谷澤まさみ
谷澤まさみ

ポップアップ限定で販売したTシャツの“売れ残り”。それは失敗じゃなく、伝え方のチャンスかもしれません。在庫をエシカルに活かすための視点と方法、目次を見て必要なところから読んでみてください。

ポップアップ限定Tシャツ、なぜ売れ残ったのか?

どんなに心を込めて作った商品でも、「イベントが終わったあと」に売れ残ってしまう…そんな経験、ありませんか?今回は、ポップアップ限定で販売したTシャツの余剰在庫と、その背景にあった“販売のしくみ”についてお話しします。見えてきたのは、「買える人を絞る」ことの意外な意味でした。

イベント熱は高かったのに…その後の販売で起きたこと

ポップアップイベントのときは、本当にたくさんの方にTシャツを手に取っていただきました。試着して、写真を撮って、笑い合って。そこには、熱量の高い「今ここでしか味わえない」空気が流れていたんです。

でも、その空気が消えたあと——。
在庫をオンラインに並べた瞬間、不思議なことに、ほとんど動かなくなってしまいました。

「イベントであれだけ盛り上がってたのに、なんで…?」

そう思って、改めてその状況を見つめ直してみたんです。すると、「ポップアップ=体験」だったのに対して、オンラインはただの「在庫の販売」になっていたことに気づきました。商品ではなく、“空気ごと”買ってくれていたんだと。

オンラインでは、その空気感が消えてしまっていたのです。

「誰でも買える」にした瞬間、価値が下がる理由

ポップアップのときにTシャツを買ってくれた人の多くは、「この場所、この瞬間だから買いたい」と感じてくれていたのだと思います。「いま手にしないと、もう手に入らない」という特別感。それが背中を押していたんですね。

けれど、オンラインで「誰でも」「いつでも」買えるようにした途端、その“特別”が“当たり前”になってしまった。
それって、まるで季節限定のお菓子が年中売られていたら、ありがたみが薄れてしまうようなもの。

買ってくれた人の気持ちには、「わたしだけが知っている」「この場にいたから手に入った」という小さな誇らしさがあったはずです。そこを大事にすることが、ブランドの価値を守ることにつながるのだと感じました。

買える人を絞る=価値を守る、という考え方
売れ残りを捌く、ではなく“届けたい人に絞る”という戦略

そう考えると、在庫は「余りもの」ではなく、“選ばれ待ち”のアイテムになるのかもしれません。
これからの販売方法、ちょっと見直してみたくなりませんか?

在庫を“処分”ではなく“再評価”する視点

売れ残った商品を目の前にすると、つい「早く捌かないと」と焦ってしまいますよね。でも少しだけ立ち止まって、その商品が本当に「もう価値がないもの」なのか、一緒に見つめ直してみませんか?“在庫”という言葉に縛られず、そのアイテムが持つ“余熱”に目を向けることで、全く違う可能性が見えてきます。

「売れなかった」のか「伝わらなかった」のか

Tシャツが残ってしまったとき、まず思ったのは「人気なかったのかな…」という落ち込みでした。でも本当にそうだったのでしょうか?

イベント中にたくさんの人が手に取り、「これかわいい!」と声をかけてくれていた光景が、今でも頭に焼きついています。つまり、Tシャツ自体の魅力がなかったわけではないんです。

じゃあ、なぜ売れなかったのか?
その答えは、「伝え方」にありました。

ポップアップという空間では、Tシャツが“体験の一部”として自然に語られていました。でも、オンラインではただの“商品写真と値段”。そこに込めた想いや、そのTシャツが生まれた背景が、ちゃんと届いていなかったんです。

✅ 「売れなかった」のではなく、「伝わらなかった」だけ
✅ 伝え直すことで“再び買いたくなる理由”が生まれる

誰かに想いを届けるときもそうですが、伝え方次第でまったく違う受け取られ方になりますよね。在庫にも、きっと同じことが言えるのだと思います。

単なる在庫じゃない、“余熱”を持ったアイテム

「もう売れない」と思い込んでしまう前に、そのアイテムがまだ“熱”を持っているかどうか、考えてみてほしいんです。

たとえば、Tシャツのタグにはイベント名が入っていて、当日の想い出をまとったような存在。それは、ただの在庫じゃなく、“余韻をまとったモノ語り”なんですよね。

こうしたアイテムは、「イベントに来たけど買えなかった人」や「あとからその存在を知って、気になった人」にとっては、むしろ“買える最後のチャンス”になります。

もう一度伝え直すことで、その余熱がまた誰かの心を温めるかもしれません。

✅ 在庫は“売れ残り”じゃなく、“選ばれ待ち”のストーリーある商品
✅ 再評価=その価値を“見える化”してあげること

「捨てずにどう活かすか」——その視点が、エシカルな循環のはじまりになるのだと思っています。

“買える人”を絞るというマーケティング戦略

在庫を「早く売らなきゃ」と思うと、つい“誰でも買えるように”広く開いてしまいたくなります。でも実は逆で、「あえて絞る」ことで、商品に込めた想いやブランドの世界観がより深く届くこともあるんです。今回は、クローズド販売というちょっと特別な売り方について、一緒に考えてみたいと思います。

クローズド販売が生み出すファンの熱量

「このTシャツ、一般販売はしていません」
そんな言葉に、ちょっとワクワクしませんか?

クローズド販売とは、誰でも買えるわけではない“限定された場所”での販売のこと。たとえば、ポップアップ来場者限定、サブスク会員限定、イベント参加者だけ…といった形ですね。

ここで生まれるのは、「限定された人しか手にできない」という小さな優越感と、つながりの濃さ
その商品を手にすることで、ただ“物を買った”という以上の体験が生まれます。

そして面白いのは、その熱量は次のポップアップや企画にも波及していくということ。「また行きたい」「今度は逃したくない」と思ってもらえるんです。

✅ ファンは“モノ”よりも“体験”を買っている
✅ クローズドにすることで、コミュニティの結束が高まる

こうしてブランドの“輪郭”がくっきりしてくると、結果的に価値を理解してくれる人が集まりやすくなるんですね。

希少性が“捨て値感”を回避するロジックとは?

「在庫処分」と聞くと、つい値下げありきの発想になりがちですが、それって本当にブランドのためになるでしょうか?

むしろ、安くした瞬間に「価値がないもの」と思われてしまうリスクもあります。

ここで効いてくるのが“希少性”の力。
「もう作らない」「限定の場所でしか売らない」「特定の人だけがアクセスできる」——そうした数量や範囲をあえて絞ることが、結果的に価格を守り、ブランドを守ることにつながります。

たとえば…

アプローチファンの印象価格の印象
誰でも買えるセール在庫処分?価値が落ちた?安くて当たり前
限定会員だけに販売特別感がある適正価格に納得

このように、売り方を変えるだけで「同じ商品の見え方」が大きく変わることがあるんです。

✅ 絞ることで、“価値がある理由”が伝わる
✅ 値引きせずに“選ばれる商品”になるための工夫

在庫を持つことに罪悪感を抱くよりも、その在庫が「誰に届けたら輝くのか」を考える。
それが、次のファンとの出会い方を変えるマーケティングなのだと思います。

ブランドを守りながら在庫を循環させる方法

「在庫を減らしたいけど、ブランドイメージは守りたい」——多くの人が抱えるこのジレンマ。でも実は、“売り方”を少し工夫するだけで、その両立は可能になります。在庫処分が“安売り”にならずにすむ、エシカルな循環のしかた。今回はそのヒントを共有します。

値引きしない在庫処分=選ばれた人だけに届ける

売れ残ったアイテムを値引きして広く販売するのは、一見効率的に見えます。でもその方法には、「ブランドの価値が下がる」という大きなリスクがあるのも事実です。

たとえば、定価で買ってくれた人が数週間後に半額セールを見たら、どんな気持ちになるでしょうか?
信頼を積み上げてきたファンほど、がっかりしてしまうかもしれません。

そこで大切なのが、“値引きしない在庫処分”という考え方。

具体的には、

✅ サブスク会員だけに特別オファーとして案内
✅ 過去イベント来場者にだけメールで案内
✅ リピーター限定で“おかえりセット”として販売

など、「届ける相手を限定することで、値下げしなくても喜ばれる構造」をつくります。
これが、ブランドを守りながら在庫を循環させるための鍵です。

熱量の高いコミュニティだけで展開する強さ

広く売るより、「好きでいてくれる人にだけ届ける」ほうが、実はずっと強い。
そう感じることが、最近よくあります。

ブランドに共感してくれている人たちは、単なる“お得さ”以上の価値を求めてくれています。
その人たちの中でだけ、在庫アイテムがもう一度チャンスを得る——それは“再利用”ではなく、“再登場”と呼びたくなるような光景です。

実際に、ある商品をリピーター限定で販売したとき、「この商品、また出してくれてうれしい」「新しい人に広まってほしいけど、なくなったら困るから複雑です(笑)」という声が届きました。

このやりとりからも、小さくても濃いコミュニティの中で信頼が育ち、販売の循環が生まれていくのだと感じました。

✅ 小さな輪の中だからこそ、熱が冷めない
✅ 適正な価格で売れて、ブランド価値も守られる
✅ 商品が「安くなったもの」ではなく、「選ばれた人への再提案」になる

こうした販売方法は、売上だけではなく「関係性の価値」も積み上げてくれるもの。
長く続けるブランドほど、こうした“循環の設計”が大切になってくるのかもしれません。

エシカルECという選択|OEFが実践する「限定販売×在庫活用」

在庫を“ただ売る”のではなく、“どう届けるか”を大切にしたい——そんな想いから生まれたOEFの仕組み。OEFは、「フードロス」や「売れ残り」に、新しい価値と選び方を与えるエシカルECです。
ここでは、“買える人を絞る”ことで在庫を活かす、OEFならではの仕組みをご紹介します。

購入は会員限定。クローズド・バイイングモデルの安心感

OEFの商品は、誰でも見られるけれど、買えるのは会員だけ。
この「クローズド・バイイングモデル」という仕組みが、ブランドを守りながら、在庫をやさしく循環させています。

たとえば、イベントで限定販売したTシャツ。
一般公開すれば一時的には売れるかもしれませんが、それがブランド全体の価値を下げてしまう恐れもあります。

そこでOEFでは、会員限定の場でこそ、その商品が“本来の価値”で届くように工夫しています。
このモデルなら、価格を守りながら、「選ばれた人にだけ届く」特別感も同時に実現できます。

価格はオープンでも、購買はクローズド。
だからブランドの顔がぶれない。

この安心感があるからこそ、企業やクリエイターの方々も「廃棄せずに出品してみよう」と前向きに在庫と向き合えるのだと思います。

余ったTシャツが“エシカル商品”になる瞬間

ポップアップで販売したTシャツが余ってしまったとき、以前なら「どうにか安く売ろう」と焦っていたかもしれません。
でも今は、「どうやったら、このTシャツを“エシカルな商品”として再登場させられるか」を考えるようになりました。

OEFでは、そうした商品を「もったいないBOX」や「会員限定アイテム」として再構成し、“共感と循環”の文脈で届ける場を用意しています。

誰かの“手に届かなかった想い”を、
別の誰かの“あたらしい選択肢”に変える。

その一歩が、ただの在庫ではなく、「誰かのためになる買いもの」へと変わる瞬間です。

余ったTシャツ=“いらないもの”ではない
共感を軸に再編集すれば、価値は再生する

「買うことが、誰かの助けになる」
そんな循環が、もっと日常にあったらいいなと願いながら、今日もエシカルな販売の場をつくっています。


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