谷澤まさみ
谷澤まさみ

在庫を「捨てる」から「社会に役立てる」へ。卸業者が地域や環境に貢献する新しい販路のカタチとは?目次を見て必要なところから読んでみてください。

食品・日用品の卸業者が抱える「見えない社会的損失」とは

「まだ使えるのに」「捨てるしかないなんて」
そんな葛藤を抱えながら、倉庫の棚に並ぶ在庫を前に、胸の奥がチクリと痛んだことはありませんか?
とくに食品や日用品を扱う卸売業の現場では、賞味期限や季節性に縛られて、価値ある商品が廃棄されるという現実が少なくありません。

その背景には、売れ残りや返品、少しのパッケージ破損、あるいは商談キャンセルといった、いわば“予期せぬ理由”が潜んでいます。
でも、それが積み重なると、実は社会的にも大きな損失を生んでしまっているのです。

余剰在庫が引き起こす経済的・環境的ロス

まず見落としがちなのが、経済的なロスです。
在庫には保管コストがかかりますし、廃棄するにも処理費用が必要です。これが月をまたぎ、年度をまたぎ、積もっていくと、思っている以上に利益を圧迫してしまうものです。

それだけではありません。廃棄された商品は焼却や埋め立てといった方法で処理されるため、CO₂の排出や環境負荷の増加にもつながります
つまり、ただ“モノを捨てる”という行為が、じつは社会全体へのマイナスインパクトになっているということ。

経済的ロス: 保管・廃棄コストの増加
環境的ロス: CO₂排出、焼却エネルギー、資源の無駄づかい

私たちが日々の業務の中で「しょうがない」と片づけていることが、実は地域社会や地球環境への負担になっている可能性がある。
そう気づいた瞬間から、卸業者としての責任がちょっと違って見えてくるかもしれません。

ブランド価値とCSRのジレンマ

「在庫を処分したい。でも、ブランドの価値は守りたい。」
これもまた、多くの卸売業の方が抱える大きなジレンマではないでしょうか。

たとえば、アウトレットでの投げ売りや値引き販売は、短期的には在庫を減らす手段にはなります。
でも、それを不特定多数にオープンに売ってしまうと、正規ルートでの商品価値が下がり、取引先との信頼関係を揺るがしかねません

一方で、CSR(企業の社会的責任)やSDGsといった取り組みは、多くの企業が意識しているはず。
しかし実際には、「どう動けばいいのか分からない」「理想と現実のギャップがある」と、動き出すきっかけをつかめずにいる現場も多いのではないでしょうか。

そんな中で求められているのは、“捨てずに価値を活かす道”を、ブランドを守りながら実現できる方法です。
つまり、社会貢献とビジネスを両立できる新しい販路やパートナーシップの形を、今こそ一緒に考えていく時期に来ているのだと思います。

食品ロス・資源ロス削減に取り組む卸業の新しい責任

谷澤まさみ
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かつては「余ったら処分」が当たり前だった時代。
でも今は違います。私たち一人ひとりが資源の使い方を見直す責任を求められる時代になりました。
特に、日々大量の商品を流通させている卸売業の立場は、社会的にも非常に重要です。
在庫を「仕方なく捨てる」のではなく、どう価値に変えるか。その一歩が、企業としての信頼や未来への投資につながっていくのです。

社会課題への対応が取引先や消費者の信頼を高める理由

最近では、大手小売や製造業もサステナビリティを重視したパートナー選びをしています。
「この会社は環境や社会への責任をどう考えているか?」という視点が、発注元の判断基準にもなってきているんですね。

消費者の目も確実に変わっています。
“安いから買う”から、“共感できる企業から買いたい”という価値観へと、少しずつシフトしています。

そんな中で、社会課題にしっかり向き合っている企業は、取引先からも消費者からも信頼され、結果的に選ばれやすくなっているのです。

✅ 取引先との信頼強化
✅ 消費者の共感・ロイヤルティ向上
✅ 採用面でも「共感できる会社」としてのアピールに

小さな一歩でも、「この在庫を捨てずに生かせる方法はないか?」と考える姿勢が、社内外に良い循環を生む起点になるはずです。

「廃棄」から「価値転換」へ 在庫の活かし方改革

これまで「売れなかったら捨てる」だった在庫処分の考え方を、
「売り方を変えれば、まだ誰かの役に立てるかもしれない」という発想に変えていく。
ここに、これからの卸業の可能性が広がっています。

たとえば、賞味期限が迫った商品や季節外れのアイテムでも、価格や伝え方、販売チャネルを見直すことで、再び“価値ある商品”としてよみがえることがあります。
しかも、それがフードロス削減や地域支援につながる仕組みであれば、なおさら意味のある取り組みになります。

具体的には、

  • 限定された会員層に向けたクローズド販売
  • 福祉施設やこども食堂などとのマッチング
  • 在庫の背景にある“ストーリー”を伝える販売ページの工夫 など

在庫を“問題”ではなく、“チャンス”として見直すこと。
そこに、新しい卸業の責任と魅力があるのではないでしょうか。

地域社会への具体的な貢献モデルとは

谷澤まさみ
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「まだ食べられる」「まだ使える」
そんな商品たちが、もし地域の困っている誰かの手に届いたら…?
在庫を捨てることなく、“誰かの役に立つ流通”に変えていく。そんな新しい循環の形が、いま少しずつ広がっています。
卸売業という立場は、単なる供給者ではなく、地域と社会をつなぐハブのような存在にもなれるのです。

地元の福祉施設やフードバンクとの連携事例

たとえばある地域では、賞味期限が残り1か月を切った非常食や、パッケージに傷がある洗剤などを、地元の福祉施設やこども食堂に無償または低価格で提供する取り組みが始まっています。

「もったいないから助けたい」
その思いを共有できる団体とタッグを組むことで、余剰在庫が“感謝される支援物資”へと価値を変えるのです。

✅ フードバンクとの連携で地域の食支援をサポート
✅ 障がい者施設へ消耗品を提供して運営コストを削減
✅ 地域団体と連携してイベントや福祉バザーに商品を出品

こうした流れは、CSR活動としても評価されるだけでなく、地域からの信頼や認知度の向上にもつながります
とくに地元のメディアや行政とも協力すれば、「地域ぐるみのサステナブルモデル」として広がっていく可能性もあります。

地域経済に循環をもたらす「もったいない流通」

「安く売る=価値が下がる」という固定観念は、そろそろ手放してもいいかもしれません。
むしろ、「安くてありがたい」「資源を活かしてくれて嬉しい」という声が、地域にはたくさんあります。

たとえば、

  • 地元のマルシェや直売所で、訳あり商品を特設コーナーで販売
  • 商店街の空き店舗を活用した地域限定のアウトレットポップアップ
  • 地元住民へのクローズド販売で、ブランド価値を守りつつ流通

こうした“地域だけで回る販路”をつくれば、在庫を抱える卸業者にとっても、地元に住む人にとっても、WIN-WINの関係が築けます。

表にするとこんな感じです。

取り組み内容卸業者のメリット地域側のメリット
地域団体との寄付連携廃棄コスト削減、CSR強化必要物資を確保できる
地元での訳あり販売倉庫スペース圧縮、売上化手頃な価格で購入できる
限定流通モデル構築ブランド保護、新たな販路地域に還元される仕組み

このような「もったいない流通」は、数字以上に人の気持ちを動かすチカラを持っています。
それは、ビジネスとしての価値はもちろん、“社会に必要とされる企業”としての存在意義を高めてくれるのです。

サステナブルな販路確保で得られる5つのメリット

谷澤まさみ
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“在庫を無駄にしない選択”が、じつはビジネスにも社会にもプラスになる
そんな新しい販路づくりには、思っている以上にたくさんのメリットがあります。
ここでは、食品や日用品の卸業者が、サステナブルな流通モデルを取り入れたときに得られる5つの具体的なメリットをご紹介します。

廃棄コスト削減

まず何よりも分かりやすいのが、コスト面での効果です。
商品を廃棄するには、回収・処理・人件費などさまざまなコストがかかりますよね。

その一部でも販路に乗せて販売できれば、その分、廃棄費用は確実に圧縮されます。
さらに、売上としてわずかでも回収できれば、利益率の改善にもつながるのです。

「倉庫のスペースが空いた」「処分にかかる手間が減った」という声も、実際によく聞かれます。
ちょっとした積み重ねが、1年後には大きな違いになってくるはずです。

企業イメージの向上

“もったいない”に向き合う企業姿勢は、外部からの評価にも直結します。

「この会社はちゃんと環境や社会を考えているんだな」
そんな印象が、取引先・顧客・メディアからの信頼感につながります。

とくに最近では、エシカルやサステナブルな取り組みを評価軸にする企業も増えているので、
その姿勢自体が“選ばれる理由”になっていく時代です。

✅ ホームページやIR資料に取り組みを掲載すれば、広報的な価値もアップ
✅ ESG評価やBtoB商談の場でも、差別化要素として活用可能

新しい取引先の獲得

「その在庫、ぜひ扱わせてください」
そんな声が、意外なところから届くこともあります。

サステナブル販路に取り組むことで、エシカル商材やB品を扱う新たな業者、NPO、地域団体などとの出会いが生まれるのです。

こうした販路は、従来とは違う価値観を持つバイヤーや市場との接点になります。
結果的に、売り切れなかった在庫が“新しいお客様との出会いの入口”になることも少なくありません。

✅ ソーシャルグッドに関心のある事業者
✅ 地方自治体の関連部署や再流通プロジェクト
✅ エシカル系のEC・店舗とのコラボなど

社員のモチベーション向上

「これ、本当に捨てるのもったいないよね…」
そんな想いを、社員みんなが共有していたとしたら?

廃棄を減らす取り組みは、現場スタッフにとっても納得感のある仕事になります。
社会に役立っていると実感できることで、日々の業務がちょっと誇らしくなるんですね。

特に若い世代の社員やパートさんからは、
「こういう活動をしている会社って、かっこいいと思う」
といった声も出やすく、社内の一体感づくりにも一役買います

行政やSDGs推進団体との連携強化

サステナブルな動きを始めると、行政や地域のSDGs団体との協働機会も増えていきます。
とくに地方自治体は、食品ロスや地域福祉の取り組みに関心が高く、民間企業との連携を積極的に進めているケースも多いです。

✅ 地域プロジェクトへの参画
✅ SDGs啓発イベントでの協力
✅ 企業表彰や補助金制度の活用など

社会貢献と経済活動を両立させるパートナーとして、“この企業と一緒にやっていきたい”と思ってもらえる存在に近づくことができます。


この5つのメリットは、どれか1つでも得られたらうれしい効果ばかりですが、
うまく循環を回せば、相乗効果でいくつも重なっていく可能性があります。

だからこそ、「売れなかったら捨てる」から、「使い道を見つけて循環させる」へ。
その小さな一歩が、企業の未来をぐっと広げてくれるはずです。

OEFという「社会貢献型ECプラットフォーム」の活用法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

ここまでお読みいただいた方ならきっと、
「うちでも何か始めたいけど、実際どこでどうやって売ればいいの?」
そんな疑問をお持ちかもしれません。

そこでご紹介したいのが、私たちOEF(Outlet, Ecology, Foodloss)のしくみです。
OEFは、食品・日用品の卸売業者さんと一緒に、フードロスや資源ロスをなくしながら地域や社会に貢献するためのECプラットフォームとして運営されています。

ただのアウトレットサイトではありません。
“エシカル”と“経済性”を両立する、卸業者のための販路再設計の場なんです。

クローズド・バイイングモデルでブランド価値を守る仕組み

OEFでは、商品情報は誰でも閲覧できますが、実際に購入できるのは「会員」に限定されています。
このクローズド・バイイングモデルにより、「価格が見られるけれど、市場には出回らない」状態をつくり出しています。

つまり、

✅ ブランド価値を守りながら
✅ 一般市場の価格体系に影響を与えず
✅ 安心して在庫活用ができる

という、卸業者にとって理想的な販路が実現できるのです。

たとえば、「取引先には安く出したと知られたくない」「B品だけど、ブランドロゴは見せたくない」といったケースも、OEFなら柔軟に対応できます。
この設計が、数多くのサプライヤー様から選ばれている理由でもあります。

販売しながらフードロス・資源ロスを削減できる新モデル

OEFの出品はとてもシンプルです。
手数料は「売れたときだけ」かかる成果報酬型。さらに物流も各サプライヤー様にお任せできるため、無理なく導入できます。

「大量にあるわけじゃないけど、捨てるのも忍びない」
「セット組み替えで出た余り品をうまく活用したい」

そんなときに、OEFは小ロットでも柔軟に扱える販路として機能します。
しかも、購入してくれるのは“エシカルに共感してくれる人たち”。ただ売るだけでなく、想いも一緒に届けられるのが、OEFならではの特徴です。

地域・社会とつながる卸業の新しいスタンダードへ

OEFは、単に商品を売る場ではなく、社会課題に取り組む卸業者と生活者をつなぐプラットフォームです。
そして、その先には地域、行政、NPOとの協働の広がりもあります。

  • 地元の福祉団体への供給
  • フードドライブとの連携
  • 地域イベントへの協賛・協力 など

「OEFに出品する=社会とつながるアクション」という実感を、すでに多くの卸業者様が得ています。

もったいない在庫を、価値ある循環へ。
その選択が、会社の未来だけでなく、地域や地球の未来にもつながっていく
OEFは、そんな想いを形にできる場であり続けたいと考えています。

✅ 在庫処分に困ったとき
✅ CSRの一歩を踏み出したいとき
✅ ブランドを守りながら販路を広げたいとき

そのすべてに、OEFはきっとお役に立てるはずです。

👉 OEFを使った在庫処分の成功事例はこちらから読めます

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。