谷澤まさみ
谷澤まさみ

こだわって作った一点モノや正規品が、在庫として行き場をなくしてしまう。その背景には、価格だけでは語れない“ブランドの価値”があります。目次を見て必要なところから読んでみてください。

タグ付きの一点モノ、なぜ在庫処分が難しいのか?

きちんとタグのついた新品で、品質にも自信がある商品なのに、なぜか在庫として行き場を失ってしまう。そんな経験をされたことがある方も、いらっしゃるかもしれません。特に一点モノやこだわりの商品は、「アウトレットで安く出す」ことが正解とは限りません。ここでは、その背景にある“ブランド価値”との関係について、いっしょに考えてみたいと思います。

通常のアウトレットでは扱えない「ブランドの顔」

ブランドが大切にしているのは、商品そのものの良さだけではありません。たとえば素材へのこだわり、職人さんの手仕事、デザインの美しさ。こうした「想い」が詰まった商品は、そのブランドの“顔”とも言える存在です。

ところが、それがアウトレットの棚に並んでしまうと、「売れ残り」「人気がなかったもの」という印象を持たれてしまうことがあります。実際には、流通の都合や一部パッケージ変更など、商品にはまったく問題がないケースも多いのに、です。

一点モノや少量生産の商品は、価格だけでは測れない価値を持っています。そうしたアイテムは、「どこで売るか」も含めて、丁寧に扱う必要があるのです。

安売り=ブランド毀損のリスクが大きい理由

在庫を少しでも早く動かしたい——。そんなとき、値下げという手段はたしかに即効性があります。でも、それが“安売り”の形で表に出てしまうと、思わぬリスクを生むことがあります。

✅ ブランドの通常ラインとの価格差が広がりすぎて、既存のお客様が不信感を抱く
✅ 「このブランドはよく値下げする」と見られ、次回から定価で買ってもらえなくなる
✅ 他の取り扱い店舗との価格バランスが崩れ、関係性にヒビが入ることも

とくに、きちんと価値を伝えて売ってきたブランドほど、このリスクは大きくなります。だからこそ、価格以外の軸で「想い」や「ストーリー」を伝える販売の仕組みが、求められているのではないでしょうか。

正規品としての誇りを持ち、でもちゃんと“出口”をつくってあげたい。そのバランスをとるために、私たちができることを、少しずつ整えていきたいと思っています。

こだわり商品を“安く売らない”在庫活用の方法

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「本当は手放したくないけれど、このままでは倉庫に眠ったままになってしまう」。そんなジレンマを抱えるブランドの方から、よくご相談をいただきます。とくに高付加価値の商品や一点モノは、単に在庫処分という言葉では片づけられない“想い”が詰まっていますよね。ここでは、そうした商品の価値を守りながら活かす方法を一緒に考えていきましょう。

高付加価値商品の処分には「販売先の選別」が必須

こだわりの詰まった商品ほど、その魅力がきちんと伝わる場所に届けたいものです。ですが、在庫が出てしまったとき、「とにかく早く売らなければ」と焦ってしまい、販売先を選ばずに出してしまうと、本来のブランド価値が伝わらないまま終わってしまうこともあります。

こんなときに必要なのは、“売り先を選ぶ”という視点です。値段を下げるのではなく、「共感してくれる人に届ける」「価値をきちんと理解してくれる層に絞る」といった、少し丁寧なプロセスを踏むだけで、商品の受け取られ方はまったく違ってきます。

たとえば、以下のようなポイントで販路を見直してみるのもひとつです。

販売先を選ぶ視点意味するもの
顧客の価値観安さより“背景”を大切にする人かどうか
情報の透明性割引理由や商品の状態が丁寧に伝えられるか
購入体験の質安売り感が出ない設計になっているか

※このように、価格だけではなく購入体験そのものが「ブランドの一部」になっているかを考えることが大切です。

ブランド価値を守る“クローズド販路”という選択肢

こだわり商品を適切に届ける方法として、いま注目されているのが「クローズド・バイイングモデル」という仕組みです。

これは、「誰でも見られるけれど、買えるのは選ばれた会員だけ」というモデルで、商品情報のオープン性を保ちながらも、販売先は限定するという特徴があります。

✅ 一般公開されたページでも、価格や内容が伝わるため、ブランドとしての信頼感を損なわない
✅ 実際に購入できるのは、特定の会員(=価値観に共感した人)だけなので、過度な値崩れを防げる
✅ 新たな“理解ある顧客層”との出会いにもつながる

こうしたクローズドな販路であれば、こだわりを持つ作り手の想いを伝えながら、在庫を適正に活かすことができます

「安くしないと売れない」という思い込みにとらわれずに、「どうしたら価値を感じてもらえるか?」を一緒に考えること。それがこれからの在庫活用において、いちばん大切なことかもしれません。

少量在庫・限定品に特化した販路とは?

谷澤まさみ
谷澤まさみ

「たくさん売れなくてもいい。でも、大切に思ってくれる人に届けたい」。
そんな気持ちでつくられた少量生産のアイテムや限定品。販売チャネルに悩むのは、そうした商品の背景に丁寧なストーリーや強い想いがあるからなのだと思います。この章では、“売るための場所”ではなく、“価値が伝わる場所”としての販路について考えてみます。

一般流通とは異なる「選ばれた顧客への販売モデル」

スーパーや量販店、ECモールなど、一般的な流通経路では、多くの商品が価格や利便性で比較されてしまいます。これはもちろん必要な仕組みですが、手間ひまをかけて作られた限定商品にとっては、少し酷な舞台かもしれません。

そうした商品には、「誰に買ってもらうか」まで設計された販売モデルが必要です。
たとえば――

✅ ブランドの背景に共感する顧客だけに紹介される
✅ 作り手のこだわりや物語を“読んで”から商品と出会える
✅ すぐに値段で判断されず、まず“体験”される

こうした販売体験は、商品の魅力を守るだけでなく、ファンづくりの第一歩にもなります。

価格は見える、でも買えるのは会員だけという仕組み

ちょっと変わったモデルかもしれませんが、最近注目されているのが
「価格は公開、購買は限定」という“ハイブリッド型の販路”です。

これにより、

✅ 「どんな商品がどれくらいお得なのか」がオープンに伝わる
✅ でも、実際に買えるのは登録した会員のみ=ブランドの価格体系が壊れにくい
✅ 安売りに見えず、あくまで“共感者向けの特別な販路”という印象を与えられる

というように、“見せる透明性”と“守る限定性”の両立が可能になります

とくに、少量ロットや試作品、展示品などは、出せる量も限られていて、一般販売には向きません。でも、きちんと価値がわかる人にだけ届けば、それでいい。むしろその方が、ブランドにとってもお客様にとっても誠実な販売だと思うのです。

たくさん売ることではなく、「ちゃんと届くこと」を大切にする。
それが、これからの時代の在庫活用にふさわしい形なのかもしれません。

OEFという選択肢|ブランドの価値を守りながら在庫を動かす

谷澤まさみ
谷澤まさみ

これまで見てきたように、在庫をただ「売る」だけではなく、価値を伝えながら“活かす”ための販路選びがとても重要になっています。そんな中で、ブランドのこだわりを守りながら在庫を動かせる新しい選択肢として、OEFという仕組みが注目されています。

OEFが採用する“クローズド・バイイングモデル”とは?

OEFは、「アウトレット」「エコロジー」「フードロス」を軸にしたエシカルな会員制ECサイトです。ここで採用しているのが、“クローズド・バイイングモデル”という販売方式。

簡単に言うと、
誰でも商品情報は見られる(オープンな価格表示)
でも、実際に購入できるのはサブスク会員だけ(クローズドな購買)

この仕組みによって、販売価格は可視化しつつも、市場価格への影響を最小限にとどめることができるのです。

たとえば、正規販売店の顔を立てたい場合や、ブランド全体の価格帯を維持したいとき。一般公開で大幅値下げをするのは難しいですが、OEFのような限定された購買環境であれば、安心して在庫を出すことができます

買い手を選べるからこそ実現する「安心して出せる販路」

OEFのサブスク会員は、「安さだけを求める人」ではなく、“もったいないを活かしたい”“エシカルに買いたい”という価値観を持った人たちです。

つまり、「誰でもいいから売れればいい」ではなく、「この価値を理解してくれる人に届けたい」という作り手の想いに寄り添える土壌があるのです。

さらに、OEFでは出品者に対して
✅ 売れたときだけ手数料(=出品リスクが少ない)
✅ 販売価格の自由度が高い(=ブランドポリシーを保てる)
✅ 物流は各社にお任せ(=自社倉庫でもOK)

という柔軟な仕組みを整えており、在庫処分の「最後の手段」ではなく、「価値を守るためのもう一つの選択肢」として機能しています

「もう売れない」ではなく、「まだ必要としてくれる人がいる」。
そんな風に、商品の“命”をもう一度灯せる販路が、ここにあります。

タグがついたままの一点モノも、こだわりぬいた限定品も——。
OEFは、それらを大切に届けるための、新しい“出口”でありたいと思っています。

👉 廃棄せずに在庫を活かす5つの方法をチェックする

✅ 在庫処分に悩んでいる
✅ ECに出したけど広告費ばかりかかる
✅ ブランド価値を守りながら売りたい
その悩み、OEFでまるごと解決できます!
初期費用を抑えて、今ある在庫を新しい売上に。