
ふるさと納税用に作った「ご当地カレーセット」が余ったとしたら?ブランドを守りながら在庫を活かす方法、ちゃんとあります。目次を見て必要なところから読んでみてください。
こんにちは。OEFの谷澤まさみです。
あなたが地元の名産品を活かした商品開発に携わっていて、今年は「ご当地カレーの詰め合わせ300食セット」をふるさと納税の返礼品として企画したとします。
製造元の協力も得て、パッケージにもこだわり、地域らしさが伝わるようにデザインされた立派なギフト箱。SNSでもPRをがんばった結果、一定の注目は集まりました。ですが——想定より寄附件数が伸びず、ふるさと納税の受付期間終了までに100セット以上が残ってしまう可能性が出てきました。
「ふるさと納税だから」と、ふだんの商流とは違うルートでまとめて製造した商品。
もしこのまま余ったら、在庫として抱えるしかない。さて、どうするべきでしょうか?
想定外に余った“寄附返礼用”セット商品
このご当地カレーセット、内容は素晴らしいものでした。
地元のブランド牛を使ったレトルトカレー2種に、野菜たっぷりの薬膳カレー、そして名産品のピクルスやお米も同梱された5点セット。温めるだけで贅沢なランチが楽しめるラインナップは、都市部のファミリー層に人気が出そうな内容でした。
価格帯は寄附額8,000円の返礼品。開発時には「このクオリティなら年末に一気に動くはず」と期待していたものの、ふるさと納税の競争は年々激化し、想像以上に埋もれてしまったのが現実。
「市の予算枠があるうちに作っておこう」と年内に一括製造した結果、300セットがすべて納品済みの状態で、倉庫に積まれています。
当然ながら、賞味期限はある。すべて常温保管のレトルト食品ではあるものの、最短で8ヶ月、長くても1年が保管限度。なにより、このセットは“ふるさと納税用”の顔をしているという点が、大きなネックとなります。
セット崩し?B品販売?想像以上にハードルが高い
「セットのままECに出せば?」と、第三者から言われるかもしれません。
でも実際には、そう簡単な話ではありませんでした。
理由のひとつは「ふるさと納税の返礼品として登録された内容であり、一般ECでそのまま販売するのは市との取り決めに反する可能性がある」ということ。
もうひとつは、「豪華な化粧箱やパンフレットがふるさと納税仕様」で作られており、そのまま売ると『訳あり』感が伝わらない点です。
ならば中身をバラしてセット組み替え?と考えても、商品の管理ラベルや成分表示は「5点セット前提」で印刷されており、ひとつずつ再販するにはパッケージを一新する必要があります。
もちろん、パーツごとに卸すことも可能かもしれませんが、そのためにはEC販路や流通先、ロット単位の価格調整など、新しい“売る仕組み”を整える必要があり、現場としてはかなりの負担です。
それに、たとえ売り切ることができても——
この在庫が廃棄されかけたことを、消費者に知られたくない。
地域ブランドとしての信頼を保つためには、どこでどう売るかが極めて重要なんです。
こんなとき、もしあなたが「もう手の打ちようがない…」と感じていたら、OEFのような仕組みが少し視野を変えるきっかけになるかもしれません。