
生理前になると、つい甘いものや炭水化物に手が伸びてしまう――そんな自分にモヤモヤしていませんか?
ホルモンと上手に付き合いながら無理なく整えるヒントをまとめました。目次を見て必要なところから読んでみてください。
生理前に食べ過ぎてしまうのはなぜ?
「また今月もやっちゃった」――生理前になると、つい食べ過ぎて自己嫌悪に陥る。その繰り返しに、私自身もずっと悩んできました。
甘いもの、パン、ごはん……普段はそこまで欲しくならないのに、ホルモンのせいで食欲がコントロールできない感覚。どうして毎月同じように振り回されてしまうんだろう。
この章では、生理前に食べ過ぎる理由を、女性ホルモンの変化という視点から整理していきます。「自分が弱いから」ではないと気づくことが、向き合い方を見直す第一歩になるはずです。
ホルモンバランスと食欲の関係
私たちの体は、月経周期にあわせて2種類の女性ホルモン――エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響を受けながら、さまざまな変化をしています。
生理前、つまり黄体期(排卵後から生理開始までの約2週間)になると、プロゲステロンの分泌が増加。このホルモンは妊娠の準備のために体温を上げたり、水分をため込んだりしますが、実は食欲を高める作用もあります。
特にこんな変化が起きやすくなります:
- 空腹を感じやすくなる
- 血糖値が不安定になり、甘いものが欲しくなる
- 体がエネルギーを蓄えようとするモードになる
私も「さっき食べたばかりなのに、まだお腹が空いている気がする」なんて感覚に襲われて、自分をコントロールできないことがよくありました。
でもこれって、体がちゃんと機能しているサインでもあるんですよね。そう思えるようになってからは、「抑えつける」よりも、「どう付き合うか」を考えるようになりました。
PMSと黄体期に起こる体の変化
この時期には、食欲だけでなく心と体のバランスが不安定になりやすいとも言われています。いわゆるPMS(月経前症候群)が出やすくなるのもこのタイミング。
代表的なPMS症状には以下のようなものがあります:
- イライラする
- 集中力が続かない
- むくみやすい
- 胸が張る
- 気分が落ち込みやすい
これらの変化はすべて、ホルモンの急激な変動に体がついていけずに起きているもの。生理前に「なんとなく不調」が続く背景には、こうした内的要因があるということを、私も自分の体と向き合う中で知りました。
また、血糖値の上下も影響して、甘いものを食べたくなる→急激に血糖値が上がる→さらに欲しくなるというループに入りやすいのもこの時期。
私の場合、チョコやパンに手が伸びやすいのは、まさにこのサイクルが原因でした。
私が実感した「生理前の食べ過ぎ」の特徴
ホルモンの影響と頭ではわかっていても、「じゃあ、どうすれば食べすぎないで済むの?」という疑問は残りますよね。
私自身、PMSに悩みながら、「これってただの甘え?」「意志が弱いだけ?」と何度も自問自答してきました。
この章では、私が実際に経験している生理前特有の“食べ過ぎパターン”を整理します。あてはまることがあれば、「わたしだけじゃない」と思ってもらえるはずです。
甘いもの・炭水化物への強い欲求
黄体期に入ると、なぜかパンやケーキ、ラーメンなどの“炭水化物と脂質のセット”を欲することが増えます。
私の場合、特に以下のような食べ物に手が伸びやすくなりました:
- チョコレート(なぜかミルク系ばかり)
- 菓子パン(袋から出すだけの簡単なもの)
- フライドポテト(外出中に買ってすぐ食べたくなる)
- ごはん+おかずではなく「どんぶり」や「麺類」中心の食事
これ、体が“すぐにエネルギーになるもの”を求めている証拠でもあります。
黄体ホルモンの影響で体温が高まり、基礎代謝が少し上がるため、自然とエネルギーを欲しているんです。
でも、厄介なのはここから。
一度このスイッチが入ると、「これくらい平気」「今日だけ特別」と自分に言い訳をしながら、気づけばお腹いっぱい以上に食べてしまう。そしてその後、理由のない後悔と罪悪感に襲われるんですよね。
食べても満たされない感覚とその後の罪悪感
もっとも困ったのは、食べても満たされないあの感じ。
口は欲しい、でも心はどこか満たされていない。
そんな“空虚感”に、私自身もかなり振り回されました。
特に夜、ふとした瞬間に何かをつまみ始めると止まらない。そして、「やってしまった」と思っても、なぜかまた翌日も同じように食べてしまう。
これは単なる“食い意地”ではなく、ホルモンバランスと感情の乱れが組み合わさった結果だと思っています。
生理前はセロトニン(幸せホルモン)の分泌が減りやすく、メンタル的に不安定になりがち。
甘いものを食べると一時的にセロトニンが増えるので、「またあの気分を取り戻したい」と無意識に食べ物を求めてしまう。
でも、食べ終わったあとはむしろ疲れていたり、自己肯定感が下がっていたりすることが多くて……。
この時期に食べたくなるのは、「お腹が空いているから」だけじゃなく、心がバランスを求めているからだったんですよね。
✅ この事実に気づいたとき、「私ってダメだな」ではなく、「ホルモンにちゃんと反応できてるんだ」と思えるようになりました。
食べ過ぎとどう向き合う?私が試して効果があったこと
生理前に食べすぎてしまうのは、単なる意志の問題ではありません。だからといって、何もできないわけでもない。
私がこの数年でようやく見つけたのは、「我慢」でも「諦め」でもない、第3の向き合い方でした。
この章では、食欲に振り回されないために私が実際に試して、「これはよかった」と感じた方法を3つご紹介します。どれも、特別なスキルや道具は不要。気づきと習慣の工夫で、変わっていける実感が持てるはずです。
まずは「記録する」ことで自分を客観視
食べすぎ対策で一番最初に効果があったのは、「何を、いつ、どんな気持ちで食べたか」を記録することでした。
スマホのメモ帳でも、紙のノートでもOK。ポイントは、「良い/悪い」でジャッジせず、“観察者”の目線で書くということです。
たとえば、ある日の記録はこんな感じ:
- 16時:チョコレート2枚 → 疲れていた。甘いものでホッとしたかった
- 20時:白ごはんおかわり → 無意識。お腹が空いていたわけではない
- 22時:クッキー2枚 → 仕事でモヤモヤして、なんとなく口が寂しかった
こうして記録してみると、単なる「食欲」ではなく、感情とのつながりが見えてくるんですよね。
✅ 自分のパターンがわかってくると、「あ、またこの流れになりそうだな」と早めに気づけるようになります。
この「気づき」の積み重ねが、無理のない自己管理につながっていきました。
食べるものを変える:満足感とバランスを意識
食べすぎるのを防ぐには、食べる量を減らすより、“食べるもの”を変える方が早い――これは私の実感です。
生理前の欲求に応えつつ、血糖値の急上昇を防ぐために意識していたのは、以下のような食べ方です:
- おやつを「お菓子」ではなく「素材」に近いものへ
→ 例:ナッツ、干し芋、甘栗、ゆで卵、無糖ヨーグルト - 主食は「白ごはん」より「雑穀入り」や「玄米」に
- 甘さが欲しいときは「果物」を選ぶ(みかん、バナナなど)
これらを選ぶだけで、「ちゃんと食べた感」が残るんですよね。満足感が高いので、その後の暴食を防ぎやすくなりました。
ちなみに、私は小分けパックや保存しにくいものを選ぶようにもしていました。そうすると、つい食べすぎそうなときでも、「まあ、また明日食べよう」と思えるようになったんです。
完璧を目指さない「ゆるいルール」の設定
そして何より大切なのは、完璧を目指さないこと。
以前の私は、「今月こそ、食べすぎないぞ」と意気込んで、生理前でも野菜中心にがんばろうとしていました。でも、無理が続くと必ずどこかで反動が来るんですよね。結果、「もういいや」となって、逆に大量に食べてしまうことも。
だから今は、「食べすぎてもいい日」をあらかじめ作っています。たとえば:
- 生理予定日の5日前は“ごほうびスイーツの日”
- 夜に甘いものを食べるなら、朝と昼は整える
- 1日3食きっちりじゃなくてもOK。お腹が空いたときに食べる
✅ ゆるいけれど、自分で決めたルールにはちゃんと納得できるから、罪悪感も少なくなります。
そうやって、「またやっちゃった」ではなく、「今回はこれでOKだった」と言える回数を少しずつ増やしていく。
その積み重ねが、結果的に食べすぎの波をゆるやかにしてくれました。
周囲との付き合い方と気持ちの切り替え
生理前の食欲や気分の波に振り回されていると、「また家族にイライラしてしまった」「周りに変に思われたかも」と落ち込むこと、ありませんか?
私も、パートナーに八つ当たりした後で自己嫌悪に陥ったり、会社員時代には「食べすぎてるのを見られたくない」と隠れておやつを食べたりしていました。
この章では、周囲との関係性にどう向き合うか、そして自分自身の気持ちをどう整えていくかについて、私が実際にやってよかったことをお伝えします。
パートナーや家族に知ってもらう工夫
生理前の不調や食欲の変化を、家族やパートナーにうまく伝えられない……それって本当につらいですよね。
私も長い間、「察してほしい」と思いながら、でもうまく伝えられずにいました。
でもあるとき、「伝えていないのに、理解してもらおうとしてたな」と気づいたんです。
それからは、“説明する”のではなく、“共有する”という感覚で、ゆるくコミュニケーションを始めました。
たとえばこんなふうに伝えています:
- 「この時期は食欲がすごく出ちゃうから、変だと思わないでね」
- 「甘いものばっかり食べたくなるの、PMSの影響なんだって」
- 「今日はホルモン的に落ちやすい日かも。ちょっと優しくしてくれると助かる」
✅ ポイントは、「ホルモンのせいでこうなっちゃうんだ」と、自分のせいにしない伝え方。
一度こうやって話しておくと、相手も心構えができるのか、余計な誤解や衝突が減ったように感じます。
大げさな説明や医学的な正確さは不要。「私の体はこういうリズムなんだ」と日常の会話にすることが、安心感につながりました。
自分を責めずに過ごすためのセルフケア
「また食べすぎた…」
「家族に当たっちゃった…」
そんなとき、つい自己嫌悪のループに入ってしまいがちですが、私が実践してきたのは、“責める代わりにケアする”という視点の切り替えです。
たとえば、次のようなことを習慣にしています:
- お風呂の時間を5分だけ長くして、ぼーっとする
- 好きな香りのオイルで手をマッサージする
- 「できたことリスト」を書いて、自分を肯定する
- 寝る前に1行だけ日記を書く(今日はこんな自分もOK、と締める)
どれも特別なことではありません。でも、「ちょっと自分にやさしくする」という意識を持つだけで、心の余裕が変わってくるんです。
それから私は、「生理前の自分を1人の登場人物として見る」という視点もよく使っています。
たとえば、「PMS中のわたし」は、ちょっと食いしん坊で、涙もろくて、繊細な人。そんな彼女に対して、「また暴れてるな」と笑って見てあげる感覚です。
そうすると、不思議とイライラや罪悪感も和らいで、「まあ、こういう時期だしな」と流せるようになります。
✅ 自分に完璧を求めるより、「今日はこれでよし」と思えること。それがいちばんのセルフケアだと思います。
よくある疑問と注意点
生理前の食べ過ぎや気分の波を経験する中で、「これって普通なの?」「もしかして何かの病気?」と不安になることもあるかもしれません。
私自身も、食欲が止まらなかった頃は、「ホルモンって便利な言い訳にしてるだけじゃない?」と自分を疑ったことが何度もあります。
この章では、よく寄せられる2つの疑問について、私の体験と一般的な知識をもとに整理します。
※なお、体調に不安がある場合は、早めの医療機関の受診をおすすめします。
食欲が強すぎるのは病気のサイン?
結論から言えば、生理前の一時的な食欲の増加は、自然なホルモン反応の一部であることがほとんどです。
でも、次のような状態が長期間続く場合は、一度婦人科や内科で相談してみると安心です:
- 食欲の変化が激しすぎて、日常生活に支障が出ている
- 生理前だけでなく、常に過食衝動がある
- 生理前の情緒不安定が、仕事や人間関係に深刻な影響を与えている
- 体重が急激に増減している
これらは、PMDD(月経前不快気分障害)や摂食障害など、別の要因が関係している可能性もあります。
✅ 「少し気になるな」と思った段階で受診するのは、決して大げさなことではありません。
私も以前、「何科に行けばいいかすらわからない」と迷ったことがありました。
そんなときは、まず婦人科で月経周期について相談してみると、食欲の背景も見えてくることがあります。
我慢しすぎると逆効果?
「生理前なんだから、ちゃんと我慢しなきゃ」――この考え方、以前の私もずっと信じていました。
でも、我慢を重ねすぎると、かえって反動でドカ食いしたり、自己肯定感が下がったりして、結果的にメンタルも身体も疲れてしまうんですよね。
とくに気をつけたいのは以下のようなケースです:
- 「これを食べたらダメ」とルールを厳しくしすぎる
- 食欲を感じた自分を責めてしまう
- 食べたあとに運動や絶食で“取り返そう”としてしまう
こうした行動が続くと、「食べること=悪いこと」という意識が根づいてしまう可能性があります。
✅ 食欲は敵ではありません。「体のサイン」として受け取ることが、長期的には一番の対策になると思っています。
私がたどり着いた結論は、「コントロール」よりも「観察」すること。
そうすると、我慢よりも“調整”がしやすくなり、「今日はちょっと多めに食べたけど、それでいい」と思えるようになります。
まとめ:生理前の自分と上手に付き合うために
生理前の食べすぎって、わかっているのにやめられない。
でも、やめられない自分を責めても、余計に心が疲れてしまう――。私もそのループからなかなか抜け出せずにいました。
でも、少しずつ自分のリズムを知って、整えていくうちに、ようやくこう思えるようになったんです。
「ホルモンに振り回されるのではなく、ホルモンと付き合っていく」という選択肢があるんだ、と。
ここでは、私が実感してきた3つのステップにまとめてみました。
気づく→ゆるめる→整えるの3ステップ
- 気づく:まずは「食べたくなる自分」「不安定な自分」に気づく
→ 記録することで、体と感情のつながりが見えるようになります。 - ゆるめる:すぐに変えようとせず、「こんな日もあるよね」と許す
→ 自分にやさしい言葉をかけることも、立派なセルフケア。 - 整える:習慣や食べ方を見直して、自分のペースを作っていく
→ 食べるものや時間を工夫すれば、“満足感”はちゃんとつくれます。
この3つを意識するようになってから、生理前の自分が怖くなくなりました。
完璧にしなくていい。リズムを理解して、少しずつ扱い方を知っていく。それが、ホルモンと暮らしていくということだと、今は思っています。
心と体にやさしいリズムを作るには
食べすぎも、気分の波も、誰かと比べる必要はありません。
私たち一人ひとりが持つホルモンのリズムは違うからこそ、「自分の感覚」に耳を傾けることがいちばん大事。
- 疲れていたら、無理せず休む
- 食べたくなったら、罪悪感なく食べ方を選ぶ
- 不調が長く続いたら、ためらわず相談する
✅ どれも、“私を大事にする”選択です。
フェムケアって、特別なことをするんじゃなくて、日常の中で“自分の味方になる”行動を選ぶことだと私は思っています。
もし今、「私も生理前の自分とうまく付き合いたい」と感じていたら、
フェムケアのヒントや実践のサポートを受け取れるLINEにぜひご登録ください。
私自身の経験や、小さな工夫を、あなたの日常にも届けていけたらうれしいです。
あなたの“わたしらしいケア”が、今日ここから始まりますように。