
35歳を過ぎた頃、性欲に変化を感じて戸惑った私。減ったり、逆に増えたり…これって普通?そんな悩みと向き合った等身大の体験談です。目次を見て必要なところから読んでみてください。
35歳を迎えて、ふと気づいた「性欲の変化」
年齢を重ねるとともに、性に対する気持ちが変わってくる。
それは多くの人がどこかで感じていることかもしれません。でも、「あれ、私だけ?」「言ったら変に思われないかな?」と、誰にも話せず心の奥にしまっている人が多いのも事実です。今回は、35歳という節目に感じた“性欲の変化”について、あえて私の個人的な視点から話してみようと思います。
「変わったかも」と感じる瞬間には、きっと何か意味があります。そこに気づいたとき、“わたし”を知ることができる第一歩になるかもしれません。
変化に気づいたきっかけはどんな瞬間だったか
「いつからだろう?」と振り返ってみても、明確なタイミングはなかった気がします。だけど、35歳の誕生日を過ぎたあたりから、ふとした瞬間にそれを意識するようになりました。
たとえば、夜ベッドに入っても、以前のように“したい”と思えない自分に気づいたとき。
反対に、突然スイッチが入ったかのように、一人で満たされたくなる気持ちに戸惑ったとき。
パートナーとの関係は悪くないし、仕事や生活もそこそこ順調。なのに、体だけが自分の知らないリズムで動いているように感じる…。そんなズレのようなものに、モヤモヤが募っていきました。
そして気づいたのです。
「これって、性欲の変化なんだ」と。
でも、性のことって、親友にもなかなか言えない。
聞かれてもないのに、自分から話し出すのも変な気がして、
どこか“人に見せちゃいけないこと”のように思い込んでいたんですよね。
誰にも言えず、検索だけを繰り返していた日々
私は当時、自分の変化が「おかしいこと」なのか「普通のこと」なのか、まったく判断できなかったんです。
だから、こっそりスマホで調べました。
「35歳 性欲 減った」
「35歳 性欲 増えた 変」
「性欲 波がある 女性 原因」
検索履歴がまるで心のメモ帳のようになっていって、それを誰かに見られるのが怖くて、検索履歴を消すのが毎晩の習慣になっていきました。
いろんな記事を読んでも、なんだか納得できない。
“ホルモンバランスの変化”と書いてあっても、「じゃあ私はどうすれば?」が分からない。
「悩んでいるのは自分だけかも」という孤独が、さらに追い打ちをかけてきます。
そうして、自分の性の変化を“なかったこと”にしようとしていたんです。
でもそれは、「自分の感覚にフタをすること」でもあったと、今なら分かります。
✅「言えない」ではなく「知らないだけ」だった
✅自分の性欲は、誰かに合わせるものじゃなかった
✅変化は、“変”ではなく“自然な流れ”だった
今、もしあなたが似たようなモヤモヤを抱えているなら、はっきり伝えたいです。
それは「異常」でも「問題」でもありません。
あなたの体が、今のあなたに合わせて変化しているだけ。
そのことに気づけると、自分との関係が、ちょっとずつ変わっていきます。
次の章では、なぜ35歳前後でこうした性欲の変化が起きるのか?について、わかりやすく掘り下げていきます。
“理由がわかる”だけで、ずいぶん気持ちが軽くなったりするものですから。
なぜ35歳前後で性欲に変化が起きるのか
性欲の変化には、きちんと理由があります。
ただの“気のせい”でも、“自分だけの問題”でもなく、体と心のしくみによるもの。特に35歳前後は、ホルモン・環境・メンタルのバランスが繊細にゆらぐ時期でもあるため、その変化を受け止めることがとても大切です。
ここでは、「ホルモンの視点」と「生活・心理の視点」の両面から、性欲の変化が起こる背景を整理してみましょう。
ホルモンバランスと年齢の関係
性欲には、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)だけでなく、テストステロンやオキシトシンといったホルモンも関係しています。これらは年齢とともに少しずつ分泌量が変わっていきます。
特に35歳以降は、以下のような変化が見られます。
ホルモン | 主な役割 | 35歳以降の変化 |
---|---|---|
エストロゲン | 潤い・女性らしさの維持 | 徐々に低下(プレ更年期の始まり) |
プロゲステロン | 自律神経の安定・睡眠 | 乱れやすくなり、イライラや不眠の原因に |
テストステロン | 性的欲求・活力 | 個人差はあるが減少傾向 |
オキシトシン | 愛着・安心感 | ストレスの影響で変動 |
こうした変化が、性欲の“低下”や“波の激しさ”として表れることがあります。逆に、「排卵日前後にだけ急に性欲が高まる」「周期的にムラがある」と感じるのも、ホルモンのリズムによるものです。
✅性欲=エストロゲンの話ではない
✅複数のホルモンの影響が絡み合っている
✅年齢とともに、自分のリズムを知ることが重要
とはいえ、「ホルモンが乱れている」と聞くと、なんとなく不安になりますよね。でも、これは“体の変化を知らせるサイン”であって、何かが悪いというわけではありません。
むしろ、「性欲が変わったな」と感じられること自体が、自分の感覚にちゃんと気づけている証拠なんです。
心理的・生活的な要因との関係
ホルモンの影響に加えて、心や暮らしの変化も性欲に深く関係しています。特に35歳前後は、こんなライフイベントが重なりやすい時期です。
- 仕事の責任が増え、心の余白がなくなる
- 結婚・出産・育児で「自分のケア」が後回しに
- パートナーとの関係が“生活共同体”に変わる
- 親の介護など、「ケアする側」の役割が始まる
こうした状況の中で、「性欲なんて感じる余裕がない」という声はとても多いです。
それって決して異常じゃなくて、気持ちや体力をどこに注ぐかの優先順位が変わっただけなんですよね。
また、自己肯定感や自分らしさの揺らぎも性欲に影響します。
たとえば…
- 「昔より体型が変わって、自信が持てない」
- 「年齢的に“女として見られたい”と思うのはおかしい?」
- 「欲求を持つ自分が恥ずかしい」
こんな風に、“自分を責める視点”で物事を見てしまうと、性欲も自然と抑え込まれてしまいます。
でも実は、欲求があるからこそ、自分の感情を正直に受け止められることもあります。
自分を丁寧に扱うことは、性欲を育むことにもつながっているんです。
✅「欲求がない」のではなく「感じにくくなっている」だけかも
✅生活と心の余白が、性欲を左右する
✅自分の変化を否定せず、まずは知ることから
性欲が「減った」「増えた」どちらもよくあること
性欲の変化に“正解”はありません。
減ったとしても、増えたとしても、どちらかが「正常」でどちらかが「おかしい」ということはないんです。私自身も、増えたり減ったり、その波に戸惑ってきました。
でも大事なのは、その変化を「おかしい」ではなく「今の自分の状態」として受け止めること。
ここでは、性欲が「減った」ケース、「増えた」ケース、それぞれによく見られる背景を整理してみましょう。
性的欲求が減るケースとその背景
「性欲が減った」と感じる声はとても多いです。特に35歳以降は、次のような背景が複雑に絡み合っています。
- 慢性的な疲れ・睡眠不足
仕事や家事、育児などで自分のエネルギーが枯れてしまっていると、「欲しい」と感じる余裕自体がなくなります。 - ホルモンバランスの変化
エストロゲンやテストステロンの低下は、性欲の減退と直結することがあります。プレ更年期が始まる年代でもあり、周期が乱れ始める人も少なくありません。 - パートナーとの距離感
長年の関係性の中で、物理的な接触が減ったり、精神的なつながりにズレが出てきたりすると、性への関心が薄れることがあります。 - 「女であること」への違和感やプレッシャー
「性欲がある=だらしない」「もういい年なんだから」など、無意識のうちに刷り込まれてきた価値観が、自分の欲求を抑え込んでしまうケースも。
このように、性欲の低下は心と体の“余白のなさ”のサインであることが多いです。
✅「性欲がない」こと自体を否定しない
✅まずは自分を満たす生活に目を向けてみる
✅専門的なケアが必要な場合もある(ホルモン治療やカウンセリングなど)
中には、まったく性欲が湧かない状態が続いて、「これって病気?」と不安になる方もいます。数ヶ月以上そうした状態が続くようなら、婦人科やメンタルクリニックで相談するのも一つの手です。
性的欲求が高まるケースとその背景
一方で、「35歳を過ぎてから、逆に性欲が強くなった気がする」という人も実は多いです。
ただし、こちらは口に出しづらいからか、「私だけ?」と感じている方が多い印象です。
でも、それにはきちんと理由があります。
- ホルモン変化による一時的な欲求の高まり
排卵前後や、黄体期に特に性欲が高まることがあります。年齢とともに周期が安定しにくくなるため、“波”のような揺れが顕著になる場合も。 - 自己解放感や自立心の高まり
仕事・家庭・社会との関係にある程度の手応えを感じ始める年齢でもあり、「自分をもっと楽しみたい」という気持ちが自然と湧いてくることがあります。 - パートナーとの関係が“再燃”している
一時的に冷めたように感じていた関係でも、環境や心の持ちようが変わることで、性のつながりが再び心地よく感じられるようになることもあります。 - 更年期前のホルモンの“揺り戻し”
プレ更年期の初期には、一時的にテストステロンやエストロゲンのバランスが乱れ、その結果として一時的に性欲が高まることも。
このような変化は、決して“異常”ではなく、ごく自然なこと。
むしろ、それを否定したり恥ずかしがったりすることの方が、自分を苦しめる原因になってしまいます。
✅「性欲がある自分」を肯定してもいい
✅パートナーと共有できると、より安心感が増す
✅一人で楽しむセルフプレジャーも、立派なセルフケアのひとつ
性欲が高まることで、自分の中の女性性や人間性に気づけることもあります。
それは、“今の自分”と向き合う大切な時間なのかもしれません。
パートナーとの関係にどう向き合えばいいか
性欲の変化がいちばん浮き彫りになるのは、パートナーとの関係かもしれません。
自分の中での変化だけならまだしも、相手との“ズレ”を感じた瞬間に、戸惑いや罪悪感、焦りが生まれてくる…。そう感じたことはありませんか?
ここでは、性欲の差をどう乗り越えるか、そして話せないままにしておくリスクについて、私自身の体験も交えながらお伝えします。
性欲の差をどう乗り越える?
「私がしたくない時に、相手はしたがる」
「私が満たされたいと思った時、相手は疲れている」
こういった“タイミングのズレ”は、どんなカップルにも起こり得るものです。問題は、そのズレをどう受け止め、どう扱うか。
ポイントは以下の3つです。
- 正解を求めすぎないこと
性欲に「普通」はありません。だから、週に何回とか、○歳ならこうあるべきといった基準に縛られる必要はないんです。2人のペースが大事。 - 自分の感覚をまず受け止める
「したくない」も「したい」も、どちらも大切な感情。自分が今どう感じているかを無視して、“合わせること”を優先すると、どこかで苦しくなります。 - 話し合い=性的な話だけではない
性の話をするというと、すぐに「したい・したくない」の話と思われがちですが、そうではありません。
「最近忙しくて余裕がない」「なんだか触れられるのが怖くなってる」
そんなふうに、“性欲の手前にある感情”を共有することが、結果的に性のズレを和らげてくれることもあります。
✅「話すこと」=解決策ではなく「理解の糸口」
✅タイミングが合わないのは、愛情がないからではない
✅性欲は“関係性の鏡”。無理に合わせず、見つめ直すチャンスに
性の不一致は、パートナーとの距離感を考え直すきっかけにもなります。
むしろ、一緒に向き合える関係をつくっていく過程こそが、“性”の本質なのかもしれません。
話せないまま抱えるリスクとは
とはいえ、いざ話そうとすると「重くならないかな」「嫌われるんじゃないか」と不安になることもありますよね。私もそうでした。
でも、“話せない”状態が続くことには、静かに進行していくリスクもあるんです。
- 勝手な解釈が積み重なる
「相手はもう私に興味がないんだ」「私は魅力がないんだ」
相手の反応を自分の中で都合よく(あるいは悪く)解釈して、誤解が固定化していきます。 - 自己肯定感がじわじわ下がる
「なんでこう思うんだろう」「わがままなのかな」
自分の性欲すら否定してしまうことで、自分への信頼感が少しずつ削れていきます。 - 表面的な関係が定着してしまう
性の話がタブーになり、触れない・話さない・考えない、が“普通”になっていく。そうすると、関係性の深まりも止まってしまいます。
私は、「話す勇気」が自分の中に育つまでにかなり時間がかかりました。
でも、あるとき思ったんです。
“言わないで苦しい”より、“言ってスッキリしたい”って。
すると不思議なことに、相手の方も「実は俺も…」と話してくれたりするんです。
一方的に「ズレている」と決めつけていたのは、もしかしたら自分の方だったのかもしれません。
✅話す=全部打ち明ける必要はない
✅一言だけでも「実は最近さ…」から始められる
✅関係性の“質”は、性の話題をどう扱うかにも表れる
「おかしくない」と思えたとき、自分との関係が変わった
性欲に限らず、「変わった自分」を受け入れるって、簡単なようで難しいことです。
とくに“性”に関することは、なんとなく「こうあるべき」という理想像や、過去の自分との比較が頭をよぎりやすいもの。
でも私は、「これっておかしいのかな…」と思っていた感覚に、「おかしくなかったんだ」と気づけた瞬間、自分との関係性がガラッと変わったんです。
ここではその実感をもとに、「自分を責めない姿勢」と「誰かと分かち合える安心感」についてお話しします。
自分を責めない姿勢がもたらす安心感
私は以前、性欲が減った時期に「女として終わったのかも」「パートナーをがっかりさせてるかも」と、つい自分を責めてしまっていました。
逆に性欲が高まったときは、「年齢的におかしい?」「こんな気持ち持ってていいのかな」と、また別の意味で罪悪感を抱えていたんです。
でも今、はっきり言えるのは、
どちらも“責めるようなこと”ではなかったということ。
私たちの性欲は、以下のようなものに影響されて、常に“ゆらぎ”ながら存在しています。
- 体調や疲れの状態
- 心の余裕やストレス
- 自分への安心感・自己肯定感
- パートナーや社会との関係性
こうした要因のどれが欠けても、性欲に影響するのは自然なことなんですよね。
だからこそ、「こんな自分はダメだ」と思うのではなく、「今はこういう状態なんだ」と受け止めることが大切。
それだけで、心の中にふっと余白ができる。自分に対して、“敵”じゃなく“味方”の目線でいられるようになるんです。
✅性欲の変化=悪いことではなく、「今のわたし」のサイン
✅自己否定ではなく、「観察する」ことからはじめる
✅責めるよりも、理解する。その姿勢が自分を守る
私は、自分を許せたときに、初めて「性欲の正体は、“自分と向き合う力”だったんだ」と腑に落ちました。
話せる相手がいることの大切さ
もうひとつ、私にとって大きかったのは、「話してもいい」と思える人がいたことです。
べつに専門家じゃなくていい。すべてをさらけ出す必要もない。
でも、自分の感覚や悩みを“否定せずに聞いてくれる相手”がいるというだけで、心の中の緊張がゆるむものです。
あるとき、同じくらいの年齢の友人に、何気なく「最近ちょっと変わった気がするんだよね」と言ったら、
「え、私も!ちょっと前まで逆にすごくて困ったくらい」と返されて。
そこでようやく、“自分だけじゃなかった”って安心できたんです。
話すことで得られるのは、共感やアドバイスだけじゃありません。
「自分の感覚を、声に出していいんだ」と思える経験そのものが、自分との信頼関係を育ててくれるんです。
✅話す相手がいない場合は、ノートに書いてみるのもおすすめ
✅“話せる人リスト”を自分の中で持っておくと安心
✅共感してくれる人が1人いれば、「孤独」は和らぐ
そして大切なのは、「話したい」と思えるまで無理をしないこと。
話せる相手がいないときは、まずは自分の中で“味方の声”を育てていくことからでも十分なんです。
よくある質問と専門的な視点からの答え(Q&A)
性欲についての悩みは、誰かに話せないからこそ“ネット検索”で答えを探す人が多い分野です。
ここでは、私自身も実際によく聞かれること、そして検索でよく見かける質問を2つ取り上げて、できる限り分かりやすくお答えしてみます。
「お医者さんではないけれど、同じように悩んだことがある一人の女性として」、そしてフェムケアに長く携わってきた立場から、信頼できる視点だけを厳選してお届けします。
性欲がなくなったら病気の可能性もある?
これはよく聞かれる質問です。
結論から言うと、一時的に性欲がなくなるのは珍しいことではなく、すぐに病気と結びつける必要はありません。
ただし、以下のような状態が長期的(数ヶ月以上)に続いていて、生活や心に支障が出ている場合は、婦人科や心療内科で相談してみる価値があります。
- 月経が止まっている/極端に不規則になった
- 睡眠障害や慢性的な疲労がある
- 気分の落ち込みが続く、興味が湧かない
- 性的な接触に強い嫌悪感や痛みを伴う
- 急激な体重変化、無気力感など
これらは、ホルモン異常やうつ症状、更年期の早期兆候などが隠れていることもあります。
自己判断で放置せず、気になる変化があるときは、早めに専門家の意見を聞いてみてください。
✅「性欲の低下=異常」ではない
✅でも、「つらさ」があるなら一人で抱えずに
✅病院ではなくカウンセリングという選択肢もあり
病気かどうかの判断よりも、「日常生活に支障が出ているか」が大事な指標です。
少しでも心に引っかかるようなら、無理せず声をあげてくださいね。
女性の性欲に「普通」はあるのか?
これも、多くの人が気にしているテーマ。
SNSやネット記事を見ていると、「何歳でこうなる」「週に何回が平均」など、数字で示された“普通”に惑わされてしまうことってありますよね。
でも、はっきり言います。
女性の性欲に“普通”はありません。
年齢、体質、環境、パートナーとの関係、人生のステージ…
どれをとっても、一人ひとりまったく違うからです。
たとえば:
- 月経前にだけ性欲が増す人
- 妊娠・出産をきっかけに変化した人
- 一人の時間に性欲を感じやすい人
- 性的な興奮より、心のつながりを重視する人
これらはすべて“正常な性欲のあり方”です。
むしろ、「自分は普通じゃないかも」と思い込んでしまうことの方が、心の負担になってしまいます。
大切なのは、「今の私は、どんな状態なんだろう?」と丁寧に観察すること。
比べる相手は“他人”ではなく、“過去の自分”で十分です。
✅「平均」や「統計」に合わせなくていい
✅性欲にも、あなたらしいペースがある
✅“正しさ”より、“心地よさ”を大事にしてみて