谷澤まさみ
谷澤まさみ

生理前になるとイライラが止まらない…それはPMSによる自然な反応です。食べ物や生活習慣で和らげる方法を、わかりやすく整理しました。目次を見て必要なところから読んでみてください。

PMSでイライラするのはなぜ?原因と仕組み

「どうして生理前になると、こんなにも気持ちが不安定になるんだろう」――私自身、長く抱えてきた問いです。PMSのイライラは、単なる“気の持ちよう”ではありません。ホルモン変動と脳のはたらきが深く関わっているからです。ここでは仕組みを整理し、自分を責めずに理解するための視点をお伝えします。

ホルモン変動が感情に与える影響

生理前のイライラの大きな要因は、エストロゲンとプロゲステロンの急激な変化にあります。
排卵後から生理が始まるまでの期間、プロゲステロンが優位になり、脳内のセロトニン(心を安定させる神経伝達物質)が減少しやすくなるのです。その結果、次のような状態が起こりやすくなります。

  • 気分の浮き沈みが激しくなる
  • 眠気やだるさが増す
  • ちょっとした刺激に過敏に反応する

つまり、感情をコントロールする土台そのものが揺らぎやすい時期。これは誰のせいでもなく、自然な体の仕組みなんです。私も「また同じことを繰り返してしまった」と落ち込むことがありました。でも仕組みを知ったとき、「私が弱いからではない」と腑に落ちた感覚を覚えました。

イライラが強く出やすいタイプと特徴

同じPMSでも、イライラが強い人とそうでない人がいます。違いを生むのは、体質や生活習慣、ストレスの抱え方です。たとえば:

  • ストレス耐性が低下しているとき(仕事や家庭で緊張が続く)
  • 睡眠不足が慢性化している人
  • 血糖値が乱れやすい食生活をしている人

こうした条件が重なると、ホルモン変動の影響が一層強く出やすくなります。
私の場合、忙しさでコンビニ食や甘いお菓子に頼っていた時期は、特に感情の波が荒れました。逆に食生活を少し整えるだけで「あの嵐のような日々」が和らぐのを体感したことがあります。

だからこそ、PMSのイライラは「性格」ではなく「状態」だと理解することが大切。まずは仕組みを知ることで、自分を責める悪循環から抜け出す一歩になるのです。


食べ物でPMSのイライラは変わる?

「気持ちの波って、本当に食べ物で変わるの?」と疑問に思う方は多いと思います。私も最初は半信半疑でした。でも振り返ると、甘いものに頼っていた時期と、バランスの良い食事を意識した時期では、心の安定度がまったく違ったんです。ここでは、なぜ栄養素がPMSのイライラと関係するのか、そして実際にデータで見えていることを紹介します。

栄養素が心の安定に関与する理由

脳と心の状態は、食べたものから作られる栄養素によって大きく影響を受けます。特にPMS期に関わるのは次のような栄養素です。

  • ビタミンB6:神経伝達物質セロトニンの生成に必要。足りないとイライラや不安が増えやすい
  • マグネシウム:神経を落ち着かせる働きがあり、ストレス反応を和らげる
  • カルシウム:ホルモン変動時の情緒安定に関与。摂取不足だと怒りっぽくなりやすい
  • タンパク質:心のバランスを整えるホルモンの材料。肉・魚・大豆製品からの摂取が大切

私自身、意識して豆類やナッツを取り入れたとき、「ちょっとしたことで怒らなくなったかも」と気づいたことがあります。体の土台を栄養で支えることが、感情の土台を整えることにつながるのだと実感しました。

食生活とPMS症状の関連データ

実際に、研究や調査でも「食とPMS」の関係は裏付けられています。たとえば:

  • カルシウムとビタミンDの摂取量が多い女性は、PMSの症状が軽いという報告がある
  • マグネシウム不足とPMS症状の強さには関連があるとされている
  • 高糖質・高脂肪の食事は、血糖値の急上昇と下降を招き、イライラや不安を悪化させることがある

表にまとめると、こんなイメージです。

栄養素期待できる作用不足するとどうなる?
ビタミンB6セロトニン生成を助ける気分の落ち込み、イライラ
マグネシウム神経の興奮を抑える不安感、怒りっぽさ
カルシウム情緒の安定怒りやすい、気分の不安定
タンパク質ホルモンや神経伝達物質の材料疲れやすさ、感情の乱れ

もちろん、食べ物だけですべての症状をコントロールできるわけではありません。ただし、日々の選択がイライラの度合いに影響する可能性は高い。だからこそ、「仕方ない」とあきらめる前に、食生活を整えることは有効な一歩になります。


PMSのイライラを和らげるおすすめの食べ物

「どんな食べ物を選べば、イライラが和らぐの?」――この問いは私自身が最も知りたかったことです。大切なのは、“がまん”や制限ではなく、足りていない栄養を補うこと。ここでは、特にPMS期の心と体をサポートしてくれる食品を紹介します。

ビタミンB6やマグネシウムを含む食品

ビタミンB6とマグネシウムは、脳の神経伝達物質を安定させるうえで欠かせません。特にビタミンB6はセロトニンの合成に必要で、マグネシウムは神経の興奮を鎮めるはたらきをします。

✅ ビタミンB6を多く含む食品

  • 鶏むね肉、鮭、マグロ
  • バナナ
  • 玄米

✅ マグネシウムを多く含む食品

  • アーモンドやカシューナッツ
  • ひじきやわかめなどの海藻
  • 豆類(大豆、枝豆、黒豆など)

私もよく、仕事中のおやつに素焼きアーモンドをつまんでいます。ちょっとした習慣ですが「なんだか落ち着くな」と感じることが増えました。“少しずつ取り入れる”ことが長続きのコツです。

カルシウムやたんぱく質の摂取の工夫

カルシウムは骨のためだけではなく、感情の安定にも関わります。乳製品だけに頼る必要はなく、次のような食品からも摂れます。

  • 小魚(ししゃも、煮干し)
  • 小松菜やチンゲンサイなどの青菜
  • 豆腐や厚揚げ

さらに、PMS期の気分の乱れにはたんぱく質も重要です。ホルモンや神経伝達物質の材料になるからです。

  • 卵や鶏肉、魚
  • 大豆製品(納豆、豆乳、味噌)

「全部意識しないといけないの?」と思うかもしれませんが、カルシウムとたんぱく質はセットでとると効率的。たとえば「豆腐の味噌汁+小松菜のおひたし」や「焼き魚+ほうれん草白和え」といった組み合わせなら無理なく摂れます。

発酵食品・食物繊維で腸内環境を整える

見落とされがちですが、腸の調子は心の調子と直結しています。腸内でつくられるセロトニンの一部は、精神の安定にも関わっているからです。

✅ 発酵食品

  • ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌

✅ 食物繊維

  • きのこ、海藻、オートミール
  • 野菜全般、特にゴボウや人参などの根菜

私はPMS期になると腸の不快感も強くなりがちでしたが、納豆やヨーグルトを習慣化したことで「気分の落ち込みが少しラクになったかも」と感じるようになりました。腸を整えることが、心の安定のサポートにもなるんです。


逆効果になりやすい食べ物と注意点

「イライラがつらいから、つい甘いものやお酒に手が伸びてしまう…」そんな経験はありませんか?私もまさにそうでした。けれど、実はそれが症状を悪化させていたと気づいたとき、大きなショックを受けました。ここでは、避けたい食品や摂り方の工夫についてお伝えします。

甘いもの・高脂肪食・加工食品

PMS期は特に、無性にチョコや揚げ物を欲してしまうことがあります。これは、ホルモン変動によって血糖値のコントロールが乱れやすくなるためです。

  • 甘いもの(ケーキ、菓子パン、ジュースなど)
    急激に血糖値を上げ、その後の急降下で余計にイライラや不安が強くなることがあります。
  • 高脂肪食(フライドチキン、ポテトチップスなど)
    消化に負担をかけ、体が重だるく感じやすくなります。気分まで沈むことも。
  • 加工食品(ハムやソーセージ、スナック菓子など)
    添加物や塩分の多さが体の負担となり、むくみやだるさを悪化させる可能性があります。

もちろん「絶対禁止!」ではなく、どう食べるかが大切。たとえばチョコならカカオ70%以上のビターチョコを少量にするなど、工夫次第で罪悪感なく楽しめます。

カフェイン・アルコールとの付き合い方

気分転換やリラックスのために、コーヒーやお酒に頼る人も多いと思います。私も以前は「この一杯がないとやってられない」と思っていました。ですが、カフェインやアルコールもPMS期には逆効果になりやすいのです。

  • カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)
    覚醒作用があるため一時的には気分が上がりますが、交感神経を刺激して不安感や動悸を招くこともあります。眠りの質を下げてしまうのも注意点です。
  • アルコール
    一時的なリラックス感はあっても、血糖値の乱高下や睡眠の質低下を引き起こします。翌日に気分が落ち込みやすくなることもあります。

完全にやめるのが難しい方は、量とタイミングを工夫すること

  • コーヒーは午前中の1杯まで
  • お酒は「飲まない日」をつくる

私は「夜のビールを炭酸水に置き換える」ことから始めました。すると翌朝の気分が少し軽くなり、自然と続けられるようになりました。


食生活に取り入れる工夫と続けるコツ

「わかってはいるけれど、毎日の忙しさの中でどう取り入れればいいの?」と思う方は多いはずです。私自身も最初は「結局続かない…」と悩みました。そこで役立ったのが、完璧を目指さず、できることを1つずつ習慣化する工夫でした。ここでは、無理なく実践できる食事のアイデアを紹介します。

簡単に実践できる一日の食事例

バランスを整えるといっても、難しい献立を作る必要はありません。ポイントは、ビタミンB6・マグネシウム・カルシウム・たんぱく質を自然に組み込むことです。

✅ 一日の食事例

  • 朝食:オートミール+ヨーグルト+バナナ+ナッツ
  • 昼食:玄米ごはん+鮭の塩焼き+小松菜のおひたし+味噌汁
  • 夕食:鶏むね肉のソテー+豆腐と野菜の味噌汁+ひじき煮
  • 間食:ビターチョコ1〜2かけ、素焼きアーモンド

私の場合、朝にバナナとヨーグルトを習慣化しただけで、午前中のイライラが減った実感がありました。一度に全部変えなくても、1つずつ積み重ねることが大切です。

外食・間食での選び方のポイント

忙しいときや外出時は、外食やコンビニに頼ることもありますよね。そんなときに少し意識するだけで、PMS期の気分を乱しにくくできます。

✅ 外食の工夫

  • 丼ものより「定食」を選ぶ(たんぱく質+野菜が揃いやすい)
  • 麺類だけで済ませず、サラダや小鉢を追加する
  • 揚げ物中心よりも、焼き魚や蒸し鶏などを選ぶ

✅ 間食の工夫

  • チョコはカカオ70%以上を少量
  • ポテチよりもナッツやドライフルーツ
  • 甘いドリンクではなく、水や炭酸水、ハーブティー

私はコンビニで「ヨーグルト+ゆで卵」をよく買います。お菓子より満足感が高く、イライラがぶり返しにくいと感じています。

選択の積み重ねが、PMSのゆらぎをやわらげるサポートになる。完璧を求めず、できる範囲で工夫することが長続きのコツです。


食べ物以外で気をつけたい生活習慣

食べ物の工夫は確かに大きな助けになります。でも、PMSのイライラは生活全体のリズムとも深くつながっています。私も食事を整えるだけでは限界を感じたことがあり、睡眠やストレスとの向き合い方を見直したときに、ようやく「波が少し落ち着いた」と実感できました。ここでは、食べ物以外の生活習慣で意識したいポイントを整理します。

睡眠・運動・ストレスマネジメント

睡眠

  • 寝不足はホルモンのリズムをさらに乱し、感情のコントロールを難しくします。
  • 「7時間眠れなければダメ」ではなく、寝る前のスマホをやめる・同じ時間に布団に入るといったリズムづくりから始めると効果的です。

運動

  • 軽い有酸素運動(ウォーキングやヨガ)は、セロトニンの分泌を促し、気分を落ち着けます。
  • 私はPMS期に「10分だけ外を歩く」ことを習慣にしています。短い時間でも、心のもやもやがスッと軽くなる瞬間があります。

ストレスマネジメント

  • 生理前は普段よりストレス耐性が低くなりがち。
  • 「全部やらなきゃ」と思うより、タスクを小分けにしたり、できないことは人に任せたりすることも大事です。
  • 日記やメモに感情を書き出すのもおすすめ。頭の中のモヤモヤが整理されやすくなります。

サプリや医療相談が必要なケース

食事や生活習慣を工夫しても、イライラや落ち込みが強すぎて日常生活に支障がある場合は、専門家に相談するサインかもしれません。

  • サプリメント:カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6などを補う製品もあります。ただし「飲めば解決」というものではなく、あくまで不足を補うサポートです。
  • 医療相談:気分の変動が激しく、仕事や家庭生活に大きく影響している場合は、婦人科や心療内科での相談が推奨されます。

私も「もう少し相談して早く安心してもよかったのかも」と思うことがあります。一人で抱え込む必要はないんです。受診することは弱さではなく、自分を大切にするための選択だと私は考えています。


まとめ:食べ物でできるPMS対策とセルフチェック

ここまで見てきたように、PMSのイライラはホルモンの変化による自然な反応です。だからこそ「私が弱いから」と責める必要はありません。食べ物や生活習慣のちょっとした工夫で、波をやわらげることは十分に可能です。最後に、行動に移しやすい形で整理してみましょう。

今日からできる小さな一歩

✅ すぐに取り入れやすい工夫を3つ挙げます。

  • 朝食に「ヨーグルト+バナナ+ナッツ」を追加してみる
  • コーヒーは午前中の1杯にとどめ、午後はハーブティーに切り替える
  • 間食にポテチではなくビターチョコやアーモンドを選ぶ

どれも大きな負担ではなく、日常の延長でできることばかり。私も最初は「このくらいで変わるの?」と思っていましたが、続けるうちに「あの日の私」が少しずつ変わっていくのを実感しました。小さな選択の積み重ねが、未来の自分をラクにするのだと思います。

受診を検討すべきサイン

食べ物やセルフケアである程度ラクになる方もいますが、中には専門的なサポートが必要なケースもあります。次のような状態が続くときは、婦人科や心療内科への相談をおすすめします。

  • イライラや気分の落ち込みが強すぎて、仕事や人間関係に大きく影響している
  • 睡眠や食欲の乱れが続き、生活リズムが立て直せない
  • 「もう自分ではコントロールできない」と感じてつらい

受診することは「我慢できなかった」ということではなく、自分を大切にするための一歩です。私も「もっと早く相談してよかった」と思った経験があります。


まとめると

  • PMSのイライラは体の仕組みであり、性格のせいではない
  • ビタミンB6、マグネシウム、カルシウム、たんぱく質を意識した食事が助けになる
  • 甘いものやカフェイン、アルコールは控えめに
  • 睡眠・運動・ストレスケアも欠かせない
  • つらさが強いときは医療機関に相談することが安心につながる

「また生理前が来るのが怖い」と思う日が減り、「この方法なら自分でできる」と思えるようになること。これが、フェムケアの第一歩だと私は信じています。


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