
売れ残った色違い在庫、どう処分していますか?実は“人気じゃなかった”わけじゃないかもしれません。在庫を守り、ブランドも守る新しい販路のヒントをまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。
売れ残りカラーに感じる“ブランド棄損”の不安
「色違いの商品って、どうしても一部の色だけが売れ残るんです」
そんな声を、アパレルに限らずさまざまなメーカーさんからよく聞きます。
売れ行きに偏りが出るたびに、「このカラーは失敗だったのかな」と落ち込んでしまう方も多いのではないでしょうか。
でも実は、それは“ブランド価値”の問題ではなく、「まだ出番が来ていないだけ」かもしれません。
今回は、そんな色違い在庫の“見え方”を、少しだけ変えてみたくなるお話です。
値引きが「ブランドを壊す」と思い込んでいた
以前の私は、「値引き=ブランドの信用を失うこと」と信じ込んでいました。
せっかく丁寧に作った商品なのに、割引価格で売ると「安売りのブランド」だと思われてしまうんじゃないか。
そんな恐れから、在庫があってもなかなかアウトレット販売に踏み切れなかったんです。
特に“色違い在庫”って難しいですよね。
人気色だけ先に完売してしまって、残った色をどうやって売るか迷っているうちに、シーズンが終わってしまう。
だからといって、セールに出す勇気も出ないまま、倉庫の奥にしまい込む——
そんな商品、きっとどのブランドにもあると思います。
でも、それって本当に「ブランドを壊す行為」なのでしょうか?
私は、あるきっかけでこの考え方が大きく変わりました。
人気色だけが“正解”じゃないと気づくまで
実は、とある“売れ残ったカラー”の商品をアウトレットで出品したときに、購入者の方からこんなメッセージが届いたんです。
「この色、すごく好きです!どこにも売っていなくて…見つけた瞬間、即決でした」
その瞬間、私の中で何かがふっとほどけました。
“売れ残り”だと思っていたその商品は、「たまたままだ出会うべき人に届いていなかっただけ」だったんです。
売れ筋=すべての正解ではない。
色の好みや用途って、本当に人それぞれ。
そして、たとえ値引きされていたとしても、「この商品に出会えてよかった」と思ってもらえるなら、それはむしろブランドを好きになってもらえるきっかけになる——そんなふうに感じました。
だからこそ、今は自信を持って言えます。
✅ 売れ残りカラーは“失敗”じゃない。
✅ 届くべき人に出会うタイミングを待っているだけ。
次は、そんな在庫たちをどうやって“ちゃんと価値ある形”で届けられるかを一緒に考えていきましょう。
本当に大事なのは「どこで売るか」より「誰に届くか」
在庫が余ってしまった時、真っ先に考えてしまうのが「どこで処分するか」ということ。
でも、アウトレットやセールという言葉に対して、なんとなく“価値を下げる行為”のようなイメージを持っていませんか?
私もずっとそうでした。でも今は、“場所”ではなく“相手”を大切にする視点のほうが、ずっと本質的なんじゃないかと思っています。
一通の感想メッセージが気づかせてくれたこと
あるとき、色違い在庫として残っていたニットをアウトレット経由で出品しました。
正直、「どう思われるんだろう…」という不安のほうが大きかったです。
でも、購入者の方から届いた一通のメッセージが、その気持ちを一気に変えてくれました。
「この色、私の好みにぴったりでした!人気カラーじゃなくても、こういう出会い方があるんですね」
この言葉を読んだとき、思わず涙が出そうになりました。
商品の価値って、価格でも人気度でもなく、「誰に届くか」で決まるんだなって。
その方にとって、その色のニットは、まさに“探していた一着”だったのです。
売れ筋じゃない。目立たないカラーかもしれない。
それでも、ちゃんと必要としてくれる人は、どこかにいる。
“選ばれていないだけ”の商品が再評価された瞬間
この経験をきっかけに、私は商品の見え方を変えるようになりました。
売れ残ったのではなく、まだ選ばれていないだけ。
そう考えるようになると、商品一つひとつに込めた想いまで、もう一度ちゃんと向き合いたくなったんです。
そして、不思議なことに——
そうやって紹介の仕方を変えてみると、少しずつ反応も変わってきました。
「この色、意外と着てみるとしっくり来た」
「ほかの人が持っていない色で気に入ってます」
そんな言葉が増えていくうちに、私の中の“売れ残り”という言葉も、やさしくほどけていきました。
✅ 色が違うだけで価値が落ちるわけじゃない
✅ 大切なのは、ちゃんと届けるべき人に届くこと
それが今の私にとって、在庫を扱う上でのいちばんの軸になっています。
次の章では、そんな商品たちをもっと自然に、もっと誇りを持って届ける工夫についてお話ししますね。
アウトレット出品=価値を落とす、は思い込みだった
「アウトレットに出す=ブランドが崩れる」
そんなふうに思っていた時期が、私にもありました。
でも実際にやってみると、それがただの“思い込み”だったと気づかされます。
大切なのは、“どう売るか”ではなくて、“どんな人とつながるか”。
アウトレットであっても、信頼と共感があればブランドは育っていく。私は今、そう信じています。
クローズド販売だからこそ信頼が保てる仕組み
たとえばOEFのような仕組みでは、商品情報は誰でも見られるけれど、実際に購入できるのは登録した会員だけ。
この「価格オープン × 購買クローズド」のモデルによって、価格の透明性を保ちながら、ブランド価値を守ることができるんです。
これは、ただ“安く売る”のとはまったく違うアプローチ。
ブランド側も、「誰に、どう届けるか」がコントロールできるからこそ、安心して出品できるんですね。
✅ 誰でも見れるけど、買えるのは選ばれた人だけ
✅ 正規の販路とは違う“もうひとつの出番”を用意する場所
それが、アウトレットでもブランドの信頼感を損なわない理由です。
「エシカル消費」への共感がブランドを育てる
さらに嬉しかったのは、購入者の多くが「安いから」だけでなく、
「捨てずに販売している姿勢」に共感してくれていたことでした。
「この色でも誰かに届いて嬉しい」
「もったいないから買ってみようと思った」
「このブランド、ちゃんとしてるなって思った」
そうした声をいただくたびに、私は確信しました。
エシカルな選択をする人たちは、商品そのもの以上に、“その背景”を見てくれている。
そして、そんな思いに支えられて、ブランドはもっと育っていくのだと感じています。
アウトレット出品は、決して“格下”の選択じゃない。
むしろ、ブランドとお客様の距離を近づけてくれる、もうひとつのきっかけなのかもしれません。
次は、そんな思いを乗せて在庫を届けられる「具体的な場所」についてお伝えしていきますね。
ブランドを守りながら在庫を救う、新しい選択肢
どんなに丁寧に企画しても、売れ残る商品は出てきます。
それは、作り手のせいでも、商品のせいでもなくて、タイミングや出会い方の違いだったりしますよね。
そんな“選ばれ待ち”の在庫たちに、もう一度日の目を見せる方法があるとしたら——。
それが今、多くのブランドにとっての希望の選択肢になりはじめています。
選ばれ待ちの商品に“もう一度のチャンス”を
売り場では選ばれなかった色。少しだけ時期を過ぎてしまった型。
そういった在庫も、本当はちゃんと使える、むしろ魅力ある商品ばかりです。
廃棄するなんてもったいない。
でも、ただ安く売るだけではブランドの信頼が心配……。
そんな時こそ、「どこで・どう届けるか」を見直すことで、新たな活路が生まれます。
私は今、「選ばれなかった」のではなく、「選ばれ待ちだった」と考えるようにしています。
そして、その出番をつくってあげられる場所が、いま確実に広がっているんです。
OEFという共感のある販路が広げる未来
OEFは、そんな“もう一度のチャンス”を生み出すための仕組みです。
✅ 誰でも商品情報は見られるけれど、買えるのはサブスク登録した会員のみ
✅ ブランドの意図をきちんと理解し、共感してくれる“選ばれたお客さま”にだけ届ける
✅ 商品の価値と、ブランドの信頼を両方守れる
このクローズド・バイイングモデルだからこそ、安心して在庫を任せられるという声を多くいただいています。
そしてなにより、「もったいないをなくしたい」という想いを持つ方々に、商品が届いていくこの循環は、
単なる“在庫処分”ではなく、ブランドの新しい物語にもなっていきます。
エシカルで、誠実で、価値ある販路。
OEFは、そう思ってもらえる場所でありたいと思っています。
「まだ出番が来ていない商品たち」に、
もう一度、輝けるステージを。
そんなやさしい選択を、あなたのブランドにも。