
PMSのイライラや落ち込みに毎月振り回されていた私が、低用量ピルと出会って変わった心と暮らし。
自分を責めてしまう前に、知ってほしいことがあります。目次を見て必要なところから読んでみてください。
PMSに振り回されていた私の日常(リアルな体験共有)
PMS(月経前症候群)に悩まされている方にとって、それが「ただのイライラ」や「気の持ちよう」と片づけられるのは、本当にしんどいことです。私もずっと、自分の感情が壊れていくような感覚に怯えていました。
ここでは、フェムケアに出会う前の私自身の体験をありのままに綴ります。「そうそう、わかる」と感じてくださる方がいたら、それだけでこの文章には意味があると思っています。
毎月訪れる「理由のないイライラ」と「自己嫌悪」
何もしていないのに、なぜかイライラする。
優しくしてくれた家族や友人にきつく当たってしまって、あとでひとりで泣いて自己嫌悪…。そんなことが、毎月のように繰り返されていました。
一番つらかったのは、自分が“おかしくなってしまったのかも”と思う瞬間でした。
たとえば、スーパーでレジの列に並んでいて、ちょっとしたことで涙が出そうになる。
家で夫と話していて、なぜか急に「この人と一緒にいたくない」と思ってしまう。
でも、数日後、生理が始まるとケロッとしている自分がいる。
だからこそ、なおさら自己嫌悪が深まるんです。
**「やっぱり私が悪いんだよね」「もっと心を鍛えないと」**って。
でも今思えば、それはホルモンの波にただ翻弄されていただけだったんです。
仕事も人間関係も崩れかけた時期の記録
PMSの症状は、単なる感情の起伏では済まされません。
私の場合、集中力が続かなくなったり、突然涙が止まらなくなったりして、仕事にも支障が出はじめました。
特にきつかったのが、営業職時代のある日。
プレゼン前なのに、なぜか吐き気と焦燥感が止まらなくて、会議室にこもって泣いたんです。
そのとき、上司から「プライベートは会社に持ち込まないで」と言われて、**もう辞めようかな…**って本気で思いました。
恋人との関係もギクシャクしました。
私が落ち込んでいる理由をうまく説明できず、彼には「また機嫌悪いの?」と距離を取られるように。
でも、自分でもどうしたらいいかわからなかったんです。
PMSって、単なる女性の“わがまま”じゃない。
でも、当時の私はそれを自分でさえ理解できていませんでした。
「普通に戻りたい」だけだった私の孤独
あの頃、毎月願っていたのはただひとつ。
「普通に戻りたい」
それだけでした。
・笑っていたい
・怒りたくない
・何でもない一言で泣きたくない
・自分を責めたくない
でも、それができない日が毎月10日以上ある。
周囲にはうまく説明できないし、SNSではみんな楽しそうで、自分だけが壊れていく気がしていました。
本やネットで「PMSは人それぞれ」とは書いてあったけど、どこか他人事に感じて、結局誰にも相談できませんでした。
✅今だからわかること。
それは「我慢するしかないと思っていた自分こそが、一番自分を置き去りにしていた」ということ。
改善を求めて試したこと・感じた限界
PMS(月経前症候群)に悩んでいると、「このままじゃダメだ」と思う瞬間が必ず訪れます。私も、日常生活や人間関係に支障が出はじめてから、「何かを変えなきゃ」と思うようになりました。だけど、その“何か”がわからない。何を信じればいいのかもわからない。 そんなモヤモヤのなかで、いろいろ試してみたけれど、結果的に限界を感じる日々が続きました。
市販のサプリや漢方では追いつかず…
最初に手を伸ばしたのは、コンビニやドラッグストアでも買えるサプリメントでした。
「女性のリズムを整える」「イライラをやわらげる」と書かれたパッケージを見ると、今すぐにでも効いてくれる気がして、何種類も買い漁りました。
- チェストベリー
- GABA配合のハーブサプリ
- ビタミンB6や鉄分、マグネシウムの複合型
- 女性用漢方(当帰芍薬散など)
もちろん、体に悪いものではないし、一定の効果を感じる人もいると思います。
でも、私の場合はどれも「ちょっとマシかな?」程度で、生理前の気分の落ち込みや怒りっぽさまでは改善しませんでした。
正直、“効くかどうか”より、“効いてほしい”という希望で飲んでいた部分が大きかったと思います。
婦人科に行く決心ができなかった理由
「サプリでもだめなら、病院に行けばいいじゃない」と言われそうですが、それがなかなかできなかったんです。
- 婦人科って、なんだか敷居が高い
- 内診されるかも、恥ずかしい
- そもそも、「ただのイライラ」で病院に行っていいの?
そんな気持ちが邪魔をして、何度もスマホで近くの婦人科を検索しては、閉じるを繰り返していました。
しかも、「PMSにピルが効く」とネットで見ても、「ホルモンをいじるなんて怖い」というイメージが強くて。
知識がないまま、なんとなくピル=避妊薬=リスクがあるものという思い込みを持っていたのも、足が遠のいた理由でした。
自分のせいにしてしまう日々
サプリを飲んでも変わらない。婦人科にも行けない。
そんな日々のなかで、だんだん私は自分を責めるようになっていきました。
- 私が弱いから、すぐ落ち込むんだ
- 自分の感情くらいコントロールできないのは甘えだ
- もっとポジティブな考え方をしなきゃダメなんだ
でも本当は、私が悪いわけじゃなかったんです。
それは、PMSというホルモンの仕業であって、自分の性格や根性の問題ではない。
でも、当時はそうは思えませんでした。
特に、周囲に相談しても「そういう時期ってあるよね」で終わってしまうことも多く、誰にも理解されないような孤独感が、さらに症状を重くしていった気がします。
✅結局私は、「改善しようとしている自分」ではなく、「改善できない自分」ばかりを見つめていたのだと思います。
低用量ピルとの出会いと変化
「これ以上、自分を嫌いになりたくない」
そう思ったある日、私はようやく婦人科の予約ボタンを押しました。
この記事を読んでくださっている方の中にも、同じように**“最後の選択肢”としてピルを考えている方**がいるかもしれません。
でも、実際に使ってみた私は、はっきり伝えたいと思います。
もっと早く相談していればよかった。
ここでは、受診のきっかけから、低用量ピルの服用による変化までを、正直にお話しします。
受診を決めたきっかけと初診の様子
ある朝、目が覚めてベッドの中で「もうこれ以上、毎月壊れていたくない」と強く思いました。
それが、私が婦人科に行くことを決めたきっかけです。
その日の夜、スマホで口コミを見ながら、自宅から少し離れたクリニックに予約を入れました。
正直、怖かったです。
何を聞かれるのか、どんな検査をされるのか、ピルを無理に勧められたらどうしよう…と不安でいっぱいでした。
でも実際は、とても穏やかな雰囲気の先生で、丁寧に話を聞いてくれました。
「どんなときにしんどいと感じますか?」と尋ねられ、涙が出そうになりながら答えたのを覚えています。
✅「まずは、話してくれてありがとうございます」
そう言われただけで、肩の力が少し抜けました。
内診はなく、基礎疾患や血圧、生活習慣などを確認したうえで、ピルという選択肢について話がありました。
医師から聞いた「PMSは我慢しなくていい」
そのとき先生に言われた言葉が、今でも心に残っています。
「PMSは、甘えでも性格でもありません。
ホルモンの変化に脳が過敏に反応してしまう“体の反応”です。
だから、我慢ではなく“対策”していいんですよ」
私はこの言葉に、本当に救われました。
今までずっと、「我慢が足りないだけ」「みんなも耐えているんだから」と思い込んでいた自分。
でも、専門家の視点から**“治療できる症状”**として向き合ってもいいと言われたとき、ようやく許された気がしました。
ピルに対して不安があることも正直に伝えたところ、
- 低用量ピルの種類と違い
- 期待できる効果(排卵抑制によるホルモンの安定)
- 副作用や注意点
などを、図を見せながらわかりやすく説明してもらえました。
私はまず、「超低用量」と呼ばれるタイプから始めることにしました。
ピル開始後の変化と気づき
ピルを飲み始めて、最初の1〜2か月は「本当に効いてるのかな?」という半信半疑のまま過ごしていました。
でも、3か月目に入った頃、明らかな変化に気づきました。
- 生理前の不安感が軽くなった
- 泣くほどのイライラが減った
- 気分の波が「ゆるやか」になった
- 排卵日周辺の体調不良が軽減した
特に、「なんでこんなに怒ってたんだろう?」と思うくらい、心が静かになったのを実感した瞬間。
そのとき、「あ、私のせいじゃなかったんだ」と心から思えたんです。
もちろん、副作用への備えも必要でした。
最初は軽い吐き気やむくみを感じる日もありましたが、私の場合は徐々に慣れていきました。
※副作用や服用リスクについては、必ず医師の指導に従ってください。
✅そして何よりも大きかったのは、「毎月来るあの恐怖」から解放されたことです。
「今月はどうなっちゃうんだろう」と怯えながら過ごしていた自分に、「大丈夫だよ」と言えるようになった。
それは、サプリや自己流の対処では得られなかった安堵でした。
低用量ピルに感じたメリット・不安・注意点
ピルを使い始めてみて思ったのは、「もっと早く知っていれば、あんなに自分を責めずに済んだかもしれない」ということです。
でも同時に、すべての人に万能ではないし、正しい知識と付き合い方が必要だとも感じました。
ここでは、私自身の体験を通して得た「メリット」「不安」「注意点」を包み隠さずお伝えします。
PMS症状への効果と実際の実感
私にとって一番のメリットは、心の揺れが穏やかになったことでした。
以前は「怒り」「不安」「絶望感」といった感情に毎月のみ込まれていましたが、ピルを飲み始めてからは、それが**“波”ではなく“さざなみ”くらいに落ち着いた感覚**になりました。
具体的には…
- 怒りっぽさ:突然爆発することが減り、冷静に言葉を選べるように
- 情緒不安定:涙もろさが軽減し、自分を責めることが減少
- 身体症状:乳房の張りや頭痛が軽くなった
- 生理日管理:予定が読めるようになり、心の余裕が増えた
✅効果の出方には個人差がありますが、「PMSに振り回されない生活」への一歩になったことは間違いありません。
副作用や飲み忘れリスクへの向き合い方
ピルを使うにあたって、気になるのが副作用や飲み忘れのリスクですよね。
私も最初は、「毎日ちゃんと飲めるかな?」「太るって聞いたけど本当?」と不安でした。
実際に起こった副作用(私の場合):
- 服用初期の軽い吐き気(2週間ほどで改善)
- 眠気が出やすい日があった
- むくみを感じた日も数回ありました
ただ、こういった変化はどれも医師に相談しながら対応できたので、ひとりで悩まずに済みました。
そして「飲み忘れ」についてですが、以下のような対策が役立ちました:
- スマホで毎朝8時にアラームを設定
- ピルを歯磨き粉の隣に置いて「習慣化」
- 忘れたとき用の対応法を事前に医師と確認しておく
✅ピルは「飲み続けること」が重要なため、無理なく習慣化できる工夫をすることが安心への近道です。
「向いている人・そうでない人」がいることも理解
とても大事なポイントですが、ピルは誰にでも合うとは限りません。
これをしっかり知っておくことが、後悔しない選択につながります。
以下に、医師や実際の使用者の話も踏まえた「向いている人/そうでない人」の傾向をまとめます。
向いている人 | 向いていない可能性がある人 |
---|---|
PMSが排卵日〜生理前に集中している | 血栓リスクが高い(喫煙・持病など) |
生理痛や周期の乱れにも悩んでいる | 忘れやすい性格で毎日決まった時間の服用が難しい |
妊娠希望がしばらくない | 重度の副作用経験がある |
医師との定期的な相談ができる | 健康診断や婦人科受診に抵抗がある |
ピルはあくまで「選択肢のひとつ」です。
すべてを解決してくれる魔法ではないけれど、適切に使えば、生活の質を大きく変えてくれる手段になります。
✅「誰かに勧められたから」ではなく、自分の状態と向き合ったうえで選ぶことが大切です。
読者に伝えたいこと(体験を通して得た学び)
PMSのつらさって、目に見えないし、伝わりにくい。
それゆえに、**「自分さえ我慢すれば」「誰かに頼るなんて弱い」**と、自分を追い込んでしまいがちです。
でも、あの頃の私に言いたい。
そして、この記事を読んでくれたあなたにも、ぜひ伝えたいんです。
我慢は美徳じゃない、自分の人生を取り戻すために
「我慢してやり過ごせば、そのうちなんとかなる」
そんなふうに、毎月自分を納得させていた頃の私は、本来の自分らしさからどんどん離れていたと思います。
PMSの症状が強いと、怒りっぽくなったり、ネガティブになったりして、「私ってこんな人間だったっけ?」と自信をなくしていく。
でもそれって、あなたの本質ではないんです。
✅本当の自分を取り戻すこと=PMSと向き合うこと
それは、我慢をやめるという「選択」から始まるのだと、今は心から思います。
医師の力を借りることは弱さではない
婦人科に行く。ピルを使ってみる。
そのどれもが、**“勇気ある一歩”**です。
私は長いあいだ、「病院に行くほどじゃない」「自分で何とかするべき」と思い込んでいました。
でも今は、医療の力を借りることこそが、自分の人生に責任を持つ行動だと感じています。
- 自分の体の状態を知ること
- 正しい知識を得ること
- 信頼できる人に相談すること
それは「甘え」ではなく、「ケア」です。
一人で抱え込まない選択肢を持とう
あの頃の私に、一番欠けていたのは「選択肢」でした。
サプリ、市販薬、気合い、根性…それだけじゃ、限界が来ることもあるんです。
選択肢を知ることで、はじめて**「今の自分に合った方法」を見つけられる**ようになります。
- ピルを試すのも選択肢
- 医師に相談するのも選択肢
- 今はまだ動かない、でも情報だけ集めておく…それも立派な準備です
✅一人で抱え込まなくていい。あなたには、選べる力がある。
私の経験が、少しでもあなたの“次の一歩”につながればうれしいです。
そしてもし、不安や迷いを感じることがあれば、「フェムケアの部屋」のLINEに登録してみてください。
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✅ 関連記事:PMS症状を改善する食べ物と栄養素
参考情報・出典
本記事は筆者の体験と生活者視点をもとに構成していますが、医学的な理解を深めるために以下の公的情報を参考にしています。体調に不安がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。
- 日本産科婦人科学会「月経前症候群と月経前不快気分障害」
https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4 - 厚生労働省 e-ヘルスネット「月経前症候群(PMS)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/woman/w-03-007.html - MSDマニュアル家庭版「月経前症候群(PMS)」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/女性の健康問題/月経障害/月経前症候群-pms - 日本女性医学学会「PMSとPMDDについて」
https://www.jaog.or.jp/public/health/pms_pmdd/ - 順天堂大学「女性ホルモンと心の健康」
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/nc/premenstrual.html