谷澤まさみ
谷澤まさみ

「死に筋在庫、どう処分していますか?」――問屋や卸が抱える“売れない商品”の出口戦略は、ブランドを守りながら利益を出す時代へ。目次を見て必要なところから読んでみてください。

問屋・卸の悩みど真ん中、動かない在庫=「死に筋問題」

動かない商品が倉庫を圧迫するビジネスリスク

「動かない在庫」がじわじわと倉庫のスペースを奪っていく――それは、問屋さんや卸売業の方にとって、とても現実的で、深刻な問題ですよね。

とくに売れ行きが鈍くなった商品、いわゆる「死に筋商品」は、見て見ぬふりができない存在です。どこかのタイミングで“処分”の判断を下さなければならない。でも、その判断は、いつも心苦しいものです。

在庫として保管し続けるには、保管コストや人件費が積み重なります。しかも、新しい商品が入荷できなくなれば、営業活動にも支障が出てしまいます。「どうにかしたいけれど、どこにも流せない」――そんな声を、これまでにもたくさん耳にしてきました。

どれだけいい商品でも、「時期」や「パッケージ変更」「流通の切り替え」といった“売れなくなる理由”は、本当にたくさんあるんです。だからこそ、罪悪感を抱かずに、次の一手を考えていい時代だと思うんです。

なぜ“値引き販売”がブランドリスクになるのか

「売れ残っているなら、値引きして売ればいいじゃない」と言われることもあります。確かに、それが一番手っ取り早い方法かもしれません。

でも、問屋さんやメーカーさんがその一歩をためらうのには、理由があります。

それは、ブランドの価値を下げてしまう可能性があるから。

一度、大きな値引きで市場に出回ってしまった商品は、「このブランドって安く売られるものなんだな」と消費者に思われてしまいます。それは、これまで丁寧に築いてきた信頼やポジショニングを、少しずつ崩してしまうことにつながるのです。

また、小売店や取引先から「なぜあの商品がネットで安く出ているのか」と聞かれた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

信頼関係を守るために、あえて“処分”という選択をされるケースもあると聞きます。でもそれって、本当にもったいないことです。まだ使えるのに、活かせる方法がない。それが、今の流通における大きな課題だと感じています。

従来の在庫処分ルートの限界とジレンマ

これまでも、いろいろな“在庫の出口”は存在していました。

アウトレットモール、催事販売、バルク販売、リサイクルルート……。それぞれに良さもありますが、どれも「価格を落とす」ことで、なんとか出口をつくっていた印象があります。

その結果、利益は出しづらく、しかもブランド価値は守れないというジレンマに直面していたのではないでしょうか。

また、そういった販路には、「買う人の顔が見えない」「商品の背景が伝わらない」という課題もありました。ただ安く売られている商品としてしか見られない。それでは、モノに込めた想いや価値が伝わりにくいんです。

一方で、今の消費者は“なぜ安いのか”をきちんと知りたいと考えています。ただ価格だけでは動かない。背景にあるストーリーや社会的な意義に、共感して買いたい。そんな時代になっています。

だからこそ、これからは「捨てずに、ブランドを守りながら売る」という、新しい在庫処分の在り方が求められているのだと思います。

そうすれば、ただの在庫処分ではなく、「商品にもう一度、出番をあげる」というやさしい循環が生まれていくはずです。

いま企業が求めるのは“見えない在庫出口”の最適化

サステナブルとアウトレットの掛け算が企業価値を高める

「アウトレット=在庫処分」と聞くと、どうしても“価値を落とす最後の手段”というイメージがあるかもしれません。でも、今はそれが変わりつつあります。

企業にとって、本当の意味での価値とは、ただ利益を出すことだけではなく、社会にどう貢献するかも含まれるようになりました。
だからこそ、「サステナブルな選択肢」としてのアウトレットという新しい考え方が生まれています。

たとえば、まだ品質に問題のない商品を、廃棄せずに活かすという取り組み。それは、環境にも優しく、消費者にも“お得”という喜びを与えることができます。

そして何よりも、「もったいないをなくす」ことが企業の姿勢として伝わると、信頼や共感が生まれやすくなるんです。
いまの時代、サステナブルであることは、それ自体がひとつのブランド価値。
その価値を、アウトレット販売という手段と組み合わせることで、企業は“売上”だけでなく“共感”も得られるようになります。

ただ売るのではなく、どう売るかが問われる時代。
だからこそ、見えない在庫を、意味のある形で動かしていく発想が必要なのだと思います。

誰にどう売るか?がブランド毀損を防ぐ最大の鍵

「ブランドを守りながら在庫を処分する」――
これは、とても難しいバランスですよね。安く売ってはダメ。でも売らなければ在庫は積み上がる。そんな板挟みで苦労されている方も多いと思います。

ここで大切なのは、“どこで、誰に売るのか”を設計することです。

たとえば、同じ商品でも、「値引き商品」として店頭に並べるのと、「フードロス削減に貢献するエシカルな商品」として届けるのとでは、受け取り方がまったく違ってきます

また、誰に届けるかも重要です。すでにファンである消費者や、エシカルな価値観に共感している層であれば、「安売り」という印象ではなく、「応援消費」や「サステナブルな選択」として受け入れてもらいやすいのです。

つまり、ただ価格を下げるのではなく、“意味を伝えて売る”ことがブランドを守る鍵になります。
それは広告よりもずっと静かで、でも深く届くマーケティングのひとつなのかもしれません。

購入層を限定するクローズド販路という選択肢

「商品は見える。でも、買えるのは一部の人だけ。」
そんな販売スタイルが、今注目を集めています。

クローズド販路(購入者を限定した販売モデル)は、アウトレット販売におけるブランドリスクを抑えるための、有効な手段です。

この方法では、商品情報や価格は公開されていても、実際に購入できるのは登録された会員だけ
そのため、一般の価格市場には影響を与えにくく、取引先や既存販路とのトラブルも回避しやすくなります。

購入者を選べるということは、ブランドの“居場所”を選べるということ。
そしてそれは、企業のプライシングポリシーや価値観を守るという点でも、大きな意味を持ちます。

さらに、クローズド販路は「プレミアム感」や「限定感」を演出しやすく、ユーザーの満足度やロイヤルティを高める仕掛けにもなります。

これまで「売る場所がない」と悩まれていた商品が、“ちゃんと伝わる場所”で新しい出番を迎える
そんな未来をつくる選択肢として、クローズド販路はとても心強い存在になるのではないでしょうか。

死に筋商品に“第2の命”を与える3つの戦略

ターゲットを変えることで売り場を再定義

ある市場では動かなかった商品でも、見せ方や届ける相手を変えるだけで再び息を吹き返すことがあります。
これは、商品の価値自体が失われたわけではなく、「届ける場所」が合っていなかっただけなのかもしれません。

たとえば、都市部の高級スーパーでは売れ残ってしまった商品も、地方のエシカル意識の高い個人や、小規模のカフェ・飲食店では「ちょうどいい価格で質がいい」と評価されるケースもあります。

ここで大切なのは、「売れなかったから価値がない」と決めつけないことです。“誰に売るか”を再設計することで、売れない商品が“必要とされる商品”に変わる。

販路が一つの正解ではない時代だからこそ、市場の視点をずらしてみる勇気が、新しい売り場を切り拓いてくれるのだと思います。

販促ワードを変えると価値が生まれ変わる

同じ商品でも、言葉ひとつで“選ばれる理由”が変わる。
これは、日々商品を届ける中で、私自身も何度も実感してきたことです。

たとえば、「賞味期限が近いから安くなっている商品」ではなく、
「フードロス削減に参加できる“レスキュー商品”」と伝えると、まったく違うストーリーが生まれます。

さらに、「B品・訳あり」よりも
「環境にやさしい選択」「パッケージに少し傷があるだけで中身は高品質」などの表現に変えるだけで、購買の印象がポジティブになります。

販促ワードの工夫によって、商品に“共感の余白”をつくることができるんです。

【例:販促ワードのビフォーアフター】

Before(従来の表現)After(再設計した販促ワード)
賞味期限間近食品ロスを減らすレスキュー商品
B品・アウトレット賢く買う、エシカルな選択
在庫処分セール限定販売・サステナブルBOX

このように、価値を“伝え直す”ことで、売れなかった理由が“買いたくなる理由”に変わることがあるのです。

購入体験に“社会貢献”を組み込む設計思考

今の消費者は、単に「安いから買う」だけでなく、「自分の買い物が社会にどんな影響を与えるのか?」に関心を持ち始めています。

そこで考えたいのが、購入体験の中に“社会貢献”の要素を自然に組み込むこと。

たとえば、
「この商品を購入することで、〇〇kgのフードロス削減に貢献できます」
「あなたの選択が、生産者の廃棄コスト削減につながります」

そんな一言を添えるだけでも、買い物が“自己満足”ではなく、“社会とのつながり”に変わる体験になります。

私たちは、誰かの役に立ちたいと思う気持ちをどこかで持っています。
だからこそ、商品の背後にあるストーリーや意味を丁寧に伝えることで、「選んでよかった」と心から思える購買体験が生まれるのだと思います。

死に筋商品は、“失敗作”ではありません。
届け方を変えれば、まだまだ役割を果たせる可能性を持っている。
それは、モノに新しい命を与えること。そして、企業と社会、消費者がつながる未来をつくることでもあるのです。

OEFという販路が選ばれる理由とは?

価格はオープン、購入はクローズドという安心設計

OEFでは、商品の価格や情報は誰でも見られるオープンな設計にしています。
でも、実際に購入できるのは登録された会員限定。ここが、他のアウトレットECと大きく違う点です。

この「価格は見えるけど、買える人は限られている」というスタイルは、いわばセミクローズドな販路
だからこそ、問屋さんや卸業者さんにとっても安心して商品を出品できるんです。

なぜなら、価格の透明性を保ちながら、販売の範囲はコントロールできるから。
たとえば、取引先に見られても「正規のチャネルではない」と伝えやすく、価格政策や信頼関係を壊さずにすむ設計になっています。

このモデルは、「エシカル」であると同時に、ビジネスとしてもフェアな仕組み。出品する側・買う側のどちらにもメリットがあるからこそ、選ばれているのだと思います。

値下げ感より「レスキューされた商品」というブランディング

OEFに掲載されている商品は、いわゆる「アウトレット商品」や「在庫処分品」ではあります。
でも、私たちはその言葉をほとんど使いません。

なぜなら、OEFに並ぶ商品には、ちゃんとした“背景”と“ストーリー”があるからです。

例えば、「流通が止まってしまった」「賞味期限が近い」「パッケージが変更になった」など。
それらは決して「品質が悪いから売れない」という話ではなく、まだ“おいしい”し、“使える”商品たちばかり。

だからこそ私たちは、それらを「レスキューされた商品」と呼んでいます。

この表現には、“価値のあるものを見つけ出す喜び”と、“社会に貢献できる選択”の意味が込められています。
「安いから買う」ではなく、「意味があるから選ぶ」――そんな買い方ができる販路だからこそ、消費者の満足度も高く、クレームや返品も非常に少ないのが特徴です。

手数料や導入コストが低く、出品ハードルが低い

OEFは、誰でも気軽に出品できるように、出品時の初期ハードルをできる限り下げています。

具体的には

  • 初回登録費:15,400円(税込)
  • 月額費用:2,980円(税込)
  • 販売手数料:10%(クレジット決済手数料込み)

という、とてもシンプルな仕組みです。

出品手数料は無料。売れたときだけ費用がかかる
物流は各サプライヤーさんにお任せ。自由度が高い

この設計により、在庫を抱えて困っている企業さんがすぐに試せるハードル感を大切にしています。
はじめは「少量の出品」からでもOK。気軽に始めて、手応えが出たら継続的な販路として育てていただける流れです。

初期投資が小さいからこそ、「ちょっと試してみようかな」という気持ちを後押しできる。
それが、OEFの“続けやすさ”にもつながっています。

既存販路に影響を与えないから問屋も使いやすい

問屋さんが在庫処分をするとき、いちばん気になるのは「既存の取引先にどう見られるか?」ではないでしょうか。

特に、大手スーパーや量販店と取引がある場合、「なんでネットで安く売ってるの?」と疑問を持たれると、信頼にかかわることもありますよね。

でも、OEFならその心配は最小限に抑えられます。

なぜなら、「購入者が限定されている」=販売範囲がコントロールされているから。
さらに、「OEFはサステナブルな販路であり、単なる安売りではない」という立ち位置を明確に打ち出しているため、ブランドを守りながら販売できるという安心感があります。

つまり、OEFは「捨てるしかなかった在庫」を“きちんとした形で救う”ためのプラットフォーム
そしてそれが、企業の姿勢としても、社会から共感される選択になっているのです。

いままで「売れなかったら捨てるしかない」とあきらめていた商品に、もう一度スポットライトを当てることができる。
それがOEFが選ばれている、一番の理由かもしれません。

👉 エシカルに在庫を処分する方法がまとめられた記事はこちら

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