 月経周期の急な乱れ(極端に短い・長い、出血量の大きな変化)
  • 強いのぼせや発汗が日常生活に支障をきたす
  • 動悸やめまい、息切れが繰り返し起こる
  • 気分の落ち込みが続き、日常に意欲が出ない
  • 不眠で生活リズムが崩れている
  • 急激な体重減少や増加がある

✅ 特に「生活に影響している」「仕事や家庭で支障が出ている」と感じたら、自己判断よりも医師のチェックを受ける方が安心です。

診療科の選び方と受診の流れ

どこを受診すればいいのか分からず、足が止まってしまう人も多いはずです。

  • 婦人科
    → ホルモンバランスや月経の乱れを中心に診てもらえる
  • 内科
    → 動悸やめまい、全身の不調が気になるときに適している
  • 心療内科/精神科
    → 気分の落ち込みや不眠が強い場合に検討

受診の際は、以下を準備するとスムーズです。

  • 症状が出た日やタイミングのメモ
  • 月経周期や体調の記録
  • 使用しているサプリや薬の情報

こうした情報があると、医師もより正確に判断できます。

「迷ったらまず婦人科」→必要に応じて他科へ紹介という流れが一般的です。最初から正解を出す必要はありません。


まとめ:35歳からの体と心の変化に備える

ここまでお伝えしてきたように、35歳前後で感じる「なんとなくの不調」は、プレ更年期の始まりであることもあれば、単なる疲労やPMSの場合もあります。いずれにしても共通して言えるのは、体がサインを出しているということ。そのサインを無視せず、向き合うことが大切です。

変化を受け止める心構え

体調の揺らぎを感じると、「私が弱いのかな」「年をとったのかな」とネガティブにとらえがちです。でも、これは誰にでも起こる自然なプロセスです。

  • 「今までのやり方が通用しなくなるのは当然」
  • 「新しいケアを選ぶタイミングが来た」と考える
  • 自分を責めず、変化をパートナーのように受け入れる

✅ ケアはがまんではなく“選択肢”です。そう考えることで、不調を「付き合えるもの」へと変えていけます。

記録・チェックリストでセルフ管理

心構えに加えて、実際の行動としておすすめなのが記録をとることです。

  • 月経周期
  • 気分や体調の変化
  • 睡眠や食事の状態
  • 不調が強く出たタイミング

これらを手帳やアプリに簡単に書き残すだけで、「どんなときに不調が出やすいか」が見えてきます。

例えば、以下のような簡単なチェックリストを使うのも一案です。

セルフチェックリスト(例)

  • □ 疲れが取れない日が週に3日以上ある
  • □ 月経周期が25日未満、または40日以上になる
  • □ のぼせや発汗を感じることがある
  • □ 気分の落ち込みが2週間以上続いている
  • □ 睡眠に関する悩みがある

✅ 2つ以上当てはまる場合は、プレ更年期の影響を考えても良いサインです。


まとめると

  1. 35歳からの不調は「体の自然な変化の一部」と理解する
  2. セルフケアと記録で自分の状態を可視化する
  3. 不安や生活への支障があるときは、早めに受診する

この3つを意識することで、プレ更年期を不安なものではなく「自分を大切にするきっかけ」としてとらえられるはずです。

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