
生理前、思わず強く当たってしまったパートナーへの一言。後悔しても、関係修復の糸口が見えない…。
そんなあなたに、体の仕組みと感情のケアをやさしく解説します。目次を見て必要なところから読んでみてください。
なぜ「話しかけないで」と言ってしまったのか(背景と要因)
生理前、ふだんなら気にならない些細なひと言にイラッとしたり、「今はひとりにして」と思わず口走ってしまったり。
そんな経験、ありませんか?
私もかつて、夫に「生理前は話しかけないで」ときつく言ってしまい、あとから自己嫌悪で押しつぶされそうになったことがあります。
この記事では、なぜその一言が出てしまったのか、そしてどう向き合えば関係も自分も大切にできるのかを一緒に考えていきます。
PMSやホルモンの影響による心の変化とは
生理前に感情が不安定になるのは、単なる「気分の問題」ではありません。
女性ホルモンの急激な変動によって、自律神経や脳内ホルモンのバランスが崩れ、心身にさまざまな変化が起こるのです。
とくに黄体期(排卵後〜月経前)に多く見られるのが、以下のような状態。
- 気分の落ち込み・不安感
- 怒りっぽさ・イライラ
- 集中力の低下
- 人との関わりを煩わしく感じる
こうした変化はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、多くの女性が経験しています。
ある調査では、20〜40代女性のおよそ7割がPMSの何らかの症状を感じているというデータもあるほど。
✅ 自分の意思ではどうにもならない変化だと知ることは、「自己嫌悪しないための第一歩」だと私は感じています。
無意識のうちにパートナーを遠ざけてしまう理由
生理前、誰にも話しかけられたくない、ひとりでいたい。
そう思うのは、自分の殻に閉じこもっているわけでも、相手を嫌いになったわけでもありません。
「これ以上、何かを処理する余裕がない」という心のSOSなんです。
日常生活の中で、女性は意識・無意識問わず、マルチタスクをこなしています。
そんな中でPMSが重なれば、脳も心も「これ以上の入力は無理」とシャットダウンモードに入ってしまうことがあります。
でもその瞬間、私たちは冷静に「今はつらいから、ちょっと距離を置いてもいい?」とは言えません。
つい口をついて出るのは「もう話しかけないで!」という防衛的な言葉。
この言葉には、
- 自分の感情を整理する余裕がない
- 相手に理解されないことへの悲しさ
- 無理して笑いたくないという正直さ
が詰まっているように、私は思います。
✅ 問題なのは、その感情が「悪い」と思って自分を責めてしまうこと。
一時の言葉に自分の価値を決めつけないでくださいね。
言ってしまった後の後悔とその正体
「もう話しかけないでって、なんであんな言い方したんだろう」
生理前の数日が過ぎて、ホルモンバランスが戻ってくると、途端に現れるのが後悔と自己嫌悪です。
私自身、何度も同じことを繰り返してきました。
そのたびに「私は感情のコントロールもできないのか」と責めてしまって、さらに落ち込んでしまう。
でも、その「後悔」には実はちゃんと理由があります。ここを見つめることで、気持ちは少し軽くなるはずです。
罪悪感・自己嫌悪はなぜ生まれるのか
結論から言うと、罪悪感や自己嫌悪は、あなたが優しい人だから生まれる感情です。
相手の気持ちを考えられる人ほど、自分の発言が与えた影響をあとから重く受け止めてしまう。
とくに女性は、「関係を円滑に保つこと」を無意識に期待されて育ってきた背景があります。
- 空気を読んでほしいと言われる
- イライラしてると「ヒステリック」と言われる
- 感情的になると「自分勝手」と思われがち
だからこそ、生理前に感情が表に出てしまうと、「こんな私はダメだ」と感じてしまいやすいのです。
でも、感情は「悪」ではありません。
出てしまった感情よりも、そのあとにどう向き合うかが大切です。
✅ 罪悪感を「自分を責める材料」ではなく、「気づきを得るきっかけ」に変えていきましょう。
「傷つけたかも」と感じた瞬間にするべきこと
後悔の渦中にいると、「すぐ謝らなきゃ」「なかったことにしたい」と焦る気持ちになります。
でも実は、最初にするべきなのは“謝ること”よりも“気持ちの整理”です。
なぜなら、謝るときに自分の中の混乱が残っていると、こんなふうに誤解を招いてしまうから。
- 「あれはホルモンのせいだったの、ごめんね」と言って、相手が「じゃあ俺は何も悪くないってこと?」と受け取る
- 「本当はあんなこと言いたくなかったんだよ」と言って、逆に「じゃあなぜ言ったの?」と疑問を残す
まずは、自分にこう問いかけてみてください。
- なぜあのとき、あの言葉が出たのか?
- 自分は本当は何を伝えたかったのか?
- 相手にどう受け取ってほしかったのか?
この問いに向き合ったあとに伝える「ごめんね」は、表面的な謝罪ではなく、自分の内側から出てくる、意味のある言葉になります。
さらに、こんなふうに気持ちを伝えると、相手も受け止めやすくなります。
- 「あのとき、すごく余裕がなくて言い方がきつくなってしまった」
- 「ひとりになりたい気持ちが強すぎて、冷たく聞こえたかも。ごめんね」
- 「あなたにどうしてほしかったのか、自分でもわからなかった」
ポイントは、「ホルモンのせい」と片づけず、“自分の言葉”で説明しようとする姿勢を見せること。
それだけで、関係はちゃんと修復に向かいます。
✅ 大切なのは「完璧であること」ではなく、「気づいたあとに動ける自分でいること」です。
関係修復のためにできること
「ちゃんと謝りたい」「もう一度、わかってもらいたい」
そう思っても、いざパートナーを前にすると、どう切り出せばいいのかわからない。そんな声をよく聞きます。
私自身、何度もそう感じたことがあります。
でも、関係を取り戻すためには特別なスキルよりも、“誠実に向き合う姿勢”のほうが大切です。
この章では、謝るタイミングや言葉選びの工夫など、実践的なヒントをお伝えします。
謝るタイミングと伝え方のポイント
まず大前提として、謝るタイミングは「自分の心が整ったあと」で大丈夫です。
焦ってその場しのぎの謝罪をしても、誤解が深まることもあります。
私はいつも、こんな3ステップで向き合っています。
- 自分の気持ちを紙に書き出す
- なぜあの言葉が出たのか
- 何がつらかったのか
- 本当はどうしてほしかったのか
- 相手の受け取り方を想像してみる
- 驚いたかもしれない
- 無視されたと感じたかもしれない
- 自分を否定されたと思ったかもしれない
- その上で「伝える」準備をする
- 今なら、落ち着いて話せる
- 感情ではなく「事実」として話せる
- できるだけ短く、でも正直に
謝るときに意識したいのは、「自分のために謝る」のではなく「相手と関係を取り戻すために謝る」という意識です。
感情をぶつけるのではなく、信頼を少しずつ回復させる行為としての謝罪。
例えばこんなふうに言えたら、あなたの誠意はちゃんと伝わります。
- 「あのときは本当にごめん。あんなふうに言いたかったわけじゃないのに、言葉が荒くなってしまった」
- 「今振り返ると、私自身が混乱していて、余裕がなかった。あなたを責めたかったわけじゃないの」
✅ ポイントは、“感情を押しつける”のではなく、“感情の背景を説明する”ことです。
感情を説明するのに役立つ言葉の選び方
謝りたい、気持ちを伝えたいと思っても、言葉がうまく出てこない。
そんなときは、「自分の感情を分類してから」言葉にすると伝わりやすくなります。
たとえば、PMS期の「イライラ」も、実はこんなふうに細かく分かれます。
表面的な感情 | 背景にある本当の気持ち |
---|---|
怒り | 理解されない寂しさ |
疲れ | 無理をしていた自分への不満 |
拒絶感 | 一人になりたかっただけ |
不安 | 体調や感情の波への戸惑い |
これを踏まえて、次のような言い方に変えるだけでも印象がまったく違ってきます。
- 「イライラしてる」というより、「不安定で、自分でもコントロールできない感じだった」
- 「黙ってほしい」というより、「ちょっと一人になって、自分を落ち着かせたかった」
言い換えのコツは、相手に理解されやすい「ニュアンス」で説明することです。
- 「怒ってる」というより、「余裕がなかった」
- 「話しかけないで」と言うより、「今は静かにしていたい気分だった」
- 「嫌いになったわけじゃない」と最初に伝えておく
✅ 言葉の選び方ひとつで、相手の受け取り方は大きく変わります。
自分の感情に正直であることと、相手への思いやりは、ちゃんと両立できます。
同じことを繰り返さないためのセルフケアと対話
「またやってしまうかもしれない」という不安は、多くの人が抱える共通の悩みです。
でも、少しずつでも“パターン”を知り、自分自身の変化に気づいていくことで、心の準備ができるようになります。
さらに、パートナーとの事前のすり合わせがあるだけで、関係のすれ違いはぐっと減らせます。
大切なのは、自分を責めることでも、完璧を目指すことでもなく、「再発防止のために選べる行動を増やす」こと。
ここではその具体的な方法を紹介します。
生理前の自分を理解するためにできること
生理前の感情の波に翻弄されるたび、「まただ」「どうして毎回こうなるの」と落ち込んでしまう。
私も以前はそうでした。
でも、ある時期から“予測する”という視点を持つようになって、ずいぶん楽になりました。
そのきっかけが「生理前の記録」です。
おすすめの方法は、とてもシンプル。
- 生理周期をアプリで記録する
- 感情の変化や体調をメモする(できれば毎日)
- イライラしやすい時期や傾向に印をつける
これを繰り返すと、「自分のパターン」がだんだん見えてきます。
たとえば、「排卵の数日後から気分が落ち込みやすい」「4日目の夜に眠れなくなる」など。
私の場合は、「何もかも面倒くさくなってSNSを開かなくなると、生理前のサイン」というのがわかってきて、そこからセルフケアを前倒しするようになりました。
✅ PMSは予測できる。予測できることは、準備できる。それだけでも安心感がまったく違います。
パートナーとの「事前共有」がもたらす安心感
関係がギクシャクしないように、何か起こったあとで謝って関係修復をするのも大切ですが、
もっとラクになるのは、“前もって伝えておくこと”です。
「私、生理前はちょっとナイーブになることがあるから、もし反応が強くなっても気にしないでね」
こんなふうに軽く共有しておくだけでも、パートナーは戸惑わずにすみます。
とくに、以下の3つを共有しておくと、誤解やすれ違いが減ります。
- いつ頃が不安定になりやすい時期なのか(例:生理前の1週間)
- どんなふうに接してほしいのか(例:少し静かに過ごしたい/いつも通りにしてほしい)
- 逆に「これは言われるとつらい」と思う言葉(例:「またイライラしてる?」など)
最初から完璧に伝える必要はありません。
むしろ「うまく伝えられないけど、少しずつ知ってほしい」というスタンスのほうが、お互い安心できます。
そして何より、自分の状態を伝えるという行為自体が、「自分自身への理解を深めるセルフケア」でもあります。
✅ パートナーは「わかってくれない存在」ではなく、「共有すれば力になってくれる存在」かもしれません。
よくあるQ&A:私だけ?それとも普通?
生理前のモヤモヤや、感情が言葉にならないもどかしさは、多くの人が感じていること。
それでもSNSでは「穏やかな毎日」があふれていて、自分だけが不安定に見えることもありますよね。
ここでは、よく聞かれる2つの疑問にお答えしながら、「あなたはおかしくない」ということを事実とともに伝えます。
小さな安心が、次の一歩の力になりますように。
生理前にパートナーとケンカする人は多い?
はい、多いです。というより、“珍しくない”と言ったほうが正確かもしれません。
ある調査では、20〜40代の女性のうち、約70%がPMS(月経前症候群)の影響でパートナーにきつく当たってしまった経験があると答えています。
また、ケンカやすれ違いが「毎月同じ時期に起こる」と気づいて、あとから自分でも驚いた…という声も少なくありません。
この背景には、
- ホルモンバランスによる気分の浮き沈み
- 日常生活のストレスとPMSのダブルパンチ
- 「うまく説明できない」もどかしさ
が関係しています。
だからこそ、“ケンカしてしまったこと”よりも、“そのあとどう向き合うか”が大事なんです。
完璧を目指さなくて大丈夫。同じように悩んでいる人は、あなただけではありません。
✅ 月に一度、自分の心と身体を見直すチャンスだと考えてみてもいいかもしれません。
気持ちを言葉にするのが苦手なときは?
これは私も、長く抱えていた悩みです。
「うまく言えないから黙ってしまう」
「伝える自信がないから我慢してしまう」
結果として、誤解を招いてしまったことも何度もありました。
でも、言葉にするって、“正しく話すこと”じゃなくて、“正直であること”なんですよね。
うまく説明できなくても、「言いたいことがあるけど、うまく言葉にできない」とそのまま言ってみるだけでも、十分な一歩です。
気持ちを言葉にするためのコツは3つあります。
- 完璧に話そうとしないこと:「今の気持ちをそのまま」でOK
- ノートやスマホのメモに書いて整理する:文字にすることで見えてくることがあります
- タイミングを選ぶ:相手に余裕がありそうなときを狙って話す
たとえばこんなふうに言ってみてもいいんです。
- 「まだ整理できてないけど、少しだけ聞いてもらえる?」
- 「生理前で気持ちがざわついてて…言葉にしにくいけど伝えたい」
- 「ちょっと感情的になるかもしれないけど、それでも聞いてもらえる?」
パートナーは“完璧な説明”を求めているのではなく、「向き合おうとしてくれていること」に安心するのだと思います。
✅ 話すのが苦手でも、「わかってほしい」と願う気持ちがあれば、必ず伝わります。
まとめ:関係も自分も、大切にするために
感情的になってしまったあの日、
「もう話しかけないで」と突き放すように言ってしまったこと。
そのあとで押し寄せてくる後悔と罪悪感。
それは、あなたが大切にしたい人との関係を真剣に考えている証拠です。
だからこそ、自分を責めるだけではなく、その気持ちを「次に活かす力」に変えていけたらと思います。
後悔を糧に、前向きな関係を築く
ここまで読んでくださったあなたなら、もう気づいているはずです。
- 生理前に心がざわつくのは、体の仕組みとして自然なこと
- 言ってしまった一言の裏には、本当の想いが隠れていたこと
- パートナーとの関係は、“話すこと”で修復できること
そして何より大切なのは、「ケアは我慢じゃなく、選べるもの」だということ。
完璧なパートナーでも、完璧な自分でもなくていい。
“変わろうとする姿勢”が、信頼や安心につながっていくのだと、私自身もたくさんの失敗を経て感じています。
もし今、「うまくいくかわからない」と思っているとしても、大丈夫。
この記事を読んでくれたこと自体が、あなたが自分と向き合っている証です。
✅ ぜひこれからも、自分の体と心の声に耳を傾けながら、パートナーと“対立”ではなく“対話”を選んでいってくださいね。
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