
「なんとなく体が重い」「ずっとだるい気がする」――そんな日が続いたとき、婦人科に相談してもいいのか迷いませんか? 私の体験をもとに、その疑問に向き合います。目次を見て必要なところから読んでみてください。
「なんとなく不調」は婦人科で相談していいの?
「病気ってわけじゃないけど、なんだか体が重くてしんどい」。そんな日が続いても、婦人科に行くべきか迷う人は多いと思います。私自身も、そうでした。「こんなことで行っていいの?」という不安が、長く私を止めていたんです。でも、あのとき勇気を出して相談してみて、本当によかった。今回はそんな体験をもとに、婦人科に相談するべき“なんとなく不調”とは何かを、いっしょに考えていきましょう。
病気じゃないけどつらい…という感覚
たとえば、生理前になると気分が落ち込んだり、眠くて仕方がなかったり。
ちょっとしたことでイライラしたり、逆に涙もろくなったり。
「そんなの誰でもあるよ」「気のせいでしょ」って言われることもあるかもしれません。
でも、その“誰でもあるよ”が、自分にとってはしんどいんですよね。
私が初めて「体がおかしいかも」と思ったのは、30代前半。朝起きてもスッキリしない、仕事中に集中力が続かない。気づけばため息ばかりついていて、「これは気のせいじゃない」と思うようになりました。
それでも、内科や整骨院じゃなく婦人科に行こうと思えるまで、正直かなり時間がかかりました。
婦人科のイメージと「行きづらさ」
婦人科って、「何か特別な理由がないと行ってはいけない場所」という印象、ありませんか?
たとえば、
- 妊娠したとき
- 子宮に痛みがあるとき
- 明らかに体調を崩したとき
そんな「目に見える理由」がないと、自分には関係ないと思ってしまう。でも実際は、日常的な不調の相談もしていい場所なんです。
私がよく言うのは、「婦人科は“体の違和感”の総合窓口であってほしい」ということ。
ホルモンのバランスや月経周期、PMS、更年期の入口など、女性の体調は“はっきりとした病名がつかない”グレーな不調の連続です。
だからこそ、遠慮しなくていいんです。むしろ、遠慮しすぎないことが、自分の健康を守る第一歩になります。
気軽に相談してもいいケースとは?
「じゃあ、どんなときに相談していいの?」と感じる方のために、いくつか目安を紹介します。
✅ 以下のような不調が月1回以上ある場合は、受診を考えてみてください
- 月経前後に強い眠気・倦怠感がある
- メンタルの浮き沈みが激しく、日常生活に支障がある
- 胸の張りや頭痛、下腹部痛が毎月つらい
- 生理周期がバラバラで不安になる
- 明確な病名がないのに「なんとなくしんどい」が続く
私もそうでしたが、「なんとなく不調」は、ホルモンバランスの乱れからきていることが少なくありません。婦人科では、血液検査や問診を通じて、その原因を探ることができます。
相談内容も、「とくにどこが悪いってわけじゃないんですが…」という話し方で問題ありません。
むしろ、そうした曖昧なサインに向き合ってくれるのが婦人科の役割です。
医療機関に行く=何かが悪いではなくて、医療機関に行く=体に耳を傾ける選択だと考えてみてください。
私が婦人科を受診しようと思ったきっかけ
「なんとなく体が重い日」が、あるときから“月に何度も”に変わり、それが“毎週”になっていきました。でも、それが婦人科に関係しているなんて、当時はまったく思っていなかったんです。
この章では、「不調」と「婦人科」が自分のなかでつながるまでのリアルなプロセスをお話しします。もし今、あなたが似たような状態にいるなら、気づきのヒントになればうれしいです。
体が重い日が続いた私の状態
あの頃の私は、とにかく朝から体が鉛のように重い感覚が続いていました。特に寝不足でもないし、熱があるわけでもない。でも、エンジンがかからない。立ち上がるのに時間がかかる。そんな日々が、季節のせいだと思っていたんです。
でも気づいたんです。「春になっても、全然スッキリしない」と。
身体のだるさに加えて、夕方になると軽い頭痛。ちょっとした音や匂いにも敏感になって、気づけばため息ばかりついていました。
そして、生理が終わっても気持ちが晴れない。むしろ生理前〜生理後の2週間くらいずっと不調。つまり、元気な日が月に数日しかない状態になっていたんです。
それでも、「これくらい、みんな我慢してるよね?」と思い込んでいました。
不調の記録から見えた共通点
あるとき、「何にもしない日」があって、ノートに自分の体調を書き出してみました。食べたもの、眠れたか、イライラしたか、眠気の強さ、下腹部の違和感…。
最初はバラバラに見えた不調も、2か月ほど記録を続けるうちに生理周期との共通点が浮かび上がってきたんです。
- 生理前になると胸が張って眠くなる
- 生理が終わった後も、数日間イライラと倦怠感が残る
- 毎月20日〜30日の間に気持ちが落ち込む
この「タイミングのパターン」に気づいたとき、「あれ? もしかしてこれってPMS(※月経前症候群)?」という言葉がふと頭に浮かびました。
ネットで調べてみると、書かれている症状がほとんど自分に当てはまっていたんです。
でも、その段階でもまだ、「でも病院に行くほどじゃないかも…」と、ためらいがありました。
家族や友人のひとことで気づいたこと
婦人科に行こうと決めたきっかけは、第三者の一言でした。
ある日、職場でいつも通り仕事をしていたつもりが、同僚から「最近、疲れてる?」と声をかけられました。
それが、自分では気づけなかった“顔に出ている不調”の証拠でした。
また、実家に帰省したとき、母から「その感じ、あんたもしかしたらホルモンじゃない?」と、さらっと言われたんです。
自分でも感じていたけれど、誰かにそう言ってもらえたことが、私にとっては大きな背中押しでした。
その瞬間、「体のせいにしてもいいんだ」と思えました。
甘えじゃなくて、ちゃんと理由がある不調かもしれない。だったら、一度プロに聞いてみよう。
そんな気持ちで、私は初めて婦人科の予約を入れました。
緊張したけど、それよりも「知りたい」という気持ちの方が、少しだけ上回っていたのを覚えています。
初めての婦人科相談の流れ
「婦人科って、どうやって予約するの?」「診察ってどんな雰囲気?」
初めてのときは、わからないことだらけで当たり前です。実際に私も、電話をかける前に何度もスマホの画面を閉じたり開いたりしていました。
この章では、初診のときに私が経験したことをリアルにシェアします。少しでも不安が減って、「行ってみようかな」と思えたらうれしいです。
予約から診察までのステップ
私が選んだのは、自宅から通いやすい場所にある婦人科クリニック。
いきなり行くのは不安だったので、まずはWEBでの予約ができるところを探しました。
実際の流れはこんな感じでした:
- クリニックのHPで「初診・相談可能」と記載されていることを確認
- ネット予約で「不調相談(PMSかも)」と簡単に記入
- 予約日前日にリマインドメールが届く
- 当日は問診票を書いてから、15分ほどで診察へ
服装はリラックスできるワンピースを選びました。内診があるか不安だったけれど、今回は問診と血液検査だけだったので、特別な準備は不要でした。
✅ ポイント:婦人科のすべてが内診ではありません。相談メインなら問診だけで終わることも多いです。
緊張していた私に、受付の方も看護師さんもとてもやさしくて、「来てよかった」と思える空気がそこにありました。
実際に聞かれたこと・伝えたこと
診察室では、先生が落ち着いたトーンで話を聞いてくれました。
「どんな不調が、いつ頃からありますか?」
「生理周期はどのくらいですか?」
「気分の波は、生理前後どちらが強いですか?」
「日常生活に支障が出ていますか?」
そんなふうに、“生活ベースでの聞き取り”が中心だったのが印象的でした。
「これってちゃんと伝わるかな?」と不安だったけれど、私の言葉を否定せず、必要に応じて言い換えてくれたので安心できました。
私は、手帳にメモしていた体調記録をスマホで見せながら、
- 倦怠感が強い日と生理前が重なること
- 気分の波で仕事のパフォーマンスに差が出てしまうこと
- 胸の張りやむくみが毎月あること
などを率直に伝えました。途中、ちょっと泣きそうになりました。
それくらい、「わかってもらえた」と感じた時間だったんです。
相談してわかった原因とアドバイス
問診のあと、ホルモンバランスを見るための血液検査を受けました(採血のみで10分程度)。
結果は1週間後でしたが、その場で先生が伝えてくれたのは、
「おそらくPMS(月経前症候群)の一種。特に黄体期(生理前2週間)のホルモン変動が関係している可能性が高い」ということでした。
そして、以下のようなアドバイスをもらいました:
- 不調が出る時期を記録し、自分のリズムを知ること
- 黄体期には、無理をしないスケジュールを組むこと
- 漢方薬や低用量ピルなどの選択肢もある(希望すれば処方可能)
- 栄養バランスと睡眠の質もPMS軽減に影響すること
特に印象に残っているのは、「これはあなたの性格のせいじゃないですよ」と言われたこと。
ああ、やっぱり私、“がんばりすぎてた”んじゃなくて、“ホルモンの波に揺られてただけ”だったんだと、すとんと腑に落ちた瞬間でした。
その後、私はしばらく漢方薬を取り入れ、生活リズムを整えることから始めました。
少しずつですが、「自分のリズムに寄り添う」意識が持てるようになったんです。
受診して感じたこと・今思うこと
「もっと早く相談してもよかった」――婦人科で話を聞いてもらった帰り道、私が最初に思ったのはこの一言でした。
不調そのものがすぐに消えたわけじゃないけれど、“原因がわからないまま我慢する不安”からは確実に解放されたんです。
この章では、実際に受診してわかったこと、感じたことを、あらためて振り返ってみたいと思います。
不安が軽くなった理由
私が婦人科で感じた一番の変化は、「大丈夫、ちゃんと道がある」と思えたこと。
それまでの私は、原因がわからないまま、だるさや気分の浮き沈みを“気のせい”と処理して、ただ耐える毎日でした。
でも、医師の話を聞いてはじめて、「これはPMSの一部」「誰にでも起こりうる生理的な現象」と名前がついた。
“名前がつく”って、こんなにも気持ちを楽にしてくれるんだと驚いたんです。
不調が起きる時期も、傾向も、対処法も見えてきたことで、「これは対策できることなんだ」と思えるようになりました。
その感覚は、自分の体と“仲直り”するような感覚に近かったです。
思い込みと現実のギャップ
正直、受診前の私は婦人科に対していくつもの誤解をしていました。
- 「病気じゃないと行けない場所」
- 「内診されるのが怖い」
- 「医師に怒られたらどうしよう」
でも、実際はまったく違いました。
相談内容は曖昧でもよくて、むしろ生活の中での“気になる変化”をフラットに話せばよかった。
内診がなかったことでホッとしたし、先生も「みなさん、最初はそう言いますよ」と笑ってくれました。
そして、なにより大きかったのは、「婦人科って、定期的に行っていい場所なんだ」という認識が生まれたこと。
行ってみたことで、私の中にあった“医療との距離感”がぐっと縮まりました。
「自分をケアする」第一歩として
私はずっと、「元気じゃなきゃいけない」「不調を言い訳にしちゃいけない」と思っていました。
でも、婦人科に行ったことで、その思い込みがすこしずつ溶けていったんです。
不調に気づいて、調べて、受診して、話して、理解してもらう。
その一連のプロセスが、「自分をちゃんと扱う」という行為そのものだったんだと思います。
✅ 私にとって婦人科受診は、自分を責めない選択をするためのはじまりでした。
受診しても、すぐに全ての不調が消えるわけではありません。
でも、「私は今、自分の体とちゃんと向き合ってる」という感覚があるだけで、日々のしんどさの受け止め方がまったく違ってきます。
フェムケアって、特別なことじゃない。
“体の声を拾ってあげること”そのものなんだと思います。
よくある疑問と受診の目安
「行ってみたいけど、これって受診するほどのこと?」
「どこまで相談していいのか、わからない…」
そんな疑問を持ったまま、婦人科に行けずにいる方も多いと思います。私もまさにそうでした。
この章では、初めて婦人科を受診する人がよく抱く不安や疑問を、実体験とともに整理してみます。
ちょっとした準備や心構えだけで、ハードルはぐっと下がるはずです。
受診のタイミングはいつがいい?
まず、「このタイミングで行けば正解!」という明確なルールはありません。
でも、目安として知っておくと役立つタイミングがあります。
✅ 婦人科受診のおすすめタイミング
- 月経前後に気分や体調の変化を強く感じるとき
- 生理周期が安定しない、極端に長い・短いと感じるとき
- 不正出血、経血量の変化など、いつもと違うことがあったとき
- 妊娠希望・避妊について相談したいとき
- なんとなく「しんどい」「いつもと違う」と感じる日が続くとき
私の場合は、「PMSの症状がひどくなってきたな」と感じたタイミングでしたが、“この不調、続いたらしんどいかも”と思ったときがベストタイミングだと思います。
特に、生理周期の中で不調が起きやすい時期(例:排卵後〜月経前など)に合わせて受診すると、医師にも状態を伝えやすいです。
婦人科で相談できる内容は?
これもよく聞かれる質問ですが、実は「こんなことまで聞いていいの?」と思うようなことも、婦人科では当たり前の相談内容だったりします。
✅ 婦人科で相談できる代表的な内容
- 月経(生理)に関する悩み
- PMS(月経前症候群)・PMDD(重度のPMS)
- 妊娠・避妊・生理不順
- おりもの・におい・かゆみなどデリケートゾーンの変化
- 更年期の始まりかも?という不調
- 漠然とした体調不良や気分の浮き沈み
つまり、女性ホルモンが関係していそうな体や心の変化は、すべて相談の対象なんです。
私は、「仕事がうまくいってないだけかも」と思っていた気分の落ち込みを相談しましたが、それも立派な理由になりました。
むしろ、生活背景まで含めて聞いてくれるのが婦人科の特長です。
どんな準備をしていけばいい?
初めての受診では、緊張もあってうまく話せないこともあるかもしれません。
でも大丈夫。少しだけ準備しておくだけで、医師とのやりとりがスムーズになります。
✅ 婦人科受診前に準備しておくとよいこと
- 最終月経の開始日・周期の目安
- 気になる症状が出る時期や頻度(例:毎月20日前後に頭痛が出る など)
- 服用中の薬やサプリがあればメモしておく
- 不調を感じた出来事や日常のエピソード(具体例があると◎)
私はスマホのメモアプリに、簡単な体調日記をつけて持っていきました。
「寝ても疲れが取れない」「朝からイライラして子どもにきつくあたってしまった」など、日常に起きたことをそのまま伝えるだけで、先生も状況を理解しやすかったです。
服装は、上下セパレートの服がおすすめです。内診がある場合でも対応しやすいですし、なにより自分がラク。
診察に不安がある場合は、「今日は相談だけ希望です」と事前に伝えておくこともできます。
まとめ:体のサインを見逃さないために
今回の記事では、「なんとなく体が重い」と感じた私が婦人科で相談するまでの過程をお伝えしてきました。
特別な病気がなくても、“ちゃんと理由がある不調”は、立派な受診のきっかけになるということを、少しでも受け取ってもらえたらうれしいです。
不調は我慢しなくていい
私たちの体は、本当によくがんばってくれています。
だからこそ、「疲れてるな」「なんか違うな」という違和感は、我慢するものではなく、“サイン”として受け止めるものです。
不調に名前がつくこと。
選択肢があると知ること。
誰かに話せる場所があること。
そのすべてが、「私、間違ってなかったんだ」と思わせてくれるはずです。
小さな違和感から始めてみよう
婦人科に行くのは、ハードルが高く感じるかもしれません。
でも、「たしかに、最近ちょっと調子が変かも」と思ったその瞬間が、あなた自身の変化を受け取る“第一歩”です。
- 生理のリズムがズレてきた
- 感情の波がつらくなってきた
- 日常が“こなすだけ”になってきた
そんな小さな違和感に気づいたとき、無理に動かなくてもいい。
でも、「これって婦人科で相談していいかも?」と思えるようになること自体が、大きな前進だと思います。
「行ってよかった」と思える準備を
最後にもうひとつ伝えたいのは、「相談するときは、うまく話せなくても大丈夫」ということ。
✅ 大切なのは、うまく話すことではなく、正直に“今の自分”を伝えること。
「言葉にならないけど、しんどい」
「説明できないけど、毎月しんどい時期がある」
そんな状態でも、婦人科はあなたの味方になってくれます。
ちょっとしたメモや記録があるだけでも、「来てよかった」と思える診察になるはずです。
そしてなにより、「自分の体に向き合おうとしたこと」自体が、すでに大きなケアです。
私のこの体験が、同じように迷っている誰かの背中をそっと押せたなら、これ以上うれしいことはありません。