谷澤まさみ
谷澤まさみ

廃棄予定の商品が、実はCO2削減やブランド価値向上につながるとしたら?
環境配慮と在庫活用を両立するヒントを、事例とともにご紹介します。
目次を見て必要なところから読んでみてください。

廃棄予定の商品が環境に与えるインパクトとは

在庫として残ってしまった商品。
「もう売れないから仕方ない」と処分されることも多いですが、その“当たり前”が、実は環境にとって大きな負担になっていることをご存知でしょうか。

とくに食品や日用品の廃棄は、私たちの暮らしのすぐそばで起きているにもかかわらず、どこか「見えにくい」問題になっているように感じます。

ここでは、CO2排出量という視点から、廃棄による環境負荷について見つめ直してみたいと思います。

食品・日用品の廃棄が引き起こすCO2排出量

商品が廃棄されるまでには、たくさんのエネルギーが使われています。
例えば食品であれば、農作物の生産、輸送、加工、包装、販売まで、すべての段階でエネルギーが使われており、当然CO2も発生しています。

それなのに、売れなかったからといって捨ててしまうと、その商品が生まれるまでにかかったエネルギーが“無駄”になるのです。

日本国内では、年間で約570万トンの食品が廃棄されています(農林水産省調べ)
この膨大な量を焼却・埋立処分することによって、さらにCO2が排出されてしまうのは避けられません。

日用品でも同じです。
洗剤やシャンプー、乾物、お菓子などは、たとえ未開封でも、賞味期限やパッケージの劣化などを理由に廃棄されることがあります。

使われることなく処分される商品が、地球の空気をあたためている――
そんな現実があることに、私自身も胸が痛くなります。

見落とされがちな「焼却処分」の環境負荷

日本では廃棄物の多くが「焼却」されます。
これは衛生面やスペースの問題から合理的な面もあるのですが、焼却には大量のエネルギーが必要で、当然CO2も発生します

たとえば、1トンの食品を焼却処分すると、平均で約1.9トンのCO2が排出されるとされています(環境省データより)。

以下のように、処分の方法によって排出量は変わってきます。

処分方法CO2排出量(1トンあたり)
焼却処分約1.9トン
埋立処分約0.1トン
リサイクル処理数値は内容によって変動

このように、「燃やして終わり」ではなく、「燃やすことが新たな問題を生む」という意識も、今あらためて必要ではないでしょうか。

なぜ卸売業が環境問題のカギを握るのか?

環境へのインパクトを減らすためには、個人の努力ももちろん大切ですが、大量の商品を取り扱う“卸売業”の動きがカギになります。

なぜなら、卸業者が在庫を「廃棄する」か「活かす」かで、廃棄量とCO2排出量は大きく変わるからです。

✅ 卸業では「売り場に出る前の商品」や「パッケージ変更前の在庫」などが、まとまった量で眠っていることが多くあります。

こうした在庫が活用されれば、無駄な生産や処分が減り、環境への負担も減らせます。

さらに、サステナブルな在庫処分を実践している企業は、消費者からの評価も高まりやすくなっています。

「売れ残りを減らす=企業の信頼を高める」
そんな流れが、これからの時代にはもっと加速していきそうです。

廃棄せずに売るという選択肢が生むメリット

谷澤まさみ
谷澤まさみ

廃棄されていたはずの商品が、誰かの手に渡って、ちゃんと役に立つ。
その瞬間、「もったいない」が「ありがとう」に変わります。
企業にとっても、ただ処分するより、環境にも人にも優しい選択ができた方が、気持ちよくないでしょうか?
ここでは、“売らずに捨てる”以外の選択肢がもたらすメリットを、具体的に見ていきます。

CO2排出削減と企業ブランディングの両立

まず大きなメリットは、CO2排出量を確実に減らせるということ。
これは企業としてのサステナビリティ(持続可能性)への姿勢を、実行レベルで示すことにつながります。

✅ 環境に配慮している企業に対する消費者の好感度は、年々高まっています。

とくに、20〜40代の消費者は「環境や社会のことを考えているブランドを選びたい」と考える傾向が強く、ブランディング面でもプラスに働く可能性が高いのです。

しかもこれは、単なるPRではなく、実際の行動によって裏づけられた“誠実さ”として伝わります。

「環境配慮の取り組みをしたいけど、何から始めていいか分からない…」という企業でも、廃棄予定商品を売るという小さな一歩が、大きな信頼につながるのではないでしょうか。

「廃棄=コスト」から「在庫=資産」への転換

在庫が余ってしまうと、多くの企業では「処分コスト」が頭をよぎります。
廃棄にかかる費用、時間、そして精神的な負担…。とてももったいないですよね。

でも視点を変えれば、その在庫は誰かにとって「必要なもの」かもしれない
つまり、「コスト」ではなく、「資産」として活かせる可能性があるのです。

たとえばこんな変化が生まれます。

Before(従来)After(環境配慮型)
廃棄コストが発生売上が発生する
倉庫が圧迫される在庫が循環する
モチベーション低下社内での達成感が生まれる

このように、在庫を活かすしくみがあることで、経営上のムダも減り、利益にもつながる
しかも、それが環境への貢献にもなるのだから、一石二鳥どころか“三鳥”かもしれません。

社員のモチベーションや採用にも好影響?

意外に見落とされがちですが、こうした取り組みは社内の空気も変えてくれます。

「どうせ捨てるんだし…」という気持ちで仕事をするのと、
「この商品が誰かの役に立つ」と思って向き合うのでは、社員の気持ちも全然違いますよね。

エシカルな取り組みをしている会社で働きたい、という若い世代も増えています。

採用の場面でも、企業が「何のために存在しているのか」を言葉だけでなく行動で伝えられると、共感してくれる人が集まりやすくなるんです。

さらに、社内で「こうすれば廃棄が減るかも」という声が自然と出るようになると、現場の創造性や当事者意識も育っていくように思います。

環境配慮型アウトレット販売のはじめ方

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「廃棄せずに、ちゃんと売る」
その選択肢は、企業にとっても、環境にとっても、そして消費者にとってもやさしい方法です。
ただ、「アウトレット販売」と聞くと、
「値崩れするんじゃない?」「ブランドが傷つくのでは?」といった不安も、まだまだ根強くありますよね。
でも、大丈夫。いまは“エシカルなアウトレット”という新しい売り方が広がっています。
ここでは、サステナブルな在庫処分の実践方法と、ブランドを守りながら売るための工夫をご紹介します。

サステナブルな在庫処分の4つの実践方法

在庫をムダにせず、環境にも配慮しながら流通させる方法は、一つではありません。
ここでは比較的取り組みやすい4つの手段をまとめてみました。

1. エシカルECでの販売
会員制やクローズド型のECサイトを活用することで、市場への影響を最小限に抑えつつ販売できます。

2. 地域の福祉施設や子ども食堂への提供
寄付という形で在庫を活かせば、社会貢献と環境配慮を同時に叶えることができます。

3. リユース・アップサイクルの活用
パッケージの傷や旧デザイン商品などは、見せ方を工夫することで新たな価値を生み出せます。

4. 期間限定・用途限定の販路設定
「調理用限定」「業務用専用」など、販売の目的を明確にすることで納得感のある販売が可能です。

小さな工夫の積み重ねが、大きな信頼につながっていくのだと思います。

値崩れを起こさない販売チャネルの選び方

「安く売る=ブランドを下げる」という不安はとても理解できます。
でも大切なのは、“どこで・誰に・どう届けるか”というチャネル設計なんです。

たとえば…

チャネル例値崩れリスクブランド保護メリット
オープンモール型EC高め低い集客力はあるが価格競争になりやすい
会員限定・審査型EC低い高いブランドを守りつつ安心して販売可能
実店舗アウトレット中程度立地やタイミングによって成果が変動

会員限定型の販売チャネルは、ブランド価値を守りながら価格調整ができる点で特に注目されています。

誰でも買える状態ではなく、「選ばれた人だけに届く仕組み」をつくることで、価値をしっかり保てるんです。

ブランド価値を守りながら売るポイントとは?

最後に、実際に販売する際に意識しておきたいのは、「値引き=安売り」ではないということ。
安さを前面に出すのではなく、“背景にあるストーリー”をちゃんと伝えることがカギになります。

たとえば…

  • 「パッケージ変更により在庫が出ましたが、中身はまったく問題ありません」
  • 「短い賞味期限ですが、必要な方にしっかり届いてほしいと思っています」
  • 「この商品を捨てずに使っていただけたら、とても嬉しいです」

こうしたメッセージがあるだけで、“ただのセール品”ではなく“共感で選ばれる商品”に変わるんです。

そして何より大事なのは、自社の理念や想いと矛盾しない販売方法を選ぶこと。
それが結果的に、企業の信頼やブランド価値を守ってくれると、私は感じています。

CO2削減につながる「OEFモデル」の実例

谷澤まさみ
谷澤まさみ

ここまで読んでくださった方の中には、
「うちもやってみたいけれど、実際にできるのかな?」
「在庫を活かす仕組みって、現実にはどんなもの?」
そんなふうに思われた方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ここでは廃棄を減らしながら、売上にもつながる実例としてのOEFモデルをご紹介します。
全国の卸売・メーカーさんと一緒に取り組んでいる、CO2削減とサステナブル販売の両立
そこには、これまでの「もったいない」が「ありがとう」に変わる、あたたかな物語があるんです。

購入は会員限定の「クローズド・バイイング」構造

OEFでは、商品情報は一般にオープンにしていますが、実際に購入できるのは会員だけという仕組みを採用しています。
この「クローズド・バイイングモデル」によって、以下のような安心が生まれます。

ブランド価値や市場価格への影響を最小限に抑えられる
値引き販売による取引先との関係悪化を防げる
“選ばれた購入者層”に限定することでプレミア感が生まれる

たとえば、卸やメーカーが気にする「価格崩れ」や「安売りイメージ」のリスクも、この仕組みによってしっかりコントロールできます。

つまり、「見せるけれど、誰でもは買えない」ことで、透明性と安心感のバランスが取れているんです。

売れなかった在庫が“共感商品”に変わる仕組み

OEFで扱われているのは、売れ残りやB品と呼ばれる在庫商品たち。
でもそれらは、決して“価値が低い商品”ではありません。
むしろ理由があって流通に乗らなかっただけで、中身はきちんとしているものばかりなんです。

OEFではそうした商品に、「どうしてこの商品がここにあるのか」という背景や想いを丁寧に添えて紹介しています。

たとえば、

  • パッケージ変更前の商品
  • 賞味期限が近いだけの未使用品
  • 季節外れで倉庫に残ってしまった在庫

こうした商品が、“応援したくなる”商品として生まれ変わっていくんです。
しかも、それを選んだ人たちがSNSで発信したり、身近な人に広めてくれたり…。
まるで在庫が「人の手で循環していく」ような、あたたかい流れが生まれています。

卸・メーカーの声「環境貢献と売上の両立が可能に」

実際にOEFに参加してくださっている卸・メーカーの皆さまからは、「ただ処分するよりも、ずっと納得感がある」という声を多くいただいています。

「環境への責任を果たせている実感がある」
「売上につながるだけでなく、社内の士気も上がった」
「顧客との対話が生まれて、商品への見方が変わった」

このように、売上と社会的意義の両立は、実はとても現実的なことなんです。

「エシカルに売る」ということは、甘い理想ではなく、現場でしっかり成果を出せる選択肢でもある。
そんな可能性を、OEFを通じてたくさんの企業と一緒に形にしていけたらと、心から願っています。

👉 安売りに見せずに在庫を売るOEFの仕組みをチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。