
イベント中止で20kgのナッツが戻ってきた…しかも賞味期限はあと45日。売り場も販路もない中、どう価値ある商品として救えるのか?目次を見て必要なところから読んでみてください。
こんにちは。OEFの谷澤まさみです。
あなたがナッツ専門店の店主だったとします。自分の目利きで厳選した産地のナッツ、無塩ローストにこだわった加工、自然素材のパッケージ。どれも手を抜かず作り込んだ、まさに「自信作」。でも、ある日、想定外の出来事が起こりました。
展示会用に用意していた量り売り用ナッツ、20kgの在庫がまるまる戻ってきたのです。しかも、賞味期限まで残りわずか45日。
あなたなら、この在庫をどう処理しますか?
なぜナッツが余ったのか?
このナッツは、本来なら地方百貨店の催事イベントで販売される予定でした。ディスプレイや試食演出も用意し、スタッフも現地へ手配済み。ところが、直前になってイベントそのものが中止に。理由は、開催県での感染症拡大。
「オンラインに振り替える案もあったけど、対面の売り場前提の商品だったから…」
そう言って返送されてきたのは、ちょうど焙煎から3日後の状態。最も香ばしいタイミングでした。
元々このナッツは“量り売り”を前提とした業務用パッケージ。100gずつ個包装されているわけではありません。つまり、一般消費者にとっては少々扱いづらい状態です。
さらに、無塩・無添加であるがゆえに、保存料も使っていません。だから、賞味期限は短めの60日。返品時点で、すでにその3/4が過ぎていました。
焦る気持ちと、できる限りの手立て
この20kgという在庫。数字で見るとそれほど多くないようにも思えるかもしれません。でも、ナッツは単価が高く、仕入れ原価も決して安くありません。加えて今回は“催事専用商品”ということで、通常よりも豪華なナッツミックス。原価ベースでざっと12万円分。
「さすがにこれは廃棄できない」
そう思った店主さんは、すぐに動き出しました。
・リピーター顧客にダイレクトメールで案内
・Instagramで「訳ありセット」として特売
・友人知人に業務用サイズでの販売を打診
ところが、反応は思うように伸びませんでした。理由は明快。「賞味期限が短すぎる」「家庭で消費しきれない量」「業務用だから扱いにくい」……。
確かに、「訳あり」と伝えれば、それだけで「お得感」は出ます。でも、そもそも必要とされていないサイズやタイミングでは、どんなに値下げしても売れ残ってしまうのです。
安売りではなく、“選ばれる場所”が必要だった
結果として、5kgほどは廃棄。残りは店舗での試食やギフトセットの一部として無理やり組み込む形で、なんとか処理しました。でも、この経験が残したのは「廃棄したくない気持ち」と「売り方を間違えた」という後悔。
このようなときこそ、「OEFのような仕組み」が役立つかもしれません。
OEFは、エシカル消費をテーマにした会員制のオンラインモール。賞味期限が近い商品や、パッケージ不良、販売機会を逸した“訳あり”商品を、「安くても、価値ある商品」として再流通させる場所です。
特徴的なのは、「誰でも買える」わけではない点。会員制という“クローズド設計”により、ブランド価値を守りながら、価格を調整した販売が可能です。
さらに、OEFの会員は、「安いから買う」だけではありません。「まだ食べられるものを無駄にしない」という考えに共感し、買い物そのものを“エシカルな選択”と捉えています。