谷澤まさみ
谷澤まさみ

生理前になると、イライラや自己嫌悪が止まらない…。それ、PMSのせいかもしれません。怒りっぽい自分と上手に付き合うヒントを、体の仕組みからやさしく解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。

「なんでこんなにイライラするの?」PMSと怒りっぽさの関係

PMS(月経前症候群)の時期になると、ちょっとしたことでイライラしたり、急に悲しくなったり…。感情のアップダウンに振り回されて「なんでこんなに怒りっぽいんだろう」と、自分が嫌になること、ありますよね。ここでは、PMSと感情の関係をホルモンの仕組みから理解し、自己嫌悪から抜け出すヒントを一緒に探っていきます。

生理前に怒りっぽくなるのはなぜ?ホルモンの仕組み

PMSの代表的な症状のひとつが「イライラ」や「怒りっぽさ」です。その原因には、女性ホルモンの急激な変動が深く関係しています。

生理前にエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが急激に減少します。これによって、脳内のセロトニン(幸福ホルモン)の分泌が減るため、情緒が不安定になりやすくなるのです。

つまり、「怒りっぽくなる」のは性格の問題ではなく、ホルモンバランスによる“生理的な反応”なんですね。

感情の波を「体のサイン」として受け止めることが第一歩です。

PMSによる感情の乱れで自分が嫌になる瞬間

私自身、かつては毎月のようにこの波に翻弄されていました。
家族に強く当たってしまったり、仕事中にイライラしてしまって「またやっちゃった…」と落ち込む日々。

PMSの時期には、こんな自己嫌悪に陥りやすい傾向があります:

  • 思ってもないことを口にしてしまう
  • 相手のちょっとした一言に過剰に反応してしまう
  • 自分をコントロールできず、落ち込みが長引く

「私はダメな人間だ」ではなく、「いま、ホルモンの波に揺られてるだけ」と知ることで、自分を責める思考から少し距離を置けるようになりました。

「私だけじゃない」PMSに悩む女性のリアルな声

実は、PMSで感情の浮き沈みに悩んでいる人は本当にたくさんいます。
ある調査では、PMSを自覚している女性の約8割が「情緒面での変化がつらい」と回答しています。

一部をご紹介します。

内容
会社員(30代)「生理前になると些細なことにイラついて、自己嫌悪が止まらない」
専業主婦(40代)「子どもにキツく当たってしまい、あとで号泣…毎月くり返してます」
学生(20代)「感情の起伏が激しすぎて、友達にも距離を置かれてしまった」

PMSによる怒りや落ち込みは、誰にでも起こりうるもの。
だからこそ、「私だけが変なんじゃない」と知ることが、心を軽くする最初のステップになります。

「自分を知ること」が、感情を整える第一歩です。

続く章では、この“感情の正体”と向き合う方法について、もう少し深く掘り下げていきますね。

怒りっぽさの裏側にある“本当の気持ち”に気づく

PMS期に感じる怒りやイライラ。その裏側にあるのは、「怒りたいから怒っている」わけではなく、本当は気づいてほしい、わかってほしいという“サイン”かもしれません。この章では、怒りの奥にある感情に耳を傾けながら、自分自身と優しく向き合う方法をお伝えします。

怒りは「感情のフタ」だった?本音との向き合い方

怒りって、とてもエネルギーが強い感情ですよね。でも実は、「怒り」は本音を覆い隠す“フタ”になっていることがよくあります。

たとえば、

  • 「また私ばっかり頑張ってる」→(本音:わかってほしい)
  • 「もう限界なのに、誰も気づいてくれない」→(本音:助けてって言えなかった)

怒りは防衛反応でもあります。だからこそ、「私は本当は、何を感じていたんだろう?」と一歩引いて見つめることが大切です。

怒りの奥には、傷ついたり、不安になった“本当の気持ち”があることが多いのです。

私を責めるのはもうやめる:感情日記のすすめ

感情に振り回されるのって、本当にしんどいですよね。
でも、その感情を「見える化」してあげるだけで、自分との距離の取り方が変わってきます。

おすすめなのが感情日記です。

書き方の一例:

  • 【いつ】…今日の午前中、上司のひと言にイライラした
  • 【なにが】…「もっとちゃんとやって」と言われた
  • 【なぜ】…自分なりに頑張っていたのに認めてもらえなかった
  • 【どう感じた?】…悲しい、悔しい、無力感

たったこれだけでも、「怒ってた私」に“理由”を与えることができるんです。

✅ 「私はダメだ」ではなく、「私はこんなふうに感じてたんだ」と受け止めることが、自己否定のループから抜け出す第一歩です。

イライラの裏にある「助けてほしかった」サイン

怒りの中には、本当は助けを求めていたのに、うまく言葉にできなかった“私の声”が隠れていることがあります。

こんなケース、ありませんか?

  • 「洗濯物くらいやってよ!」と怒鳴ってしまった → 実は「一人で全部やるのはつらい」と伝えたかった
  • 子どもにイライラ → 本当は「ちょっとだけ静かに休みたい」と思っていた

怒りって、「もう限界」というSOSでもあるんですよね。
でも、限界まで我慢する前に、「疲れてる」「手伝って」とちゃんと伝えることは、決してワガママじゃありません。

自分の“感情”を押し殺すことが大人じゃない。“助けて”と言える勇気こそが、自分を大切にする第一歩です。

こうして、自分の内側の声に気づけるようになると、怒りが少しずつ減っていきます。
そして「こんな自分でも、いいんだ」と思える時間が増えていくはずです。

感情を整えるセルフケア習慣【PMS期の具体策】

感情の波にのみこまれる前に、できることから少しずつ整えていく。それがPMSとうまく付き合う鍵になります。この章では、PMS期のイライラや落ち込みをやわらげるセルフケア習慣を、食事・香り・心の余白の3つの視点からお届けします。どれも「自分の味方でいるための選択肢」です。

食事と栄養で感情の波をやさしく整える

「情緒」と「栄養」は、実はとても深い関係があります。特にPMSの時期は、脳とホルモンのバランスを支える栄養素をしっかり摂ることがポイントです。

✅感情の安定を助ける主な栄養素:

栄養素役割多く含む食材
ビタミンB6セロトニン合成を助けるまぐろ、鶏むね肉、バナナ
マグネシウムイライラをやわらげる納豆、ほうれん草、ナッツ
カルシウム情緒安定に働く牛乳、チーズ、小魚
鉄分疲労・無気力の予防レバー、あさり、ひじき

ポイントは、完璧を目指さず「不足しないこと」を意識すること。
外食やコンビニの日もあるけど、「今日はナッツだけでも摂ってみよう」と思えるだけで十分です。

アロマ・ハーブ・温活でゆるめるPMS対策

感情がピリピリしているときって、頭も体も“ギュッ”と固まっていますよね。そんな時は、香りや温かさで“緊張をほどくケア”が効果的です。

おすすめの方法:

  • アロマ:ラベンダー、ゼラニウム、クラリセージなどの精油をディフューザーや湯船で活用
  • ハーブティー:カモミール、レモンバーム、ローズヒップなどで心をゆるめる時間を
  • 温活:おなかや腰をカイロで温める、湯船に浸かる、足湯をする

特別な準備がなくても、「今日はキャンドルを灯してみよう」「靴下を変えてみよう」という小さな変化でも、体はちゃんと反応してくれます。

✅ ケアは特別なことじゃなく、“日常にあるほっとする習慣”でOKです。

「休む勇気」と「NOと言う力」を持つために

PMS期に無理を重ねてしまう理由のひとつに、「頑張らなきゃ」「周りに迷惑かけたくない」という思い込みがあります。でも、本当に大事なのは「自分の声をちゃんと聞くこと」です。

こんな習慣を持つことから始めてみてください。

  • スケジュールに「休む日」をあらかじめ入れておく
  • イライラのピーク日を記録し、事前に“がんばらない予定”に変えておく
  • 苦手な誘いや頼まれごとは、「いまは余裕がないので」と正直に伝えて断る

「NO」と言うことは、相手を拒むことではなく、自分を守る選択肢を持つこと
そして休むことは、怠けじゃなく“戦略的なケア”なんです。

✅ 「がんばる」より、「自分を大切にする」を優先してもいい時期があると、知っていてください。

PMSとうまく付き合うためには、完璧を目指すのではなく、“心地よく暮らす工夫”を積み重ねていくことが何よりも大切です。

私が変われた“心との付き合い方”とは?

PMSと向き合う過程は、ただ症状をやわらげるだけではなく、“自分自身との付き合い方”を見直す時間でもあると、私は感じています。この章では、PMSに悩み続けた私自身の変化や、感情との距離の取り方、そして周囲との関わり方について、リアルな体験を交えてお伝えします

PMSを知ったことで、自分を責めなくなった話

かつての私は、毎月のように情緒不安定になっては、「なんでこんなにイライラしてしまうんだろう」と落ち込み、自分を責めることが癖になっていました

でもある時、「これは性格の問題じゃなく、ホルモンの変化なんだ」と知っただけで、ふっと肩の力が抜けたのを覚えています。

✅ PMSを知る=「私は悪くない」と思える根拠を持てた

知識を持つことは、自分を理解するための強力なツールです。「今はこういう時期なんだ」と気づけるだけで、怒りや不安が“自分に支配されている感覚”が和らいでいくんです。

感情との距離の取り方が、人生を変えてくれた

感情にのまれることが少なくなると、心にスペースができるようになります。
「この感情は本物?それとも一時的な波?」と立ち止まれるようになるだけで、ずいぶん生きやすくなりました。

私が実践しているのは、こんなことです:

  • イライラを感じたら、まず深呼吸を3回
  • 本音を吐き出すノートを1日1行でも書く
  • 感情を“天気”のように見る(今日は曇り、明日は晴れかも)

✅ 「感情をコントロールする」のではなく、「感情に流されない距離感を持つ」ことが大事

それだけで、自分を大事にする毎日が少しずつ積み上がっていきました。

パートナーや周囲と共有したい“私のPMSルール”

自分の状態に気づけるようになったら、次に大事なのが「周囲とどう関わるか」です。
私はパートナーにも、自分のPMS期についてオープンに話すようにしています。

たとえば、我が家ではこんな“ルール”を作りました:

  • 「この週は感情が不安定だから、話し合いは避ける」
  • 「PMS期は私の中で“特別休暇”として扱う」
  • 「何も言われなくても、1日1つだけ家事を代わってもらう」

こういう小さなルールがあると、ぶつかる回数も減るし、“理解してくれてる”という安心感が心を支えてくれます。

✅ 「私が悪い」ではなく、「今はこういう時期」と共有することが、関係性を守るコツ

PMSを“隠す”のではなく、“共有する”。それが、自分を守ることにも、周りとの信頼を育てることにもつながるんだと感じています。

よくある質問Q&A:PMSのイライラにどう向き合う?

ここでは、PMSによる感情の乱れや怒りっぽさに関して、多くの方から寄せられる疑問や不安にお答えします。モヤモヤを言語化し、正しく理解することは、それだけでケアの第一歩。「わからない」が「わかる」に変わると、心の持ち方も変わってきます。

PMSと更年期の違いは?年齢による変化とは

「これってPMS?それとも更年期?」と感じる方も多いですよね。
どちらもホルモンバランスの変化が関係していますが、根本的な原因や年代に違いがあります。

項目PMS更年期障害
主な年代20〜40代前半40代後半〜50代以降
タイミング排卵後〜生理前に発生閉経前後に不定期に出現
主な原因黄体ホルモンの変動エストロゲンの急激な減少
主な症状イライラ、落ち込み、乳房の張りなどのぼせ、発汗、不安感、睡眠障害など

30代後半〜40代前半は「PMS+プレ更年期」の重なり期でもあるため、体と心のサインに丁寧に目を向けることが大切です。

怒りっぽさが改善しないとき、受診は必要?

PMSによるイライラが日常生活に支障をきたすほど強くなっている場合、「PMDD(月経前不快気分障害)」の可能性も視野に入れる必要があります。

こんなサインがある場合は、早めに婦人科やメンタルヘルスの専門医に相談しましょう:

  • 怒りや落ち込みが毎月必ず繰り返されている
  • 周囲との関係に影響が出ている(喧嘩や孤立など)
  • PMS期が終わっても気分が回復しない
  • 自分を傷つけたくなるほどつらい感情になる

「病院に行くほどじゃない」は思い込み。つらいなら、頼っていい。

受診は、問題を“重くする”ことではなく、“軽くする”ためのアクションです。

市販薬・漢方・サプリはどう選べばいい?

セルフケアの延長として、市販薬やサプリ、漢方を取り入れる方も増えています。ただし、「なんとなく良さそう」ではなく、目的に合った選び方がポイントです。

種類効果向いているタイプ
市販薬(鎮痛剤・鎮静剤)身体症状(頭痛、腹痛)やイライラの緩和急な症状を一時的に抑えたい人
漢方薬(加味逍遥散など)自律神経とホルモンのバランス調整気分の波や冷えを伴う人
サプリメント(カルシウム、マグネシウム、GABAなど)栄養面から感情をサポート日常的に整えていきたい人

まずは「どの症状が一番つらいか」を明確にしてから選ぶのがコツ。

そして可能であれば、薬剤師や婦人科医と相談しながら選ぶと安心です。
セルフケアは、「私のために選んであげる」という行為そのものが、もうすでにケアなのだと思っています。

▼一人で悩まないで。フェムケアのこと、もっと気軽に話しませんか?▼

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