
PMSのつらさに悩みながらも、何を試せばいいかわからない…。そんな私がたどり着いたのが“フェムテック”でした。実体験をもとに、選び方やおすすめグッズを紹介します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
なぜPMSにフェムテックが注目されているのか(背景と課題)
PMS(月経前症候群)のつらさは、「誰にも理解されない孤独感」とセットになっていることが多いと、私は感じています。
そんな中で、自分で自分の不調にアプローチできる手段として注目されているのが「フェムテック」。私自身もフェムテックグッズに出会ってから、PMSの感じ方がガラッと変わりました。
ここでは、まずPMSの代表的な症状と、従来の対処法の限界を振り返ってみたいと思います。
PMSの主な症状とは?心と体の両面で起きる変化
PMS(Premenstrual Syndrome)は、月経の3〜10日前ごろから始まる心身の不調のことです。個人差はありますが、代表的な症状には以下のようなものがあります。
- ✅ 心の症状:イライラ、不安感、落ち込み、涙もろさ、集中力低下
- ✅ 体の症状:腹痛、胸の張り、むくみ、頭痛、眠気、疲労感
私は長年、「生理前にメンタルが不安定になる自分」を責めてばかりいました。
でも、後になって「それってPMSだったんだ」と知り、すごくホッとしたのを覚えています。
さらに、PMSの特徴は「毎月繰り返すこと」。
だからこそ、その月だけを乗り切る“我慢型の対処法”ではなく、継続できるセルフケアが必要になってくるのです。
従来の対処法では限界を感じた理由
PMSへの対処法としてよく挙げられるのが、市販の鎮痛薬や漢方薬、アロマ、カフェインを控えるといった生活習慣の見直しです。
もちろん、どれも意味があるのですが、正直なところ私は「それだけでは足りない」と感じていました。
理由は3つあります。
- ✅ その場しのぎ感が強く、根本解決には至らない
- ✅ 自分の症状に「効くかどうか」がわかりにくい
- ✅ 忙しい日常の中で、継続がむずかしい
特に仕事や育児に追われていた当時の私は、「もう不調に振り回されたくない」という思いと、「でも時間もお金もそんなにかけられない」という葛藤の中にいました。
そんなときに出会ったのが、「フェムテック」という新しい選択肢でした。
テクノロジーとケアが結びついたアイテムたちは、「わたし自身の体に、もっと主体的に向き合っていいんだ」と気づかせてくれたのです。
私が実際に悩んだPMSの症状(体験のリアリティ)
PMSの話になると、「わかる、私もつらいよ」という声があちこちから聞こえてきます。
でも、私が本当に救われたのは、「あなただけじゃない」と誰かに言われた瞬間ではなく、「私も同じだったよ」という経験談に触れたときでした。
ここでは、フェムケアの発信者としてではなく、ひとりのPMS体験者としての私の話をさせてください。
生理前に起きる心の不調と身体のサイン
私の場合、PMSのはじまりはいつも「心」からでした。
急に落ち込む、自己肯定感がゼロになる、人と話したくなくなる――理性では「これは一時的なもの」とわかっていても、感情がついてこない。まるで、自分の中の“もうひとりの自分”が暴れているような感覚でした。
そして同時に、体のサインも明確に出てきます。
- ✅ お腹まわりの重さ、膨張感
- ✅ 肌のザラつきやニキビ
- ✅ 食欲の暴走と、コントロールできない甘いもの欲
- ✅ 朝起きられないほどのだるさ
「どうしてこんなに小さなことでイライラしてしまうのか」
「ちゃんと寝ているのに、どうして疲れが取れないのか」
…そんな風に、自分を責める時間がどんどん長くなっていきました。
それでも、周囲に相談できる相手がいなかった私は、
「PMSって、そんなに大げさに言うものでもないよね」と自分に言い聞かせながら、なんとか日々をやり過ごしていたのです。
日常生活に支障をきたすレベルだった私のPMS
特に印象に残っているのが、ある冬の月経前の時期。
会議中に涙が止まらなくなったことがありました。上司の言葉に傷ついたというより、「その場にいること」がつらくなってしまったんです。
帰宅後、無言で布団に入って、翌朝まで起き上がれませんでした。
「これはさすがにおかしい」と思って調べたときに出会ったのが、PMDD(月経前不快気分障害)という言葉でした。PMSのなかでも特にメンタル症状が重く、うつ症状に似た状態になるものです。
私のように、
- ✅ 朝がつらくて仕事に遅刻しそうになる
- ✅ パートナーや家族に八つ当たりしてしまい、あとで自己嫌悪
- ✅ 生理が来てようやく「人間に戻った」と感じる
といった状態は、「気のせい」でも「性格の問題」でもないと知ったとき、本当に肩の力が抜けました。
でも、それと同時に思ったんです。
「じゃあ、どうしたらいいの? 毎月この波に耐えるしかないの?」
私は、我慢するためじゃなく、“波に備える”ための選択肢を探し始めました。
そうしてたどり着いたのが、フェムテックというケアの方法でした。
フェムテックグッズを取り入れた理由と選び方
「薬を飲むほどではないけど、つらい」
「不調の波がくるのがわかってるのに、毎回ただ耐えるだけ」
…そんな風に感じていた私にとって、フェムテックは“我慢の選択肢”じゃなく、“自分に合った対処を選ぶ手段”になっていきました。
ここでは、私がフェムテックにたどり着いた理由と、実際に取り入れる際に意識した“選び方の視点”をお伝えします。
なぜ市販薬ではなくフェムテックを選んだのか
最初にお伝えしておきたいのは、市販薬が悪いわけではまったくないということです。
痛み止めや漢方薬に助けられた経験、私にもあります。
でも、毎月同じ薬を飲み続けることに、どこかで“根本から向き合えていない”ような違和感を抱いていたのも事実でした。
そんな私がフェムテックグッズに惹かれたのは、以下のような理由からです。
- ✅ 自分の状態に“気づく”きっかけをくれる
- ✅ 症状を“抑える”よりも“ととのえる”発想に共感できた
- ✅ 継続して使える心地よさや、“生活に馴染む”デザインがあった
たとえば、温熱グッズ。
「なんとなくお腹が重いな…」と思ったタイミングで、電熱の腹巻を使うようになってから、気分の波の立ち上がりがゆるやかになりました。
この変化を通じて、「ケアって、劇的な変化じゃなくていいんだ」と、ようやく納得できたんです。
フェムテックは、テクノロジーや製品というより、自分の体に気づくきっかけの総称だと、私は思っています。
フェムケアの視点でグッズを選ぶコツとは
フェムテックグッズを探し始めると、種類の多さに驚かれるかもしれません。
私も最初は、「何を基準に選べばいいの?」と迷ってばかりでした。
でも今なら、選ぶときに大切なポイントは、“効果”よりも“感覚”だとお伝えしたいです。
以下は、私がグッズを選ぶときに意識している3つの視点です。
1. 自分の不調パターンを「可視化」しておくこと
フェムテックグッズは、自分のPMS傾向に合わせて選ぶことが大切です。
たとえば、「腹痛・冷え」がメインの人と、「メンタル・不安感」が強い人では、選ぶべきアイテムはまったく違います。
- 心の波がつらい → リラクゼーション・睡眠系
- 体の重だるさ → 温活・血流改善系
- 全体的に把握したい → 記録・トラッキング系
まずは1〜2周期だけでも、自分の状態を記録してみてください。
それだけで「わたしはこういうときに落ちるんだ」と客観視できるようになります。
2. 生活に“ストレスなく取り入れられるか”を最優先にする
PMSでつらいときに、複雑な手順や面倒な充電が必要なものだと、正直続きません。
だからこそ、
- 着けるだけ・貼るだけで済む
- アプリが直感的に使える
- 洗える・繰り返し使える
といった「生活のリズムに自然に入ってくるかどうか」を大事にしています。
3. 「誰かのおすすめ」より「自分の心が動くか」
口コミやランキングも参考にはなりますが、最後に決めるのは自分の直感。
実際、私が長く使い続けているものは、最初の購入理由が「パッケージが可愛かったから」だったりします(笑)。
でもそれでいいと思うんです。
“選べること”が、すでにセルフケアの第一歩だから。
効果を実感したフェムテックグッズ3選(実体験レビュー)
ここからは、実際に私がPMS対策として使って本当に助けられたフェムテックグッズを3つご紹介します。
どれも高価なガジェットではありません。でも、自分の体と向き合う“習慣”として生活に馴染ませたことで、PMSの「構える感じ」がなくなっていきました。
もしあなたが「何かひとつ試してみたい」と思ったときの参考になれば嬉しいです。
グッズ①:温活系アイテム(腹巻・温熱シート等)
私が一番最初に取り入れたのが、温活系のアイテムです。
特に冷え性だった私は、冬になるとPMSの症状も重くなりがちで、体の奥からずっしりと重い不快感がありました。
そこで使い始めたのが、電熱腹巻と、カイロタイプの温熱シート。
使い方は簡単で、仕事中も寝るときも“貼るだけ・巻くだけ”。
特に感じたメリットはこの3つです。
- ✅ お腹まわりの違和感がやわらいだ
- ✅ 気分の落ち込みが緩やかになった(おそらく冷えの軽減で)
- ✅ 外出時にも安心感がある
PMSがひどいときって、外に出るのも億劫になるんですよね。
でも、温活グッズで「体の内側が守られている感じ」があると、ちょっとだけ外に出る元気が湧いてきました。
目に見える変化より、“自分を気づかう感覚”を育ててくれるアイテムだと思います。
グッズ②:メンタルケア系デバイス(リラクゼーション・瞑想系)
生理前になると、私は人の言葉に過敏になったり、急に孤独を感じたりしていました。
そんなときに助けられたのが、呼吸を整えるための瞑想ガイドアプリや、小型のリラクゼーションデバイスです。
たとえば、寝る前に数分だけ使う瞑想ガイド。
やわらかい音楽と「吸って、吐いて」といったナビゲーションの声が、頭の中のモヤモヤをやさしくほどいてくれます。
また、手のひらサイズのバイブレーションデバイスは、
呼吸と連動した振動で自然と気持ちを落ち着かせてくれるというもので、気づけば「深呼吸」が習慣になっていました。
感じた効果としては、
- ✅ 感情の波に気づきやすくなった
- ✅ イライラしたときの“抜け道”ができた
- ✅ 睡眠の質が上がった気がする
特に「怒ってる自分が嫌になる」という方には、一度試してみてほしいジャンルです。
テクノロジーに頼るというより、「自分に戻る手助け」をしてくれる相棒のような存在です。
グッズ③:記録系アプリ・デバイス(PMSトラッキング)
私のPMS対策の転機になったのが、「毎月の症状を記録する」ことでした。
フェムテック系の記録アプリや、体温・気分・症状を連動して管理できるウェアラブルデバイスなど、さまざまありますが、ポイントは「毎日じゃなくてもOK」なこと。
私が使っていたアプリでは、
気分・痛み・食欲・睡眠・排泄などをスタンプで記録できる機能があり、入力は30秒もかかりません。
この記録を2〜3ヶ月続けた頃、はっきりと気づいたんです。
- ✅ 生理前5日目に「無力感」がピークになる
- ✅ 食欲が暴走する日は、排卵期だった
- ✅ 月末の会議とPMSが重なると、パフォーマンスが落ちる
記録があるだけで、「今の自分はそういう時期」と納得できるようになりました。
それだけでも、自己嫌悪からの回復が圧倒的に早くなったと感じています。
どのグッズも、完璧に不調をなくすものではありません。
でも、「毎月訪れるあの波」を、“ただ耐えるもの”から“対処できるもの”に変えてくれたのは間違いありません。
フェムテックの役割は、体の不調をゼロにすることじゃなくて、“自分のための選択肢を持てるようにすること”だと私は思っています。
次は、このようなフェムテックグッズを使ってみてわかったメリット・限界・注意点について、正直にお伝えしていきます。
続きの執筆をご希望であれば、お知らせください。
使用してわかったメリット・限界・注意点
フェムテックグッズを使ってみて思うのは、「万能な正解はない」ということ。
でもだからこそ、自分にとっての“ちょうどいい”を見つけるプロセスこそが、フェムケアの本質なんだと感じています。
ここでは、実際に使ってみて感じた“よかった点”と、あらかじめ知っておきたかった“注意点”を、両方お伝えします。
使ってよかった点:変化と安心感
私にとってフェムテックの一番のメリットは、「変化に気づけるようになったこと」でした。
毎月の不調に“名前”をつけられるようになったことで、なんとなく続いていた自己否定から少しずつ解放されていったんです。
具体的には、次のような変化を感じました。
- ✅ 「つらくなる前」に対策を打てるようになった
- ✅ PMSの波が“予測できること”で、焦らなくなった
- ✅ 体に意識を向ける時間が「自分を大切にする時間」になった
たとえば、生理前に温活グッズを使うことで、メンタルの落ち込みが緩やかになる。
あるいは、記録アプリで「そろそろ不調が来る時期だ」と知っておくだけで、仕事の予定や家事の優先順位を自然と調整できるようになったり。
PMS自体が消えたわけではないのですが、「うまく付き合えている実感」があると、不思議と気持ちも整うんですよね。
そして何より大きかったのが、“自分だけじゃない”と実感できたこと。
レビューやSNSで他の人の使い方を見るたびに、「あ、私だけじゃないんだ」と思えることが、何よりの安心材料でした。
注意すべき点:効果の個人差と費用感
もちろん、すべてがスムーズにいったわけではありません。
フェムテックグッズを使っていく中で、いくつかの壁や気づきもありました。
まず感じたのは、効果の個人差がかなり大きいということ。
とくにメンタル系や体調全般に関わるケアは、「合う・合わない」よりも「響く・響かない」という感覚の違いが大きいように思います。
- ある人には絶賛されているアイテムが、私にはあまりピンと来なかった
- 逆に「正直、そこまで期待していなかった」グッズが、思いがけず生活の必需品になった
これは、化粧品やサプリと同じで、“試してみないとわからない”という点でもあります。
だからこそ、最初から完璧な効果を期待しすぎないという心構えが大切だと感じました。
もうひとつ、気になるのが費用面です。
一部のフェムテックグッズは、価格帯が高めに感じられるものもあります。
特にデバイス系やトラッキング系の製品は、1万円以上の投資になることもあります。
ただ、私の場合は「毎月のつらさを少しでも軽くできるなら、それは必要経費」という感覚で選んでいました。
もちろん、すべてを一度に揃える必要はありません。
- まずは無料アプリで記録を始める
- 気になったらドラッグストアで手に入る温活グッズを試す
- 続けられそうなら、デバイスの購入を検討する
というように、小さく始めて、合うものを見つけていくプロセスそのものがフェムケアだと私は思っています。
これからPMS対策を始める人へのヒント
PMSに悩んでいるのに、誰にも言えず、我慢してしまう――。
そんな私自身の過去を思い出すと、「もっと早く、対策を始めてよかったんだ」と伝えたくなります。
ここでは、「何から始めたらいいかわからない」という方に向けて、今すぐできること・選んでいいことを2つの視点からご紹介します。
まずは自分のPMSを「見える化」しよう
PMS対策の第一歩は、「不調を記録すること」です。
これは難しいことではなく、「いつ、どんな気分だったか」をスマホにメモするだけでも十分です。
なぜ見える化が大切かというと、PMSはとても曖昧で主観的な不調だから。
だからこそ、自分の中で「毎月、こういう流れがあるんだ」と可視化してあげることで、次のようなメリットが生まれます。
- ✅ 症状の予測ができるようになる
- ✅ 周囲に説明しやすくなる(パートナーや職場など)
- ✅ 受診時に医師と話しやすくなる
- ✅ 「今はこういう時期」と割り切れるようになる
私自身も、「今日はなぜかイライラするな…」という日が、記録アプリを見ると「毎回、生理の6日前だった」と気づいてハッとした経験があります。
そうやってパターンがつかめてくると、対処のタイミングも的確になるんです。
例えば「そろそろ心が不安定になる頃だから、今週は予定を詰めすぎないようにしよう」と、前もって備えられるようになります。
最初は手帳でも、メモアプリでも大丈夫。
続けるうちに、きっと“自分との付き合い方”が変わってきます。
医療の選択肢と併用できるセルフケアとは?
PMS対策といえば、「病院に行くべきかどうか」で迷う方も多いかもしれません。
結論から言うと、受診することは“逃げ”ではなく、“賢い選択”です。
症状が日常生活に支障をきたすほどの場合や、気分の落ち込みが2週間以上続く場合などは、婦人科や心療内科の受診を検討してほしいと思います。
ただし、医療の力を借りながらでも、セルフケアの役割がなくなるわけではありません。
むしろ、医師の治療方針を補完する形で、生活の中でできるケアを並行することで、より安定した体調管理ができるようになります。
たとえば…
医療的アプローチ | セルフケア・フェムテック |
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低用量ピルの服用 | PMS記録アプリで波を予測 |
漢方の処方 | 温活グッズで冷えを防ぐ |
抗うつ薬の処方 | メンタルケアアイテムの活用 |
こうして見ると、「医療 or セルフケア」ではなく、両方を必要に応じて使い分けることが大切だとわかります。
そしてその判断材料となるのが、前述の「記録=見える化」なのです。
医療もフェムケアも、「不調の中でがんばる私」に寄り添うための道具。
それを知っているだけで、選択肢の幅が広がって、“あきらめなくていい”毎日に変わっていくのではないでしょうか。