こんにちは。OEFの谷澤まさみです。
あなたがアパレルの企画や仕入れを担当されていて、特にニットやセットアップの企画に関わっているなら、こんなシーンに心当たりがあるかもしれません。
「手編み風のハンドニットカーディガン、仕上がりの雰囲気も良く、秋冬の注目アイテムになる」と踏んで数量限定で40着を展開。しかし、いざ店頭に出してみると予想外にサイズによって売れ行きに差が出て、あっという間にセット展開が崩れてしまった——。
この「サイズ欠け」、小ロットならではの悩ましさです。
- セット展開が崩れた瞬間、在庫が“売れない服”になる
- 「売れない理由」は、商品ではなく“構造”にある
- 値引き販売はブランド価値を下げる
- そんなとき、OEFのような仕組みが役立つかもしれません
- 「選ばれ待ち」の在庫が、じつは“ブランドの真価”を物語る
- なぜOEFのような販路がブランド維持に役立つのか?
- 1着の行き場を変えることで、次の企画も変わるかもしれません
- 売れ残りじゃない。「まだ出会えていないだけ」の可能性
- 「売れない」から「残しておきたい」に変わる視点
- 「在庫は“悪者”ではない」——その気づきが、仕組みを変えていく
- あなたの在庫にも、まだできることがあるかもしれません
- Q&A:OEFでの在庫販売について、よくあるご質問にお答えします
- 最後に——「在庫の行き先」は、ブランドの行き先でもある
セット展開が崩れた瞬間、在庫が“売れない服”になる
今回のカーディガン、素材にもこだわりがあり、1点1点丁寧に仕上げられた質感は、実店舗でも「可愛い」と手に取る人が多かったそうです。特にMサイズはすぐに完売。しかしLとSが思うように動かず、結果的に「サイズバランスの取れたセット提案」が崩壊。
SNSでもスタイリング写真が“売れてしまったサイズ”を中心に出ていたため、LやSだけが残ると、どうしても「売れ残り」のように見えてしまう——。
あなたもこんなふうに感じたことはないでしょうか。
「あと数枚売れれば完売だったのに…」
「片方が欠けただけでセット全体が回らなくなるのがつらい…」
「売れない理由」は、商品ではなく“構造”にある
商品に欠陥があるわけではありません。むしろ、Lサイズが似合う人にとっては、この上なく素敵なニットです。
でも、“セット提案ありき”の販売構成だと、サイズが1つでも欠けた瞬間に展開力が失われ、在庫リスクが一気に高まる。これはシーズン商品の宿命でもあります。
特にハンドニットのような単価が高く、再生産も難しいアイテムほど、サイズ欠け=販売終了に近づいてしまうんですね。
そこで、多くの担当者が次に考えるのが…
- セールで値引きしてでも完売させるか?
- ECに移して細々と販売し続けるか?
- 来年まで保管してみるか?
でも、それぞれに問題があります。
値引き販売はブランド価値を下げる
ブランドやセレクト感を大切にしているショップほど、「とりあえずセールに流す」は最後の手段。理由は明白です。
値下げは“その商品はフルプライスでは売れなかった”というメッセージになるから。
特に手間と時間をかけて作ったハンドニットを、簡単に「50%オフ」にしてしまうのは、つくり手の想いにも反しますよね。
一方、来年まで寝かせておくには保管スペースと管理コストがかかり、湿度管理が難しいニット類では商品の劣化リスクも無視できません。
そんなとき、OEFのような仕組みが役立つかもしれません
「もう売れないかも」と思っていたLサイズのカーディガンを、あらためて“エシカルな選択肢”として打ち出す。
OEFでは、こうした“サイズ欠けによって価値が伝わりにくくなった商品”も、「理由があって残っている在庫」として丁寧に紹介できます。
たとえば、こんなアプローチが可能です。
- 「Lサイズが似合う人だけに届いてほしい」という視点で限定販売
- サブスク会員向けの“選ばれし一点モノ”として位置づけ
- 「余った」ではなく「選び待ちされていた商品」として再発信
この転換こそが、エシカル消費の醍醐味だと私は考えています。
商品が悪いのではなく、届け方の問題。
誰かにとって最高の1着である可能性を、私たちが諦めないこと。それが、在庫処分ではなく“価値の再流通”なのです。
「選ばれ待ち」の在庫が、じつは“ブランドの真価”を物語る
Lサイズだけが残ってしまったハンドニット。かつては“売れ残り”と見なしていた商品が、視点を変えるだけで“価値ある一点モノ”に生まれ変わります。
OEFには、こうした商品を「理由とともに」欲しい人に届けられる土壌があります。
それは、価格だけで判断するユーザーではなく、「社会の課題や、ものづくりの背景に共感して買う」会員制の仕組みがあるから。
サイズが限定されていても、
- 「このサイズが合うから、私はこの一着を選んだ」
- 「この商品を買うことで、誰かの手間や想いが救われるなら」
そんな風に、ポジティブに選ばれる場面をつくることができます。
なぜOEFのような販路がブランド維持に役立つのか?
通常のECやアウトレットモールと違い、OEFの販売ページは「閲覧は誰でもOK、購入は会員限定」というクローズド設計。
この仕組みにより、
- 市場価格の崩壊を防ぐ
- ブランドイメージを損なわない
- 販売背景を丁寧に伝えられる
といった特徴があります。
また、1ロットから出品可能で広告費ゼロ。商品は自社倉庫から直送なので、新たな物流コストや手間も不要です。
1着の行き場を変えることで、次の企画も変わるかもしれません
これは単なる在庫処分ではありません。“あなたの企画した商品が、最後の1着まで愛されて届く”という体験が、次のシーズンの自信にもつながります。
たとえば、過去にはこんな声も。
「サイズが限られていたにもかかわらず、OEFでは“Lサイズのための1着”としてあえて提案したら、すぐに完売しました」
「自社ECでは埋もれていた商品が、OEFで新しいファンに出会ったことで、来季のMTO企画に活かせました」
売れ残りじゃない。「まだ出会えていないだけ」の可能性
OEFでは、“選ばれなかった商品”ではなく、“まだ選ばれていないだけの商品”として再提案します。
その中には、ギフト需要、応援消費、エシカル思考のユーザーによる「発見」や「共感購入」が多くあります。つまり、在庫になった瞬間に終わりではないのです。
どんなに手の込んだ商品でも、届ける先がなければ無価値になってしまう——
でも、価値を理解してくれる人にきちんと届けば、むしろブランドの哲学を体現するアイテムにもなりうるのです。
「売れない」から「残しておきたい」に変わる視点
一部の在庫が思うように動かなくても、それは“次につながるヒント”でもあります。
- サイズ構成を変えるべきだった?
- セット展開前提の訴求を見直す?
- 少数サイズだけのプロモーション方法は?
そんな仮説検証にもつながるのが、OEFのようなアウトレット販路です。
焦って廃棄するよりも、まず「何が残ったか、なぜ残ったか」をきちんと見てみる。そのうえで、ちゃんと売る場所と方法を変える。
そんな循環が、ブランドにとっても、つくり手にとっても、優しい道ではないでしょうか。
「在庫は“悪者”ではない」——その気づきが、仕組みを変えていく
最後に、私が何度も現場で聞いてきたこんな声をお伝えしたいと思います。
「どうしても“売れ残った”と思うと、恥ずかしくて社内でも触れづらい」
「処分した方が早いのかも、と考えてしまう自分が悔しい」
——大丈夫です。
あなたのその気持ちは、商品やブランドと真摯に向き合ってきた証拠です。
在庫を“失敗”と捉えるのではなく、「まだ誰かに届く余地がある」と考え直せること。それは、単に販売手法を変えるというより、事業そのものをアップデートしていく視点です。
OEFでは、そうした方々が「もう一度、前向きに在庫と向き合える場」を提供できればと考えています。
あなたの在庫にも、まだできることがあるかもしれません
ハンドニットカーディガンのように、1点1点手が込んだ商品ほど、すぐに値引きや処分に踏み切るのではなく、“選び直される場”をつくってあげてほしいのです。
もしあなたが今、
- 売れ残りではなく「選ばれ待ちの一着」がある
- サイズ欠けで展開できなくなった商品に困っている
- 来年まで寝かせるしかないのかと迷っている
という状況にあるなら、OEFのような仕組みがお役に立てるかもしれません。
「もったいない」から、「ありがとう」に変わる瞬間。
その場を、あなたと一緒につくっていけたら嬉しいです。
Q&A:OEFでの在庫販売について、よくあるご質問にお答えします
Q1. サイズ欠けや展開崩れの商品でも、本当に売れるのでしょうか?
A. はい、売れています。OEFの利用者は「価格」だけでなく「背景」や「共感」で商品を選ぶ方が中心です。たとえば「このサイズしか残っていないけれど、この一着に惹かれた」という声や、「こういう商品にこそ意味がある」と評価されるケースも少なくありません。
Q2. ブランド価値が下がらないか心配です…
A. OEFは会員制で、購入できるのはクローズドなサブスク会員のみです。商品ページは誰でも閲覧可能ですが、購入は限られたユーザーに絞ることで市場価格への影響を最小限に抑えられます。また、商品の背景をしっかり伝えることで“価値を維持したまま売る”ことが可能です。
Q3. 1ロットだけでも出品できますか?
A. はい、OEFでは1ロットから出品が可能です。「たった数点しかないから…」とあきらめていた商品も、テスト的に出品しながらニーズを探ることができます。実際に、少量出品から反響を得て、別商品の出品につなげている企業も複数あります。
Q4. 出品までにどれくらい時間がかかりますか?
A. 商品情報の登録から最短3営業日で掲載可能です。写真や商品情報をOEFにご提供いただければ、事務局がチェックを行い、スムーズに掲載が進められます。特別な物流変更も必要ありません。普段どおりの出荷体制のままでご利用いただけます。
Q5. サステナビリティやエシカル消費を訴求するのが初めてで不安です
A. ご安心ください。OEFはそうした方の「はじめの一歩」をサポートするためにあります。エシカル消費という言葉にまだ馴染みのない層にも届くよう、販売文や商品説明の作成も伴走支援しております。「どう伝えればいいか分からない」場合も、ぜひご相談ください。
最後に——「在庫の行き先」は、ブランドの行き先でもある
この数年、気候変動やコロナ禍をきっかけに、私たちの消費行動や商品流通は大きく変わってきました。その中で、「モノをつくる」責任だけでなく、「どう届けきるか」の責任も重くのしかかっています。
だからこそ、廃棄ではなく、新しい流通のあり方を模索する時代です。
OEFはその手段のひとつであり、すべての解決策ではありません。
でも、“選ばれ待ち”の在庫にもう一度スポットを当て、「売れなかった」のではなく、「まだ出会っていないだけ」と信じて動き出すきっかけには、きっとなると思います。
あなたのブランドが、最後の1着まで大切に届けられる未来へ。
一緒にその一歩を踏み出しませんか?