谷澤まさみ
谷澤まさみ

フェムケアは女性だけのものと思っていませんか?実は男性こそ理解すべき理由があります。パートナーとの関係改善から自分自身の健康管理まで、具体的な方法をお伝えします。目次を見て必要なところから読んでみてください。

フェムケア 男性にも必要?パートナーとの関係が変わる「オムケア」の本質

最近「フェムケア」という言葉をよく耳にするようになりました。でも「それって女性だけのものでしょ?」と思っている男性の方、実はそうではないんです。私がフェムケア事業を始めて10年、多くのカップルや夫婦を見てきて確信していること。それは男性にこそフェムケアの理解が必要だということです。

フェムケアとは何か男性も知るべき基礎知識

フェムケアの本質を理解することで、なぜ今男性にも関係があるのかが見えてきます。女性だけの問題として片付けていた方にとって、実は自分自身の生活や健康、そしてパートナーとの関係性を大きく変える可能性があることをお伝えします。

フェムケアの定義と社会的意義

フェムケアとは、女性の体や心に寄り添う製品・サービスの総称です。Female(女性)とCare(ケア)を組み合わせた言葉で、デリケートゾーンケアから生理用品、妊活サポート、更年期ケアまで幅広い分野を指します。

私自身、長年デリケートゾーンの不快感に悩まされてきました。でも誰にも相談できない。病院に行くのも恥ずかしい。そんな「誰にも言えなかった」悩みを解決するために生まれたのがフェムケアなんです。

現在、日本のフェムケア市場は約700億円規模。2025年には世界で5兆円市場になると予測されています。これは単なるブームではなく、女性が自分の体と向き合い、選択肢を持てる社会への変化を表しています。

でも、なぜ今になってこんなに注目されているのでしょうか。

実は現代女性の月経回数は、昔の女性の約10倍。昔は50回程度だったのが、今は500回近くにもなっています。これだけ体への負担が増えているのに、ケアや理解は追いついていなかった。だからこそフェムケアが必要になったんです。

男性版フェムケア「オムケア」の登場

最近「オムケア」という言葉も聞かれるようになりました。これはHOMME(男性)とCare(ケア)を組み合わせた造語で、男性版フェムケアのことです。

男性のデリケートゾーンも、実は女性と同じように特別なケアが必要な部位。汗腺が多く、構造的にもムレやすい。それなのに多くの男性は、ボディソープ1本で済ませているのが現状です。

私のところにも、最近は男性からの相談が増えています。

「妻にケアした方がいいって言われて…」
「ムレやかゆみが気になるんです」
「パートナーとの関係をもっと良くしたくて」

男性も、自分の体のことで悩んでいるんです。でも女性以上に、誰にも相談できずにいる。

オムケアの基本は、フェムケアと同じ。清潔に保つこと、適切な製品を使うこと、そして自分の体を大切にすることです。VIO脱毛をする男性も増えていますし、デリケートゾーン専用のウォッシュを使う方も珍しくありません。

なぜ今男性にもフェムケアが必要なのか

「なぜ男性がフェムケアを知る必要があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。でも私が10年間この業界にいて確信していることがあります。

フェムケアは、実はパートナーシップの問題だということです。

まず、パートナーとのコミュニケーションが変わります。女性の生理周期やPMS(月経前症候群)を理解できれば、「なんでこんなにイライラしてるんだろう」ではなく「今はこういう時期なんだな」と受け止められます。

職場でも同じです。女性部下が体調不良で休む時、「また生理休暇?」ではなく、適切な配慮ができる男性は確実に信頼されます。

そして何より、男性自身の健康管理にも直結します。デリケートゾーンのケアは、将来の生殖機能にも関わってきます。ブライダルチェックを受ける男性も増えていますが、日頃のケアがあってこそです。

私がよく言うのは「ケアは”がまん”じゃなく、”選べる”こと」。これは男性にも当てはまります。不快感を我慢するのではなく、適切なケアを選択する。そうすることで、QOL(生活の質)は確実に向上します。

フェムケアは女性だけの問題ではない
男性版「オムケア」で自分の体も大切にできる
パートナーとの関係性向上にも直結する

フェムケアを理解することは、現代を生きる男性にとって必要不可欠なスキル。それが私の10年間の結論です。次の章では、具体的にどんな理由で男性にフェムケアが必要なのか、詳しくお話しします。

男性がフェムケアを理解すべき3つの理由

「フェムケアって女性の問題でしょ?」そう思っていた男性の方に、私が現場で見てきた現実をお話しします。フェムケアを理解している男性とそうでない男性では、パートナーとの関係、職場での信頼度、そして自分自身の人生の質に明らかな違いが出るんです。

パートナーとの関係性向上とコミュニケーション

女性の体のリズムを理解することで、パートナーシップは劇的に変わります。私のお客様からよく聞く話ですが、フェムケアを理解してくれる男性とそうでない男性では、関係の深さが全く違うんです。

生理前になると、女性はホルモンバランスの変化でイライラしやすくなったり、落ち込みやすくなったりします。これがPMS(月経前症候群)です。でも多くの男性は「なんで急に機嫌が悪くなるんだ?」と思ってしまう。

私のところに相談に来た30代の男性は、最初こう言っていました。「妻が月に一度必ずケンカを吹っかけてくる。理由がわからない」と。でも生理周期を一緒に確認してみると、全てPMS期間中だったんです。

フェムケアアプリを夫婦で共有することで、関係が劇的に改善した例もたくさんあります。「今日は生理2日目だから、重いものは持たない」「PMS期間だから、いつもよりゆっくり話そう」。こうした気遣いができる男性は、確実にパートナーから愛されています。

更年期に入った女性の場合はもっと複雑です。ホットフラッシュ(突然の暑さやのぼせ)や不眠、気分の落ち込みなど、様々な症状が現れます。「年のせいでしょ」で片付けるのではなく、更年期症状を理解してサポートできる男性こそ、長く愛され続けるパートナーになれるんです。

妊活中のカップルならなおさら。女性だけが頑張っているように見えて、実は男性の協力が不可欠です。排卵日の把握、体調管理、そして何より精神的な支え。フェムケアを理解していることで、お互いが支え合える関係を築けます。

職場での女性理解と働きやすい環境づくり

職場でのフェムケア理解は、もはや管理職の必須スキルと言っても過言ではありません。私が企業研修で回っていて感じるのは、フェムケアを理解している男性管理職の部署は、確実に女性の定着率が高いということです。

「生理休暇を取りづらい」「PMSで集中力が落ちる時期があることを理解してもらえない」。こうした職場環境では、優秀な女性ほど離職していきます。

実際にあった話ですが、ある会社の男性管理職が部下の女性に「最近調子悪そうだけど、何かあった?」と声をかけたところ、「実は生理痛がひどくて…」という相談を受けました。その管理職は事前にフェムケア研修を受けていたので、適切な配慮ができた。結果、その女性は「理解してもらえて嬉しかった」と、より一層仕事に打ち込むようになったそうです。

でも注意点もあります。セクハラと思われないようなコミュニケーションが大切です。直接的に「生理ですか?」と聞くのはNG。「体調は大丈夫?無理しないでくださいね」という気遣いの言葉で十分です。

女性が多い職場なら、生理用品の設置や、フレックス制度の充実なども効果的。私が知っている会社では、デリケートゾーン用品を福利厚生に含めているところもあります。そうした会社は例外なく、女性社員の満足度が高いんです。

妊娠・出産・育児期の女性への配慮も同じです。つわりの時期、産後の体調不良、授乳による睡眠不足。これらを理解して柔軟に対応できる職場は、必ず業績も良くなっています。

自分自身の健康管理と将来への備え

最後に、これが一番大事かもしれません。男性自身の健康管理です。

「オムケア」という言葉が生まれたように、男性のデリケートゾーンにも特別なケアが必要なんです。私のところに相談に来る男性の多くが、こんな悩みを抱えています。

「夏場のムレやにおいが気になる」
「かゆみがあるけど、どうケアしていいかわからない」
「パートナーに指摘されて、初めて気づいた」

男性のデリケートゾーンは、女性以上に汗腺が多く、ムレやすい構造になっています。それなのに、多くの男性がボディソープで適当に洗っているだけ。これでは、においやかゆみの原因になってしまいます。

適切な洗浄方法と専用製品の使用で、これらの悩みは大幅に改善されます。弱酸性の専用ウォッシュを使い、ゴシゴシ洗わずに泡で包むように洗う。下着も通気性の良い素材を選ぶ。VIO脱毛も、衛生面では非常に効果的です。

将来的な健康への影響も考えてみてください。デリケートゾーンの衛生状態は、生殖機能にも関わってきます。ブライダルチェックを受ける男性も増えていますが、日頃のケアがあってこそ、良い結果が得られるんです。

更年期は男性にもあります。男性ホルモンの減少により、体力の低下、気分の落ち込み、性機能の変化などが起こります。女性の更年期を理解することで、自分自身の体の変化にも敏感になれるんです。

私がいつも言っているのは「ケアは”がまん”じゃなく、”選べる”こと」。不快感を我慢するのではなく、適切なケアを選択する。そうすることで、QOL(生活の質)は確実に向上します。

パートナーの体のリズムを理解すれば関係が深まる
職場での適切な配慮が信頼を生む
自分自身の健康管理にも直結する

フェムケアの理解は、現代男性にとって必要不可欠なスキル。それが私の確信です。次の章では、具体的にどんなケアをすれば良いのか、実践的な方法をお伝えします。

男性に必要なデリケートゾーンケア実践法

「具体的にどうすればいいの?」という男性の声に、私が10年間の経験で得た実践的なノウハウをお伝えします。難しいことは一切ありません。正しい知識と適切な製品があれば、誰でも快適なデリケートゾーンケアを始められます。実際に私のお客様が効果を実感している方法をご紹介しましょう。

正しい洗浄方法と専用製品の選び方

一番大切なのは「洗い方」を変えることです。多くの男性が間違った洗い方をしているために、かえって不快感を増している場合があります。

まず、ボディソープでゴシゴシ洗うのは今日で卒業してください。デリケートゾーンの皮膚は非常に薄く、強くこすると炎症やかゆみの原因になります。私のお客様からも「洗い方を変えただけで、かゆみがなくなった」という声をよく聞きます。

正しい洗浄の手順はこちらです。

  1. ぬるま湯(38度程度)で軽く流す
  2. 手のひらで専用ウォッシュを泡立てる
  3. 泡で包むように、やさしく洗う
  4. 皮がかぶっている場合は、丁寧に洗い流す
  5. しっかりとすすぎ残しがないようにする

ここで重要なのが専用製品の選び方です。デリケートゾーンは弱酸性(pH4.5~5.5)に保たれているのが理想的。ところが一般的なボディソープはアルカリ性で、洗浄力が強すぎるんです。

私がおすすめするのは、弱酸性で低刺激な専用ウォッシュ。オーガニック成分配合で、保湿効果があるものを選んでください。「メンズ用」と書かれていなくても、フェムケア用品は男性も使えます。実際、私の会社の製品も多くの男性にご愛用いただいています。

購入時に確認したいポイントは:

  • 弱酸性(pH4.5~5.5)
  • 無添加・低刺激
  • 保湿成分配合
  • 泡立ちが良い

「どこで買えばいいの?」という質問もよく受けます。最近はドラッグストアでも扱っているところが増えました。オンラインなら選択肢も豊富です。恥ずかしがらずに、自分に合った製品を見つけてください。

下着選びと日常的な衛生管理のポイント

洗浄と同じくらい大切なのが下着選びです。どんなに良い製品でケアしても、一日中ムレる下着を着けていたら効果は半減してしまいます。

まず素材から見直しましょう。綿やリネンなど天然素材がベストです。化繊は安価で丈夫ですが、通気性が悪くムレの原因になります。私のお客様で下着を綿に変えただけで「においが気にならなくなった」という方もいらっしゃいます。

サイズも重要です。締め付けの強い下着は血流を悪くし、ムレやすくなります。ゆったりとしたトランクスタイプがおすすめ。ビキニタイプを愛用している方は、せめて就寝時だけでもゆるめのものに変えてみてください。

日常的な衛生管理で意識したいのは:

汗をかいたらすぐに対処
夏場や運動後は、可能な限り下着を交換する。外出先では難しい場合もありますが、デリケートゾーン用のウェットティッシュで拭き取るだけでも効果があります。

保湿も忘れずに
洗浄後は適度な保湿を。デリケートゾーン用の保湿ジェルやオイルを軽く塗ってください。「男が保湿?」と思うかもしれませんが、乾燥はかゆみや炎症の原因になります。

生活習慣の見直し
食生活も影響します。にんにくやスパイシーな食べ物を食べ過ぎると、体臭が強くなる場合があります。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動。基本的な健康管理が、デリケートゾーンの健康にも直結します。

VIO脱毛とムレ・におい対策の重要性

最近、男性のVIO脱毛への関心が急速に高まっています。私のところにも「VIO脱毛ってどうなんですか?」という相談が増えました。結論から言うと、衛生面では非常に効果的です。

VIO脱毛のメリットは明確です。毛があることで雑菌が繁殖しやすくなり、においの原因になります。特に肛門周りの毛(Oライン)は、清潔に保つのが難しい部位。脱毛することで、格段に衛生状態が向上します。

ただし、注意点もあります。信頼できるサロンやクリニックを選ぶこと。デリケートゾーンの脱毛は技術と経験が必要です。料金の安さだけで選ぶのは危険です。

VIO脱毛が難しい場合は、適切な毛の処理から始めてみてください。電動トリマーで短くカットするだけでも、かなり衛生状態は改善されます。カミソリは肌を傷つける可能性があるので、慣れない方にはおすすめしません。

においの対策は多角的なアプローチが効果的です:

即効性のある対策

  • デリケートゾーン用デオドラント
  • 抗菌効果のある下着
  • こまめな着替え

根本的な対策

  • 適切な洗浄と保湿
  • 通気性の良い下着
  • 生活習慣の改善

私がお客様によく言うのは「完璧を目指さなくていい」ということ。できることから少しずつ始めて、習慣にしていけば必ず効果は出ます。

最近は男性専用のデリケートゾーンケア製品も増えています。パッケージデザインも男性が手に取りやすいものになっているので、恥ずかしがらずに試してみてください。

弱酸性の専用ウォッシュで優しく洗浄
通気性の良い天然素材の下着を選択
VIO脱毛や適切な毛の処理で衛生状態を向上

これらのケアを始めることで、自分自身が快適になるのはもちろん、パートナーとの関係も確実に良くなります。次の章では、そのパートナーサポートの具体的な方法をお伝えします。

男性がパートナーをサポートする具体的方法

「パートナーをサポートしたいけど、何をすればいいのかわからない」という男性の声を本当によく聞きます。私が10年間フェムケア事業をしていて感じるのは、男性の多くは心からパートナーを支えたいと思っているということ。でも方法がわからないだけなんです。実際に効果のあったサポート方法をお伝えします。

生理周期とPMSへの理解と配慮

生理は約28日周期で訪れる、女性の体の自然なリズムです。でもその影響は生理期間だけではありません。私のお客様から聞いた話ですが、パートナーの男性が生理周期を理解してくれるようになってから、夫婦関係が劇的に改善したそうです。

まず知っておきたいのが、女性の体は大きく4つの時期に分かれることです。

月経期(1~7日目):生理期間。下腹部痛や腰痛、頭痛などの症状が出やすい
卵胞期(8~14日目):比較的体調が安定している時期
排卵期(14日目前後):排卵による軽い痛みや不快感を感じる人もいる
黄体期(15~28日目):PMS症状が現れやすい時期

特に注意したいのがPMS(月経前症候群)期間です。生理前の3~10日間に現れる心身の不調で、イライラ、憂うつ感、食欲の変化、むくみ、乳房の張りなど症状は人それぞれ。

私がよく相談を受けるのは「妻が月に一度必ずケンカを吹っかけてくる」というパターン。でも振り返ってみると、全てPMS期間中だったということがほとんどです。

具体的なサポート方法をご紹介しましょう。

アプリを活用した情報共有が効果的です。「ルナルナ」や「Clue」などの生理管理アプリを夫婦で共有している方も増えています。「今日から生理だから重いものは持たないよ」「PMS期間だから、いつもよりゆっくり話してね」こうした情報共有ができれば、お互いにストレスが減ります。

家事の配分も調整してみてください。生理期間中は貧血になりやすく、立ちっぱなしの料理がつらい女性も多いんです。「今日は僕が料理するよ」「掃除は後回しにしよう」こうした気遣いが、パートナーにはとても嬉しいものです。

食事面でのサポートも重要です。生理前は甘いものが欲しくなったり、逆に食欲がなくなったり。体が冷えやすい時期でもあるので、温かい飲み物を用意したり、体を温める食材を使った料理を作ったり。小さな心遣いが大きな支えになります。

妊活・不妊治療における男性の役割

妊活や不妊治療は、夫婦二人で取り組むものです。でも現実は女性ばかりが頑張っているケースが多い。私のお客様からも「夫が非協力的で辛い」という相談をよく受けます。

まず理解してほしいのは、妊活は女性にとって肉体的にも精神的にも大きな負担だということ。基礎体温を毎日測定し、排卵日を予測し、タイミングを合わせる。病院での検査や治療も、女性の方が回数も多く、痛みを伴うものも少なくありません。

男性ができる具体的なサポートはたくさんあります。

基礎体温の記録を一緒に確認すること。「今日は体温が上がったね」「排卵日が近そうだね」こうした会話から始めてみてください。妊活アプリを夫婦で共有するのも効果的です。

生活習慣の改善も夫婦で取り組みましょう。禁煙・禁酒、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠。これらは男性の精子の質にも影響します。「妻のために」ではなく「夫婦の未来のために」一緒に頑張る姿勢が大切です。

病院への付き添いも重要なサポートです。不妊治療の病院は女性ばかりで、一人で通うのは心細いもの。男性が一緒にいるだけで、パートナーの心の支えになります。

精神的なサポートも忘れずに。妊活がうまくいかないと、女性は自分を責めがちです。「君のせいじゃない」「二人で頑張ろう」こうした言葉が、どれだけ救いになるか。結果にとらわれすぎず、プロセスを大切にする姿勢を見せてください。

男性側の検査も積極的に受けましょう。不妊の原因は男女半々と言われています。「まずは妻から」ではなく、夫婦同時に検査を受ける。この姿勢がパートナーの心の負担を大きく軽減します。

更年期症状への寄り添い方とケア

更年期は女性にとって人生の大きな転換点です。私の周りでも、更年期症状に悩む女性とそれを支える男性の相談が増えています。正しい知識と適切なサポートがあれば、夫婦でこの時期を乗り越えられます

まず、更年期症状の多様性を理解してください。よく知られているのはホットフラッシュ(突然の暑さやのぼせ)ですが、他にも不眠、イライラ、うつ症状、関節痛、頭痛など症状は人それぞれ。「更年期だから仕方ない」で片付けるのではなく、一つ一つの症状に寄り添うことが大切です。

環境を整えることから始めましょう。ホットフラッシュ対策として、室温を少し低めに設定したり、扇風機を用意したり。寝具も通気性の良いものに変える。小さな配慮ですが、パートナーには大きな支えになります。

食事面でのサポートも効果的です。大豆製品(豆腐、納豆、味噌)に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きをします。一緒に食事のメニューを考えたり、買い物に付き合ったり。「更年期に良い食事を一緒に考えよう」という姿勢が嬉しいものです。

精神的な支えが最も重要です。更年期症状は波があり、良い日と悪い日の差が激しい。「昨日は元気だったのに」と思わず、その日その時の状態を受け入れてください。

「辛そうだね、何かできることはある?」この一言が、どれだけ心の支えになるか。解決しようとするのではなく、まずは寄り添う姿勢を見せることが大切です。

医療機関への受診も一緒に検討しましょう。ホルモン補充療法や漢方薬など、更年期症状を和らげる治療法もあります。「病院に行ってみない?」「一緒に行こうか?」こうした提案も、パートナーには心強いサポートになります。

更年期は終わりではなく、新しいステージの始まりです。子育てが一段落し、夫婦の時間が増える時期でもあります。一緒にこの時期を乗り越えることで、より深い絆で結ばれた関係を築けます

生理周期を理解して適切なタイミングでサポート
妊活・不妊治療は夫婦二人で取り組む
更年期症状に寄り添い環境を整える

パートナーサポートで一番大切なのは「完璧を目指さない」こと。できることから少しずつ、継続することが何より重要です。次の章では、これらの知識を職場でどう活かすかをお伝えします。

職場で活かすフェムケア知識と配慮

「職場でフェムケアの話なんて、セクハラになりそうで怖い」という男性管理職の声をよく聞きます。でも私が企業研修で回っていて確信しているのは、適切な知識と配慮があれば、職場は必ず変わるということ。フェムケアを理解している男性がいる職場では、女性の働きやすさが格段に向上し、結果として業績も上がっているんです。

セクハラにならない適切なコミュニケーション術

まず最初に言いたいのは、フェムケアへの理解とセクハラは全く別物だということです。私が研修でお会いする男性管理職の多くが「どこまで踏み込んでいいのかわからない」と悩んでいます。でも実は、境界線はとてもシンプルなんです。

セクハラにならないコミュニケーションの基本原則をお伝えします。

直接的に「生理ですか?」「更年期ですか?」と聞くのは完全にアウトです。でも「体調は大丈夫ですか?」「無理しないでくださいね」という気遣いの言葉は、全く問題ありません。

私がおすすめしているのは「体調に配慮した声かけ」です。例えば、いつもより元気がない女性部下がいたら、「最近お疲れのようですが、業務量を調整しましょうか?」「早めに帰って休んでください」といった声かけ。原因を詮索するのではなく、解決策を提示する姿勢が大切です。

環境を整えることで、間接的にサポートする方法もあります。冷房の温度設定を相談したり、休憩時間を柔軟にしたり。「女性に配慮して」ではなく「みんなが働きやすいように」という姿勢で提案すれば、自然に受け入れられます。

実際にあった成功例をご紹介しましょう。ある会社の男性管理職が、女性部下の体調不良が月に一度のペースで起こることに気づきました。直接的には聞かず、「体調管理は大変ですよね。フレックス制度を活用してもいいですよ」と提案。その女性は「理解してもらえて嬉しい」と、より積極的に仕事に取り組むようになったそうです。

言葉選びのポイントも重要です。

NG例:「女性は大変ですね」「生理だから仕方ないですね」
OK例:「体調を最優先にしてください」「サポートできることがあれば言ってください」

一般化せず、個人に寄り添う姿勢を示すことが大切です。

女性部下・同僚への理解ある対応方法

女性の体調変化を理解した上で、具体的にどんな対応をすればいいのか。私が企業研修で実際に効果があった方法をお伝えします。

生理期間中の配慮では、立ち仕事の多い女性には座れる時間を作ったり、重い荷物の運搬を代わったり。「大丈夫ですか?」と声をかけるだけでも、女性には心強いサポートになります。

出張や外回りの多い職場では、トイレの場所を事前に確認しておく配慮も重要です。「途中でコンビニに寄りますか?」という何気ない気遣いが、女性には非常にありがたいものなんです。

PMS期間の対応はもう少し複雑です。イライラしやすい、集中力が落ちる、感情の起伏が激しくなる。こうした変化を「性格の問題」と捉えるのではなく、「体調の変化」として理解することが大切です。

私がよく聞く話ですが、普段は温厚な女性部下が月に一度だけ感情的になることがあった。最初は戸惑っていた男性上司でしたが、フェムケア研修を受けてからは「今はそういう時期なんだな」と受け止められるようになり、お互いのストレスが大幅に減ったそうです。

妊娠・出産・育児期の女性への配慮も重要です。つわりの時期は匂いに敏感になるため、香りの強い飲食物を控えたり、換気に気を配ったり。産後の女性は睡眠不足になりがちなので、重要な打ち合わせは午前中に設定するなどの配慮も効果的です。

授乳期の女性には、搾乳のための時間と場所の確保が必要です。「会議室を使ってもらって構いません」「時間は気にしないでください」こうした声かけが、女性の職場復帰を大きく支えます。

更年期の女性への対応では、体温調節が難しくなることを理解してください。急に暑くなったり寒くなったり。席の配置を工夫したり、個人用の扇風機やひざ掛けを用意したり。小さな配慮が大きな違いを生みます。

集中力や記憶力に波があることも理解しておきましょう。「メモを多めに取ってもらう」「重要な事項は複数回確認する」といった工夫で、お互いにストレスなく業務を進められます。

企業が取り組むべきフェムケア教育と環境整備

個人の配慮だけでは限界があります。企業として組織的に取り組むことで、真に女性が働きやすい職場を作ることができます。

私が関わった企業の中で、特に効果的だった取り組みをご紹介します。

フェムケア研修の実施は最も重要です。管理職向けの研修では、女性の体の仕組み、各ライフステージでの変化、適切なサポート方法を学んでもらいます。「知らなかった」から「知っている」に変わるだけで、職場の雰囲気は劇的に改善されます。

全社員向けの研修も効果的です。男女問わず、お互いの体の違いを理解し合うことで、より良いコミュニケーションが生まれます。私が講師を務める研修では、必ず「目から鱗でした」という感想をいただきます。

制度面での整備も重要です。生理休暇の取得しやすい環境作り、妊活や不妊治療への支援制度、更年期症状に配慮した勤務形態の選択肢。これらの制度があることで、女性は安心して長く働き続けられます。

ある会社では、フェムケア用品を福利厚生に含めました。生理用品やデリケートゾーンケア用品を会社で支給することで、女性社員の満足度が大幅に向上したそうです。

環境整備では、トイレの充実が基本です。生理用品の設置、ウォシュレットの完備、個室の鍵の確実性。当たり前のことですが、意外とできていない職場が多いんです。

休憩室の充実も効果的です。横になれるスペース、温かい飲み物の提供、リラックスできる環境。体調が優れない時に少し休める場所があるだけで、女性の働きやすさは格段に向上します。

男性管理職への継続的なサポートも必要です。研修を受けただけでは、実際の場面で適切な対応ができないことも多い。定期的なフォローアップ研修や、個別相談の機会を設けることで、管理職のスキル向上を支援します。

私が関わった企業では、フェムケア理解度の高い管理職がいる部署は例外なく、女性の定着率が高く、業績も良好です。女性が働きやすい職場は、結果として全員が働きやすい職場になるんです。

セクハラを恐れず適切な気遣いでサポート
個人の状況に応じた柔軟な対応を心がける
企業として組織的な教育と環境整備を実施

フェムケアへの理解は、もはや現代の職場に不可欠なスキルです。最後の章では、男性向けの具体的な商品やサービスについてご紹介します。

男性向けフェムケア商品とサービス活用ガイド

「具体的にどんな商品を使えばいいの?」「どこで買えるの?」という質問を本当によく受けます。私が10年間この業界にいて感じるのは、良い商品やサービスがあっても、男性には情報が届きにくいということ。でも最近は男性向けの製品も充実してきました。実際に効果があった商品選びのポイントをお伝えします。

オムケア専用アイテムの選び方

「オムケア」専用製品が増えていますが、選び方を間違えると効果が得られないどころか、かえって不快感が増すこともあります。私のお客様の体験談を交えながら、失敗しない選び方をお伝えしましょう。

まずデリケートゾーン専用ウォッシュから始めてみてください。「男性用」と書かれた商品もありますが、実は女性用のフェムケア製品も男性が使えます。私の会社の製品も、多くの男性にご愛用いただいています。

選ぶ時のポイントは:

  • pH4.5~5.5の弱酸性
  • 無添加・低刺激処方
  • 泡立ちが良く、洗い流しやすい
  • 保湿成分配合(ヒアルロン酸、セラミドなど)

実際に使った男性からは「今まで使っていたボディソープとの違いに驚いた」「かゆみがなくなった」という声をよく聞きます。価格は1,500円~3,000円程度。高く感じるかもしれませんが、1本で2~3か月使えるので、実はコストパフォーマンスは良好です。

保湿ケア製品も重要です。洗浄後の乾燥はかゆみや炎症の原因になります。デリケートゾーン専用の保湿ジェルやオイルを選んでください。「男が保湿?」と思うかもしれませんが、スキンケアと同じです。

保湿製品を選ぶ際は:

  • べたつかず、すぐに肌になじむ
  • 無香料または自然な香り
  • 敏感肌用の処方
  • 使いやすいボトル形状

VIOケア用品も充実してきました。電動トリマー、専用シェーバー、アフターケアローションなど。VIO脱毛に通う男性も増えていますが、自宅でのケアから始めたい方には、これらの製品がおすすめです。

購入場所ですが、最近はドラッグストアでも扱うところが増えました。「フェムケアコーナー」に男性用製品も並んでいることが多いです。オンラインなら選択肢も豊富で、レビューも参考になります。

私がよく言うのは「恥ずかしがらないで」ということ。自分の体を大切にするのは当然のことです。店員さんに相談しても、嫌な顔をされることはありません。むしろ「意識の高い方ですね」と好印象を持たれることが多いんです。

カップルで使えるフェムケア製品

パートナーと一緒に使える製品も増えています。これが実は、フェムケアを始める一番のきっかけになることが多いんです。「一緒に使おう」という提案なら、男性も受け入れやすいですよね。

一番人気なのがペア用のデリケートゾーンウォッシュです。同じ製品を夫婦で使うことで、お互いの体に対する理解も深まります。私のお客様からは「夫婦の会話が増えた」「お風呂の時間が楽しくなった」という声をよく聞きます。

妊活サポート製品も充実しています。基礎体温計、排卵検査薬、妊活サプリメント。これらを夫婦で一緒に選び、一緒に使うことで、妊活への取り組み方が変わります。

特におすすめなのが妊活アプリの共有機能です。「ルナルナ」「コウノトリ」「Flo」など、多くのアプリで夫婦でのデータ共有ができます。「今日が排卵日だよ」「体温が上がったね」こうした情報を自然に共有できるので、夫婦のコミュニケーションツールとしても優秀です。

リラクゼーション製品も人気です。アロマオイル、入浴剤、マッサージオイル。PMSや生理痛で辛い時、更年期症状で不調な時に、パートナーがマッサージをしてくれる。これほど心強いサポートはありません。

私が関わったカップルで印象的だったのは、夫が妻の生理周期に合わせて、毎月アロマオイルを変えてマッサージをしてくれるという話。「今月はリラックス系」「来月は元気が出る香り」といった具合に。妻は「こんなに愛されてるんだと実感できる」と涙ながらに話してくれました。

更年期サポート製品では、夫婦で使えるサプリメントやハーブティーがあります。大豆イソフラボン、マカ、ローヤルゼリーなど。「一緒に健康になろう」という姿勢で取り組むことで、更年期を夫婦の新しいスタートにできます。

選ぶ時のポイントは:

  • 夫婦で使えるサイズや内容量
  • 自然な香りで、男性も使いやすい
  • 効果効能が明確に表示されている
  • 続けやすい価格設定

専門医療機関とブライダルチェック活用法

医療機関でのサポートも充実してきました。特に男性向けのサービスが増えているのは嬉しい変化です。私のお客様からも「夫が積極的に病院に行ってくれるようになった」という声をよく聞くようになりました。

ブライダルチェックは、結婚前や妊活前に受ける健康診断です。従来は女性だけが受けるものでしたが、最近は男性向けのブライダルチェックも一般的になっています。

男性のブライダルチェック項目は:

  • 精液検査(精子の数、運動率、形態)
  • 性感染症検査(梅毒、HIV、クラミジアなど)
  • 血液検査(肝機能、腎機能、糖尿病など)
  • 風疹抗体検査

費用は2万円~5万円程度。高く感じるかもしれませんが、将来の妊活をスムーズに進めるための投資と考えれば、決して高くありません。

私がおすすめするのは夫婦同時受診です。お互いの結果を共有することで、妊活への取り組み方も変わります。問題があった場合も、夫婦で協力して改善に取り組めます。

不妊治療専門クリニックも男性への対応が充実してきました。従来は女性ばかりの待合室で居心地が悪かった男性も、今は男性専用の待合室があるクリニックも増えています。

男性不妊の検査・治療では:

  • 精液検査の詳細分析
  • ホルモン検査
  • 精索静脈瘤の検査・治療
  • 生活習慣改善指導

治療費は保険適用のものも多く、以前より利用しやすくなっています。

泌尿器科での相談も気軽に利用してください。デリケートゾーンの不快感、性機能の悩み、排尿トラブルなど。「こんなことで病院に?」と思わずに、専門医に相談することで解決できる問題も多いんです。

最近は男性更年期外来を設けるクリニックも増えています。40代以降の男性で、疲労感、うつ症状、性機能の低下などがある場合は、男性ホルモンの低下が原因かもしれません。

オンライン診療も活用できます。デリケートな悩みを直接話すのが恥ずかしい方には、オンラインでの相談から始めるのもおすすめです。

医療機関を選ぶポイントは:

  • 男性患者への配慮がある
  • 説明が丁寧でわかりやすい
  • 予約が取りやすい
  • アクセスが良い

企業の健康診断でのオプション追加も検討してみてください。多くの企業で、ブライダルチェック項目をオプションで追加できるようになっています。会社の制度を活用すれば、費用も抑えられます。

オムケア専用製品で日常的なケアを始める
カップルで使える製品でパートナーシップを深める
専門医療機関で将来への備えを万全にする

フェムケアは特別なことではなく、生活の一部です。できることから少しずつ始めて、自分らしいケアスタイルを見つけてください。パートナーとの関係も、自分自身の健康も、必ず良い方向に変わるはずです。

私が10年間この業界にいて確信していること。それは「誰にも言えなかった」悩みを「選べてよかった」に変える力が、フェムケアにはあるということ。男性の皆さんにも、ぜひその変化を体験していただきたいと思います。

フェムケアの疑問や悩み、一人で抱え込んでいませんか?

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10年間フェムケア事業に携わってきた私・谷澤まさみが、あなたの疑問に直接お答えします。

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参考情報・出典

本記事は筆者の体験と生活者視点をもとに構成していますが、医学的な理解を深めるために以下の公的情報を参考にしています。体調に不安がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。

日本産科婦人科学会「月経前症候群と月経前不快気分障害」
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4

厚生労働省 e-ヘルスネット「月経前症候群(PMS)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/woman/w-03-007.html

日本泌尿器科学会「男性更年期障害について」
https://www.urol.or.jp/public/symptom/05.html

日本生殖医学会「男性不妊症について」
https://jsrm.or.jp/public/funinsho_qa_male.html

厚生労働省「女性の健康づくり」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ladies-health/

日本女性医学学会「更年期障害について」
https://www.jmwh.jp/n-yokuaru.html

厚生労働省「不妊に悩む方への特定治療支援事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

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