谷澤まさみ
谷澤まさみ

「私だけ?」と感じていたPMDDの不安が、吸水ショーツとの出会いで少し変わりました。自分を責めないケアのヒントをまとめたので、目次を見て必要なところから読んでみてください。

目次
  1. PMDDとは?PMSとの違いや主な症状を知っておこう
    1. PMSとPMDDの違いとは
    2. PMDDの主な症状と影響
    3. 自分がPMDDかもしれないと感じたきっかけ
  2. PMDDの原因は何?ホルモン・ストレス・生活習慣
    1. ホルモンバランスの影響
    2. ストレスと自律神経の関係
    3. 生活習慣が与えるPMDDへの影響
  3. 吸水ショーツとの出会い:私のPMDD対策に変化が
    1. 吸水ショーツを試したきっかけ
    2. 実際に使って感じたメリットと心の変化
    3. なぜPMDDの私に吸水ショーツがよかったのか
      1. 1. 「不快感からの解放」が精神的安定につながる
      2. 2. 「自分を丁寧に扱っている」感覚が生まれる
      3. 3. 「管理の手間が減る」=脳のキャパを守れる
  4. 吸水ショーツの特徴とPMDDに役立つ理由
    1. 吸水ショーツの基本構造と種類
    2. 通常の生理用品との違い
    3. PMDDのセルフケアアイテムとしての可能性
      1. 1. 「準備の手間」を省ける=負担軽減
      2. 2. 「見た目」が気分を左右しにくい
      3. 3. 「自己肯定感」を邪魔しないケア
  5. PMDDと向き合うために大切なこと
    1. 我慢しない:婦人科受診のすすめ
    2. 自分の体調を記録することの大切さ
    3. パートナーや周囲とのコミュニケーション
  6. まとめ:PMDDとともに生きる私が伝えたいこと
    1. 気づくことから始まるセルフケア
    2. 「当たり前」を変える道具との出会い
    3. 一人で悩まず、つながることで楽になる
  7. ✅ あなたの「ケアの選択肢」を増やす情報、届けています

PMDDとは?PMSとの違いや主な症状を知っておこう

「PMSはよく聞くけれど、PMDDって何が違うの?」そんなふうに感じたことはありませんか?
私自身、長年PMSだと思っていた不調が、実はPMDD(※月経前不快気分障害)だったと知ったとき、大きな衝撃を受けました。

この章では、PMSとPMDDの違いや、PMDDの代表的な症状、そして私がそれに気づいた経緯について、生活者の視点で丁寧にお話ししていきます。
もし「生理前の不調がどうにもつらい」と感じているなら、あなたの体と心の理解に役立つ内容になるはずです。


PMSとPMDDの違いとは

PMS(月経前症候群)は、生理前に現れる不快な症状の総称で、身体面・精神面どちらにも症状があります。
たとえば以下のようなものです。

  • 胸の張りや腹痛
  • イライラ、情緒不安定
  • 食欲増進、眠気、むくみ など

一方で、PMDD(月経前不快気分障害)は、PMSよりも「精神的な症状が極端に強く現れる状態」です。

実際、PMDDは「うつ病に近い精神的症状」と表現されることもあり、以下のような特徴があります。

PMSPMDD
イライラ・倦怠感など軽〜中程度の精神的症状激しい怒り・絶望感・自傷衝動など深刻な精神的症状
食欲増進・むくみなどの身体症状も目立つ精神症状が中心。日常生活に支障をきたすレベル
日常生活はある程度こなせる学業や仕事、人間関係に深刻な影響が出ることも

「これってただのPMSじゃないかも…」
そんな違和感から、PMDDへの気づきにつながることが多いです。


PMDDの主な症状と影響

PMDDの症状は人によって異なりますが、共通しているのは「心のコントロールが難しくなる」こと。
実際にわたし自身が体験したもの、周囲の声をまとめると、以下のような傾向がありました。

✅ 主な精神的症状:

  • 理由もなく涙が出る
  • ささいなことで激怒してしまう
  • 自分が嫌いになってしまう
  • 孤独感が強くなる
  • 死にたいとすら思ってしまう

✅ 身体的な変化:

  • 頭痛、関節痛、下腹部の違和感
  • 不眠や過眠、食欲の乱れ
  • 感覚過敏(音や光がつらいなど)

とくに精神面の不調が重なると、「誰とも会いたくない」「自分は迷惑な存在かもしれない」と感じてしまうことがあります。

でも、これはあなたが弱いからではありません。
ホルモン変動によって引き起こされる「病態としての反応」であり、自分を責める必要はまったくないんです。


自分がPMDDかもしれないと感じたきっかけ

正直な話、最初は「ただ気分の波があるだけ」「私の性格が悪いのかも」と思っていました。
でも、ある日パートナーから言われたんです。

「毎月同じ時期に、別人みたいになるよね」

その一言でハッとしました。
振り返ると、決まって生理の1週間〜10日前あたりに、私は感情のコントロールがきかなくなっていたのです。

  • いつもなら流せる言葉に傷つきすぎる
  • 泣きながらSNSを削除してしまう
  • 相手を傷つけるような言葉を吐いてしまい、あとで自己嫌悪に陥る

このサイクルに自分でも疲れ果て、「私、何かおかしいのかも」と検索を始めました。
そこで出会ったのがPMDDという名前でした。

「これだ…」と背筋が凍ったのを今でも覚えています。
でも、名前がわかると、向き合い方が少し変わった。

自分を責めるんじゃなくて、理解する努力ができるようになったんです。


この章でお伝えしたかったのは、
「PMDDという名前を知ることは、第一歩になる」ということ。

症状がある=診断名が必要、というわけではありません。
でも、名前を知っているだけで「これは私だけの問題じゃない」と思えるんです。

このあとからは、そんなPMDDがなぜ起こるのか? そしてどんな選択肢があるのか?について、さらに掘り下げていきます。

引き続き、自分の体と向き合うヒントとして読んでみてくださいね。

PMDDの原因は何?ホルモン・ストレス・生活習慣

PMDDを引き起こす原因は、ひとつではありません。
「ホルモンの乱れ」が注目されがちですが、私の経験上、それだけでは説明できないことも多いと感じています。
体のしくみ、心の状態、そして日々の暮らしの積み重ね。この3つが絡み合って、PMDDの“つらさ”はつくられているのだと思います。

ここでは、ホルモン・ストレス・生活習慣の3つの側面から、PMDDの背景をやさしく解きほぐしていきます。
読んでみて、「あ、これ私かも」と感じたら、そこがケアのはじまりかもしれません。


ホルモンバランスの影響

PMDDの根本には、月経周期にともなうホルモン変動が深く関係しています。
特に注目されているのが、以下の2つのホルモン。

  • エストロゲン(排卵期〜黄体期に分泌):気分を安定させる働き
  • プロゲステロン(黄体期に増加):体温を上げる、眠気や情緒の波を起こす可能性

黄体期(排卵後から生理前)に入ると、これらのホルモンが急激に増減します。
PMDDは、このホルモンの変動に脳が敏感に反応してしまう人に起こりやすいとされています。

医学的には「ホルモンの量自体は正常だけれど、その変化への感受性が高い」とも言われています。
つまり、ホルモンの“動き”に体と心がついていけない状態

私自身、「血液検査では異常なし」と言われたとき、正直がっかりしました。
でも今は、数値に現れない部分にも、ちゃんと原因があると知って納得しています。


ストレスと自律神経の関係

もうひとつ、見逃せないのがストレスと自律神経の影響です。
PMDDの症状が強く出る時期って、なぜか仕事が立て込んでいたり、家族関係でギクシャクしていたりしませんか?

ストレスがたまると、体は「交感神経」優位の緊張状態になり、睡眠や消化、ホルモン分泌が乱れやすくなります。
そしてその影響が、PMSやPMDDとして現れてしまうのです。

私の場合は、仕事のプレッシャーがピークだった時期に、PMDDの症状も最も激しくなっていました。
「心が限界です」と体がサインを出していたのかもしれません。

また、過去のトラウマや未処理の感情も、無意識に影響していることがあります。
だからこそ、「私、ストレス耐性が低いのかも」と責める必要はまったくありません。

むしろ、自分の限界にちゃんと気づける感性を持っていることは、大きな強みなんです。


生活習慣が与えるPMDDへの影響

PMDDと向き合う中で、私は「生活習慣が感情に影響を与える」という実感を強く持つようになりました。

たとえば、こんな習慣が積み重なることで、PMDD症状が悪化することがあります。

  • 不規則な食事や極端な糖質制限
  • カフェインやアルコールの摂りすぎ
  • 睡眠の質の低下(寝つきが悪い、夜中に目が覚める)
  • 運動不足や日光を浴びない生活

一見、どれも「ちょっとしたこと」です。
でも、これらは体内時計やホルモン分泌、神経伝達物質(セロトニンなど)にじわじわと影響していきます。

私も「そんなの気合で何とかなる」と思っていたタイプでした。
でも、毎朝の15分の散歩や、夜にスマホを見ない習慣を取り入れるだけで、「あれ、今月ちょっと楽かも」と思える日が増えてきました。

✅ PMDD対策として意識したい生活習慣:

  • 決まった時間に寝起きする(起床時間を固定するのがカギ)
  • ゆるやかな糖質・たんぱく質を含むバランス食
  • カフェインを午後以降は控える
  • 湯船につかるなどの自律神経ケア
  • 軽い運動(ストレッチ・散歩など)で気分転換

これらは劇的な変化を起こす「魔法」ではありません。
でも、小さな積み重ねが、自分を守る“地力”になっていくと私は感じています。


ここまで読んでくださったあなたは、きっと自分の状態を少しずつ理解しようとしている方だと思います。
その姿勢こそが、PMDDとの向き合い方の第一歩です。

次は、そんな私が「思いがけず出会った吸水ショーツ」が、どうやってPMDDとの関係に小さな変化をもたらしたのか。
次章でお話ししていきますね。

吸水ショーツとの出会い:私のPMDD対策に変化が

PMDDに悩んでいた私にとって、「吸水ショーツ」という選択肢はまったくの想定外でした。
でも結果的に、この小さな布の存在が、自分をいたわる感覚や生活の中の“安心”を取り戻すきっかけになったんです。

ここでは、私自身の体験を通して、「吸水ショーツを取り入れることがどうPMDDに影響したのか?」を、実際の使用感や気持ちの変化とともにお伝えしていきます。


吸水ショーツを試したきっかけ

最初は正直、「吸水ショーツって本当に必要?」という気持ちがありました。
PMS・PMDDで悩んではいたけれど、「それと吸水ショーツがどう関係あるの?」と思っていたんです。

きっかけは、生理中の“漏れ不安”によるストレス。
PMDDのピークと生理初日が重なると、気持ちも体もぐちゃぐちゃで、何か一つでも安心できるものが欲しかった

そんなとき、友人から「これ使ってみたら?」と勧められて、初めて吸水ショーツを手に取りました。
「まぁ、モノは試しだし…」と軽い気持ちだったのが、まさかPMDDのセルフケアの糸口になるとは、このときは思ってもいませんでした。


実際に使って感じたメリットと心の変化

使ってみてまず驚いたのは、「不快感のなさ」です。
吸水量の多いタイプを選んだので、生理1〜2日目でも安心感がありました。

✅ 実際に感じた変化:

  • ナプキンのずれやゴワつきがないので、座っていてもラク
  • 蒸れにくく、肌が敏感になっている時期でもかゆくなりにくい
  • 「あ、漏れてないかな?」とソワソワしなくて済む
  • 見た目がふつうのショーツだから気分が沈まない

とくにPMDDで情緒が不安定なときは、小さな違和感がストレス増幅の引き金になりやすいんですよね。
でも吸水ショーツに変えただけで、「今日はこれで大丈夫」と思える心の余裕が生まれました。

わたしはそれを、「防御力が1枚あがった」みたいな感覚と表現しています。


なぜPMDDの私に吸水ショーツがよかったのか

一見、PMDDと吸水ショーツってあまり関係なさそうですよね。
でも実際には、PMDDのセルフケアにとってとても相性がいいアイテムだと思っています。理由は3つあります。

1. 「不快感からの解放」が精神的安定につながる

PMDDの時期は、ちょっとした体の違和感でも心が過敏に反応しやすいもの。
肌ざわりやムレ、においなどから解放されることで、余計なイライラや不安が減るのを感じました。

2. 「自分を丁寧に扱っている」感覚が生まれる

吸水ショーツは価格的にちょっと勇気がいる買い物。
でもその分、「これは私のためのケアアイテムだ」と実感しやすくて、自己肯定感を下支えしてくれるように感じます。

「私、ちゃんと自分のこと大切にできてるな」って、ふと思える瞬間が、PMDDの渦中にはとても貴重なんです。

3. 「管理の手間が減る」=脳のキャパを守れる

PMDDの時期って、とにかく判断するのが面倒じゃないですか?
「ナプキンあと何枚あったっけ」「取り替えるタイミングどうしよう」…そんな思考の負荷が、吸水ショーツだとほぼゼロ。

1枚履くだけで6〜8時間安心なので、予定に集中できるし、外出もラク。
“何を選ぶか”の手間が減ることで、心のエネルギーを節約できる感覚があります。


わたしにとって、吸水ショーツは「PMDDを治す薬」ではありません。
でも間違いなく、PMDDとともに“生きやすくなる”ための道具のひとつです。

「まずは今日1日をどう乗り切るか」
その視点で、自分の快・不快を丁寧に選べることは、ケアのはじまりです。

次の章では、吸水ショーツの具体的な構造や、他の生理用品との違い、PMDDとどう関係しうるのかを、もう少し深掘りしていきます。
選ぶときの参考にもなるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

吸水ショーツの特徴とPMDDに役立つ理由

「吸水ショーツって気になるけど、実際どういうもの?」
私も最初はそんなふうに思っていました。生理用品は「なんとなく慣れているものを使い続ける」ことが多いですが、PMDDという課題に向き合う中で、道具を見直すことがセルフケアの質を変えると気づかされました。

ここでは、吸水ショーツの仕組みや種類、従来のナプキンなどとの違い、そしてPMDDという視点から見た時の“選ぶ価値”について、実体験を交えてまとめます。


吸水ショーツの基本構造と種類

吸水ショーツは、その名の通り「水分を吸収してくれる機能付きのショーツ」です。
見た目はふつうのショーツですが、クロッチ(股部分)に多層構造の吸水パッドが縫い込まれていて、以下のような働きをします。

✅ 吸水ショーツの基本構造:

  • 表面層:さらっと感を保つ速乾性素材
  • 中間層:吸水・保持する多層繊維
  • 防水層:漏れを防ぐ防水シート
  • 外装生地:伸縮性があり、見た目もすっきり

種類によって、吸水量は10ml〜150ml以上と幅があります。
初日〜3日目の経血量が多い人は、吸水量が多いタイプを選ぶと安心ですし、おりものや軽失禁用のライトタイプもあります。

また、素材もコットン・ナイロン・オーガニック系など多様で、「肌あたりがやさしいか」「におい対策されているか」なども選ぶポイントになります。


通常の生理用品との違い

吸水ショーツとナプキン・タンポンなどの従来品には、それぞれに良さがあります。
でもPMDDの私にとって、吸水ショーツは「精神的な快適さ」が段違いでした。

特徴ナプキン吸水ショーツ
装着の手間貼り替えが必要1枚履くだけでOK
肌への刺激接着面がかぶれることも縫い込みなのでずれない
漏れの不安動きによって漏れやすい全体が防水構造で安心感が強い
気分・見た目「生理中」とわかる外観普通のショーツと変わらない

生理用品を“身につけている”という意識から解放される
──この感覚は、PMSやPMDDで気持ちが沈んでいる時に、ものすごく大きかったです。

「今、私は守られている」って、自分で自分に伝えられるような気がするんです。


PMDDのセルフケアアイテムとしての可能性

PMDDの症状は、薬やカウンセリング、休息などさまざまなケアが必要になることがあります。
吸水ショーツは、そうした「治療」とは別に、日常の中で自分を支える“基盤づくり”の一つとしてすごく頼りになる存在でした。

私が感じたPMDDとの相性のよさは、以下の3点です。

1. 「準備の手間」を省ける=負担軽減

PMDDの時期って、とにかく何もしたくない。ナプキンの在庫確認すら億劫。
吸水ショーツは、洗って繰り返し使えるので、備蓄や買い出しの不安が激減しました。

2. 「見た目」が気分を左右しにくい

PMDDの渦中は、着るものすらネガティブスイッチになることもあります。
でも吸水ショーツは、スタイリッシュでシンプルなデザインが多く、ふつうの下着として気持ちが安定しやすいと感じました。

3. 「自己肯定感」を邪魔しないケア

PMDD中は「何もできない自分」への無力感がつきまとうことも。
吸水ショーツを使っていることで、「でも私はちゃんとケアしようとしてる」と思える時間が増えました。
ケアのハードルが低く、でも実感はちゃんとある──この絶妙なバランスが心の支えになったのです。


私が伝えたいのは、吸水ショーツが万能ということではなくて、
「こういう選択肢もあるんだ」と知っておくことで、PMDDと付き合う道が広がるということ。

薬や診断がすべてではなく、日々の“選び方”が、自分らしく過ごす力を少しずつ育ててくれる
その小さな変化が、PMDDのつらさをやわらげてくれる日もあるかもしれません。

次の章では、PMDDと向き合うために、セルフケアの具体的なヒントや周囲との関わり方についてもお話ししていきます。
「もう頑張れない」と感じているあなたにも、そっと届く内容になっているはずです。

PMDDと向き合うために大切なこと

PMDDという言葉を知っても、「じゃあ、どうすればいいの?」と迷う人は多いはずです。
私自身もそうでした。「病院に行くべき?」「誰に話せばいいの?」と、情報はあっても行動につなげるのがむずかしい。

でも、PMDDと向き合うには“ひとりで頑張らない”ことが何より大切です。
ここでは、私が実際にやってよかったと感じた3つのこと――受診・記録・対話について、やさしく具体的にお話しします。


我慢しない:婦人科受診のすすめ

まず伝えたいのは、「PMDDかも」と思ったら、我慢せずに婦人科を受診してほしいということ。
心の不調が中心になる症状なので、最初は「婦人科でいいの?」と戸惑うかもしれません。
でも、月経に連動して起こる症状であれば、まず婦人科が第一歩になります。

✅ 受診のポイント:

  • いつから・どんな症状が出るかを記録しておく(後述します)
  • PMDDの可能性を自分で伝えることで、話がスムーズに進みやすい
  • 必要に応じて心療内科や漢方の相談にもつながる

婦人科では、ホルモン治療(低用量ピルなど)や漢方薬を提案されることもあります。
合う・合わないはありますが、「選択肢がある」と知るだけでも心が軽くなりました。

治療するかどうかは後から決めればいい。
でも、“いま何が起きているのか”を専門家に聞けるだけでも、自分を責める気持ちはずいぶん和らぎます。


自分の体調を記録することの大切さ

PMDDは「波」がある症状です。
つらさがピークのときには何も手につかず、落ち着いたころには「やっぱり気のせいだったかも」と思ってしまう。
それが受診や相談を遅らせる原因にもなってしまいます。

そこでおすすめしたいのが、日々の体調や気分をざっくり記録する習慣です。

✅ 私がやっていた簡単な記録方法:

  • カレンダーに「◎」「○」「△」「×」で体調をざっくり記録
  • 気分の変化や出来事を一言メモ(例:「人に会いたくない」「涙が止まらなかった」など)
  • 生理開始日・終了日も記録

アプリでも紙でもOK。
とくに後から見返したときに、「あ、毎月同じ時期に同じようなことが起きてる」と気づけたのが大きかったです。

これは受診時の説明にも役立ちますし、自分自身を冷静に見る手がかりにもなります。

そして何より、「今月も乗り切ったね」と過去の自分に言ってあげられるようになるんです。


パートナーや周囲とのコミュニケーション

PMDDのつらさは、外から見えづらいものです。
だからこそ、「わかってもらえない」苦しさが積み重なりやすい。

私は以前、「どうせ理解されないから」と自分の中に溜め込んでいました。
でもある日限界がきて、パートナーに「1か月のうち1週間は、私は別人格になるみたいなんだ」と話したんです。

そのとき彼が「それって怖いね。でも、教えてくれてありがとう」と返してくれて。
それだけで、ほんの少し自分の存在を肯定できたような気がしました。

もちろん、すべての人がすぐに理解してくれるわけではありません。
でも、自分を守るためにも、伝える言葉を持っておくことはとても大切です。

✅ 伝えるときの工夫:

  • 「あなたのせい」ではなく「今の私の状態」の説明にする
    (例:「生理前になると自分で気持ちが抑えられなくなることがある」など)
  • 相手の反応に期待しすぎず、知っておいてほしいというスタンスで
  • 可能なら、「お願いごと」ではなく「共有」に留めておく

「伝えること」は、甘えることでも迷惑をかけることでもありません。
それは、“自分との関係”を大切にするためのひとつの行動です。


PMDDと向き合うには、特別な知識や高価な道具が必要なわけではありません。
「自分の体に関心を持つこと」「声にすること」「つながること」
その小さな行動が、症状の重さを軽くする土台になっていきます。

次の章では、ここまでの内容を整理しながら、PMDDとともに生きる私たちができることをまとめていきます。
セルフケアの振り返りとしても、ぜひ読んでみてくださいね。

まとめ:PMDDとともに生きる私が伝えたいこと

PMDDと向き合う中で、私は「治すこと」よりも、「一緒に生きていくこと」のほうがずっとリアルだと感じるようになりました。
完璧な解決策がなくても、気づきや選択の積み重ねで、自分の毎日は確かに変わっていく。

このまとめでは、これまでお伝えしてきたことを、生活者としての実感を込めて3つの視点で整理します。
もし今、つらさの渦中にいる方がいたら──あなたはひとりじゃないと伝えたいです。


気づくことから始まるセルフケア

私がPMDDという言葉に出会ったのは、「なんで私はこんなに不安定なんだろう」と自分を責め続けていた頃でした。
原因がわかった瞬間、体調不良ではなく“私のせい”だと思っていたものが、少し軽くなったんです。

✅ 気づくことがセルフケアの第一歩
✅ 名前を知るだけで、自分にやさしくなれる
✅ 理由があると、対策ができるようになる

「自分を知る」ことは、「責めること」じゃなくて、「守ること」につながる。
その視点を持てたことで、私はやっと、体や心の波に飲み込まれずにすむようになりました。


「当たり前」を変える道具との出会い

吸水ショーツとの出会いは、わたしにとって小さな革命でした。
それまで、「生理用品ってこういうもの」と思い込んでいた“当たり前”が、
自分の快適さを軸にしていいんだ、と気づかせてくれたからです。

PMDDがつらいときこそ、自分の中の「気持ちいい」「安心する」に目を向けてみてほしい。
それは、吸水ショーツかもしれないし、ぬくもりのあるブランケットかもしれません。

モノは、心を変えるきっかけになることがある。
「道具を変えることは、自分の扱い方を変えること」だと、私は思っています。


一人で悩まず、つながることで楽になる

この連載を通して伝えたかったのは、PMDDの知識だけじゃありません。
「話せること」「つながれること」が、どれほど支えになるか──それを何より届けたかった。

  • 受診を通して専門家とつながる
  • 気持ちを記録して過去の自分とつながる
  • 大切な人に言葉でつながる

どれも、簡単なことではないかもしれません。
でも、ひとつでも「伝えられた」経験があると、その後の自分との関係が確実に変わります。

わたしのPMDDケアは、誰かとつながった瞬間に、孤独から少しずつ抜け出していきました。
そして今、こうしてこの記事を読んでくれたあなたとも、もうつながっていると思っています。


PMDDは目に見えないからこそ、気づかれにくく、理解されづらいものです。
でも、私たちには「気づく力」も「選ぶ力」もちゃんと備わっている。

だからこそ、今日もがんばりすぎず、
“ちょっとだけ心地いいほう”を選んでいけるように。
その積み重ねが、きっと未来の自分を楽にしてくれるはずです。


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参考情報・出典

本記事は、筆者の実体験をもとに、以下の公的機関・専門情報を参考に構成しています。体調や治療に関する判断は、医師などの専門家にご相談ください。

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