こんにちは。OEFの谷澤まさみです。
あなたがハンドメイド石けんを手がけていて、パッケージリニューアルをきっかけにブランドの見せ方を変えたとします。成分はまったく同じ、作り手の想いもそのまま。でも“見た目が変わった”だけで、旧パッケージの商品が動かなくなる——。そんな経験、ありませんか?
たとえば、100個の石けんがちょうどリニューアル直前に完成していたとしたら。イベント出展や定期便、店舗納品の在庫として準備していたはずが、ある日を境に「こっちはもう販売しないの?」とお客様に聞かれなくなった。SNSで紹介するのも気が引けて、そのまま倉庫に置きっぱなし……。こうした“変わり目”は、作り手にとって大きな壁になります。
私自身、かつて自社開発のデリケートゾーン用石けんをリニューアルした際、まだ使える旧デザイン品の在庫を前に、何度も自問しました。「これは売っていいのか?」「ブランドを傷つけてしまわないか?」と。
でも同時に、こうも思ったんです。「品質に問題がないなら、使ってくれる人さえいれば救われるはず」だと。
リニューアル直後に滞留する——予期せぬ“在庫の谷”
今回のテーマは、100個のハンドメイド石けんが「パッケージ変更」によって滞留してしまった、という想定です。
クラフト感あるクラフト紙の包みに、1点ずつ手押しスタンプを施していた初期デザイン。そこに「ギフト需要にも応えたい」という理由から、上質な化粧箱+ブランドロゴ箔押しへとデザインを刷新。卸先の期待に応え、ECでの販促も強化して——と、新パッケージの商品に力を入れていたところまでは順調だったのです。
ところが、その裏で動きが鈍っていったのが旧パッケージ商品。特に卸先や店舗側では「どっちを優先して売ればいいのか?」と混乱が起こり、結果的に旧商品は“販売しづらいもの”として後回しに。結果として在庫の山が残されてしまいました。
「まだ使えるし、品質は保証できる。でも“今のイメージ”には合わない」——ブランド運営ではよくある悩みですよね。ましてや、商品数やSKUが少ないブランドにとって、こうした1アイテムの滞留は資金繰りに直結します。
セールも出品もできない“ブランドの矛盾”
焦りから、まずは定番の方法を試したくなります。
まずは期間限定セール。でも「新パッケージを定価で売っているのに、旧版をディスカウントしたらブランドイメージが崩れるのでは?」と自問して止まってしまう。かといってECで並行掲載しても「どっちを買えばいいの?」と混乱を招くリスクがあります。
「だったら寝かせておこう」と判断しても、自宅や倉庫の保管スペースは有限です。材料代も上がり、次のロットを仕込む資金も限られている——。どんなに思い入れのある石けんでも、現実は容赦なく、重荷としてのしかかってきます。
リニューアル直後に起こりがちなこの“在庫の谷”。短命アイテムやクラフト商品を扱うブランドにとっては、「避けようのない通過点」でもあるのです。
では、こんなときどうしたらいいのでしょうか?
「選ばれ待ちの石けん」という視点
もしあなたが、“ブランド価値を守りながら”この石けんを届けたいと願っているなら、OEFのような仕組みが役に立つかもしれません。
OEFは、「賞味期限が近い商品」「パッケージ変更品」「販路を失った商品」などを、“エシカル消費”の視点で再流通させるためのECプラットフォームです。しかも、閲覧は誰でもできるのに、購入は“選ばれたサブスク会員限定”という設計。つまり、あなたのブランドイメージを崩すことなく、「背景に共感してくれる人」にだけ商品を届けることができるのです。
たとえば今回のような旧パッケージの石けん100個も、「リニューアル前に愛用していた方」や「成分に惹かれる方」「サステナブルな選択を好む方」には、むしろ特別感のある限定品として映るかもしれません。
“売れ残り”ではなく、“選ばれ待ちのアイテム”として届けること——その視点の転換こそが、OEFの仕組みがもたらす大きな価値だと思っています。