谷澤まさみ
谷澤まさみ

毎月やってくる感情の波に振り回され、自分らしさを見失いそうになった日々。
PMDDと向き合う中で、私は暮らしと生き方を少しずつ変えてきました。
目次を見て必要なところから読んでみてください。

PMDDが暮らしを変えるきっかけに(実体験ベースで共感を引き出す)

PMDDという言葉を、初めて耳にしたとき。私は正直、「また新しい診断名が増えたな」くらいにしか思っていませんでした。でも、それが自分の生活に深く関わることだと気づいた瞬間から、暮らしのあらゆる面が変わり始めたんです。

ここでは、私がPMDDに気づいた経緯と、原因を知ってどう向き合うようになったのか、リアルな体験を交えながらお話しします。もし今、あなたが「もしかして私も?」と感じているなら、少しでも気づきのきっかけになれば嬉しいです。

私がPMDDに気づいたきっかけ

毎月、決まってやってくる「自分じゃなくなる感じ」。
涙が止まらなかったり、人に当たってしまったり、とにかく感情のコントロールがきかない数日間。

それがPMS(月経前症候群)だと思っていた頃は、「しょうがない」と自分をなだめるしかありませんでした。でもある日、ふとカレンダーを振り返ってみたんです。すると驚くほど毎月同じ時期に、同じような落ち込みやイライラ、自己否定感に襲われていたことに気づきました。

仕事も家庭も、まるで“別人格の私”が壊していくような感覚。
しかも、その時期が終わると「なんであんなことで泣いたんだろう」と自分を責める。
その繰り返しに、心も体も限界を感じていました。

ある夜、ネットで「月経前 人格変わる」と検索したときに出てきたのがPMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder/月経前不快気分障害)という言葉でした。

「これかもしれない」と思った時、少しホッとしたのを覚えています。
「私だけじゃなかったんだ」と、やっと言葉が見つかったような気がしたんです。

原因を知って感じたこと・向き合い方の変化

PMDDの原因ははっきりとはわかっていないと言われていますが、ホルモンの急激な変動と、脳内の神経伝達物質(とくにセロトニン)との関係が注目されています。

私も最初は「原因が不明ってことは、どうすればいいの?」と不安になりました。
でも、こう考えるようになったんです。

「原因は1つじゃない。だからこそ、できることがあるはずだ」

この視点の転換が、暮らしを見直す原点になりました。

例えば:

  • 食事を見直して、血糖値が急激に上下しないようにする
  • 睡眠のリズムを整え、体内時計のブレを防ぐ
  • 生理周期をアプリで記録し、「予兆」に気づけるようにする
  • イライラや落ち込みを「私のせい」と責めず、「ホルモンの波」と捉える

こうした小さな習慣が、自分の感情と少し距離を置くための“土台”になっていきました。

特に大きかったのは、「私が悪いんじゃない」と思えるようになったこと。
PMDDの根っこには、自分を責める癖が染みついていたことにも気づいたんです。

もちろん、PMDDがすぐに治ったわけではありません。
でも、向き合い方を変えることで、自分の暮らしを守れる実感が少しずつ育ってきました。

✅「感情を我慢する」のではなく、「感情の波に備える」ことができるようになった。
それは私にとって、小さくても確かな前進でした。

暮らしの中で見直したこと(具体的な変化を提示)

PMDDの原因を知り、「これ以上、自分を責めない暮らしをしたい」と思った私が最初に取り組んだのは、毎日の生活習慣を整えることでした。

正直、それまでの私は「不調=メンタルが弱いせい」と思い込んでいた節があります。でも、体と心はつながっている。ライフスタイルがそのまま“症状の重さ”に直結していることに気づいたんです。

ここでは、私が実際に見直してきた食事・睡眠・思考習慣について、具体的にお話しします。

食事と栄養を意識するようになった理由

PMDDの症状がピークになる時期、私は決まって甘いものに手が伸びていました。
「今日はしんどいから、コンビニスイーツでご褒美」そんな日が増えるたびに、翌日の気分の落ち込みがひどくなることに気づいたんです。

調べてみると、血糖値の急激な変動が感情の起伏に影響を与えることがあると知りました。

また、女性ホルモンと関わりのあるビタミンB群、マグネシウム、鉄分などが不足していると、脳内のセロトニン分泌にも影響する可能性があると言われています。

そこから私が始めたのは、「足りないものを足す」食事へのシフトです。

  • 毎食にたんぱく質(卵、豆腐、魚など)を入れる
  • 白米よりも、雑穀や玄米を取り入れる
  • 甘いものが欲しくなったら、まずナッツやドライフルーツに置き換える
  • カフェインを控え、温かいハーブティーや白湯を意識して飲む

これらを「絶対やらなきゃ」ではなく、“選べることが増える”感覚で続けています。
完璧じゃなくてもいい。そう思えたことで、むしろ長く続いているのかもしれません。

睡眠と生活リズムを整える工夫

PMDDの時期、何より乱れがちだったのが「睡眠の質」と「体内リズム」です。

特に、感情の波が激しい日ほど寝つきが悪く、寝ても途中で目が覚めてしまう。朝起きられないことで、自己嫌悪が重なって悪循環になっていました。

そこでまず見直したのが、「眠る前の時間の過ごし方」です。

  • 寝る2時間前にはスマホを手放す(ブルーライト対策)
  • 湯船に15分だけ浸かって、体をじんわり温める
  • 心がざわざわするときは、アロマや深呼吸で緩める
  • 眠れない日は「寝なきゃ」と思わず、目を閉じて“横になるだけ”でもOKと考える

特に役立ったのは、「毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる」こと。
これは思った以上に、ホルモンバランスの安定と気分の波の軽減につながりました。

自分の体は“機械”じゃないけれど、ある程度のリズムがあると安心します。
それを整えてあげるだけで、感情が暴走しにくくなる実感がありました。

気持ちを守るために手放したもの

「改善しよう」と意気込むと、つい“足すこと”ばかり考えがちですが、PMDDと向き合う中で大事だったのは、手放すことでした。

私が手放したものは、こんな感じです。

  • 「ちゃんとしなきゃ」という完璧主義
  • SNSで他人と自分を比べてしまう時間
  • 「普通はこうするべき」という謎の基準
  • 疲れていても、無理に笑顔を作るクセ
  • 感情を押し殺して人に合わせる習慣

これらはすべて、“気づかないうちに心を消耗させていたもの”です。

手放すことで、自分の内側にスペースができました。
そのスペースに、「今はちょっと休もう」とか「今日はこれだけで十分」という言葉を置けるようになったんです。

✅「暮らしを整える」って、キラキラしたルーティンを増やすことじゃなくて、
“無理していたことを減らす”ことから始まるんだと実感しています。

周囲との関係にも変化が(人間関係・パートナーシップ)

PMDDの症状と向き合う中で、一番難しかったのが「人との関わり方」でした。

どんなに体にいいことをしても、どんなに自分をいたわっても、人間関係で傷つくと一瞬で気持ちが沈んでしまう。それがPMDDのつらいところでもあります。

でも、それは裏を返せば――関係性が整えば、症状が軽くなる可能性もあるということ。
ここでは、私が試行錯誤しながら気づいた「伝え方」と「頼り方」のコツをお話しします。

理解してもらうために伝えたこと

PMDDのつらさって、外からは見えにくいんですよね。

「急に泣いたり怒ったりして、ごめん」
そんなふうに謝りながら、誰にも本音を打ち明けられずにいました。

でもある時、パートナーとの衝突が重なって、「もう隠し通せない」と感じたんです。
勇気を出して伝えたのは、以下のようなことでした。

  • 月に数日だけ、どうしても自分らしくいられない日がある
  • それは自分の意思ではなく、ホルモンの影響で感情がコントロールできない状態であること
  • 理解してほしいというより、責めないでほしい/距離を取ってもいいから、否定しないでほしいこと

正直、話すまではすごく怖かったです。
でも、「ちゃんと理由があったんだね」と言ってもらえたことで、孤独感がすっと軽くなったのを覚えています。

もちろん、全員がすぐに理解してくれるわけではありません。
でも、自分の状態を正しく伝えることで“誤解される痛み”は減らせる
これは私にとって、とても大きな気づきでした。

距離の取り方・頼り方のコツ

PMDDの時期は、誰かと一緒にいることすらつらく感じることがあります。
それでも日常生活は止まってくれませんよね。だからこそ大切なのが、“頼る”と“離れる”のバランスです。

私が実践しているのは、こんな工夫です。

  • 「そろそろ不安定になりそう」と思ったら、先に周囲に伝えておく(パートナーや職場の人)
  • 頼れる人には、「〇〇してくれると助かる」と具体的にお願いする
  • 無理に会話や家事をしなくてもいいように、一人になれる時間や空間を確保しておく
  • 気持ちが揺れる時期は、LINEの返信も“後回しOK”と自分に許す
  • 感謝や謝罪を伝えられなかったときは、後日あらためて伝える(あとからでも、伝えることが大事)

PMDDの波は、自分ではどうにもできない部分があります。
だからこそ、コントロールできる「人との距離感」には、意識を向けるようにしています。

✅「頼ること」は甘えじゃなくて、共に生きる力。

そう思えるようになってから、人との関係がずっとラクになりました。

PMDDを通して見えた「わたしの暮らし」(前向きなまとめ)

PMDDと向き合ってきたこの数年、正直「もう治った」と言える日は来ていません。
でも、以前の私と今の私では、暮らしの質も、自分へのまなざしもまったく違うと感じています。

それは、「病気を治す」こと以上に、自分を知って、守る選択肢を持つことの大切さを実感できたから。
このセクションでは、そんな気づきの集大成として、「変わったこと」と「これからも続けたいこと」をお伝えします。

症状は消えなくても暮らしは変えられる

PMDDの症状がゼロになったかというと、正直そうではありません。

毎月、周期が近づいてくると、「またあの波が来るかも」という不安がよぎります。
でも、その波に飲み込まれずにすむ日が、少しずつ増えてきたんです。

それは、以下のような変化を積み重ねてきたからだと思っています。

  • 「この時期は自分を甘やかす」ことを正当化できるようになった
  • パートナーや職場に“波が来るタイミング”を可視化して伝えるようになった
  • 感情の揺れに気づいたとき、「これはPMDDのせいかも」と距離を取って観察できるようになった

つまり、PMDDに“振り回される自分”から、“付き合い方を選べる自分”になったということ。

この変化があるだけで、暮らしの心地よさは格段に上がります。
症状がゼロでなくても、「今の自分にフィットする暮らし方」はちゃんと見つけられる。
そう実感しています。

自分を大切にするためにこれからも続けたいこと

私がこれからも意識して続けていきたいのは、「ちゃんと立ち止まること」です。

忙しくしていると、どうしても自分のことは後回しになりがち。
でも、PMDDと向き合うようになってからは、“見て見ぬふりをしない”ことの大切さを学びました。

今後も、こんなことを自分の暮らしに根づかせていきたいと思っています。

  • 生理周期を記録して、「予兆」に気づく習慣
  • 無理に元気を装わず、「今日はつらい」と言える環境づくり
  • 小さな違和感に耳を澄ませる、体との対話
  • 食事や睡眠のリズムを、“体を整えるツール”としてとらえる
  • 「がんばらない日」を、罪悪感なく設ける勇気

そしてなにより、自分をケアすることを後回しにしないという意識。
これはフェムケアを仕事にしている私自身が、いちばん大切にしている姿勢です。

✅PMDDは、私の暮らしに「ブレーキ」をかけた存在でした。
でもそのブレーキのおかげで、私は自分とちゃんと向き合うきっかけをもらえたとも言えます。

そう思えるようになった今、「症状とともに生きる」ことは決してネガティブなことではなくなりました。
そして、同じように悩む誰かが、「私だけじゃない」と思えたら――その小さな気づきが、次のケアへの一歩になると信じています。

よくある質問と注意点(検索ニーズ対策・受診推奨)

PMDDに関する情報を探していると、「これって私も当てはまるのかな?」と不安になることもあると思います。
また、「病院に行くべきかどうか」「診断を受けるにはどうしたらいいのか」といった疑問も、私自身たくさん抱えてきました。

ここでは、検索されやすい2つの疑問について、わかりやすくお答えします。
あくまで一般的な情報としてご紹介しますが、体調に不安を感じたら医療機関での相談を優先してください。

PMDDの診断はどうやって受けるの?

PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder/月経前不快気分障害)は、精神的な症状が中心となるPMSの重度の形とされています。
しかし、ホルモンやメンタルの領域にまたがるため、診断や対応が難しいのが現状です。

基本的な流れとしては、以下のようになります。

  1. 婦人科または心療内科・精神科に相談
  2. 月経周期と症状を2~3か月分、記録して持参
  3. 必要に応じて、血液検査やホルモン検査を受けることも
  4. 他の疾患(うつ病や双極性障害など)との鑑別を行い、PMDDの可能性を検討

診断に必要なのは、「月経前にだけ強い情緒不安定や怒り・不安が出る」ことが周期的に繰り返されているという事実です。
そのため、セルフ記録がとても重要になります。

✅診察前に役立つセルフ記録の例:

  • 毎日の気分・体調・出来事を一言メモ
  • 「イライラした・涙が出た」などの感情面の変化を具体的に
  • 生理開始日と終了日を記録

私自身も、スマホのカレンダーに「今日はつらい」「感情が乱れた」とメモすることから始めました。
完璧な記録じゃなくても大丈夫。自分の心と体を“見える化”することが、診断の一歩になります。

どこまでが「普通」で、どこからが病気?

これが一番多い質問かもしれません。
「みんなもイライラしてるし、私だけが過敏なわけじゃないよね?」
そう自分に言い聞かせながら、つらさを抱え込んでしまう人は多いです。

でも、「つらい」と感じている時点で、ケアしていいと私は思っています。
そのうえで、医療的に“PMDDが疑われるライン”としてよく言われるのは、以下のような場合です。

  • 月経前になると日常生活(仕事・家事・人間関係)に支障をきたすレベルの情緒不安定がある
  • 生理が始まると、ウソみたいに気分が元に戻る
  • 「消えてしまいたい」「全部投げ出したい」と思うほどの絶望感が周期的にやってくる
  • 感情の波が強すぎて、自分でも自分がコントロールできないと感じる

これらに月1回以上、繰り返し当てはまる場合は、ただのPMSではなくPMDDの可能性もあります。

大切なのは、「みんな我慢してるから私も我慢しなきゃ」と思わないこと。
他人と比べるのではなく、“昨日の自分”と比べて違和感があるかどうかを見つめてみてください。

✅「病気かどうか」よりも、「今の自分を少しでもラクにできる方法があるか」
そう考えた方が、ずっとやさしく、前向きにケアを選べるようになります。

まとめ:私のように悩む人へ伝えたいこと

PMDDという名前を知る前の私は、「この不安定さは私の性格の問題」だとずっと思っていました。
でも、違いました。これは私のせいじゃない。私の体と心の仕組みによるものだったんです。

この気づきは、暮らしも、人との関係も、何より“自分へのまなざし”を大きく変えてくれました。

今、同じように悩んでいるあなたに、最後に伝えたいことがあります。
それは「一人でがんばらなくていい」ということ。
そして、「あなたの暮らしは、ちゃんと守っていい」ということです。

一人で抱えないためにできること

PMDDのつらさは、言葉にしにくいところがとても難しいと思います。
周囲に理解されづらく、「また感情的になってる」と見られてしまうのが怖くて、誰にも話せないこともあるかもしれません。

でも、完全に理解されなくてもいいんです。
ほんの少し、「そうなんだね」「しんどかったね」と言ってくれる誰かがいるだけで、回復の速度はまったく違ってくると私は実感しています。

頼れる人がいない場合は、専門のカウンセラーや医療機関、フェムケアの情報発信をしている場所でもいい。
“感情を出せる場所”をどこかに持つこと。それだけで、気持ちは随分軽くなります。

自分を守れるのは、自分だけ。
でも、「一人きりじゃない」と思えることは、何よりの安心材料になります。

日々を記録する・見直す習慣

私が一番おすすめしたいのが、自分の気分と体調を“可視化”することです。

「今日ちょっと情緒が不安定だった」
「眠りが浅かった」
「人に当たってしまった」
どんな些細なことでもいいので、手帳やスマホに一言だけ書いてみる

それを続けていくと、以下のような効果が出てきます。

  • 感情が「ただの暴走」ではなく、パターンがあることに気づける
  • 周囲に説明しやすくなり、理解を得やすくなる
  • 医療機関での受診時に具体的な話ができる
  • 「今回の自分はよくやった」と自分を褒める材料になる

PMDDのように、波のある症状は「記録すること」で整い始めると私は思っています。
日記でなくても、ただのメモで十分。
✅未来の自分のために、“今”の自分を記録してみてください。

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PMDDをはじめとする女性特有の不調は、まだまだ「誰にも言えない」まま抱えられがちです。
でも、知ること・話すこと・選ぶことを少しずつ積み重ねていけば、暮らしはちゃんと変わっていきます。

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